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3章 モンキー・ダンス・レボリューション
青の不死王と赤の剣神。
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いつのまにかシンミアは背中で寝ていてヨダレで俺の服をを汚していた。
まあ、新品はいくらでも作れるから良いけど。
冒険者ギルドに着くと建物の中は意外にも冒険者達でごった返しており足の踏み場もないほどだった。
「なんだおっさん、ここは子連れが来るような場所じゃねぇぞ」
「いえ、情報を売ってもらおうと思いまして」
冒険者、怖……。いきなり話しかけてくんなよ。こちとらコミュ症なんだからドキドキするだろ!
「お前ら、お客さんを脅すんじゃないよ!」
受け付けに座る三十代の女性が図体のデカイ男たちを叱ると一瞬で静まり返った。
顔面おばけやしきな冒険者が、一瞬で黙ったところを見ると昔は 高名の冒険者だったとかだろう。
「立て込んでてすまないね。私はこのポテラ町の冒険者ギルドの副部長を勤めるクレミアだ。それで何が知りたいんだい」
このギルドは受付が居ないのか、こちらと仕切られた壁の向こうには副部長と名乗るクレミア以外誰も居なかった。
差し出された手を取り握手をすると、その手はまるで岩のように固く鍛えられた強さがつたわってきた。
喧嘩したらワンパンで殺されるなと思った(小並感)
「わ、私はオークが大量発生している場所とグランヘイム王国の情報を知りたいのですが」
ちくしょう声が上ずってしまった。
そんな俺をクレミアは特に笑うでもなく話をちゃんと聞いている。
大人だ……。
周りの顔面おばけやしきだったら笑い転げてるだろう。
「グランヘイム王国? なんでそんな最西端の国のことなんか」
「世界統一とか言っている国ですからねどんな国か知りたくて」
「ふ~んまあ良いけど、情報量は金貨4枚、オークが1枚グランヘイムが3枚だけど良いかい?」
「そんなにするんですか?」
「そりゃあそうさ、グランヘイム王国の情報は高いからね。やめとくかい?」
情報で金貨4枚か、価値ある情報は金で変えられないものがある。ここは先行投資という意味でも出し惜しみはなしだな。
「いいえお願いします」
俺はポケットから金貨を4枚取り出すと受付に座るクレミアに手渡した。
「毎度あり、オークはもう少しに西に行くとオークの悪徳の王国があるから安全に行くなら飛行船でやり過ごした方がいいね。」
この世界って飛行船があるのか。思ったよりも科学技術は低くなさそうだな。
「下道で行った場合どの地点になりますか?」
「あんた地図あるのかい?」
「いいえ無いです」
「じゃあこれはサービスだ、どうせ私が書いたものだしね」
そう言うと受付の台に子供の落書きのような地図を出し、そこに赤い点を書き足した。
うん、さすがに酷いね。地図を作る職業があるかは分からないが、俺のエルダートレインの地図製作は熟練度1000だからあとで作ってみるか。
「それで西の街道を行くと30km先に二股に分かれる道があるから右に行くとグラナダ平原でオークの悪徳の王国があるからそっちに行っちゃ駄目だよ」
クレミアは地図を指差して知り得る情報を事細かに教える。30km先の話に行くまで10分かかったけどね……。
「ありがとうございます」
俺はお礼を言い地図をもらった。
「ところであんた踊りは得意なのかい?」
「いいえ、それほどでは」
「それで歩いていくのはよした方がいいよ。オークは踊り戦闘を仕掛けてくるからね」
シンミアの予想が的中した。しかし、なんだよ踊り戦闘って。オークが踊り戦闘なんかしかけてきてもデブだからたいしたことないんだろ?
