父親からの手紙

青空太郎

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ハードオフ永田さん

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ブックオフやハードオフなどでの買い物が好きな父親に 、「ハードオフ永田」というYOUTUBE動画があるので、見てみたら、とLINEすると、こんな返信が返ってきた。


動画見ました。面白い。
つい先週の日曜日、石油ファンヒーターを売りにハードオフ国分店に行きました。
石油ファンヒーターは未使用のものしか引き取らないということで、家のファンヒーターを売ることはできませんでした。しかし、夜中にこっそりピアノ演奏のための練習をするのに、鍵盤キーボードの何かいいものはないかなと思い、楽器コーナーを見ていると、カシオの鍵盤キーボードがありました。使えそうなのは5000円とか1万円とかするので、「高けなー、手がでんわ。」と思って、ジャンク品のコーナーの方を見に行くと、カシオの鍵盤キーボード1500円(税込み1650円)で売っていました。
「左から四つの鍵盤の音が出ません。(音がブレます)」と注意書きに書いてあったが、これは買うしかない、と思ってレジに持って行き、電源を入れてもらい、音がなるのか確認をさせて貰いました。

買う時のキーボードの説明を詳しくやってくれた人があなたの言う「永田さん」ではなかったのですが、眼鏡をかけた店員さんでコードの選び方の機能の使い方とか、ドラムメトロノームの使い方とか丁寧に教えてくださいました。親切な店員さんで(永田さんではない)、その他に付いている機能の使い方など丁寧に教えていただき、説明書きには、左の4音は音がブレます、と書いてありましたが、弾いてみると、音がブレることもなく、快適に演奏できます。「これは買いだ。」、と思い買って行きました。

家に持って帰ると、嫁から「そんなん要らんから返してこい。」と言われて、泣く泣く返品に再びハードオフ国分店に行きました。

返品のときに、全額を返金してくれるのか、と心配顔でレジに持っていき、「これ、嫁に怒られたので、返品できますか。」と聞くと、レシートを確認しながら半笑いで、「さっき買われたのですね、返金しますよ。」、と、神対応をしてくださったのが、今考えると、「ハードオフ永田さん」だったように思います。

あの欲しかったキーボードは、「鍵盤の数が少なかったけん、どうせ練習には使えんかったわ」、と自分で、自分を慰め、自分を納得させています。

家に帰り、ピアノの横に置いているオルガンを、子供部屋(現在使っていないので私の寝室になっている)に持って行っていい、という話になって、早速、部屋に運んだのですが、「机を片付けてから、持っていけやん」、と言われ、また一人でエッチラオッチラ抱えて、元の場所に戻しました。

今、家の中ではギスギスとした空気が漂っています。

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