67 / 158
第三章 ミスティアとクロイツ ―ふたりの魔王討伐―
ミスティアとゴブリン軍団 終演
しおりを挟む
外壁が作った砂山に向かって走っている、後方からは傷ついた7人の狼人たちがついてきている、ゼンクウはダイスに担がれていて未だ気絶中だ。
「あなた達はここで傷の回復を優先して」
「ミスティア救助に行くんだろ、俺達もいくぜおいてけぼりは無しだぜ」
「……わかった、なら手伝って」
城壁がない以上魔物が砂山を乗り越えて町に侵入する可能性もある。狼人達には魔物から国民を守るように指示を出した、皆は獣化して四方に散った。
そういえば絆を深めていないみんながなぜ変身できるのだろう。
そんな事よりも、今は人命救助が優先だ。
砂山は500mはある。下に埋まった人は掘れないんじゃないかと思ったけど、どうやらあの魔法球とやらは包んだ人を自然に上方へと引き上げてくれるようだ。
上がってきた魔法球を刻印のある方の手で叩くと、パリンと言う音とともに人が飛び出した。
飛び出してすぐは意識がなかった人たちも、しばらくすると皆意識を取り戻し生きている喜びを味わっていた。
だけど私はそれらの中に入ることは無く、まだ魔法球に閉じ込められている人たちを助けるために奔走した。
救出はそんなに難しいことではないけど、救出後そのまま放置すると砂の中に潜ってしまうので一回一回地面が硬い場所まで連れて行かなければいけない。
これでかなりの時間をさいてしまう。
何度かやるうちにあることに気が付いた、魔力球の中は液体で満たされており割ることでその液体も外に漏れだす、その液体が砂に吸収されしばらくすると砂漠のような砂から栄養は豊富そうな黒色の土壌へと変化するのだ。
しかも連鎖的に広がるので救出した砂山は今や小高い山になっている。
それにより格段に救出速度が上がったがまだまだ数は多い。
大和神国を囲む壁が崩壊したのだからこの国を一周する必要がある。
私は不眠不休で魔力球を割っていった。
「これが最後の一個」
私は1週間ほどかけ全ての魔法球を破壊した。
最後の一個を割ると同時に大歓声と拍手が沸き起こる。いつの間にか私の周りには大勢の人が集まっていたのだ。
「ミスティアありがとう!」
「ミスティアはやっぱり俺達の勇者だ」
元グランヘイムの民達が私を祝福してくれている。涙を流して私の名を呼んだり、手を合わせて拝んでいる人さえいる。
素直にうれしい、許されたことが、いや許されてはいないかもしれないだけど私を勇者として認めてくれている。
それはガリウスから与えられた力であり、ガリウスが認められたことと同義なのだ。
今、私を罵倒したり石を投げるものはいない。みんなは石の代わりに食事を渡してくれる。そういえば一週間何も食べていなかった。
よく体が動くものだと自分の身体ながら感心する。
私はその場に座り込み、みんながくれた食料を口に運ぶ。いつも食べてる配給品の食事なのにおいしい、こんなにおいしい食事をしたのは久しぶりだ。
でも少し、しょっぱいかな……。
◆◇◆◇◆
「マスター戻りました」
精霊鬼が城に戻ると臣下の礼をとる、今までの精霊鬼なら飛びついてきそうなものをやはり部下や子を持つと変わるんだな。
「お帰り精霊鬼、作戦は成功したかい?」
俺は玉座に座り戦果を聞く。戦果と言っても誰が何を倒したとかではない、作戦はうまくいったかということだ。
「それが、てんで弱いんですよあの犬っころ達」
「モミジ、まだ報告が終わってませんよ、控えなさい」
「は~い」
モミジが少し前の精霊鬼のように振舞う、今度はモミジに部下を付けないとダメかな、そしてその部下も……。無限ループだな。
「大和神国の外壁はすべて砂となって崩壊しましたが、住民を巻き込んでしまいました」
人死には覚悟していた、無関係な罪のない人間を殺すことに罪悪感がないわけではない、だとしても俺はミスティアを助けたい、助けた後ならいくらでも罪を償おう。
