4 / 12
4 私の家族と皇帝
しおりを挟む
『ああ、ベス!』
皇帝の私室、その応接間にイヴァンに伴われて入って来た私を見るとソファから立ち上がったお母様が抱きついてきた。
(お父様の前ではやめて! お母様!)
内心悲鳴をあげるが当然お母様は気づいてないだろう。
殺意というほどではないが真綿で首を絞められているような何とも精神的にくる視線を向けられている。
見なくても、それを向けている人が誰か分かる。
お父様だ。
女で娘だろうと最愛の妻であるお母様が自分以外と密着するのが許せないのだ。普段は冷静沈着で理性的だが、お母様に関しては、ものすごく心が狭いお人なのだ。
『大丈夫!? 馬鹿皇子にひどい事されなかった!?』
目の前に皇帝、皇子の父親がいるのに、お母様は躊躇なく「馬鹿皇子」と言っている。
私の数年後を思わせる容姿のお母様。
前世は平々凡々な容姿だったが、今生は、このお母様そっくりの絶世の美少女になった。幼い頃は鏡の中の自分に見惚れたものだ。
テューダ王国王家の特徴の黒髪紫眼は、お母様から私達兄妹にも受け継がれている。
お母様は今年三十九になるのに、お父様同様若々しく、美しさは衰えるどころか年々輝きを増してさえいると専らの評判だ。
前世同様、小柄で華奢な体格は、お母様もそうだが……胸だけは、お母様のほうが格段にある。お母様も今の私の年頃は、私と同じ貧にゅ……胸が小さかったらしいが、妊娠出産を三度経験したお陰で王妃であるお祖母様ほどではないが豊かになったらしい。
……妊娠出産ではなく、お父様のお陰ではないかと私は思っているけど。男の人と肌を重ねると胸が豊かになると前世で聞いたので。《脳筋国家》とはいえ王侯貴族の女性がそんな事話題にするはずがないから、お母様はそれを知らないのだろう。
「……お母様、陛下の御前なのですから」
さりげなくお母様の抱擁から逃れると、私は一応たしなめた。
娘相手だからか、今までお母様が喋っていたのはテューダ語だが、王侯貴族である以上、最低十か国語は学ぶ。まして、皇帝は高等部の頃、テューダ王国に留学していた。テューダ語が理解できないというのはありえない。
「構わないよ」
皇帝にとっては愛してないどころか関心すらない息子だし、何より「馬鹿皇子」呼ばわりしたのは、彼が唯一愛する女性だ。全く気にならないのだろう。
ラズドゥノフ帝国皇帝ピョートル。容姿だけなら皇子は彼にそっくりだ。お父様やお母様と同じで今年で三十九になるが彼も若々し見える。プラチナブロンドにアイスブルーの瞳の長身痩躯の美形だ。
「許可を得たとはいえ、私、皇子を鉄扇で十発殴りました」
謝りはしないが一応報告しておいた。
「十発でよかったのか?」
自分が許可したのだから当然だろうが、皇帝は私を責めず言外に「それでよかったのか?」と訊いてきた。
「馬鹿皇子のために疲れるのも嫌なので」
私ももう「馬鹿皇子」呼ばわりしてしまったが、それを気にする人間はこの場には誰もいない。
「ものすごく楽しそうに殴っていたな」
イヴァンの言葉に私は笑ってしまった。
「あいつのお守りでストレスが溜まっていたので」
私は元々子供が嫌いだ。まして初対面から偉そうに接してきた相手だ。婚約者だから仕方なく、この一年、あの馬鹿がポカをやらかす度に奔走していた。ストレスも溜まる。
「父親として、皇帝として、貴女方に謝罪する。息子が公衆の面前で婚約破棄宣言などして、本当に申し訳なかった」
一人掛けのソファから立ち上がると皇帝が私達家族に向かって頭を下げた。
「私個人としては謝罪は不要です。しっかり仕返ししましたし」
これは私。
「ベスが気にしないなら、私も気にしませんわ。それに……かつて私も彼と同じ事をしたので、あまり非難できないのです」
これは、お母様。皇帝相手だからか、今度はラズドゥノフ語を口にしている。
公衆の面前での婚約破棄宣言は、どちらも非難されるものだが、お母様と馬鹿皇子では婚約破棄宣言した理由が違う。
私と違って権力に何の魅力を感じないどろこか重荷にしか思わなかったお母様は、女王になりたくなくて女王になるのが確実となってしまうペンドーン侯爵令息だったお父様との結婚を回避するために、王配になりたくて迫ってきた馬鹿男を恋人にし(実際には心も体も許さなかったらしいが)自分の十六歳の誕生日会で彼との間に子供が出来たなどと嘘を吐き婚約破棄宣言したのだ。
