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1巻
1-3
しおりを挟む「さて、これでひとまず、ここにいるみんなの紹介は終わったね。ホロウから質問したいことってあるかな?」
「今のところは大丈夫です」
「そっか。それじゃ、改めてようこそ! ホロウも今日から、この屋敷の一員で、僕たち家族の一員だ!」
「家族?」
ホロウは自分の耳を疑うように聞き返してきた。
「そうだよ。血の繋がりこそないけど、僕はみんなのことを大切な家族だと思っている。辛いことも嬉しいことも分かち合いたいし、たくさんの思い出を作っていきたい。ホロウ、これからよろしくね」
「はい!」
こうして、ホロウを交えた最初の晩餐が終わる。
その後は、彼女を連れて屋敷の案内をすることになった。
一階にあるキッチンや食堂、書庫といった部屋を一通り回って、二階へと上った。
「ここがホロウの部屋だよ」
僕が案内した部屋を見て、ホロウは目を丸くする。
「こ、こんなに広い部屋……私一人で使ってもいいんですか?」
「もちろんだよ。何か足りない物とか、ほしい物があったら言ってね?」
「足りない物なんてっ! 部屋をいただけただけで十分ですから」
「そうか」
最初はみんなそう言うんだ。
だけどいつか、あれがほしいとか、これが足りないとか、そういう欲を出せるようになってほしいと僕は思うよ。
「それじゃ、最後の部屋を見に行こうか」
「はい」
僕たちは一階へ降りた。そして階段の裏に回る。
「こんな所に扉が?」
「うん、最後の部屋は地下にあるんだよ。そこにも一人、紹介したい人がいるから」
階段裏の扉を開けると、地下へと続く階段が見える。
階段はまっすぐ続いている。
両壁に設置された魔法の松明に青白い火が灯り、暗い階段を照らす。
明かりの色と揺らめく影が、不気味な雰囲気をかもし出していた。
僕たちは並んで階段を下りていく。その途中、ふとホロウに目を向けると、少し怯えているように見えた。
「大丈夫だよ。何も怖いことはないから」
「は、はい!」
返事はしてくれたけど、ホロウの身体はまだブルブルと震えているようだった。
見かねた僕は、彼女の右手をぎゅっと握る。
「ウィル様?」
「これなら少しは安心できるかな?」
「ご、ごめんなさい。その……こういう薄暗い場所は売られていたときのことを思い出しちゃって……」
ああ、そういうことか。
暗いのが怖いんじゃなくて、奴隷として過ごした場所を連想してしまっていたのか。
そうだよね、失念していた。
ついさっきまで彼女は奴隷だったんだ。こんな短期間で忘れられるはずもない。
「僕のほうこそごめんね。配慮が足りなかったみたいだ」
「そ、そんなことありません! 今も、こうして手を握ってもらえるだけで……あ、安心できるので」
そう言って、ホロウは僕の手を強く握り締めた。
「ありがとう。もうそろそろ着くよ。ほら、あそこ」
僕は階段の奥を指差した。
そこには厳重に閉ざされた鉄の扉がある。
階段は一階から百段くらい下まで続いていて、地下室は地下四階くらいの深さにある。
僕たちは扉の前までたどり着き、トントンと鉄のドアをノックする。
「誰じゃ?」
中から彼女の声が聞こえてきた。
「僕だよ、ユノ。入ってもいいかな?」
「鍵は開いておるぞ」
「うん、じゃあ入るね」
僕は重い扉をぐっと押し込んで、ホロウを連れて中へ入った。
中は階段と違って広々としていて、閉塞感はない。
机の上には古い書物や石版、丸い水晶といった物が乱雑に置かれている。
他にも屋敷の中では見られない装置があったり、立てかけられたボードに魔法陣が書かれていたりする。
紫色のランプのせいでよけい怪しく感じる。
ホロウは珍しい物ばかりらしく、キョロキョロと辺りを見回している。
「ここは研究室なんだよ」
「研究室?」
「うん。僕と彼女のね」
僕はそう言いながら、部屋の端っこでこちらに背中を向けて立っている少女に目を向けた。
赤黒く長い髪に、メイド服ではなく真っ白な白衣を身に纏っている。
背を向けたままの彼女に、僕は声をかける。
「忙しいのにごめんね。急に来ちゃって」
「別に構わぬよ。ここは本来、ワシではなく主の部屋なんじゃからな」
「ううん、ここはもう君の部屋だよ。研究だって、ほとんど君に任せちゃってるしさ。あんまり手伝えなくてごめんね」
「今さら何を言っておる。主が多忙なことくらい、ワシだって理解しておるよ。それに――」