「とは言え、誰も死んではいないだろ?」
「やっぱりリライマをよこしたのはマスターですか。そんなに私が頼りないですか?」
リライマを隠密で行動させたことで、精霊鬼を怒らせてしまったか。
最初から説明したらリライマが従軍に加わることを断固拒否されたろうしな。
「そうじゃないよ、精霊鬼の力は信じてるし頼りにもしてる。でも、精霊鬼はまだ精霊として若い、それ故に魔法も使えないだろ? だから不測の事態に対応できない、リライマは保険だよ」
「納得はできませんが、理解はしました」
そう言うと精霊鬼は俺に抱き着こうとするが精霊龍のデコピンではじけ飛ばされる。
「酷いですよ何するんですか、精霊龍様」
「お前は現在この中で3位の実力だ1位がリライマ、2位がワシ、つまり婿殿の両翼はうまっておる抱きつきたければ強くなれ」
「そんなー、魔王ちゃんは4位なのに、ガリウス様の膝の上に乗ってるじゃないですか」
「私はガリウス様のペットなので膝の上が定位置なんですよ?」
いや、ペットと言われても、少女をペットにする変態になったつもりはないですよ?
見た目は10歳ほどの少女だが実年齢はマイラさんと同い年だから幼女ではないんだが。
正直、重い……。
「ずるい! ずるい! ずるい!」
精霊鬼はまるで欲しいものが買ってもらえない駄々っ子のように、床に寝そべりじたばたする。
大人になったと思ったのは気のせいでした。
「いい加減にしろ子供じゃあるまいし、5人衆もあきれておるぞ」
リライマが精霊鬼に怒鳴るがどこ吹く風、馬耳東風である。
「私はガリウス様に頭をなでられるまでここを動きませんし、もう何もしません。働きたくないでござる」
静さんの影響か、たまに変な言葉を使うようになった。あまり変なことは教えないでほしいんだけど。
俺は魔王を玉座に座らせると精霊鬼に歩み寄る。頭をなでると精霊鬼は俺に抱きつき耳打ちをする。
『ガリウス様、ミスティアをこちらに引き入れることはできないんですか?』
この話は何度もしてるし、この話をするとリライマが怒るので駄々をこねるふりをして俺をこさせたのか。
俺はその問いに黙って首を振った、壁を壊したのは力の誇示と言うのもあるがグランヘイム国民の離反を狙ったというのもある。
ただ、あそこの生活はかなり水準が高く離反するものはほとんどいないだろう。つまりミスティアを新グランヘイムに連れていくことはできないということだ。
国民が一人でも残ればミスティアは見捨てないだろう。だから新グランヘイム王国では駄目なのだ。
ミスティアは思い込みが激しい、こうと思ったら猪突猛進だ。
子供の頃、俺が孵化させようと思って取ってきた山鳥の卵をゆでて食べちゃって、俺が一日中泣いていたらボロボロになって山鳥の卵を二個取ってきてそれをゆでて殻をむいて、俺の口に押し込んで無理やり泣き止ませたっけ。
何も考えてないだけかもしれないけど。俺は懐かしさのあまり噴き出してしまった。
「わたし、なにかおかしいこと言いましたか?」
精霊鬼は俺が噴き出したことをにキョトンとした表情をする。
「ごめん、子供の頃のミスティアを思い出して、噴き出してしまった」
「そうですか、ミスティアも同じようなことを言って噴出してましたよ」
「意外と同じ思い出なのかもしれないね」
「共通の思い出があるのはすごく羨ましいです」
俺はそれに黙って頭をなでて答えるしかなかった。
「そうだ! 静様もっとパワーアップしてください」
唐突に精霊鬼が静にパワーアップの懇願する。
「何じゃ藪から棒に、お主のパワーアップはもう限界じゃぞ」
「もっと強くなりたいんです、リライマを倒せるくらいに」
仲間を倒すためって。俺らは一応、世界を敵に回す魔王軍だからね。
「無理だよね……。精霊龍でさえ勝てないのに精霊鬼が勝てるわけないだろ」
「そんなー」
静は精霊鬼のパワーアップは無理だと言う。
神剣も装備させてるし色々な能力も与えた。しかし、基本スペックはこれ以上あげることはできない。
