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【完結話】或るシングルマザーの憂鬱
#7 キュンキュン・ワールドへGO…
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観覧車にたどり着くまでの道のりはとても寒かった。
海か川かわからない水際から吹き付けてくる風は、色んな方向からあたしたちを取り巻き、締め付けた。
コンタクトレンズが乾かないように、目を細めて歩く。
遠くから見ても大きかった観覧車は、近づくにつれ、ますますその大きさを誇示してきた。
「夜の観覧車は、クリスマスの今じゃ人数制限とかでさすがに乗れたないだろうしなー。ほら、昼間でも並んでいるし」
鮫島くんが指さした。
チケット売り場が少々込み合っているようだ。あたしは圭吾の手をつなぎ、世界で一番大きな丸じゃないだろうか、と観覧車の手前で口をあんぐり開けた。
「おれ、のらない」
あたしの手を振りきり、圭吾が離れた。
「え、なんで。どうしたの。怖いの?」
顔を背けている圭吾に、あたしは驚いた。
「ゆっくりだし、怖くないよ」
鮫島くんが、なだめるように言う。
「おれ、のらない」
「楽しいよ。高いとこ行ったら、人なんか豆粒みたいだし。友達にも自慢できるよ」
圭吾はもっと顔を背ける。
どうしたっていうのだろう。
「あ、もしかして、圭吾くん、気を使っているの?ぼくらを二人にしてあげようって」
圭吾の向こうむいた顔を覗き込んで、鮫島くんが笑った。
「そ、そうなの?バカね、圭吾。あんた一人置いていけるわけないでしょ。三人で乗ろう」
顔が赤くなるのを隠して、あたしは圭吾の手を引っぱった。
が、圭吾はなびこうとせず、その場に膝を抱えてしゃがみ込んだ。
あたしは困った顔をしている鮫島くんに、ここは任せて、と目で合図をした。
「じゃ、ママも乗らない」
そう言えば、あまのじゃくな圭吾はやっぱり乗ると言う。結局従順なのだ。
あたしは圭吾の横に一緒になってしゃがんだ。圭吾はあたしと目が合うと、飛び込むようにしがみついてきた。
「ママものらないから、サメジマひとりでのって」
あたしのマフラーに顔を埋めて、鮫島くんの方を見ずに圭吾が言った。
「え」
思わぬ圭吾の言葉に、あたしと鮫島くんは低い声で一音だけ湯らした。
「じゃあ乗る」と立ち上がるとふんでいたのに。失敗した。
鮫島くんは、圭吾があたしを巻き添えにして乗らないと言い張ることが気に障ったのか、サメジマと呼び捨てにされたことが気に入らなかったのか、腹立たしげに「何それ」と呟いた。
「圭吾くんがわがまま言うと、小北さんまで乗れなくなっちゃうじゃんかー」
子供みたいに拗ねて、鮫島くんは「あーあ」とため息をついた。
「コキタさんじゃない、ママ!」
圭吾は何もかもが嫌になったように、どれだけ機嫌を取っても反抗するばかりだった。
圭吾はあたしや鮫島くんに気を使っていたのではなく、ヤキモチを焼いていたのか、と今更ながら気がついた。
幼い圭吾への申しわけなさに涙が出そうになった。
「わかりましたよ。とっとと帰って、キュンワーに行けってことでしょ。はいはい。これだから子供は…」
その後をゴニョゴニョと濁して、鮫島くんはあたしと圭吾に背を向け、駐車場へ早足で進んでいった。
ぐずっている圭吾の足では、追いつけない速さだ。
鮫島くんも鮫島くんで、子供相手にムキになって、ちょっと大人気ないんじゃない?と思いながら、急いで後について行った。
帰りの高速は行きと違って、鮫島くんは一言も喋らなかった。
車の流れが悪くて気が滅入ってきたせいもある。
でもそれより鮫島くんは、今度はあたしが圭吾と後ろの席に座ったから、気を悪くしたようだ。
シートベルトを閉めているときに、
「圭吾くんはずるい」
などと、何とも幼稚な発言までしていた。
若いからか、といってもあたしと三歳しか違わないし、でもその割りにはやっぱり鮫島くんは若くて幼い。
あたしだって観覧車に乗りたかった。
でも子供の圭吾が嫌がるなら仕方がないじゃないか。
鮫島くんがあたしのために色々考えてくれたプランを台無しにしたことは悪いなとは思う。
