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第二話 ゲームじゃない♪ゲームじゃない♪ホントのこ~とさ♪

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 猫として目覚めた俺は、ウンコと呼ばれて友だち?かもしれない猫を助けるために巨大なヘビと戦い倒した。

 その後動けるようになったタマキンことタマタマニギニギしちゃう猫と、タンスことタンツと一緒に巨大なヘビを運ぶことになった。……え?ニギニギじゃない?タンゴだって?もうタマキンでいいじゃない。

「いや~驚いたべさ~、ニャーが寝てる間にウンコやろうがベルガモガ倒しちゃうとはな~」

 いや、驚いたのはこっちだから、お前の話方の癖がスゴイ!あと、ウンコに野郎を付けるとか……まじコロ――。

「いや~ウンコはいいハンターになっちまったな~、もう戦士ではないな~」

「……タンツ、戦士とハンターは違うのか?」

「んだ、戦士は里で狩りをして働く掟だ、けど、ウンコやろうは里を出てハンターとして人間たちと一緒に世界中のモンスターを狩らねばならない掟だ~」

 おぉ!ゲームの始まりのイベントだったのか!里を出て行く理由ができるイベントで!人がいる街へ出てハンターになる!

「待ってました!ようやく安心して進めるな!」

「ん?急にどうしたんだウンコ。それよりもタンツ!お前ちゃんと持てよ!ずってんぞ!」

「あ~本当だぁ~」

 俺は、里という場所に行けばセーフゾーン判定でようやくチュートリアル終了なんだなと思っていた。

「腹も空いたし、ログアウトして飯にでもすっかな~」

 そう、もうかれこれ三時間ほどダイブしているわけだけど、もうそろそろログアウトして夕食にしたいところだ。いつものコンビニ弁当で今日は半額ではなく豪華にワンコインだ。

 そんな事を考えている時期が俺にもありました。猫の里に着いて、歓迎され、称賛され、宴に、猫猫猫猫猫猫!俺は真顔のままじーとイベントの進行を待って約三時間。

「や、やっとセーフゾーンだ~」

 猫である俺の家、そこのベットに横になって一息ついて試行錯誤した。だけど、ログアウトに関してはどうやってもできなかった。

 ログアウトできない緊急事態、それでも眠気のままに俺は眠りについた。

「お~い!ウンコ!朝だぞウンコ!」

 どこのどいつだ!朝っぱらからウンコウンコと!俺はタルマスグドラゴン討伐の最中だったのに!

 夢見心地の寝起きに、目の前に猫が仁王立ちしている図。

「猫だ!猫が立って喋ってる!」

「今更何言ってんだ?記憶喪失といい、ウンコは変わっているな」

 そうだった、俺はゲームからログアウトできないまま寝てしまったんだった。そしてウンコというプレイヤーネームを強要されている、まさに地獄。

「旅立ちの時だな兄弟」

 急に兄弟ってどうした?ウンコって言い過ぎたのか?

「どうしたんだタマキン」

「タマタマ・タンゴだ、たく……昨日みんなでお前の送別式をしただろ?ほら、これがお前のハンターとしての最初の武器と防具だ」

「ニャーの武器と防具?」

 そこには、ゲーム定番の鱗の防具一式と牙を加工したような武器が二本置いてあった。

「お~!これは昨日のベルガモガの素材装備だな!へ~胴体と腕と腰回りと足を守る防具に、牙の短剣二本か!」

「ウンコが双剣使いだと長が認めてくれたからな!」

 なんでもいい、ログアウトに関しては不安だけど、こうしてハンターとして生きて死ねるなら本望というものだ。会社には迷惑かけるだろうし、両親にも迷惑かけるし、大家さんには一番迷惑かけるだろうけど。