「それなら、オレが踊れるから大丈夫だ」
目を覚ましたシンミアがサムズアップしてクレミアに答える。
「ちょっと踊ってごらん」
「良いぜ腰抜かすなよ」
俺の背中から飛び降りるとシンミアはブレイクダンスからフラメンコなどありとあらゆる躍りを踊って見せた。
「おおぉおおぉぉ!!」
冒険者たちはシンミアの躍りに拍手喝采である。素人の俺から見てもかなりの腕前なのが分かる。
「それだけ踊れれば大丈夫だね。普通のオークなら楽勝だ」
「普通じゃないのがいるんですか?」
「ああ、オーク悪徳の王国の黒豚将軍と言うオーク種がいる。こいつは見たこともない躍りをするらしく偵察の者以外全滅したほどの技の持ち主だ」
つまりそいつを倒せば封じられてる神が開放されるわけか。まあ踊りはシンミアに任せれば大丈夫だろう。
「わかりました。ではグランヘイム王国の情報を教えていただけますか?」
「グランヘイムは知っている通り世界統一を狙っている。その兵力は1000万以上とも言われている」
「1000万以上? そんなに国民を兵士にしたら国が成り立たないんじゃないですか?」
「なにもいないんだ」
「え?」
「鎧だけが動いているんだよ」
その鎧兵の中には人が入っておらず。人間のように鎧の関節を狙って倒すということもできず、鎧を壊すほどのダメージを与えないと倒せないのだという。
しかもこの鎧の兵士が怖いのは倒した瞬間、その鎧から大量の炎が出て周囲を焼くので倒しても倒さなくても被害が甚大なのだと言う。
そして、その鎧の姿が翼や光の輪を備えていることから天使の軍団と言われているのだと言う。
天使の軍団の進行は今も続いており周辺諸国はその力の前になすすべもなく滅んでいると言う。
「人間を殲滅してるんですか!?」
「ああ、皆殺しさ。生き残った人間は一人もいないよ。まあ、一か国だけ未だに持ちこたえてる国があるけどね。ヤマタイ神国と言って封印の巫女様がいる国だよ」
それはグランヘイム王国の側にありながらも未だに持ちこたえているのだという。
「それだけすごい軍勢を前に持ちこたえられるんですか?」
「ああ、元々そこは周囲を山で囲まれててね、侵入する事自体難しかったんだけど、周囲を囲む巨大な壁ができてね、更に自分達を結界の中に閉じ込めることで、その結界と壁で鎧の兵士の攻撃をなんとか防いでいるらしい」
ヤマタイ神国には太陽の華騎士団と呼ばれる他種族貴族による混成騎士団がおり天使の軍団にも互角に戦っているのだと言う。
太陽の華騎士団は高名なS級冒険者で構成されており、その強さは折り紙つきだで、かなりの強さを誇るのだと言う。
「なるほど、それだけ強い人達がいれば、なんとかなるのかもしれませんね」
「何をいってるんだい、話しはこれからだよ。さらに青の不死王と赤の剣神、この二人の魔導騎士団と魔剣騎士団が、太陽の華騎士団を遥かに上回る強さなんだよ」
「そんなになんですか?」
「ああ、なんせ不死王と剣神共にレベル99カンストなうえに、見たこともない武器を持っていいて、その兵団員たちはその武器のレプリカを装備しているからね」
「しかし、不死王だなんて不気味な称号ですね」
「見た目がね、包帯でぐるぐる巻きなんだよ、その姿がまるでアンデットのようだからそう呼ばれてるのさ」
なんでも数年前に大火傷を負ったとかで、その包帯には呪術が込められており皮膚の代わりを補っているという。左手もその時のやけどが原因で開かないのだという。
「そこまで強いなら回復魔法とか使えるんじゃないですか? 」
「まあ、よくは分からないんだけど、それ以上の治療を拒否してるんだそうだよ」
「そうですか」
しかし、それだけ強い兵士たちがいるなら助力を仰ぐのも良いかもしれない。俺のレベルがまともに上がらないうえにシンミアや封印神たちも開放しても俺のレベル依存だからな。
「しかし、それならヤマタイ神国は滅ばなそうですね」
「とは言えきついのは代わり無いだろうね。なんせ食料や医薬品など全部自分のところで賄わないといけないからね。このままだとジリ貧だろう」
「他の国はヤマタイ神国に援助しないんですか?」
「しようが無いんだよ。何せ結界は上空まで張られているからね飛行船が入れないのさ」
「じゃあ、物資を届けるのは無理ですね」
「仮に物資を届けることができれば大金持ちだろうね」
「なんでですか?」
クレミアが言うにはヤマタイ神国は金の産出国で、命がけで物資を持ってきてくれたとなれば高値で買ってくれるのだという。実際ヤマタイ神国からの依頼で物資を20倍の金額で買い取ると言う依頼が来てるといい依頼書を見せてくれた。
20倍もそうだがヤマタイ神国に貸しを作るのも良いかもしれない。神の開放には兵力がいるからな。
俺とクレミアが話していると、守衛が慌ただしくギルドに入ってきて叫ぶ。
「野盗が来たぞ!」
その声で冒険者たちが一斉に外に飛び出した。
まあ、新品はいくらでも作れるから良いけど。
冒険者ギルドに着くと建物の中は意外にも冒険者達でごった返しており足の踏み場もないほどだった。
「なんだおっさん、ここは子連れが来るような場所じゃねぇぞ」
「いえ、情報を売ってもらおうと思いまして」
冒険者、怖……。いきなり話しかけてくんなよ。こちとらコミュ症なんだからドキドキするだろ!