彼女はしゃべりながら、くるりと振り向く。
「これも契約じゃ」
整った顔立ちに、幼いながらも威厳のある雰囲気。
ルビーのように赤い瞳が印象的で、彼女を前にすると自然に背筋がピンとする。
ホロウも少し緊張している様子が窺える。
「む? 何じゃ主、また新しい女を捕まえてきよったのか?」
「そ、その言い方はよしてくれよ……」
彼女はムスッとした表情で言った。
ふとその視線がホロウを捉え、目が合った彼女はビクリと反応する。
「そう怯えんでも良いじゃろう……」
「ご、ごめんなさい!」
「はははっ、最初は仕方ないよ」
彼女と初めて会う人は、大体同じような反応をする。
それは彼女にはオーラというか、表現しがたい威圧感のようなものがあるからだ。
人間であれ亜人であれ、彼女と向き合うと自然に萎縮する。
「紹介するよ。彼女はユノ、神祖と呼ばれる最古の吸血鬼の一人だ」
僕が紹介すると、ホロウは無言のまま驚いていた。
神祖は亜人種に分類されない古の種族。
すでに滅びたとされている幻の一族なのだ。
神祖は全ての生物の頂点にあると言われ、無限の魔力と無限の命、圧倒的な力を有すとされる。
彼女から発せられる威圧感は、彼女が神祖だから自然に溢れてしまうもので、僕らはそれを生物の本能で感じ取っている。
「その反応……良いのう。何度見ても愉快じゃ。ワシのことを知った奴は、こぞって同じ反応をするからのう。まぁ、主はあんまり驚かなかったがのう」
「いやいや、僕もすごく驚いたよ! 神祖が実在するなんて思ってもみなかったからね」
「そうじゃったか? 主はいて当然、みたいな感じだった気がするが……まぁ良いか。で、ワシにも紹介してもらえるか?」
「あーうん、そうだったね。彼女はホロウ、今日から一緒に住むことになったんだ」
「よ、よろしくお願いします!」
勢い良く頭を下げるホロウ。
「そう固くならんでも良い。ワシらは同じ穴のムジナじゃ。ウィルと出会ってなければ、今頃一人ぼっちで腐っておったじゃろう。何か困ったことがあれば、ワシの所に来ると良い。力になれるかもしれんからのう」
「は、はい! ありがとうございます」
きっとホロウは、また驚いているだろうね。
彼女と会った人は、オーラや所作に威厳を感じて萎縮する。
だけど話してみると、優しくて面倒見の良いお姉さんだから、そのギャップに驚くんだ。
「そういえばユノ、夕食は良かったの?」
「問題ないのじゃ。主も知っておろう? ワシにとって食事は大した意味を持たん。いつも通り、主の血を分けてもらえれば十分じゃ」
「そういう契約だからね」
僕らがいつも通りのやり取りをしていると、ホロウが首を傾げる。
「あ、あの、契約というのは?」
「ああ、えっとね? ユノに僕の研究を手伝ってもらう代わりに、僕の血を吸わせてあげる、っていう契約を結んでるんだよ」
「ワシにとって、吸血は生命維持に必要不可欠じゃからのう」
無限の命を持つ彼女も、魔力が枯渇すれば行動できなくなってしまう。
それを回復する一番の手段が吸血なんだ。
「ウィル様」
「何?」
「ウィル様は何を研究されているんですか?」
ホロウが僕に尋ねてきた。
聞いてほしかった質問がきて、思わずにやけてしまう。
そして、少しもったいぶってから答える。
「僕が研究しているのは、亜人種についてだよ」
「亜人種について? 私たちのこと?」
「うん。ホロウは疑問に感じたことはない? 亜人がどうやって生まれたのか」
「どうやって……」
「歴史を紐解いていくとね? 亜人種は、世界に突然誕生しているんだよ」
様々な資料を読み漁った結果、僕はそのことを知った。
今から千年以上昔、現在亜人種と呼ばれている種族の原型が誕生したとされている。それも何の脈絡もなく、突然誕生したようなのだ。
「突然? それまで亜人はいなかったんですか?」
「そうだよ。それについては彼女が、ユノが保証してくれる」
僕はユノに視線を向けた。
ユノはこくりと頷き、続けて説明する。
「ワシが生まれたのは、今から三千年くらい昔のことじゃ。その頃には、ワシら神祖を除けば、人類しか存在しておらんかったよ」
三千年という気が遠くなるほど長い時間に驚くホロウ。
彼女は更なる疑問を感じたようで、それを口にする。
「ユノ様なら当時何が起きたかご存知なのではないですか?」
