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4章 守りたい者たちは誰なのか

神様は人間には無関心

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 まず国作りに必要なのは人手だ。そこで俺は豚を使うことにした。

 手に入れた豚にはすべてパラメーターがあり、それを調整することができた。
 その項目に豚人トント化と言うのがあり。それを選択すると知識を有する豚になった。

 1000体ほど豚人トント 化させた、豚人トント はオークと同じくダンス能力を有しており、オークを凌ぐほどのダンステクニックを見せる。その豚人トント 達を国のあらゆる場所に配置した。
 これでこの国に立ち入るものは豚人トントと戦わなければいけなくなった。もちろんダンスバトルだが。

 ちなみに豚人トントが負けた場合、勝者には金貨が渡される。
 これが好評で近隣諸国からダンスバトルに来る観光客が増えた。
 それにともない宿屋や娯楽施設を充実させた。

 さらに広大な土地を使い。100種に及ぶ作物を育て養豚等も行った。

 おかげでレベルが10になった。

 もちろんこの場所の正当な保有者であるベルマル王国とはもめたが。元々オークが跋扈しており全く使えなかった土地であることと、現在もこの地域は武器で戦うことができないと言うこともあり。金貨1億枚で買い取ることができた。

 もちろんローンである。

 それと俺は名前を変えた。指名手配されているからだ。指名手配された者が王だとバレたらイメージが悪い。
 新しい名前は健太郎から”タ”を抜いて剣狼ケンロウだ。

 みんなで決めたのだが、やはり”タ”は冷遇される。

 俺の”タ”大事にしてね。

 それと大事なのは伊四百型だ。

 丘の中に半分食い込んでいたので取り出せないかと思ったが。アイテムストレージに入れることができた。
 その際、中の備品や飛行機等も別に保存できた。

 これを飛行船に改造したらかっこいいと言う俺の発言を受けて絶賛飛行船に改造中だ。
 基本的に飛行船は生産職の飛行船技師と言うのが作るらしい。

 残念だがこのスキルはエルダートレインにはなかったモノなので他の職業のようにチートはできない。

 そして結局伊四百型を浮かせるために飛行船を四台連結させることになった。
 見た目が微妙なんだが、せっかく作ってくれたので文句は言えない。
 微妙なのは飛行船技師のせいではなく、異世界から来た物質は硬化するのだ。金属は鉄なのに固すぎて加工ができない。
 
 だから伊四百型に既製品の飛行船を転倒防止浮きアウトリガーのようにつける形になってしまった。

 そして伊四百に入ってた飛行機は晴嵐せいらんというもので羽が折りたたむことができる。
 下部にはフロートが二つ付いていてエンジンが零戦みたいに大きく口を開けていなく流線型。

 すごくかっこいい。

 飛ばしたいと思ったけど燃料がないので今のところただの飾りだ。

 まあ、レベルが上がったら試してみたいことがあるので、それまではお預けだ。

ケンなにしてるんだ!?」
 シンミアが俺に抱きつき、肩に上ると俺と一緒に晴嵐せいらんを見る。
 洋服は伊四百型潜水艦の中に入っていた水兵のセーラー服だ。
 これも異世界物質のせいか普通に防御力が高い、かわいいと言ってシンミアは進んで着ている。

「かっこいい、だろ」
 晴嵐せいらん を仰ぎ見ながらそういうとシンミアが俺の髪の毛を引っ張る。やめて俺の毛根はHPゼロよ!

「オレにくれよ、これ」

「ああ、そのつもりだよ。ただ今は動かせないから動かせるようになったらな」

「楽しみだな!」
「だな!」

 もちろんシンミアだけじゃなく俺も乗る予定だ。まあ、乗れるかは変化・・させた後だけどな。

「ケンロウ様、これが今月の報告書です」

 スヴィニヤーが、この国で起こるすべてのことや金の流れなどを一枚の紙に分かりやすく書いてくれる。
 マジ有能。なぜ同じ神なのに、こんなに残念なのかとかわいそうな人を見るような目でシンミアを見たら察したらしく叩かれた。

 最近全く緊箍児きんこじパンツが発動しない。結構殴られるのだが……。まあ最初の頃のようにガチ叩きじゃないから”セーフ”判定でも出てるんだろう。

「近隣諸国に回復薬(低)++と(中)+の供給が間に合わないね」

「はい、やはり天使の軍団に備えて強化したいのでしょう、それに(中)+は部位欠損が治らないだけで、希少価値の回復薬(大)と遜色そんしょくありませんからね、それと食料も戦争に備えて売れているのでだいぶ借金の方も返せています」
 スヴィニヤーが責めるように俺と伊四百型を見る。すみませんすみません。でも仕方なかったんや戦艦や潜水艦を飛ばすのは男の子なら憧れちゃうんだ。
 でも、食料が売れてくれたのは大きな誤算だ。食料や薬草などの秘薬はスキル熟練どのおかげでサクサク作れる。穀物など五毛作、秘薬に至っては二十毛作できる予定だ。

 しかし……。

「近隣諸国が軍備増強してるだけあって、報告書にあるようにチェス戦するための兵士が集まらないね」
 刻一刻と魔物が強くなっていく。時間を開ければそれだけ魔物は強くなる。あまり時間を空けないで五悪徳の王を倒したいところだ。

「グランヘイム王国の天使の軍団からの猛攻を耐えてる国から兵士を募ってはどうでしょうか?」

「自軍の防衛で忙しいんじゃないかな?」

「はい、ですが食料や薬が不足してますので、私たちが定期的に物資を補充する契約をして恩を作ります。それで兵士の提供をこ乞うのです」

「うまく行くかな」

「ダメだと言えば支援を打ち切ると脅せば良いだけですから」
 冷たく言い放つスヴィニヤーに、やはり神様だから人間の命は軽いのだなと少し悲しくなった。





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