終末のエリュシオン

tobu_neko_kawaii

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一話 その教師、最弱にて

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 この武術国家デサリウスは、大きく分けて三種類の学生がいる。

 一つは武闘科、武闘を学び、将来外獣と戦うために鍛錬する。

 ブリンガル王家に仕えることでを栄誉とし、宝剣を授かれば英雄とまで称される。

 もう一つは術科、術師になるために術を学び、同じく外獣と戦うために鍛錬する。

 王家に仕え、法具を授かれば英雄と称され、歴史に名を刻む。

 最後は一般科であり、幅広い化学や科学、経済に農業、建築や調理といった分野を学ぶことで、王家に仕え、将来歴史に名を刻む者も少ないながらも現れる。

 それらの割合は三割二割五割といった割合で、主に才能によってその比率に分かれている。

 そして、彼ら全員が学ぶ学園は一つに限られていて、デサリウス国立学園のみが学生の集う場所になる。

 未来の宝剣法具保持者候補たちの中で、少年少女たちは日々武術を学ぶ。

 そんな学園の教師ともなると、ある程度の武術に秀でた者しか選ばれることはない。

 だがしかし、どんなものにも例外というものはある。

「先生!先生!リューイ先生!」

 学園の中の保健室のベットに、慌てて駆けて入ってくる眼鏡をかけた胸の大きな黒髪の女生徒が一人いる。

「あらあらどうしたのクノハ委員長ちゃん」
「セリシアス先生!」

 セリシアス・ベザリー、学園の保険室にいる女医。

 クノハ・ミスイは武闘科の生徒だ。

「リューイ先生来ていませんか?」
「リューイ先生?まさかまた寝てたりするのかしら」

 そう言って顔だけでなく全身をクノハに向けたセリシアスは、そのクノハよりも大きな胸を揺らして立ち上がると、カーテンに遮られた保健室のベットを覗き込む。

「……いたわよ、委員長ちゃん」

 そう言われたクノハは、そのカーテンを勢いよく開けて叫んだ。

「起きてください!リューイ!先生!」

 灰色髪はボサボサで、その頭をゆっくりと起こして、ぼやけた目であくびをする男は、教師の服を身に着けているがまるでやる気のない様子で言う。

「あと、三時間延長で」
「もう授業は始まってますよ!」

 そう、四限目にあたる武闘訓練の担当教師である彼は、本来なら訓練場にいるべき時間なのだが、時々こうして保健室で寝坊することがある。いや、毎回の事に最近ではなった。

「……委員長、俺の代わりに教えてあげてくれる?」
「無理言わないでくださいよ!私は生徒でしかないんですから!」

「大丈夫だよ、基礎錬と組手であとは任せた」

 バタっとベットに倒れた彼を引っ張るクノハは、無理矢理に連れ出す。

「委員長、内気勁使ってまで連れて行くのかい?」
「連れて行かないと!私が!みんなに!怒られるんですよ!」

 三年の武闘クラスの委員長であるクノハは、駆け足で彼を訓練場に連れて行く。

 そうして彼女が連れて行かないと、彼は以前授業を休んでしまったことがある。

 やる気がない、いても生徒を見ない。

「……先生って臨時ですよね?そんなので本採用されると思っているんですか?」
「ふぁ~、本採用ね……興味はないかな。好きでここにいるわけじゃないしな」

「そ、そうなんですか!」
「ああ、本来採用される人が病気でしばらく動けそうにないからって、清掃に応募していた俺が急遽教師にね」

「……」

 呆れて声も出せないクノハは、思わず手に力が入る。

 内気勁で体を強化している彼女のその握力に対して、彼は相変わらずあくびをしながら引き摺られるままになる。


「お、ようやく来たみたいだぜ」
「先生また保健室にいたの委員長?」

「うん」

 そうして合流したのは三年下級組。

 学園は三年制で、クラスは上中下に別れている。