でも、あそこで「じゃあ、ぼくも乗らない」ぐらい、圭吾に合わせて言ってくれたら嬉しかったのに。
独身の鮫島くんにそれを求めるのは酷なのか。
圭吾はあたしと手をつなぎながら、防音壁で遮られた味気ない景色を眺めている。
その横顔は、なんとなく勝ち誇ったようにも見えた。
速度が落ちる。
こんな調子では何時間かかるだろう。
行きの倍、もっとか。
そんな時間、この無言の修行が続くなんて。
そしてとうとう車は止まってしまった。
渋滞にはまった。
まだ半分も走れていないというのに。
時折、申し訳程度に車一台分進むくらいで、下道へ逸れようにも、どうにも儘ならぬ事態だ。
時刻は15時を回っていて、このままじゃ、キュンキュン・ワールドで遊べる時間があまり取れないかもしれない。
さすがの鮫島くんも大人の心を取り戻したのか、
「やばいな。キュンワーって、何時まで開いていますか」
と焦りの色を隠せない。
サービスエリアで休憩するのもやめて、なんとか次のインターで降りた。
薄暗くなってくる中、全く知らない土地の道をナビ任せで突っ走り、時間惜しくコンビニで夕飯のおにぎりを買って、用も足した。
鮭おにぎりを片手に運転する鮫島くんが、
「もう、今日は間に合わないかもな。圭吾くん、ごめんな。アウトだ、アウト」
やけっぱちな調子で声高に叫んだ。
圭吾はモソモソとミニ寿司にぎりを口に運んで「まだわからない」と、諦めてなどいないことを主張した。
完全に日は暮れた。
18時を過ぎて19時も過ぎた。
あたしたちはまだ見当もつかないドライブを続けている。
どこの国道も両側は派手派手しいイルミネーションのファミレスやパチンコ店が連なっていて、代わり映えしない。
それが途切れて明かりのない畑だらけの道に入る。
前を走る車の赤いバックライトだけが点々と灯り、これから通る道筋を知らせてくる。
そしてまた街の中心らしき賑やかな塊、さっきと似通った派手派手がやって来るのだ。
お馴染みの地名が記された案内標識を確認できた頃には、とうとう21時になっていた。
キュンキュン・ワールドの閉館時間だ。
圭吾はそれでもまだ望みを捨てていないらしく、太ももの上で両手を握り締めて小刻みに動かしている。
こうすることで、自分が車を早く進めている気になっているのだろうか。
可哀相だが、諦めさせなくてはいけない。
「キュンキュン・ワールド、閉まっちゃったね。今日は残念だけど、また今度行こう」
ここ最近一番優しい声で慰めた。
圭吾は体より前に首を突き出して、
「まだわからない」
と呟いた。
信号で止まった時に、鮫島くんが弱った顔をして振り向いた。
「アウトだな、圭吾くん」
「まだわからないの。いって、いって。サメジマいって」
信号が青に変わったのを指差して、圭吾はひたすら頼んだ。
困り切った様子の鮫島くんに、あたしは詫びるようにうなずいた。
よく知る保育園の通学路の国道に入った。
圭吾は胸の前で祈るように手を合わせ、目をしばたたかせている。
自分を待ってくれていると信じながら、キュンキュン・ワールドの出現を待っている。
数珠つなぎで走っている車の群れは、じらせて自転車並みの速度で進む。
歩道の内側を淡く照らす街灯が、だんだんと間隔が密になってくる。
キュンキュン・ワールドが近い。
キュンキュンの紙袋を持ったたくさんの親子連れが、近くの駅に向かって歩く姿が見える。
入口のかなり手前から装飾されているイルミネーションのおかげで、暗かった空がやんわりとした光に押されて白夜のようだ。
ああもう、すぐそこ、優しい光が強い電飾で眩しくなる。
はやる気持ちを乗せ、なだらかなカーブを曲がり切ったところで、圭吾の合わせていた手と、伸ばしきっていた首が力なく前に垂れた。
門は朝と同様、固く閉ざされていた。
車は入り口に入っていくことなくゆっくり通り過ぎる。
切ない映画のワンシーンのようだ。
輝いていた情景が徐々に元の暗がりへ還っていく。
うなだれていた圭吾が、小さな体を二つに折り曲げて、びっくりするくらい大きな声で
「おあっー」
と長い声をあげた。
息が続かなくなったところでピタと止め、姿勢をもとに戻した。
