上 下
6 / 48

3話 家一軒にドジっ娘とロリッ娘だと!

しおりを挟む

 北の町、名前はラルンスといい、俺と柚夏奈が彷徨った森にはこの町へと進めないようにする人払いの呪文がかけられているそうだ。

 ペノーが一緒にいることでようやく町へ到着することができたが、柚夏奈はまだ彼女を全裸にしてしまったことを反省している。

 この町はペノーが言うには元エルフの隠れ里の一つらしく、俺はエルフが耳の尖がった美麗美男な種族なら、柚夏奈もそこまで目立たないだろうと考えていた。

「エルフは一人しかいないみたいだよ、って言う私もあったことは無いですけど」
「ペノー、この町で王都で使っていたお金って使える?」

「使えますよ、この町には宿屋が無いので、食事か鍛冶屋か食材屋でしか使う道はないですけど」
「宿屋が無いの?ならペノーちゃんはどこで寝泊まりを?」

「ここです」

 そう言って視線で誘導されたのは、馬小屋の隣にある豚小屋の横にある犬小屋の後ろの屋根がある場所だった。

「や、屋根しかないけど……」
「はい、お金が無いので家も買えないし、荷物を馬小屋に置いてもらって昼間はここと森で食料を探して夜は馬と一緒に寝てって……あれ?柚夏奈さんどうしたの?」
「な、泣いてるの……あなたの境遇はきっと私が助けなきゃいけないの!色々な意味で」

 柚夏奈は再び罪悪感で俺にコソコソと相談してくる。

「このお金で家買ってあげようよ!ペノーちゃんが住める立派な家を!」
「はいはい、落ち着いてくれ柚夏奈、まずは色々町の人に話を聞かないとな」

 人払いの術が森に使われているのなら、この町に住むのは人ではない可能性が高い。

「さて、エルフかドワーフか、それともまったく別の存在か……」
「この町に住んでいるのは私以外はコルビット、猫耳に猫の尻尾の生えた人型の亜種族ですよ」

 ネタばれありがとう、ペノーちゃん。

 森の入口付近から町の中心へ向かうと、猫人と言える存在がそれなりの数いた。

「ん?ペノー、キノコ探しにでかけて人間捕まえてきたのか?」
「ちちち、ちがいます!恩人です!助けてくれたんです!」

「いいえ……襲ったんです、無垢な幼女を全裸にしたんです犯罪者なんです、ごめんなさい、すみません、もうしません」

 柚夏奈……いつまで引きずるつもりなんだろうか、反省している姿も可愛いからもう少しそのままでもいいけど。

 俺と柚夏奈のことをペノーが説明すると、猫人ことコルビット族の町の一番偉い猫のところへと案内してくれることになった。

「私がこの町の長であるコルビット族、アベノックじゃ」

 アベノ!……うっ既視感があるのは気のせいだよな。

「なんか総理って言われた方がしっくりこない?」

 くる、しっくりきちゃう。

「この町はラルンス、かつてはエルフが隠れ里にしていたが、今では我らコルビット族が住んでいる。というのも、エルフは人族との戦争で集結し殲滅されたためなのは誰もが知っていることだろう」
「へ~そうなんだ、俺たち異世界からこっちに魔王を倒すために呼ばれた奴らに巻き込まれてしまったためにこっちに来たんだけど」

「ほ~勇者パーティーが異世界から呼ばれる時に、魔法の範囲内にいたために巻き込まれてこちらに来た異世界人というわけですな」
「できれば当面はこの町を拠点に活動したいので、住む家と仕事を探したいんですよ、冒険者というのになれればと思ってます」

「この町を拠点にですか……住む家はすぐに手配できますが、冒険者になるには、人族の村か町でギルドに登録する必要があるのです。ここより北東にある村にギルドがありますのでそちらで手続きして下さればよろしいかと」