 その三クラスに分かれている理由は、単純に実力であり、模擬戦闘の勝利回数によってクラス分けされている。

 この下級組みは、最高で二勝しかできなかった者たちになる。

 つまり、三年で最弱クラスなのがこの組に当たる。

「先生!俺と模擬戦しようぜ!」
「……別に構わないけど」

 教師は基本生徒と模擬戦の相手をして、その実力に応じた指導をするのだが。

「行くぜ!外気勁!空刃斬!」

 溢れる外気を操り、蹴りと同時に刃の様に放つ。

 この程度の攻撃ならば、教師であれば掻き消すか防ぐかするところだ。

「……ぐはっ」

 しかし、リューイはそれを防ぐことも掻き消すこともしないまま、体にもろに当たって訓練場の端に置かれた羽毛製の防護壁に打ち付けられて倒れる。

「やっぱり、最弱教師だ」
「弱すぎるぜ先生」
「リューイ先生マジ弱」

 笑われるリューイはムクリと立ち上がると、そのままテクテクと訓練場を出て行こうと歩き始める。

「先生!どこ行くんですか!」

 クノハはすぐに声をかけるが、彼は痛がるように顔を歪める。

「打ちどころが悪かったようだ、俺は体調がよくなるまで寝てるから委員長、後は頼んだ」
「はぁ!?」

 そうして立ち去る彼を誰も気にはしない。

「せ、先生!」
「やめときなよ委員長。あんな最弱教師いなくても変わらないわよ」

「……でも」

 彼は日々こんな感じで、やる気なく、できれば一生寝て過ごしたい、そう考えている。

 たとえ教師がこうだとしても、彼らは気にしない。大事なのは自分自身の将来で、このまま学園を卒業すれば間違いなく落ちこぼれのレールに乗り、一生安月給で暮らしていく。

 名誉や誇りも無しに、ただただ安い給料のみを求めて生きていく人生。

 今、目の前をトボトボ歩く最弱の教師の様になりたくはない、なるはずがない。

 それぞれにそう思いながら各々勝手に訓練する。

「みんな!ちゃんと先生の言った訓練しようよ!」

「何言ってんだよ委員長。それやってもあんなんになるだけだぜ?」
「そうそう、あれにはなりたくないよな」

 先生はあんなんだけど、前に教えて貰えた訓練は間違いなく私たちに必要なこと。

「内外気勁の基礎訓練なんて、こんな時期にできるかよ」
「技の修練だぜ絶対」

 違うの、先生は言ってたよ。

 『お前らはあれだ、蛇口が錆びてんだよ。いくら内気勁を練ろうが、外気勁を練ろうが、その瞬間絶対量が限られるから、いつまで経っても技に力が乗らないんだよ』

 そんな先生の話も、最初から誰も聞くこともしない。

 でも私は毎日真面目に先生の言葉通りに訓練したから、今このクラスでも二位になれた。

「よう、委員長」
「メルグスくん」

 その男は三年下級組一位のメルグス・アウグスだ。

「俺と模擬戦しようぜ」
「……い、いいえ、結構です」

 怖い、戦うことが怖い、いくらこのクラスで二位の実力になっても、メルグスくんには勝てない。いいえ、男子には私は勝てない。

 胸に執拗に掴みかかったり、顔を埋めたり、組み伏せて厭らしいく見下ろす彼らに、私はもう心で負けているから。

「そう、今度また先生に頼んで模擬戦の組み合わせでも作ってもらうか」
「な!」

「それだったら逃げられないよな?委員長はさ」

 厭らしい、考えも視線も行為も全てが厭らしい。

 訓練用の服さえも、誰かの厭らしい考えで作られているのだろうって考えてしまう。


「先生、私、武闘科に向いてないんですかね……」

 保健室で寝ているリューイにそう話かけるクノハは、制服でさっきまで着ていた訓練用の服をカバンから出して言う。

「この訓練服、絶対胸を強調させるための構造ですよね……」

 彼女のそんな言葉に彼は全く反応しない。

「先生も、この服着てる女の子には厭らしい気持ちになるんですか?」
「ならないね」

「え?」
「はっきりいってその服は確かに不要な箇所があるけど、正直どうでもいいよ。ただ格好がどんなのだろうが、戦いにおいて相手が油断するのなら、それさえも利用すればいい」