しゃくり上げるでもなく、すすり泣くわけでもなく、それきり何事もなかったかのように、キュンキュン・ワールドの外壁を振り返って眺めていた。
つづく
海か川かわからない水際から吹き付けてくる風は、色んな方向からあたしたちを取り巻き、締め付けた。
コンタクトレンズが乾かないように、目を細めて歩く。
遠くから見ても大きかった観覧車は、近づくにつれ、ますますその大きさを誇示してきた。
「夜の観覧車は、クリスマスの今じゃ人数制限とかでさすがに乗れたないだろうしなー。ほら、昼間でも並んでいるし」
鮫島くんが指さした。
チケット売り場が少々込み合っているようだ。あたしは圭吾の手をつなぎ、世界で一番大きな丸じゃないだろうか、と観覧車の手前で口をあんぐり開けた。
「おれ、のらない」
あたしの手を振りきり、圭吾が離れた。
「え、なんで。どうしたの。怖いの?」
顔を背けている圭吾に、あたしは驚いた。
「ゆっくりだし、怖くないよ」
鮫島くんが、なだめるように言う。
「おれ、のらない」
「楽しいよ。高いとこ行ったら、人なんか豆粒みたいだし。友達にも自慢できるよ」
圭吾はもっと顔を背ける。
どうしたっていうのだろう。
「あ、もしかして、圭吾くん、気を使っているの?ぼくらを二人にしてあげようって」
圭吾の向こうむいた顔を覗き込んで、鮫島くんが笑った。
「そ、そうなの?バカね、圭吾。あんた一人置いていけるわけないでしょ。三人で乗ろう」
顔が赤くなるのを隠して、あたしは圭吾の手を引っぱった。
が、圭吾はなびこうとせず、その場に膝を抱えてしゃがみ込んだ。
あたしは困った顔をしている鮫島くんに、ここは任せて、と目で合図をした。
「じゃ、ママも乗らない」
そう言えば、あまのじゃくな圭吾はやっぱり乗ると言う。結局従順なのだ。
あたしは圭吾の横に一緒になってしゃがんだ。圭吾はあたしと目が合うと、飛び込むようにしがみついてきた。
「ママものらないから、サメジマひとりでのって」
あたしのマフラーに顔を埋めて、鮫島くんの方を見ずに圭吾が言った。
「え」
思わぬ圭吾の言葉に、あたしと鮫島くんは低い声で一音だけ湯らした。
「じゃあ乗る」と立ち上がるとふんでいたのに。失敗した。
鮫島くんは、圭吾があたしを巻き添えにして乗らないと言い張ることが気に障ったのか、サメジマと呼び捨てにされたことが気に入らなかったのか、腹立たしげに「何それ」と呟いた。
「圭吾くんがわがまま言うと、小北さんまで乗れなくなっちゃうじゃんかー」
子供みたいに拗ねて、鮫島くんは「あーあ」とため息をついた。
「コキタさんじゃない、ママ!」
圭吾は何もかもが嫌になったように、どれだけ機嫌を取っても反抗するばかりだった。
圭吾はあたしや鮫島くんに気を使っていたのではなく、ヤキモチを焼いていたのか、と今更ながら気がついた。
幼い圭吾への申しわけなさに涙が出そうになった。
「わかりましたよ。とっとと帰って、キュンワーに行けってことでしょ。はいはい。これだから子供は…」
その後をゴニョゴニョと濁して、鮫島くんはあたしと圭吾に背を向け、駐車場へ早足で進んでいった。
ぐずっている圭吾の足では、追いつけない速さだ。
鮫島くんも鮫島くんで、子供相手にムキになって、ちょっと大人気ないんじゃない?と思いながら、急いで後について行った。
帰りの高速は行きと違って、鮫島くんは一言も喋らなかった。
車の流れが悪くて気が滅入ってきたせいもある。
でもそれより鮫島くんは、今度はあたしが圭吾と後ろの席に座ったから、気を悪くしたようだ。
シートベルトを閉めているときに、
「圭吾くんはずるい」
などと、何とも幼稚な発言までしていた。
若いからか、といってもあたしと三歳しか違わないし、でもその割りにはやっぱり鮫島くんは若くて幼い。
あたしだって観覧車に乗りたかった。
でも子供の圭吾が嫌がるなら仕方がないじゃないか。
鮫島くんがあたしのために色々考えてくれたプランを台無しにしたことは悪いなとは思う。
でも、あそこで「じゃあ、ぼくも乗らない」ぐらい、圭吾に合わせて言ってくれたら嬉しかったのに。
独身の鮫島くんにそれを求めるのは酷なのか。
圭吾はあたしと手をつなぎながら、防音壁で遮られた味気ない景色を眺めている。