「ホロウよ、そう畏まらなくても良いと言ったじゃろう。ワシのことは呼び捨てで良い。それとすまんが、ワシにもその辺りのことはわからんのじゃ」
「ど、どうしてですか?」
「記憶がないんじゃよ。そのときのことだけ、ごっそりと忘れてしまっておるんじゃ」
「そんなことが⁉」
「ワシも驚いた。何せウィルに指摘されるまで、そのことに気付いておらんかったからのう」
彼女は三千年も生きている神祖。
三千年という時間は、僕たち人類には一生かけてもわからない感覚だ。
僕たちは、たった八十年くらい生きただけでも、昔のことを忘れてしまう。
三千年ともなれば、細かい記憶なんて忘れるのは当然だろう。
ただ疑問なのは――
「種族が急に増える、なんてことを、まったく覚えていないなんて不自然だよね」
しかも、何度思い返そうとしても、まったく思い出せないらしい。
これは不可解、というより明らかに不自然だった。
「じゃからワシらは、記憶を忘れたのではなく、忘れさせられたのだと考えた」
「消されたってことですか?」
「そうじゃ。何かがあったその当時、ワシらの記憶にも何かがあった。いや、何かをされたというのが正しいじゃろうな。ワシには何かされた記憶などないが、それごと消されておるんじゃろ」
「どの資料を読んでも、そのときのことを記した物は一つもなかったんだよ。国内にある遺跡は大抵回ったけど、参考になる物はなかったかな」
「それじゃ調べようが……」
「そうだね、僕もそう思ったよ。でも、だからこそ僕は知りたいんだ。亜人がどうして、どうやって誕生したのか。なぜ誰も覚えていないのか」
「ワシも自分の記憶がなぜ消されたのかを知りたい。じゃから協力しておるんじゃよ。なーに、調べる方法ならちゃんとある。のう?」
「うん」
確かに、当時のことを記した記録は見つかっていない。
だけどそれも、今のところは、というだけかもしれない。
少なくとも当時、何かが起こったのが事実なら、全ての記録を消し去るなんて難しい。
記録を探す他にも、ユノの記憶を取り戻す方法を模索したり、亜人種の歴史を調べたりもしている。
まぁ正直、今はわからないことが増えていく一方なんだけどね。
「すごく大変なことは理解してるよ。でも知りたいんだ。君たち亜人種が、どうしてこの世に生まれたのか。それがわかれば、世間の亜人種に対する視線も変わるかもしれない」
「ウィル様……」
「僕は君たち亜人が好きなんだよ。だから君たちのことを、周りの人たちに悪く言われるのは嫌なんだ」
自分が世間でどう思われているかは知っている。それについては、もう何とも思っていない。
だけどやっぱり、好きなものを悪く言われるのは応えるんだ。
別にさ、彼女たちが悪いことをしたわけじゃないんだよ。
それなのに偏見で誤解されて、世間から除け者扱いされるなんて悲しいし、寂しいと思う。
こうして、屋敷に住むみんなの紹介が終わり、ホロウも自分の部屋へ入って眠りについた。
僕は一人執務室で作業をしている。
みんなに気付かれないように部屋の照明は消して、小さなランプで手元だけ照らしている。
「……そろそろか」
僕は徐にカレンダーを確認した。
七月七日。今日から四日後のその日付には、わかりやすいように赤丸がつけてある。
もうすぐ……僕は十八歳になる。
その日が僕の人生において、二度目の分岐点になるであろうことを、何となく察していた。
そうして夜は更けていく。
書類仕事を一区切りさせて、僕もベッドで横になった。
3 誕生日
「おはよう、ホロウ」
「ウィル様! おはようございます」
次の日の朝、僕は廊下でホロウを見かけて声をかけた。
「昨日はぐっすり眠れたかな?」
「はい! お陰さまで疲れがとれました。こんなに安心して眠れたのは久しぶりでしたよ」
「それは良かった」
顔色は良好そうだし、本当にしっかり睡眠はとれたみたいだ。
僕より早く起きているところを見ると、もうメイドの仕事を始めているみたいだな。
ソラに指導を受けつつ、掃除、洗濯、料理などの家事仕事や、庭の手入れといった仕事について学んでいく手はずになっている。
僕も何度か手伝った経験があるからわかるけど、ただの家事でも結構大変だ。
慣れないことを急に覚えるというのは、誰だって骨が折れる。
「そろそろ朝食だよね?」
「はい。丁度その件で伺おうと思っていました」
「そうだったんだ。じゃあ一緒に行こうか」
「はい!」
僕はホロウと並んで歩きながら食堂へ向かった。
彼女の表情を横目に見ながら僕は安堵する。