精霊故にパワーアップには時間が必要なのだそうだ。
「おい静、勝手に負けたことにするな、ワシは母神様の言いつけで精霊龍同士では戦ってはならぬという掟を守っただけだ」
まあ、こ奴がその掟に触れるかはわからぬが母神様を怒らせたくないでなと精霊龍が言う。
「で精霊龍様、実際戦ったらどちらがお強いんですか?」
モミジが空気を読まずに危険な質問をする。だが、そこは二人とも意外に大人なので争いにならない。
今回は特に精霊龍が引くというありえないミラクルが起こっているしな。
「正直、戦えばワシが勝つだろうがこの星に住む者がいなくなるぞ」
「ほう、言うじゃないか白黒はっきりさせないとダメなようだな」
全然大人じゃなかった……。
1位である総長は軍を管理しなければいけないので、面倒くさがりの精霊龍はワシはやらんと言い、暫定でリライマが一位になったのだが白黒はっきりしないのに順位を付けたのは良くなかったな。
軍を作るうえで順位は大切だと言う静さんの助言でやったものだったのだが。
「よし、では第二計画に移ろうか」
俺はじゃれる二人を止め次の作戦にうつることにした。
「あなた達はここで傷の回復を優先して」
「ミスティア救助に行くんだろ、俺達もいくぜおいてけぼりは無しだぜ」
「……わかった、なら手伝って」
城壁がない以上魔物が砂山を乗り越えて町に侵入する可能性もある。狼人達には魔物から国民を守るように指示を出した、皆は獣化して四方に散った。
そういえば絆を深めていないみんながなぜ変身できるのだろう。
そんな事よりも、今は人命救助が優先だ。
砂山は500mはある。下に埋まった人は掘れないんじゃないかと思ったけど、どうやらあの魔法球とやらは包んだ人を自然に上方へと引き上げてくれるようだ。
上がってきた魔法球を刻印のある方の手で叩くと、パリンと言う音とともに人が飛び出した。
飛び出してすぐは意識がなかった人たちも、しばらくすると皆意識を取り戻し生きている喜びを味わっていた。
だけど私はそれらの中に入ることは無く、まだ魔法球に閉じ込められている人たちを助けるために奔走した。
救出はそんなに難しいことではないけど、救出後そのまま放置すると砂の中に潜ってしまうので一回一回地面が硬い場所まで連れて行かなければいけない。
これでかなりの時間をさいてしまう。
何度かやるうちにあることに気が付いた、魔力球の中は液体で満たされており割ることでその液体も外に漏れだす、その液体が砂に吸収されしばらくすると砂漠のような砂から栄養は豊富そうな黒色の土壌へと変化するのだ。
しかも連鎖的に広がるので救出した砂山は今や小高い山になっている。
それにより格段に救出速度が上がったがまだまだ数は多い。
大和神国を囲む壁が崩壊したのだからこの国を一周する必要がある。
私は不眠不休で魔力球を割っていった。
「これが最後の一個」
私は1週間ほどかけ全ての魔法球を破壊した。
最後の一個を割ると同時に大歓声と拍手が沸き起こる。いつの間にか私の周りには大勢の人が集まっていたのだ。
「ミスティアありがとう!」
「ミスティアはやっぱり俺達の勇者だ」
元グランヘイムの民達が私を祝福してくれている。涙を流して私の名を呼んだり、手を合わせて拝んでいる人さえいる。
素直にうれしい、許されたことが、いや許されてはいないかもしれないだけど私を勇者として認めてくれている。
それはガリウスから与えられた力であり、ガリウスが認められたことと同義なのだ。
今、私を罵倒したり石を投げるものはいない。みんなは石の代わりに食事を渡してくれる。そういえば一週間何も食べていなかった。
よく体が動くものだと自分の身体ながら感心する。
私はその場に座り込み、みんながくれた食料を口に運ぶ。いつも食べてる配給品の食事なのにおいしい、こんなにおいしい食事をしたのは久しぶりだ。
でも少し、しょっぱいかな……。
◆◇◆◇◆