 俺とアベノックの会話が終わると柚夏奈が驚いた様子で俺に聞いてきた。

「すごい慣れてるみたいに話てたけど、なんかアルバイトでもやってたの?」
「ん?あ~オンゲーで昔ギルドの人事やってたからさ、俺がギルドに入れる時にこう言ってもらえたら絶対採用するのにって思うのが、そういうこと理解している人だったからね。採用される側の心得的なのは分かってるつもりだよ」

「すごいね、ゲームって……中毒者になって一生ゲーム世界を現実と錯覚するだけだと思ってた」

 柚夏奈の中のゲーム像が何かしらによって捏造されている気がする。

 そうして俺たちは空き家へと案内され、ペノーも一緒についてきた。

「人族は歓迎しますよ、でもここへ辿り着くことができた者だけです。時に人族には我々の子どもたちを攫う者もいますしね」
「善い人間と悪い人間っていますからね、でも、私はペノーちゃんの服を……悪い人間なんです」

「我々コルビット族の中にも善し悪しはおります、そういう者がいた時はすぐに知らせてください、こちらで対応しますので」

 俺たちが案内されたのは、森と隣接している建物で、北側の入り口からは遠いものの、森へは数歩で入れる。

「こんないいところ、いくらぐらいするんですか?」
「銀貨で24枚でお売りします、もとはエルフの家で魔法で劣化を防いでいますので、使わないより使っていただいた方がいいので」

「じゃここ買います、金貨で払っていいですか?」
「金貨ですか……すみません今銀貨の手持ちが無くて」

「何枚ありますか?」
「35枚です」

「ではそれだけ受け取って残りは後日ということでどうですか?」
「はい、わかりました」

 そうして俺と柚夏奈は家を手に入れた。

 家の中も綺麗でホコリすらなかった。

「立派な家ですね、やっぱりお金が全てなんですよね、私なんてまだ家無しだもんな~」

 柚夏奈さん、分かっているからその「何とかしてあげて!」って顔で見るの止めて、むしろキミを何とかしてあげたくなっちゃうから。

 俺はペノーの前で屈むと、彼女と目線を合わせた。

 いつの間にか自分の服に着替えてポンチョ(法衣)を身に着けたままのペノーに、俺はできるだけ優しく微笑んで言う。

「ペノーさえよければ一緒に住まないか?」
「え?……無理です!」

「ん?俺たちと住むのは嫌かな?」
「だって、お二人はこの家でエッチなことするんですよね」

 なななな何を言っているのかね!このロリッ娘は!

「ななな、何言ってるのペノーちゃん!!わ、私たちは清い交際をして……ってまだ付き合ってもいない……でも、責任はとってもらうんだから、もう婚約者ってことでぇ~え!だったら、そういうことも……起こりえる?」
「エッチなことをしている家に同居するなんて、そんなことできません!」

「……まず、俺たちはまだ子どもで今は生活するだけでいっぱいいっぱいだ、だからその、エ、エッチいことはしないからさ」
「ほ、本当です?」

 疑いの目を向けるペノーはどうやらエッチいことには敏感で、それがドワーフの性質なのかそれとも彼女個人のものなのかは分からなかった。

「私と太一くんはそういうことしないよ!するとしても外でするから!」
「え!するんです?!外で!」

 え!そうなの柚夏奈!

「……ごめん……なさい、今のは無しで……」

 なし!今の無し!耳を真っ赤にして顔を隠す彼女はもう、可愛いかよ!

「ペノーさえよければだよ、結局キミがどうしたいかが一番大事なことだからね」
「……わ、分かりました、私もここで暮らします!」
「本当に?!よかった~」

 柚夏奈も喜んでいるしひと段落、それにしても、幼女に家を与えることがこんなにも難しいとは思いもしなかった。

「わ、私は後妻ということで、だ、旦那様には将来的に尽くす所存です」
「へ~ペノーって7歳じゃなくて5歳なんだ……」
「ち、違いますよ!柚夏奈さんの後妻、側室です、太一さんの二番目の妻です!」

 このロリッ娘は今何と?

