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弱すぎる勇者パーティー
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ミスティアに冷たい目でにらまれた瞬間、俺は逃げ出しそうになる自分を押し止めた。
逃げたらダメだ。今朝マイラに言われて心の準備ができてなかったら多分逃げていたかもしれない。
「なんだ貴様は! 我らを勇者パーティと知っての狼藉か?」
「いいのよランスロット、こいつは私が前に話した幼馴染のガリウスよ」
ミスティアがそう言うとニヤリとランスロットは笑いミスティアの腰に手を回す。
「ああ、あの弱虫ガリウス君か残念だったなミスティアはすでに俺のものだ」
ランスロットは勝ち誇ったように、俺を見下すようにそう言った。
『ガリウス、あのミスティアって子、精神汚染されています。誰かが彼女を操っています』
マイラが俺の耳元で助言をする、精神汚染? 操る? マイラにそう言われ俺もミスティアのステータスを確認すると所々数値がおかしくなっており性格などは何が書いてあるかすらわからない。
だが先程から、なにかミスティアの挙動がおかしい。
ミスティアの発言で一瞬あいつがほくそ笑むということは自分の思い通りに動いているからということか? つまり、あいつが操っている?
「なんだ、貴様も新しい女がいるではないかなら――ふぎゃ!」
俺は一瞬のうちに距離を詰めランスロットの顔面に拳をお見舞いした。
ランスロットはその場で何回転も回り、更に追い討ちでかかとを回転する頭の後頭部に打ち込み地面に叩きつけた。
ランスロットに追撃を加えようとしたがランスロットは地面に叩きつけられたまま動かない、どうやら地面に叩きつけられてそのまま気絶したようだ。
嘘だろ……。こんな程度の奴が魔王を倒すパーティーメンバーなのか。こんな程度なら、うちの村の村長の側近たちの方がはるかに強いぞ。
ミスティアはランスロットが倒された瞬間、剣を抜き俺と距離を保った。ステータスの異常は変わらない。つまり精神汚染の原因はこの男じゃないということだ。
「何をするの! 気でも狂ったのガリウス! その人は私を救ってくれた英雄よ!」
俺に剣を向けるミスティアから恐ろしいほどの殺気が伝わってくる。マイラが精神汚染で誰かが操っていると教えてくれなければ俺はとっくに逃げ出していたな。マイラには感謝しかない。
だがどうする操っている本人だと思っていたランスロットを倒してもミスティアの精神汚染は治らない。
「ガリウス、あの子を押さえつけてもらえますか?」
「なんとかできるの?」
「はい、できます」
ゴブリンに殺されそうになっていた娘とは思えないほどの自信に俺は彼女を信じることに決めた。
「わかったミスティアの動きを止める」
ただ俺の技は軽く殴ってもあのランスロトのようになってしまう。俺はミスティアを傷つけたくない、なら答えは一つだ。俺はミスティアの前へと走りより腰の長剣を抜いた。
「ミスティア!」
「ガリウス!!」
俺たちの叫びが路地に響き渡る。
ミスティアはそのまま俺の腹部に剣を突き刺しその剣は背中を突き破った、そして俺は剣を捨てミスティアを優しく抱き締めた、傷つけないように、壊さないように。
腕を羽交い締めにされたミスティアは剣を動かすことも逃げることもできない。
「ま、マイラ頼んだ」
「はい!」
マイラはミスティアの手の上に自分の手を重ねた。
「強制パーティー加入」
その瞬間ミスティアの体から黒い霧が立ち上がりどこへともなく飛んでいった。
ミスティアを見るとステータス異常はなくなっており”幼馴染みを一途に思うもの”に変わっていた。なんかずるしたような気になってステータスを見ないようにした。
俺は突き刺さった剣を抜かずに、その剣に全ての力で復元するをかけ腹部の傷を治した。
全ての力で復元するにされた剣は灰になり崩れ落ちる。それと共にミスティアの表情が変わり俺の顔を不思議なものを見るように見出す。
あの剣にもなにか細工があったのかもしれないな。
「が、ガリウス。何でガリウスがこんなところにいるの、これは夢?」
「むしろ今まで夢を見ていたんだよ。おはようミスティア」
「がりうすぅぅぅ!!」
涙を流して俺にキスをしようとミスティアが顔を近づける。俺はとっさにミスティアの肩を押してキスを止めた。
あ。
「あ、ごめん、いきなりキスなんかしたら嫌だよね。うん、ごめん……」
俺はとっさにマイラを見たが彼女はちょっと横を向きニヤリと笑っていた。まるで計画通りと言わんばかりに。
逃げたらダメだ。今朝マイラに言われて心の準備ができてなかったら多分逃げていたかもしれない。
「なんだ貴様は! 我らを勇者パーティと知っての狼藉か?」
「いいのよランスロット、こいつは私が前に話した幼馴染のガリウスよ」
ミスティアがそう言うとニヤリとランスロットは笑いミスティアの腰に手を回す。
「ああ、あの弱虫ガリウス君か残念だったなミスティアはすでに俺のものだ」
ランスロットは勝ち誇ったように、俺を見下すようにそう言った。
『ガリウス、あのミスティアって子、精神汚染されています。誰かが彼女を操っています』
マイラが俺の耳元で助言をする、精神汚染? 操る? マイラにそう言われ俺もミスティアのステータスを確認すると所々数値がおかしくなっており性格などは何が書いてあるかすらわからない。
だが先程から、なにかミスティアの挙動がおかしい。
ミスティアの発言で一瞬あいつがほくそ笑むということは自分の思い通りに動いているからということか? つまり、あいつが操っている?