 俺はログアウトできないまま、脱水症状で死ぬだろうと覚悟を決めた。自動ログアウト可能な高額のハイスペックのフルダイブ機器ならこんなことにはならなかったけど。

 どうしてここまで割り切れるのか、それはここまでの知識を整理してみると、ふと一つの可能性も浮かんでこなくもないからだった。

 “異世界転生”だ。そう思う理由の一つに、これがゲームだとしたらリアルすぎるという点。そして、数百時間をフルダイブに費やしたからこそ分かる感覚の問題だ。

 尿意があることや性欲があること、女(猫だけど)が体に触れられること。オフラインゲームでもHIL、というかフルダイブ系のゲームはおさわり禁止なのだ。もちろん女の子がオチンに触ることも禁止である。

「しかし勿体ないな、ウンコと交尾したい雌はいっぱいいたのにな」

 お前!ウンコって前提で話すと狂気沙汰になるからやめろよな!

「でも猫だしな……猫に興奮できるはずもないし、そもそもしたくないからな」

「へ~ウンコは人間としたがるやつだったか。だったら街からハーフを連れてきとけばよかったな」

「ハーフ?」

「ニャーたち猫人と人間のハーフだ、人間の姿に耳や尻尾が付いてるのさ、ニャーの好みじゃないけどな」

 なんですと!猫耳っ娘がいるですと!

「そう言えば、ニャーの尻尾がないんだけどなぜに?タマキンも尻尾ないよな」

「タンゴだ、ニャーとかウンコとかタンツとかは狩り人だからな、尻尾は成人の儀で切ったんだよ」

「まじでか!」

「そうでもしないと、敏感過ぎて戦い中に気絶もあるかもだし、噛み千切られたら出血死する可能性だってあるからな、大きくなる前にチョキンだ」

 わ~生々しい。ん?生々しいと言えば、昨日のベルガモガの死体の解剖が超リアルだったのもここがゲームじゃない理由の一つだな。本物としか思えないグロさを狩りゲーで再現する必要はないしさ。

「は~マジで異世界転生なのな~」

 感動も何もない、なぜなら未だに現実味を感じていないからだ。

「ウンコ、いつまでいるんだ?早く出ないと女たちがついてっちまうぞ」

 ウンコがいつまでもいるって便秘ですか?出ないと女がついてくるってもはや意味不。

「……短い間だったけど、世話になったな……タマキン」

「……ニャーの名前は」

「タンゴだろ?分かってるよ」

 少し寂しい感覚で、俺は荷物をまとめて掟とやらに従って里を出た。色々あったけど、一番印象に残ったのは里長の名前が“チンチン・ポコ”だということだ。

「ふっ、とりあえず理解できたことが一つある……ここは」

 ゲームの中じゃな~い!

 どうしてこうなったのだろうか、死んだ覚えもなければ生まれてからの記憶もない。人間だった頃の最後の記憶は、賞味期限切れの缶詰を開けて食べたことだけど、まさかそれが原因で死ぬはずもないし。

「どうしてこうなったかな~」

 そんな事を言いつつも少しだけ口がにやけてしまう。たとえ猫の姿だろうと、異世界だろうと、ウンコだろうと、俺は夢にまで見たハンターとしての生活をスタートさせることができるのだ。