 初めて反応を示したリューイに、クノハは思わず質問する。

「先生、私男の子と戦うのが苦手なんですけど、どうしたら勝てるんですかね……先生の言う通りに内気勁の訓練もして自分では強くなったつもりなんですけど……」

「……内気勁において活性化させるのは肉体だけじゃない。視覚を含む五感さえも研ぎ澄ませることができるんだ」
「……五感ですか?」

「触れられたくない、組合たくないなら、させなければいい。重要なのは見て避けて、一撃で倒すことだ」

 その言葉にクノハは自身の訓練服を見つめる。

 そして、何かを決意した様子で彼に言う。

「先生、明日、模擬戦をしたいんです」
「……相手は?」

「メグルスくんです」
「メグルス・アウグスか……ま、委員長なら勝てるだろうな」

「はい」

 そうして彼女は保健室を後にする。

「眼鏡巨乳な委員長が、俺の視線に嫌気がさしたのかと思った」

 そう呟くリューイは、そのまま再び寝息を掻き出す。

 翌日、珍しくリューイは訓練場に生徒たちより早く到着していた。

 ボーっとしながら授業が始まるのを待っている彼に、周囲の生徒は二ヘラと笑みを浮かべて声をかける。

「何張り切ってんすか先生!」
「今日はいつもより早いお出ましですね、先生」

 最弱なのに、生徒より弱いのに。

 そんな視線の中で、彼はアクビをしながら授業の開始を待っていた。

 女子たちがジャンプする運動をしだすと、男子たちは自然と揺れる胸に視線を向ける。

「ヘレナのでかいな」
「ユファもでかいぜ」
「いやいや、やっぱり委員長だろ」

 いつもは視線を気にして飛び跳ねないクノハも、その日ばかりは念入りに準備をしている。

 そうして授業開始の鐘の音が鳴り終わると、リューイは生徒たちに向けて声をかける。

「今日は順位変動込みの模擬戦だ、組み分けは済ませたから各々準備しろ」

 そう言って彼から手渡された組み合わせを見て、それぞれに声に出して驚く。

「これ、女子対男子の構図か?」
「え~やだぁ男子となんて」

 女子が嫌がる理由は、クノハがリューイに話したことと同じで。

「先生マジでいいの?これ俺ら特だぜ!」

 リューイは不敵な笑みを浮かべて言う。

「俺は先生だからな、生徒の望みは叶えたいと思っている」

 もちろんその真意はクノハの望みに限定されている。

 それを汲み取ったクノハは、リューイを見て頷いた。

「……最初はクノハ・ミスイ対メグルス・アウグス!」

 訓練場にそれが響くと、二人は中央の線引きされた位置へと移動する。

 互いに対峙すると、メグルスはクノハの胸を見て二ヘラと笑みを浮かべた。

「逃げられないぞ委員長」
「……」

 順位変動のある模擬戦では、制限時間かどちらかが背中を地面か壁にぶつけた場合のみ決着が決まる。それまでは互いにどういう状況だろうと試合は終わらない。

「泣いても時間いっぱい楽しむからさ、委員長」
「……」

 睨み付けるクノハだが、内心は怯えていた。

 怖い、怖い、怖い。

 震える手で必死に握り拳を作る彼女に、リューイは声をかけた。

「本当の戦いは命がけだ!甘ったれるな!」

 ビクっと全身が反応する生徒たちは、すぐに口々に漏らす。

「最弱が何を言ってるんだか」
「命がけの戦闘もしたことが無いくせに」

 そうヘラヘラと笑う者たちの中で、クノハは自身の震えが止まっているのに気が付く。

 そっか、これは模擬戦で、命がけじゃないから、だから……分かったよリューイ先生。

 彼女は腰を落とし、基本に忠実に構えた。

 対するメグルスも浅く構えると、その構えから外気勁を扱う者だと分かる。