「なんだ、貴様も新しい女がいるではないかなら――ふぎゃ!」
俺は一瞬のうちに距離を詰めランスロットの顔面に拳をお見舞いした。
ランスロットはその場で何回転も回り、更に追い討ちでかかとを回転する頭の後頭部に打ち込み地面に叩きつけた。
ランスロットに追撃を加えようとしたがランスロットは地面に叩きつけられたまま動かない、どうやら地面に叩きつけられてそのまま気絶したようだ。
嘘だろ……。こんな程度の奴が魔王を倒すパーティーメンバーなのか。こんな程度なら、うちの村の村長の側近たちの方がはるかに強いぞ。
ミスティアはランスロットが倒された瞬間、剣を抜き俺と距離を保った。ステータスの異常は変わらない。つまり精神汚染の原因はこの男じゃないということだ。
「何をするの! 気でも狂ったのガリウス! その人は私を救ってくれた英雄よ!」
俺に剣を向けるミスティアから恐ろしいほどの殺気が伝わってくる。マイラが精神汚染で誰かが操っていると教えてくれなければ俺はとっくに逃げ出していたな。マイラには感謝しかない。
だがどうする操っている本人だと思っていたランスロットを倒してもミスティアの精神汚染は治らない。
「ガリウス、あの子を押さえつけてもらえますか?」
「なんとかできるの?」
「はい、できます」
ゴブリンに殺されそうになっていた娘とは思えないほどの自信に俺は彼女を信じることに決めた。
「わかったミスティアの動きを止める」
ただ俺の技は軽く殴ってもあのランスロトのようになってしまう。俺はミスティアを傷つけたくない、なら答えは一つだ。俺はミスティアの前へと走りより腰の長剣を抜いた。
「ミスティア!」
「ガリウス!!」
俺たちの叫びが路地に響き渡る。
ミスティアはそのまま俺の腹部に剣を突き刺しその剣は背中を突き破った、そして俺は剣を捨てミスティアを優しく抱き締めた、傷つけないように、壊さないように。
腕を羽交い締めにされたミスティアは剣を動かすことも逃げることもできない。
「ま、マイラ頼んだ」
「はい!」
マイラはミスティアの手の上に自分の手を重ねた。
「強制パーティー加入」
その瞬間ミスティアの体から黒い霧が立ち上がりどこへともなく飛んでいった。
ミスティアを見るとステータス異常はなくなっており”幼馴染みを一途に思うもの”に変わっていた。なんかずるしたような気になってステータスを見ないようにした。
俺は突き刺さった剣を抜かずに、その剣に全ての力で復元するをかけ腹部の傷を治した。
全ての力で復元するにされた剣は灰になり崩れ落ちる。それと共にミスティアの表情が変わり俺の顔を不思議なものを見るように見出す。
あの剣にもなにか細工があったのかもしれないな。
「が、ガリウス。何でガリウスがこんなところにいるの、これは夢?」
「むしろ今まで夢を見ていたんだよ。おはようミスティア」
「がりうすぅぅぅ!!」
涙を流して俺にキスをしようとミスティアが顔を近づける。俺はとっさにミスティアの肩を押してキスを止めた。
あ。
「あ、ごめん、いきなりキスなんかしたら嫌だよね。うん、ごめん……」
俺はとっさにマイラを見たが彼女はちょっと横を向きニヤリと笑っていた。まるで計画通りと言わんばかりに。
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