「太一くんの妻!私が!って!ペノーちゃんが二番目ってえ?どういうこと?」

 困惑した俺と柚夏奈に、ペノーはドワーフの女が男の家に住むことの意味を懇切丁寧に教えてくれたおかげで、俺と柚夏奈は理解はできたけど混乱は増してしまった。

「た、太一さん、不束者ですが、よろしくお願いします」
「……よろしくって……言われても」

「よろしく……してくれないです?」

「た、太一くん、わ、私は……いいよ、ペノーちゃんなら……」

 いやいや、その表情はいいよって表情じゃないよね!明らかに嫌だよね!

 俺は柚夏奈のために、ペノーの考えを改めてもらうことに四日かけて説得を続けた。

 その結果、彼女の後妻という考えは何とか無くせた。

「主様、新しい法衣ができました、奥方にお似合いの一品になってます!」
「ありがとうペノー、注文通り巫女服っぽいのができたね」

 俺の努力の結果、ペノーは後妻ではなく雇われの鍛冶士になり、柚夏奈は正式に俺の妻になってしまった。

 その所為か、最近柚夏奈と目が合うと、気恥ずかしさで互いに目を逸らしてしまうようになってしまったけど。

「柚夏奈、ほら、この法衣を使ってくれ」
「これ、太一くんのアビリティを付与してるの?」

「ああ、一週間なら消えないように工夫しているから」
「巫女さんみたいな色合いだね、かわいい」

 ああ、きっとそれをキミが着ればさらに可愛い!ほら可愛い!

「似合ってるかな、どう太一くん」
「似合ってるよ」

 似合い過ぎて!可愛いかよ!

「本当にこんな物でいいんですか、主」
「こんな物って、スロット5つある法衣なんて探しても簡単に見つからないからね。ペノーは本当にいい鍛冶士だよ」

 鍛冶士はスキルとして裁縫はもちろん、彫刻にも長けている。

「でも、アビリティが無いアイテムなんて、売り物にならないですよ?」
「そこなんだよな~、これほどにちゃんとした代物なのに、どうしてアビリティが付かないのか……」

 俺がペノーの持つ金槌に針や糸を鑑定する気になったのは、おそらく人を信用していないからではなく、可能性を模索したかったからだ。

「これ、金槌にも針にも糸にまで、妙なアビリティが付けてあるね」

「……主には鑑定士としてアイテムのステータスとアビリティが見えるのですね。私には全然です、何が付いているのでしょう?」
「ペシャンの呪い?ってなんなのか全くわからないけど」

「ぺ!ペシャンの呪い!そ、それはかつていた不遇の鍛冶士の名です!そのドワーフが持つ鍛冶のアイテムには、アビリティが付与されない道具に変わって、作り出すアイテムが全てノンアビリティになるという話を聞いたことがあります!」

「なら、この道具の所為だろうね、キミが作る物にアビリティが付かないのは」

 誰から貰った物かは想像がつく、きっとあの店の他の鍛冶士おそらくは親方だろう。

「これ、全部私の父の形見なんです!」
「って親父かよ!あ~親方さん……疑ってしまってすんません」

 彼女の才能をやっかんだ鍛冶士って思ってたけど、そりゃ、こんなロリッ娘幼女に酷いことする人いませんよね。

「っぐ……分かりました。この道具たちは……質へ出します!」
「いやいや、そこまでしなくても」

「出します!私を守ってくれるどころか!私の人生をめちゃくちゃにしてくれた道具です!」
「だけど、その道具のおかげで俺たちとペノーはこうして一緒に暮らせるようになったんだよ?」

「そうでした!大切に保管しておきます!」

 心変わり早!