「……わくわく、だけど、人の前でウンコだのニャーだの言ってられんな……」

 俺と言おうとするとニャーになるわけだから、まずは吾輩とでも言ってみるか。前に言えた気もするけど、その時は自分の呼称ではなかったしな。

「んっ吾輩は吾輩である名前はウンコじゃない~」

 よし!吾輩はニャーにならないぞ!俺は今日から吾輩と一人称を改めよう、人の前だけは。

「あとは名前だな、となるとアレを使うか」

 俺がプレイヤーネームとして愛用していた名前。

「吾輩はハンゾウだ……ハンゾウだ」

 悪くない、猫の姿もあってかなりしっくりくる。あっハンゾウさんの名前が猫っぽいってことではないですよ、ええ本当に。

 ベルガモガの討伐をした森の名は、“深緑の森”と呼ばれる猫人のみが入ることを許可されている領域であることはタンゴから聞いた。

 その森の西の端にあるのが猫人の里で、そのさらに西に向かうと街道へ出ることができ、その北にはブラントール領、南にアンデールセーン領があるらしい。

 俺が向かうのはブラントール領の南部の街コブカレアだ。猫人はそこでハンターとしてギルドに登録することができる規則らしい。

 猫人の中でハンターになれる者は稀で、かつては古代種のモンスターを猫人のハンターが討伐したらしいけど、今では人間のハンターの方が強いとされている。

 しかし、人間のハンターが古代種のモンスターを倒した歴史はなく、実を正せば猫人こそが最強のハンターらしい。

 ならどうして猫人のハンターが稀なのか、それがあのベルガモガが原因だ。ハンターとなる条件はベルガモガを討伐するか、もしくは同等の獲物を倒すことが必須なのだ。

 腕力はあれど体躯が小さい猫人は長剣・大剣・野太刀が使えない猫人にとっては大きな壁になる。そんな掟を作ったのもそもそもハンターではない猫人の先人だとも聞く。

「腕力があるけど体に合わないから短剣を持つことが当たり前になっているんだろうな、でも俺はそんな事は気にしない」

 俺にはHILの知識がある、似たような世界ならこのベルガモガの牙の武器はベルガモガ自身の鱗をも貫ける。勝手な思い込みではなく、実際この武器でベルガモガの鱗は貫通できたんだ。

「コブカレアに着いたらまずギルドへ入って里長……チンチンの紹介状を……ぷっ」

 道中陽気な笑い声を出してしまったのはその時だけではなく、度々思い出しては笑わせてもらった。ありがとう!里長。

 道なりに北上していくと、明らかに高い壁に囲まれているであろう構造物が視界に入ってくる。それが徐々に近くなるとかなりの大きさになって思わず声を上げる。

「でけ~」

 猫人の俺の身長はせいぜい1メートルほどだ。入り口らしき大門で商人らしき集団の横を通り過ぎる時に初めて人をみたけど、元いた世界とほぼ変化はなかったように思える。

 あれ?何か違和感があるな、そう思った時それを見つけた。尖った耳に突き出た胸!アレは間違いない。

「ものほんののエルフだ……」

 そう言えばそんな話は一切里ではしてなかったな。今更ながらもう少し念入りに話を聞いておくべきだったかもしれない、そう思って里を懐かしんだ。でも、思い返すと“ウンコ”を連呼されていたから、もう二度と戻ったりはしないと再度決意を固めることになる。

 街中を歩いていると周囲の視線と声が徐々に増え俺も自分が注目されているのだと分かってしまう。

「おい見ろよ」

「猫人じゃん珍しいな、しかも全身鎧ってことはあれは試練を突破したハンターってことか?」

「ここ最近では数十年ぶりじゃないか?猫森の大蛇を討伐はキツイからな」

「一人ってことはソロで討伐か……すごいな」

「……チンチンとかタマタマとか名乗るんだろ……ぷっ」

「おいおい名前に関しては触れんなよ、笑っちゃうだろ……ぷ!」

 やっぱチンチンタマタマニギニギしてるのは変だよな!しかも俺の名前“ウンコ”だし!

「おっといかんいかん、吾輩の名前はハンゾウだった」

 クールで強い猫人を目指すって決めたんだった、危なく緩んだ顔でギルドに入るところだったぜ。

 石畳を革靴で歩く猫人は俺一人で、他の猫人たちはほぼ全裸でいるようで、こんな鎧と短剣二本を腰に持っていたらそりゃすぐにばれるよな。

 それにしてもこの街はずいぶん立派だった。時計塔が中央にあり、その時計の下には巨大な鐘が置いてあることから正午か夕暮れを鳴らし示すのだろう。

 行きかう押し車の数もそうだが、人と露店の数も凄い。人間に関しては武具を装備している者が多く、全員がハンターなのかは分からないけど、もしそうだとするならよほどハンター稼業は儲かるとみた。

 ただ今は街の様子とかどうでもいい!俺はこの武器を早く試したいのだ!