「お前ら、お客さんを脅すんじゃないよ!」
受け付けに座る三十代の女性が図体のデカイ男たちを叱ると一瞬で静まり返った。
顔面おばけやしきな冒険者が、一瞬で黙ったところを見ると昔は 高名の冒険者だったとかだろう。
「立て込んでてすまないね。私はこのポテラ町の冒険者ギルドの副部長を勤めるクレミアだ。それで何が知りたいんだい」
このギルドは受付が居ないのか、こちらと仕切られた壁の向こうには副部長と名乗るクレミア以外誰も居なかった。
差し出された手を取り握手をすると、その手はまるで岩のように固く鍛えられた強さがつたわってきた。
喧嘩したらワンパンで殺されるなと思った(小並感)
「わ、私はオークが大量発生している場所とグランヘイム王国の情報を知りたいのですが」
ちくしょう声が上ずってしまった。
そんな俺をクレミアは特に笑うでもなく話をちゃんと聞いている。
大人だ……。
周りの顔面おばけやしきだったら笑い転げてるだろう。
「グランヘイム王国? なんでそんな最西端の国のことなんか」
「世界統一とか言っている国ですからねどんな国か知りたくて」
「ふ~んまあ良いけど、情報量は金貨4枚、オークが1枚グランヘイムが3枚だけど良いかい?」
「そんなにするんですか?」
「そりゃあそうさ、グランヘイム王国の情報は高いからね。やめとくかい?」
情報で金貨4枚か、価値ある情報は金で変えられないものがある。ここは先行投資という意味でも出し惜しみはなしだな。
「いいえお願いします」
俺はポケットから金貨を4枚取り出すと受付に座るクレミアに手渡した。
「毎度あり、オークはもう少しに西に行くとオークの悪徳の王国があるから安全に行くなら飛行船でやり過ごした方がいいね。」
この世界って飛行船があるのか。思ったよりも科学技術は低くなさそうだな。
「下道で行った場合どの地点になりますか?」
「あんた地図あるのかい?」
「いいえ無いです」
「じゃあこれはサービスだ、どうせ私が書いたものだしね」
そう言うと受付の台に子供の落書きのような地図を出し、そこに赤い点を書き足した。
うん、さすがに酷いね。地図を作る職業があるかは分からないが、俺のエルダートレインの地図製作は熟練度1000だからあとで作ってみるか。
「それで西の街道を行くと30km先に二股に分かれる道があるから右に行くとグラナダ平原でオークの悪徳の王国があるからそっちに行っちゃ駄目だよ」
クレミアは地図を指差して知り得る情報を事細かに教える。30km先の話に行くまで10分かかったけどね……。
「ありがとうございます」
俺はお礼を言い地図をもらった。
「ところであんた踊りは得意なのかい?」
「いいえ、それほどでは」
「それで歩いていくのはよした方がいいよ。オークは踊り戦闘を仕掛けてくるからね」
シンミアの予想が的中した。しかし、なんだよ踊り戦闘って。オークが踊り戦闘なんかしかけてきてもデブだからたいしたことないんだろ?