 学生の中には外気勁を扱う者が多い。それは、宝剣保持者が全員外気勁を扱う者だからということが大きく関わっている。

 内気勁を極めれば必然的に外気勁からは遠ざかり、逆もまた然りであるため、人はどちらかを選ぶ。

 そして、外気勁と内気勁の大きな違いは、遠距離か近距離かである。

 外気勁は周囲の気を扱い放つことができる時点で、接近して攻撃する必要のある内気勁に勝る。だが、内気勁は練度が全てではなく、練度と知識と経験がものをいう晩成型の能力だ。

 この二か月、臨時教員としてリューイがやって来てから、彼の言葉を信じて訓練してきたクノハは、自身の才覚のみで力量を伸ばしたメグルスとの力の差は大きく変化していた。

「始め!」

 リューイの言葉に対して、メグルスは外気を集め始めた。

 その右手に外気を集めて、攻撃して怯んだクノハの体に組み付く。

 そんな考えに笑みを浮かべた彼は、次の一瞬に時が止まったと錯覚してしまう。

「は?」
「内気勁!縮地!掌勁!」

 内気勁により活性させた身体により、縮地という歩行移動法によってメグルスとの距離を縮めた。そして、掌勁とは内気勁を手のひらに集めて一点に一度で放つ攻撃である。

「ぐはっ」

 その一撃は、メグルスの意識を刈り取るには十分だった。

「……や!やった!」

 笑みを浮かべたクノハに、周囲は驚きを表して、リューイは口元に笑みを浮かべた。

「勝者!クノハ・ミスイ!」

 わっと歓声とともに、クノハに駆け寄る女子たち。しかし、クノハは素早くリューイのもとへ移動すると抱き付いて更に生徒たちは驚きを露にした。

「やった!やったよ!先生!」
「……よしよし、よく練られた内気勁だったな、見事な掌勁だったぞ委員長」

 無防備に抱き付くクノハに、女子たちはもちろん男子たちも驚いている様子で。

「委員長、あんなにリューイ先生に抱き付いて」
「羨ましい!おっぱいがっつり当たってるし!」
「てか、あのメグルスが委員長に負けたってことが驚きじゃない?」

 そうして、目覚めたメグルスにリューイは先生として告げる。

「あれ……俺……」
「メグルス・アウグス、順位変動により二位に降格」

「……は?」
「よって、来週に控えたクラス変動戦にはクノハ・ミスイが参加することになる」

「ま、待ってくれ!もう一度もう一度戦えば!」
「……次回まで待て、次回があるだけましだと思うことだメグルス」

 リューイがそうして話している間も、クノハは女子たちに囲まれてどうやって強くなったのか声をかけていた。

「どうやって強くなったの?」
「先生のおかげだよ」

「え?リューイ先生の?」
「そう、就任した時に言ってたでしょ、内外気勁のコツと伸ばし方。私ずっと鍛錬してたからこうして強くなれました」

 その後、模擬戦は続いて、メグルスの二の舞を避けようと、男子たちは意外と手を抜かずに戦い、一部女子生徒は委員長と同じくリューイの助言を実施していて勝利を収めて順位を上げた。

 そうして、女子たちの中にはリューイの教えを受ける者が増え、男子も負けたくはないからと、彼の言葉に耳を傾けるようになる。

 そうしてリューイは、少しだけ先生として見られるようになった。だがしかし。

「セリシアス先生!」
「あら、委員長ちゃん」

「先生来てませんか?」
「彼なら今日は見てないけど」

「もう!また授業が終わっちゃいますよ!リューイ先生!」

 彼のサボり癖は相変わらずで、クノハは今日も学園内を探して駆けまわる。
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