 猫人の里近くに現れるモンスターは少ないうえに弱いときて、この双剣を振るう機会はこの道中に一切なかった。

 だが!俺はこれからハンターとなり!モンスターと対峙して討伐し!素材を手に入れて新たな装備を作る!

「ま、そうするにはモンスターの知識とかその他もろもろの知識がいるから、狩りに割ける時間も限られてくるわけだけどな」

 とにかく今はハンターとして一歩前進する時なのだ。そんなことを旨に懐き、俺はギルドと書かれた看板のある建物へと足を踏み入れた。

「一番受付が冒険者用依頼申し込みとなっております!二番受付にて冒険者様の登録や依頼の受注が可能になっていて、三番受付で依頼報告や報酬受け取りをしてください!」

 お~受付嬢さんおっぱい大きいですね。

「あの」

「はい!……あっ下でしたか、ギルドに御用ですか?」

「はい、ハンターの登録にきました、これ、里長の紹介状です」

「え!猫人さんのハンターですか!……ハンターの受付は右の端のみとなってます、直接向かっていただいて受付に声をかけて紹介状を手渡して下さいね」

「はい、ありがとうございます」

 美人で愛想が良く、そして大きい……最高の受付嬢だな。受付にいないからギルドのお姉さんと呼ぶべきか。

 俺はお姉さんの言われた通りに奥へ進むと、何とも言えないボロくなった受付に“ハンター受”と途中から破れて読めなくなった紙が貼られていた。

「あの~」

 恐る恐る声をかけると、中から「みゃい!」と大きな可愛らしい声が聞こえてきた。

「……あれ?」

 受付の高さは俺の目線と丁度で、いくら待っても誰もいない。しばらくすると唐突にうさ耳がフェードインしてきた。

「お待たせしみゃした、みょう少しおみゃちくださいね」

 おぼつかない話方をするうさ耳は、何かをゴトと音を立てて一瞬消えると、ガバッと勢いよく顔だけをカットインさせる。

「私が――受けちゅけの――ミュウでしゅ――」

 何か台を置いて乗ればいいのに、彼女は必死にピョンピョンと跳ねながらちょこちょこ顔を出して話す。手前のゴトって音は何だったのか、それに関しては謎のままだ。

「今日は――何の――御用でしゅか――」

「……(カワイイかよ)ハンター登録をしにきました」

 俺がそう言うとさっきまで跳ねていたカワイイ物体が、うさ耳だけだして話だす。

「少々おみゃちくださいね、ママ~ハンターサントロースだって」

 いやいや!登録だからね!カワイイからいいけども!

 その声にすぐ腰辺りまでハッキリ見えるうさ耳の女性がやって来る。

「すみません娘が勝手に対応してしまって」

「いいえ、可愛らしい受付さんでしたよ(キリっ)」

「改めてお伺いします、私が受付のアミュです、今日は何の御用ですか?」

 お母さんの仕事を見てミュウは真似てたんだな~カワイイ。そしてお母さんもカワイイですね、お胸が大きいし。

「ハンター登録しにきました、これが紹介状です」

「はい、確認いたしますね……、……そうですか」

 あれ、何か声のトーンが。

「昨今、モンスターの脅威度の低下と出現率の低下で現在ハンターはあまり依頼が無く、時折難しい依頼が入ってくるのみとなっています」

 へ~そうなんだ、つまりハンターとして食べて行くのは難しいってことですね。

「最近はハンターより冒険者が人気なんですよ、護衛依頼に採取依頼、討伐依頼もハンターより冒険者へって方が多いんです」

「それでもハンターって職業が残っているのには訳があるんですよね?」

「……そうなんです、ハンターの討伐依頼は赤札、冒険者への討伐依頼は青札、赤札は危険性大で青札は危険性が低いものなんです。命がけでハンターをする人は今はもう数えるほどしかいません、その上依頼報酬も少ないので不人気で」