「それなら、オレが踊れるから大丈夫だ」
目を覚ましたシンミアがサムズアップしてクレミアに答える。
「ちょっと踊ってごらん」
「良いぜ腰抜かすなよ」
俺の背中から飛び降りるとシンミアはブレイクダンスからフラメンコなどありとあらゆる躍りを踊って見せた。
「おおぉおおぉぉ!!」
冒険者たちはシンミアの躍りに拍手喝采である。素人の俺から見てもかなりの腕前なのが分かる。
「それだけ踊れれば大丈夫だね。普通のオークなら楽勝だ」
「普通じゃないのがいるんですか?」
「ああ、オーク悪徳の王国の黒豚将軍と言うオーク種がいる。こいつは見たこともない躍りをするらしく偵察の者以外全滅したほどの技の持ち主だ」
つまりそいつを倒せば封じられてる神が開放されるわけか。まあ踊りはシンミアに任せれば大丈夫だろう。
「わかりました。ではグランヘイム王国の情報を教えていただけますか?」
「グランヘイムは知っている通り世界統一を狙っている。その兵力は1000万以上とも言われている」
「1000万以上? そんなに国民を兵士にしたら国が成り立たないんじゃないですか?」
「なにもいないんだ」
「え?」
「鎧だけが動いているんだよ」
その鎧兵の中には人が入っておらず。人間のように鎧の関節を狙って倒すということもできず、鎧を壊すほどのダメージを与えないと倒せないのだという。
しかもこの鎧の兵士が怖いのは倒した瞬間、その鎧から大量の炎が出て周囲を焼くので倒しても倒さなくても被害が甚大なのだと言う。
そして、その鎧の姿が翼や光の輪を備えていることから天使の軍団と言われているのだと言う。
天使の軍団の進行は今も続いており周辺諸国はその力の前になすすべもなく滅んでいると言う。
「人間を殲滅してるんですか!?」
「ああ、皆殺しさ。生き残った人間は一人もいないよ。まあ、一か国だけ未だに持ちこたえてる国があるけどね。ヤマタイ神国と言って封印の巫女様がいる国だよ」
それはグランヘイム王国の側にありながらも未だに持ちこたえているのだという。
「それだけすごい軍勢を前に持ちこたえられるんですか?」
「ああ、元々そこは周囲を山で囲まれててね、侵入する事自体難しかったんだけど、周囲を囲む巨大な壁ができてね、更に自分達を結界の中に閉じ込めることで、その結界と壁で鎧の兵士の攻撃をなんとか防いでいるらしい」
ヤマタイ神国には太陽の華騎士団と呼ばれる他種族貴族による混成騎士団がおり天使の軍団にも互角に戦っているのだと言う。
太陽の華騎士団は高名なS級冒険者で構成されており、その強さは折り紙つきだで、かなりの強さを誇るのだと言う。
「なるほど、それだけ強い人達がいれば、なんとかなるのかもしれませんね」
「何をいってるんだい、話しはこれからだよ。さらに青の不死王と赤の剣神、この二人の魔導騎士団と魔剣騎士団が、太陽の華騎士団を遥かに上回る強さなんだよ」
「そんなになんですか?」
「ああ、なんせ不死王と剣神共にレベル99カンストなうえに、見たこともない武器を持っていいて、その兵団員たちはその武器のレプリカを装備しているからね」
「しかし、不死王だなんて不気味な称号ですね」
「見た目がね、包帯でぐるぐる巻きなんだよ、その姿がまるでアンデットのようだからそう呼ばれてるのさ」
なんでも数年前に大火傷を負ったとかで、その包帯には呪術が込められており皮膚の代わりを補っているという。左手もその時のやけどが原因で開かないのだという。
「そこまで強いなら回復魔法とか使えるんじゃないですか? 」
「まあ、よくは分からないんだけど、それ以上の治療を拒否してるんだそうだよ」
「そうですか」
しかし、それだけ強い兵士たちがいるなら助力を仰ぐのも良いかもしれない。俺のレベルがまともに上がらないうえにシンミアや封印神たちも開放しても俺のレベル依存だからな。
「しかし、それならヤマタイ神国は滅ばなそうですね」
「とは言えきついのは代わり無いだろうね。なんせ食料や医薬品など全部自分のところで賄わないといけないからね。このままだとジリ貧だろう」
「他の国はヤマタイ神国に援助しないんですか?」
「しようが無いんだよ。何せ結界は上空まで張られているからね飛行船が入れないのさ」
「じゃあ、物資を届けるのは無理ですね」
「仮に物資を届けることができれば大金持ちだろうね」
「なんでですか?」
クレミアが言うにはヤマタイ神国は金の産出国で、命がけで物資を持ってきてくれたとなれば高値で買ってくれるのだという。実際ヤマタイ神国からの依頼で物資を20倍の金額で買い取ると言う依頼が来てるといい依頼書を見せてくれた。
20倍もそうだがヤマタイ神国に貸しを作るのも良いかもしれない。神の開放には兵力がいるからな。
俺とクレミアが話していると、守衛が慌ただしくギルドに入ってきて叫ぶ。
「野盗が来たぞ!」
その声で冒険者たちが一斉に外に飛び出した。
応援ありがとうございます!
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