その横顔は、なんとなく勝ち誇ったようにも見えた。
速度が落ちる。
こんな調子では何時間かかるだろう。
行きの倍、もっとか。
そんな時間、この無言の修行が続くなんて。
そしてとうとう車は止まってしまった。
渋滞にはまった。
まだ半分も走れていないというのに。
時折、申し訳程度に車一台分進むくらいで、下道へ逸れようにも、どうにも儘ならぬ事態だ。
時刻は15時を回っていて、このままじゃ、キュンキュン・ワールドで遊べる時間があまり取れないかもしれない。
さすがの鮫島くんも大人の心を取り戻したのか、
「やばいな。キュンワーって、何時まで開いていますか」
と焦りの色を隠せない。
サービスエリアで休憩するのもやめて、なんとか次のインターで降りた。
薄暗くなってくる中、全く知らない土地の道をナビ任せで突っ走り、時間惜しくコンビニで夕飯のおにぎりを買って、用も足した。
鮭おにぎりを片手に運転する鮫島くんが、
「もう、今日は間に合わないかもな。圭吾くん、ごめんな。アウトだ、アウト」
やけっぱちな調子で声高に叫んだ。
圭吾はモソモソとミニ寿司にぎりを口に運んで「まだわからない」と、諦めてなどいないことを主張した。
完全に日は暮れた。
18時を過ぎて19時も過ぎた。
あたしたちはまだ見当もつかないドライブを続けている。
どこの国道も両側は派手派手しいイルミネーションのファミレスやパチンコ店が連なっていて、代わり映えしない。
それが途切れて明かりのない畑だらけの道に入る。
前を走る車の赤いバックライトだけが点々と灯り、これから通る道筋を知らせてくる。
そしてまた街の中心らしき賑やかな塊、さっきと似通った派手派手がやって来るのだ。
お馴染みの地名が記された案内標識を確認できた頃には、とうとう21時になっていた。
キュンキュン・ワールドの閉館時間だ。
圭吾はそれでもまだ望みを捨てていないらしく、太ももの上で両手を握り締めて小刻みに動かしている。
こうすることで、自分が車を早く進めている気になっているのだろうか。
可哀相だが、諦めさせなくてはいけない。
「キュンキュン・ワールド、閉まっちゃったね。今日は残念だけど、また今度行こう」
ここ最近一番優しい声で慰めた。
圭吾は体より前に首を突き出して、
「まだわからない」
と呟いた。
信号で止まった時に、鮫島くんが弱った顔をして振り向いた。
「アウトだな、圭吾くん」
「まだわからないの。いって、いって。サメジマいって」
信号が青に変わったのを指差して、圭吾はひたすら頼んだ。
困り切った様子の鮫島くんに、あたしは詫びるようにうなずいた。
よく知る保育園の通学路の国道に入った。
圭吾は胸の前で祈るように手を合わせ、目をしばたたかせている。
自分を待ってくれていると信じながら、キュンキュン・ワールドの出現を待っている。
数珠つなぎで走っている車の群れは、じらせて自転車並みの速度で進む。
歩道の内側を淡く照らす街灯が、だんだんと間隔が密になってくる。
キュンキュン・ワールドが近い。
キュンキュンの紙袋を持ったたくさんの親子連れが、近くの駅に向かって歩く姿が見える。
入口のかなり手前から装飾されているイルミネーションのおかげで、暗かった空がやんわりとした光に押されて白夜のようだ。
ああもう、すぐそこ、優しい光が強い電飾で眩しくなる。
はやる気持ちを乗せ、なだらかなカーブを曲がり切ったところで、圭吾の合わせていた手と、伸ばしきっていた首が力なく前に垂れた。
門は朝と同様、固く閉ざされていた。
車は入り口に入っていくことなくゆっくり通り過ぎる。
切ない映画のワンシーンのようだ。
輝いていた情景が徐々に元の暗がりへ還っていく。
うなだれていた圭吾が、小さな体を二つに折り曲げて、びっくりするくらい大きな声で
「おあっー」
と長い声をあげた。
息が続かなくなったところでピタと止め、姿勢をもとに戻した。
しゃくり上げるでもなく、すすり泣くわけでもなく、それきり何事もなかったかのように、キュンキュン・ワールドの外壁を振り返って眺めていた。
つづく
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