「マスター戻りました」
精霊鬼が城に戻ると臣下の礼をとる、今までの精霊鬼なら飛びついてきそうなものをやはり部下や子を持つと変わるんだな。
「お帰り精霊鬼、作戦は成功したかい?」
俺は玉座に座り戦果を聞く。戦果と言っても誰が何を倒したとかではない、作戦はうまくいったかということだ。
「それが、てんで弱いんですよあの犬っころ達」
「モミジ、まだ報告が終わってませんよ、控えなさい」
「は~い」
モミジが少し前の精霊鬼のように振舞う、今度はモミジに部下を付けないとダメかな、そしてその部下も……。無限ループだな。
「大和神国の外壁はすべて砂となって崩壊しましたが、住民を巻き込んでしまいました」
人死には覚悟していた、無関係な罪のない人間を殺すことに罪悪感がないわけではない、だとしても俺はミスティアを助けたい、助けた後ならいくらでも罪を償おう。
「とは言え、誰も死んではいないだろ?」
「やっぱりリライマをよこしたのはマスターですか。そんなに私が頼りないですか?」
リライマを隠密で行動させたことで、精霊鬼を怒らせてしまったか。
最初から説明したらリライマが従軍に加わることを断固拒否されたろうしな。
「そうじゃないよ、精霊鬼の力は信じてるし頼りにもしてる。でも、精霊鬼はまだ精霊として若い、それ故に魔法も使えないだろ? だから不測の事態に対応できない、リライマは保険だよ」
「納得はできませんが、理解はしました」
そう言うと精霊鬼は俺に抱き着こうとするが精霊龍のデコピンではじけ飛ばされる。
「酷いですよ何するんですか、精霊龍様」
「お前は現在この中で3位の実力だ1位がリライマ、2位がワシ、つまり婿殿の両翼はうまっておる抱きつきたければ強くなれ」
「そんなー、魔王ちゃんは4位なのに、ガリウス様の膝の上に乗ってるじゃないですか」
「私はガリウス様のペットなので膝の上が定位置なんですよ?」
いや、ペットと言われても、少女をペットにする変態になったつもりはないですよ?
見た目は10歳ほどの少女だが実年齢はマイラさんと同い年だから幼女ではないんだが。
正直、重い……。
「ずるい! ずるい! ずるい!」
精霊鬼はまるで欲しいものが買ってもらえない駄々っ子のように、床に寝そべりじたばたする。
大人になったと思ったのは気のせいでした。
「いい加減にしろ子供じゃあるまいし、5人衆もあきれておるぞ」
リライマが精霊鬼に怒鳴るがどこ吹く風、馬耳東風である。
「私はガリウス様に頭をなでられるまでここを動きませんし、もう何もしません。働きたくないでござる」
静さんの影響か、たまに変な言葉を使うようになった。あまり変なことは教えないでほしいんだけど。
俺は魔王を玉座に座らせると精霊鬼に歩み寄る。頭をなでると精霊鬼は俺に抱きつき耳打ちをする。
『ガリウス様、ミスティアをこちらに引き入れることはできないんですか?』
この話は何度もしてるし、この話をするとリライマが怒るので駄々をこねるふりをして俺をこさせたのか。
俺はその問いに黙って首を振った、壁を壊したのは力の誇示と言うのもあるがグランヘイム国民の離反を狙ったというのもある。
ただ、あそこの生活はかなり水準が高く離反するものはほとんどいないだろう。つまりミスティアを新グランヘイムに連れていくことはできないということだ。
国民が一人でも残ればミスティアは見捨てないだろう。だから新グランヘイム王国では駄目なのだ。
ミスティアは思い込みが激しい、こうと思ったら猪突猛進だ。
子供の頃、俺が孵化させようと思って取ってきた山鳥の卵をゆでて食べちゃって、俺が一日中泣いていたらボロボロになって山鳥の卵を二個取ってきてそれをゆでて殻をむいて、俺の口に押し込んで無理やり泣き止ませたっけ。
何も考えてないだけかもしれないけど。俺は懐かしさのあまり噴き出してしまった。
「わたし、なにかおかしいこと言いましたか?」
精霊鬼は俺が噴き出したことをにキョトンとした表情をする。