「でも、厳重に注意事項として使うな!呪われているぞ!と記載しておきます!」

「いや、俺はその道具で装備とか作って欲しいんだけどな」
「はい!作ります!主に言われた時だけ!」

 あの道具ありきじゃないと、スロットが5つで開いている物なんて少ないだろうしね。

 その後、ペノーが作った剣はアビリティが3つ付いたAクラスのペノーソードが完成した。

 どうやら、アイテム名は作った人の名前が由来らしいと分かったのはこの時だ。

 俺たちが暮らすようになった家には3部屋あって、一部屋がペノーとその道具たちで占領され、もう一部屋には俺と柚夏奈が一緒に使うことになった。

 もう一つの部屋はリビングとキッチンになっていて、というか無理矢理にキッチンにしたというか、その理由がエルフにはキッチンという概念が無かったからで。

 外に大釜があることから、集団で同じ料理を作って食べるのがエルフの風習らしい。

「食中毒なんてことになれば、全滅必至だな」
「ん?何か言った太一くん」

「独り言だよ、ごめんな」

 衝立を挟んで部屋は共有、家の構造上仕方ないけど……興奮する。

「なんか、ドキドキするね」
「そ、そうだな」

 別の女の子と相部屋だったら気にしないと思うけど、柚夏奈は俺のことちゃんと男として見てくれているから余計にドキドキしてしまう。

「ね、太一くん……」
「ん?どうした柚夏奈」

「お風呂が無いけど……どうしたらいいんだろう」
「ああ、それならアビリティで……」

 いや待てよ、アビリティで身を清潔に保てるだろうけど、ここは一つ手間をかけるのも手の内の一つか?

「ね、どうしたの?太一くん?」
「う、あ~、そうだ、ペノーに大きな桶作ってもらってさ、井戸も使い放題だしお湯は沸かせられるから」

「そっか、じゃ、どこで入るの?」
「部屋は濡れるとあれだから、キッチンはあれだし……外とかかな」

「……冗談だよね?」
「え?」

「冗談だよね?」
「いや、外って可能性が」

「可能性も無いはずだよね?」
「……(な、何だこのプレッシャーは!)」

「無いよね?」
「無いですはい、キッチンの前でいいと思います」

「だよね!冗談だと思った!」

 想定していたよりも、柚夏奈さんの常識的な考えの圧は強くて、お外でペノーに衝立を置いて貰ってこっそり覗く作戦が日の目を見る日は無くなった。

 その後、外に風呂場をペノーが一日で増築していて、キッチンで柚夏奈が入っているところに鉢合わせてキャ!ってイベントも消え去った。

「ゆ、優秀過ぎるぜ、ペノーちゃんよ……」
「せっかくだから三人で入りましょう!主!」
「だ、ダメだよペノーちゃん!私と太一くんだけならまだいいけど、ペノーちゃんと太一くんが一緒に入るのはダメ!」

 え?今、混浴でもいいよって聞こえた気がする、言ったよね柚夏奈さん?……いや、気の所為?

 こうして俺と柚夏奈は新たな同居人、ロリッ娘ドワーフのペノーを加えて新生活をスタートさせた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

何故、わたくしだけが貴方の事を特別視していると思われるのですか?

ラララキヲ
ファンタジー
王家主催の夜会で婚約者以外の令嬢をエスコートした侯爵令息は、突然自分の婚約者である伯爵令嬢に婚約破棄を宣言した。 それを受けて婚約者の伯爵令嬢は自分の婚約者に聞き返す。 「返事……ですか?わたくしは何を言えばいいのでしょうか?」 侯爵令息の胸に抱かれる子爵令嬢も一緒になって婚約破棄を告げられた令嬢を責め立てる。しかし伯爵令嬢は首を傾げて問返す。 「何故わたくしが嫉妬すると思われるのですか?」 ※この世界の貴族は『完全なピラミッド型』だと思って下さい…… ◇テンプレ婚約破棄モノ。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

処理中です...