まあ紆余曲折あって王女(当時)としての責務を全うすると誓い、お父様ともちゃんと心通わせ私達兄妹を産んだのだけれど。
馬鹿皇子は素っ気ない元婚約者が自分に泣きつく所が見たくて、あんな馬鹿な真似をしたようだ。
「陛下には申し訳ないが、馬鹿皇子との婚約が破談になってよかったと思っています」
これは長兄リカルドだ。二十一歳。瞳の色以外は、お父様に酷似した超絶美形だ。
三年前に隣国フォイエルバッハ王国の王女と結婚し、今年三歳になる息子もいる。そして、現在、王子妃は第二子を妊娠中だ。
それだのに、妹の卒業式に来たのは婚約破棄されると分かっていて心配してくれたからだろう。
「私もベスと馬鹿皇子の婚約が破談になったのは嬉しいが……ベスの新しい婚約者が皇弟殿下なのはな」
これは次兄ヘンリー、愛称ハンクだ。二十歳。私やお母様の男性版のような、叔父様(お母様の異母弟アルバート)やお祖父様(国王)に酷似した美丈夫だ。
ハンク兄様は二年前に、大陸の南にあるエチェバリア王国の王太女と結婚し、現在王太女が女王に即位したので彼も国王になった。エチェバリア王国はテューダ王国の属国だ。宗主国の王子なので王配ではなく共同統治者、国王となったのだ。女王との間に今年で二歳になる双子の男女を儲けている。
妹の卒業式とはいえ国王であまり国を離れるべき立場ではないハンク兄様がわざわざやって来たのは、彼もまた婚約破棄される妹を心配してくれたからだろう。
お父様以外の家族は末っ子の私を溺愛してくれているのだ。
「リズが気にしないなら、私も気にしませんよ」
これは、お父様だ。
黒髪黒目の超絶美形。その美しさと迫力は、年齢を重ねても衰えるどころか増してさえいると専らの評判だ。
均整の取れた長身から放たれる無意識に人を従わせるカリスマ性は、大国の皇帝を前にしても遜色がないどころか、むしろ皇帝のほうが色褪せて見える。
それはイヴァンも同じで、兄弟でありながら無意識に人を従わせる空気をまとっているのは、イヴァンなのだ。
(……貴方なら、そう言うのは分かっていました。お父様)
娘が公衆の面前で婚約破棄されるという恥辱を味わおうと、この人は全く気にしない。
この人にとって何よりも大事なのは、お母様だ。
娘に何かあれば、お母様が悲しむから気にかけているに過ぎない。
最愛の妻であるお母様と自分との娘であり、そのお母様に酷似していようと、私自身を気にかける事はないのだ。
「ベス王女。今、ヘンリー王が仰ったが、イヴァンが新たな婚約者になる」
「はい。先程、皇弟殿下から伺いました」
「世間的には皇子が駄目になったから皇弟に挿げ替えたと思われるだろうが、イヴァンは愚息が貴女の婚約者だった時から貴女を想っていた。イヴァンとなら貴女も一人の女性としても幸せになれるだろう」
弟の気持ちを知りながら皇子を私の婚約者のままにしたのは仕方ないのだろう。
帝国の慣習ならば皇弟より皇子のほうが皇位継承順位が近い。まして、皇弟の母親は元娼婦の妾妃だが馬鹿皇子の母親は元は公爵令嬢だ。血統を重んじる帝国では、馬鹿でも皇子のほうを皇帝と認めるだろう。
敵に回したくないテューダ王国の王女を将来の皇后に据えるつもりなら、帝国の慣習で皇位継承権第一位で年齢も近い皇子と婚約させるのが当然だ。
何もなく、ただ皇弟がテューダ王国の王女を欲しているからという理由で婚約者の挿げ替えはできない。だからこそイヴァンも甥を焚きつけて卒業パーティーで婚約破棄させたのだ。
「ええ。皇弟殿下となら皇子とより、うまくやれそうです」
別に女性としての幸福など望んでいない。
愛する人とは絶対に結婚できないのだから。
あの人でないなら誰だって同じだ。
そう思っていたけれど、この一年馬鹿皇子と間近で接して、うまくやっていく自信がなくなっていた。
けれど、私を愛していると言ってくれ、私も初対面から好意を抱いたイヴァンとならうまくやっていけそうだ。
最初に「あなたを愛せない」と言ったのだ。私の心を得られない事は覚悟しているだろう。
私も心はあげられないけれど妻として生涯彼に尽くす。それで我慢してもらおう。
この時の私は、そう軽く考えていた。
皇帝の私室、その応接間にイヴァンに伴われて入って来た私を見るとソファから立ち上がったお母様が抱きついてきた。
(お父様の前ではやめて! お母様!)