良かった。この様子なら、すぐにみんなに溶け込めそうだ。
あとは仕事にどれだけ早く慣れるかだけど、ソラに任せておけば大丈夫だな。
ガチャッ――
食堂の扉を開けると、すでに朝食がテーブルの上に並べられていた。
ソラたちの姿も揃っているようだ。
「おはよう、みんな」
「ウィル様おっはよー!」
最初にニーナが、一番元気良くあいさつを返してきた。
それから他の子たちも「おはようございます」と口にする。
僕は自分の席に座り、彼女たちが座るのを待った。
「いただきます」
みんなが座ったところで手を合わせ、仲良く朝食をとる。
ちなみにユノは今日もいないけど、これはいつものことだ。
彼女は僕たちとライフサイクルが違う。夜に活動して昼に眠る彼女は、現在ぐっすりと睡眠中なのだ。
だから彼女が食卓に顔を出すのは、基本的には夕飯だけになる。
「そういえばウィル様! もうすぐ誕生日だよね!」
「うん。明後日だね」
「そうなんですか!」
ホロウだけは反応が大きかった。
彼女は昨日来たばかりで、そのことを知らなかったからだ。
「僕も十八歳になる。一応これで成人になるわけだ」
「そっか~。じゃあついに、ウィル様も領地が貰えるってことだね!」
「そうなるかな」
グレーテル家の慣わしで、成人になると親から領地を与えられる。
その後は貰った領地で暮らし、開拓しながら繁栄を目指していくことになるんだ。
つまり人間としても、貴族としても一人前になるという意味である。
逆に、貰った領地を満足に経営できなければ、貴族として生きる道が完全に閉ざされてしまう。
過去にはそれで、家から追放された人もいたそうだ。
まぁ僕の場合、現状がすでに追放されているようなものだけどね。
「実はそのことで、父上から本宅へ来るように言われてるんだ」
僕がそう口にすると、騒がしかった彼女たちがピタリとしゃべるのをやめた。
ホロウだけは他をキョロキョロ見回している。
静まる空気の中、心配そうにロトンが尋ねてくる。
「だ、大丈夫なんですか?」
「うん、まぁどうだろうね? なるようになる……かな」
僕は笑顔でそう答えたけど、かえってみんなを心配させてしまったようだ。
無理して笑っていると思われている気がした。
「そんなに心配しないで! 本宅にはソラも一緒に来てくれるしさ」
「はい。皆さんの分まで、私がしっかりウィル様をお守りします」
ソラはいつになく真剣な表情でそう言った。
彼女たちに心配をかけてしまって申し訳ないと思う。
だけどたぶん、これは一生続くんじゃないかとも思っている。
朝食を終えた僕は、本宅へ向かうための準備に取り掛かった。
本宅があるのは、僕らの暮らすウェストニカ王国の王都リクラストだ。
この屋敷からは馬車で二時間ほどかかる。
馬車を用意し、みんなが見送る中、僕とソラが乗り込む。
「それじゃみんな、行ってくるよ。夕方には帰れると思うから、それまで留守番よろしくね。ホロウも張り切り過ぎちゃ駄目だよ?」
「は、はい!」
ソラが馬の手綱を引き、馬車がゆっくりと出発する。
これはあとで聞いた話だけど、僕たちの姿が見えなくなるまで見送った後、ホロウが隣に立っていたニーナにこんな質問をしたそうだ。
「あの、どうして皆さん心配なさっているんですか? 親に会いに行くだけなのに」
「う~んとねぇ……ホロちゃんは、ウィル様が世間で何て呼ばれてるか知ってる?」
「はい、一応……あまり評判は良くないと」
「うん、それでね? そのきっかけを作ったのが、ウィル様のお父さんなんだよ」
「えっ、な、何で⁉ どうしてそんなことを?」
「五歳のときの検査の話は聞いたよね? あれが原因なんだって」
ニーナに続いて、サトラも言う。
「それ以来、ウィル様と旦那様はあまり良好な関係ではないの」
「サトラさん……だから皆さん心配して……大丈夫なんでしょうか?」
サトラたちは回答を躊躇ったらしい。
何故なら、わからない、というのが彼女たちの答えだったからだ。
そんなやり取りがあったとは知らずに、僕は父上が待つ本宅へと向かった。
きっと今回も彼女たちを不安にさせているだろうと思うと申し訳なかったけど、僕自身はそこまで気負ってはいない。
ただ心配なのは、僕のせいで彼女たちにまで被害が及ばないか、ということだけだった。
応援ありがとうございます!
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