「それでもハンターがいなくならないのはやはり“倒したモンスターの素材”目当てってことですよね」

「はい」

 その仕組み、いや設定はHILのものとまったく一緒だ。

「赤札の付く依頼は常に強力なモンスター討伐となってます、討伐したモンスターの素材は討伐した人のものです。解体もギルドが派遣してくれるので、一度ハンターとして慣れてしまえれば冒険者の数倍の利益を得られます」

「つまり、稼げる奴は稼いでるってことですね!」

「ええ、このギルドでもお一人だけハンターをしている人で赤札を定期的にこなす人が一人います。“銀髪の騎士姫”と呼ばれる方でハンターランクはA級ですね」

「女の人なんですね」

「はい、このギルドには現状ハンターは三人登録されていまして、それぞれA級B級E級となってますが、全員が人間の女の人なんですよ」

「へー」

「でも赤札をこなせないE級の娘はもうすぐ登録抹消になりそうですし、B級の方も今度の依頼を最後に結婚して引退するそうです」

 いい引退の仕方だよね、寿引退ってやつになるのかな。

「なので新規のハンター登録者は大変貴重です!しかも猫人の試練を合格した方となると即C級ハンターです!」

「そ、そうなんですね」

「だからハンターになってほしいんですけど、でも冒険者もどうですか?って話すのがお仕事なのですね私の」

 あ~つまり冒険者なっちゃいなよYOU!と言えって言われているんだな。

「分かりました、ニ……吾輩はハンターになります」

 危うく俺と言いそうになった。

「ありがとうございます!それではハンター登録ということで、名前と装備、家族構成とドレイの人数、あとはスキルの確認をしますね」

 名前はウ……やべぇ!今俺は自分を“ウンコ”だと肯定しそうになった!くそ!なんてことだ!ウンコウンコ呼ばれ過ぎてウンコを自称してしまうところだった!

「吾輩はハンゾウ、装備は双剣、家族は里に置いてきた、ドレイはいない、スキルは……」

 ス、スキルってなんじゃ~!

「すまないけど、スキルとは何だろうか?」

「あれ?ひょっとしてスキルボードを持ってないんですか?」

「すきるぼーど?」

 それから俺は記憶喪失であることを受付嬢のアミュさんに話した。

「そんなことが!ならスキルボードもリセットされているかもしれませんね」

 この世界にはスキルがあるのか!HILと大きな違いが出てきたけど、ゲーム感がメッチャ増した気がする。

「ではスキルボードの作成から始めましょうか」

「よろしくお願いします」

 スキルボードとは神々がもたらした世界樹の木で作られた板で、それに血を一滴垂らすことでその血を使った人のスキルが表示され、ポイントを振り分けられるのだそうだ。

「チクッとしますよ~」

 ザクっと腕に針が刺さり、その先に付いた血を板に垂らした。

「あーやっぱりリセットされてますね、どうしますか?以前の振り分けを見ることもできますけど」

「一応見ておきたいですね」

 この体の本来のウンコ本人のスキルの振り分けには興味がある、いったい何を取得していたのだろうか。

「早速見て行きますね……う~ん、まず、スキル作成にスキルポイントを半分使用してますね、そして……なにこれ……け……毛づくろいを一から十まで取得してますね、綺麗好きだったのかな?あとは……毛並み向上に残り全部振ってますね」

 ウンコ!マジウンコ!もうウンコ!ウンコ以外の何者でもないよ!

「どうします?再取得しますか?」

「振り直しを要求します!」

 そうして俺はスキルを吟味することになったけど、これがまた楽しいのなんの。時間をかけてじっくり考えた結果、ギルドにハンター登録するのは後日となってしまった。

 その日はギルドの貸家でギルドの配給を食べてそのままスキルボードと睨めっこすることになった。
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