「ごめん、子供の頃のミスティアを思い出して、噴き出してしまった」
「そうですか、ミスティアも同じようなことを言って噴出してましたよ」
「意外と同じ思い出なのかもしれないね」
「共通の思い出があるのはすごく羨ましいです」
俺はそれに黙って頭をなでて答えるしかなかった。
「そうだ! 静様もっとパワーアップしてください」
唐突に精霊鬼が静にパワーアップの懇願する。
「何じゃ藪から棒に、お主のパワーアップはもう限界じゃぞ」
「もっと強くなりたいんです、リライマを倒せるくらいに」
仲間を倒すためって。俺らは一応、世界を敵に回す魔王軍だからね。
「無理だよね……。精霊龍でさえ勝てないのに精霊鬼が勝てるわけないだろ」
「そんなー」
静は精霊鬼のパワーアップは無理だと言う。
神剣も装備させてるし色々な能力も与えた。しかし、基本スペックはこれ以上あげることはできない。
精霊故にパワーアップには時間が必要なのだそうだ。
「おい静、勝手に負けたことにするな、ワシは母神様の言いつけで精霊龍同士では戦ってはならぬという掟を守っただけだ」
まあ、こ奴がその掟に触れるかはわからぬが母神様を怒らせたくないでなと精霊龍が言う。
「で精霊龍様、実際戦ったらどちらがお強いんですか?」
モミジが空気を読まずに危険な質問をする。だが、そこは二人とも意外に大人なので争いにならない。
今回は特に精霊龍が引くというありえないミラクルが起こっているしな。
「正直、戦えばワシが勝つだろうがこの星に住む者がいなくなるぞ」
「ほう、言うじゃないか白黒はっきりさせないとダメなようだな」
全然大人じゃなかった……。
1位である総長は軍を管理しなければいけないので、面倒くさがりの精霊龍はワシはやらんと言い、暫定でリライマが一位になったのだが白黒はっきりしないのに順位を付けたのは良くなかったな。
軍を作るうえで順位は大切だと言う静さんの助言でやったものだったのだが。
「よし、では第二計画に移ろうか」
俺はじゃれる二人を止め次の作戦にうつることにした。
0
お気に入りに追加
178
あなたにおすすめの小説
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
勇者に闇討ちされ婚約者を寝取られた俺がざまあするまで。
飴色玉葱
ファンタジー
王都にて結成された魔王討伐隊はその任を全うした。
隊を率いたのは勇者として名を挙げたキサラギ、英雄として誉れ高いジークバルト、さらにその二人を支えるようにその婚約者や凄腕の魔法使いが名を連ねた。
だがあろうことに勇者キサラギはジークバルトを闇討ちし行方知れずとなってしまう。
そして、恐るものがいなくなった勇者はその本性を現す……。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
18禁NTR鬱ゲーの裏ボス最強悪役貴族に転生したのでスローライフを楽しんでいたら、ヒロイン達が奴隷としてやって来たので幸せにすることにした
田中又雄
ファンタジー
『異世界少女を歪ませたい』はエロゲー+MMORPGの要素も入った神ゲーであった。
しかし、NTR鬱ゲーであるためENDはいつも目を覆いたくなるものばかりであった。
そんなある日、裏ボスの悪役貴族として転生したわけだが...俺は悪役貴族として動く気はない。
そう思っていたのに、そこに奴隷として現れたのは今作のヒロイン達。
なので、酷い目にあってきた彼女達を精一杯愛し、幸せなトゥルーエンドに導くことに決めた。
あらすじを読んでいただきありがとうございます。
併せて、本作品についてはYouTubeで動画を投稿しております。
より、作品に没入できるようつくっているものですので、よければ見ていただければ幸いです!
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる