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2章 ゴブリンの花嫁たち

人は夢を追い求めるSMプレイヤーである。拷問ですね?だがそれは女スパイなのだろうか?

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 三人はそれぞれ荷物を取りに宿屋や野営地に戻ることになった。

 サラさんはギルドが借りた宿屋住まいなのだが、新たな魔窟発見と共に冒険者が大量に来たので冒険者のために少しでも部屋を空けたいと思っていたそうなのだ。

 とはいえ家もないしどうしようか迷っていたところクニャラとレオナに誘いは渡りに船だったのだとか。

 新しい冒険者か。

 俺の店を知らない人もいるだろうから、やはりギルドにはもう少し長居して顔を覚えてもらうのが良いだろうな。

 それにポーション類やアイテム等も売らないと、王都から来た露店商の連中に負けちゃうのはしゃくだしね。

 だが歩くとなると義足の痛みが課題になる。接合部にクッションがあれば良いのだがスポンジなどこの世界にはなからな。

 痛いと言って歩かなければ皮も弱いままだしまともに歩けるようにはならないか。

 なにかクッションの代わりになるようなものはないだろうか?

 クッション、クッション。

 クッションと言えばおっぱいは定番。

 おっぱい? ふむ、おっぱいくらいの柔らかさがあれば痛くないだろうな。

 おっぱいと言えばスライム。

 エルダートレインならおっぱいパッドスライムを合成できるのだが。

 それをクッション代わりにすれば行けそうだけど。合成できないから却下だな。

 だが合成できるようになったら、おっぱいパッドスライムをクニャラに付けたらどうだろう?

 合法巨乳ロリが出来上がる。ふむ需要あるね!

 いや、幼女はロリ体系だからこそ美しいイエス・ロリータ・ノータッチ! 

 ロリと言えば2次元が美しい3次元など我ら欲情女体最弱よ。

 まあ、俺にはロリ属性はないんですけどね。

 スライムが手に入らないとなると、あとは草か。

 ゴウマ草を大量に敷き詰めるか?

 ゴウマ草なら薬草効果もあるし痛みが軽減するんじゃなかろうか?

 畑に生えている収穫時期のゴウマ草を義足の入ったブーツに敷き詰め、それに足を通し革ベルトで太ももに固定して立ってみた。

 普通に歩く分には痛みはなかった。

 荷物を持つとさすがに荷重がかかり痛いのだが、すぐに薬草効果が出て痛みが和らぐ。

 とりあえずしばらくはこれで行こう、なにか特殊なマジックアイテムでもあれば良いのだが。まともに魔物と戦ったことがない俺のアイテムストレージには自作品以外のマジックアイテムはなかった。

 作ったアイテムも大半はゲーム内の家に締まっておいたので手持ちが少ない。

 この間の無限ロープは飼ってる動物を逃がさない枠を作るもので、通常は冒険でつかうものではない。

 あの縄なら何人も縛ってSM縄プレイも夢ではないがな。

 あれで女の子たちを縛って木につるして酒池肉林パーティを開くのも一興かもしれない。

 だが、俺にはSM属性はない。

 いやないと言えば嘘になる。

 人は大なり小なり夢を追い求めるSMプレイヤーなのだから。

 私は女スパイ、これから私は拷問を受ける。

 部屋には見渡す限りの拷問器具の山。

 私はこれからあんなことやこんなことをされてしまうのね?

 くっ殺せ!

「た、ただいま」

「おかりなさい!」

 サラさんが恥ずかしそうに挨拶をする。

 荷物を取りに行く前にレオナから帰ってくるときは”ただいま”と言うことをサラさんにも徹底させていたのだ。

 もうここはみんなの家なのだ、俺は笑顔でサラさんを迎え入れた。

「荷物どこに置いて良い?」

 俺は部屋割りを決めていないことに気がつき、みんなが戻ってから話そうと言うことにした。

 サラさんの荷物はバック1つだ。

 サラさんの身分にしてはずいぶん物が少ない。

 その事を聞くと少し影のある顔をして「ちょっとね」と笑ってごまかした。

「それより、ケンタは回復薬(大)もってるんだろ?」

「ええ、正確には持っていたですね。この間レオナを助けるために使ってしまいました」

「そうなのか。回復薬(大)は作れないのかい?」

「材料はあるんですがレベルが足りませんね」

「材料はあるのかい!?」

 サラさんは回復薬(大)にやたら食いつく。

 足の怪我を治したいのだろうけど、この必死さからは狂気を感じる。

「ええ、ただ。何度試しても作れないんですよね」

「レベルが足りないから?」

「いいえ、自分はレベル以上のことができますので製造方法がダメなのでしょうね」

「つまり作り方さえわかれば作れるのかい?」

「そうですね、作れます」

「そうなのか…うん、出きると良いね」

 サラさんはできることがあれば何でも手伝うからと言って、俺を真剣なまなざしで見る

「そうですね、この足も手も治さないと不便ですからね」

「ケンタ、お願いがあるんだ」

「なんですか?」

「回復薬(大)を作れたら私にも欲しいんだ。もちろんタダとは言わない。お金も払う足りなければ体でも払うから!」

 俺はサラさんの額にデコピンを入れる。

 いつもの冗談じゃなく本気で体で払おうとしてるからだ。

「体で払うとか言うな。まず回復薬が欲しい理由を言え」

 サラさんは語気を強める俺に少しビクッとするが首を横に降る。理由を教えてくれなければ回復薬(大)ができたとしても渡せないと言っても理由は言えないという。

「ゴメス、言うです。ケンタは力になってくれるです」

 サラさんと話していると、いつの間にか二人も荷物をとって帰ってきた。

 どこから聞いていたのか分からないがクニャラは俺を信用しろと更に言う。

 サラなだけに……。


「ケンタに嫌われる」

「ケンタは嫌わないですよ」

「私は違うの、レオナを救ったケンタとは違うんだよ」

「分かりました無理には聞きません。話したくなったら話してください」

 クニャラは不満顔だが、俺はこれで良いと思う。

 言いたくないものを無理に聞いても仕方がない。

 それに、あの足に関係したことだろう。回復薬の食い付きから考えてもそれしか考えられない。

 ただ話してくれるときは真摯しんしに聞こうと思う。

「ゴメスはケンタが好きじゃないです?」

 それでも食い下がるクニャラを俺は止めるがクニャラは真剣な面持ちでサラさんの顔を見る。

「好きよ、だから嫌われるのが怖いの」

「分かったです。それが聞ければいいです。クニャラはケンタの指示に従うです」

「ごめん」

 俺は気にするなと言ってサラさんの肩を叩く。誰にでも言いたくないことの一つや二つある。俺のPCパソコン内のフォルダーは誰にも見せられない。

 それと同じだ。

「それで部屋割りどうする?」

「一階でみんなで寝るです」

「ええと、じゃあ俺が二階?」

 ちょっと上に上がるの面倒だけど、下で寝たいなら俺が上にいくしかないか。

「なに言ってるです。ケンタも含めて4人一緒で1階です」

「え? 良いの俺、男だよ?」

「ん? ケンタは私たち襲うです?」

 そう言うと、うちのかわいい孫はいやらしいクズ男を見るような目で蔑む。

 いいよ、いいよ、そういう目はぞくぞくするよ!

  合法ロリにクズ男を見るような目で見られた俺は恍惚エクスタシーを感じて精神的に射精エジャキュレーションしてしまった。

 いやもちろん精神的にだ。

 そう、分かりやすく言えば喜びのあまり天にも登る気分と言うやつだ。

「いや、そんなことないけど」

 もちろん襲わない、俺はこう見えても紳士だ、変態紳士だ。

「なら、良いじゃないですか」

 レオナがにっこりと含みのある笑顔で笑う。なにか引っ掛かるが、それで良いならいいか。

 三人で寝れば川だが四人で寝たらたのしむってところか?

 まるで、俺たちの未来を暗示しているような漢字だな。

 おだやかにみんなと暮らしていける、そんな気がする今日この頃である。
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