内心悲鳴をあげるが当然お母様は気づいてないだろう。
殺意というほどではないが真綿で首を絞められているような何とも精神的にくる視線を向けられている。
見なくても、それを向けている人が誰か分かる。
お父様だ。
女で娘だろうと最愛の妻であるお母様が自分以外と密着するのが許せないのだ。普段は冷静沈着で理性的だが、お母様に関しては、ものすごく心が狭いお人なのだ。
『大丈夫!? 馬鹿皇子にひどい事されなかった!?』
目の前に皇帝、皇子の父親がいるのに、お母様は躊躇なく「馬鹿皇子」と言っている。
私の数年後を思わせる容姿のお母様。
前世は平々凡々な容姿だったが、今生は、このお母様そっくりの絶世の美少女になった。幼い頃は鏡の中の自分に見惚れたものだ。
テューダ王国王家の特徴の黒髪紫眼は、お母様から私達兄妹にも受け継がれている。
お母様は今年三十九になるのに、お父様同様若々しく、美しさは衰えるどころか年々輝きを増してさえいると専らの評判だ。
前世同様、小柄で華奢な体格は、お母様もそうだが……胸だけは、お母様のほうが格段にある。お母様も今の私の年頃は、私と同じ貧にゅ……胸が小さかったらしいが、妊娠出産を三度経験したお陰で王妃であるお祖母様ほどではないが豊かになったらしい。
……妊娠出産ではなく、お父様のお陰ではないかと私は思っているけど。男の人と肌を重ねると胸が豊かになると前世で聞いたので。《脳筋国家》とはいえ王侯貴族の女性がそんな事話題にするはずがないから、お母様はそれを知らないのだろう。
「……お母様、陛下の御前なのですから」
さりげなくお母様の抱擁から逃れると、私は一応たしなめた。
娘相手だからか、今までお母様が喋っていたのはテューダ語だが、王侯貴族である以上、最低十か国語は学ぶ。まして、皇帝は高等部の頃、テューダ王国に留学していた。テューダ語が理解できないというのはありえない。
「構わないよ」
皇帝にとっては愛してないどころか関心すらない息子だし、何より「馬鹿皇子」呼ばわりしたのは、彼が唯一愛する女性だ。全く気にならないのだろう。
ラズドゥノフ帝国皇帝ピョートル。容姿だけなら皇子は彼にそっくりだ。お父様やお母様と同じで今年で三十九になるが彼も若々し見える。プラチナブロンドにアイスブルーの瞳の長身痩躯の美形だ。
「許可を得たとはいえ、私、皇子を鉄扇で十発殴りました」
謝りはしないが一応報告しておいた。
「十発でよかったのか?」
自分が許可したのだから当然だろうが、皇帝は私を責めず言外に「それでよかったのか?」と訊いてきた。
「馬鹿皇子のために疲れるのも嫌なので」
私ももう「馬鹿皇子」呼ばわりしてしまったが、それを気にする人間はこの場には誰もいない。
「ものすごく楽しそうに殴っていたな」
イヴァンの言葉に私は笑ってしまった。
「あいつのお守りでストレスが溜まっていたので」
私は元々子供が嫌いだ。まして初対面から偉そうに接してきた相手だ。婚約者だから仕方なく、この一年、あの馬鹿がポカをやらかす度に奔走していた。ストレスも溜まる。
「父親として、皇帝として、貴女方に謝罪する。息子が公衆の面前で婚約破棄宣言などして、本当に申し訳なかった」
一人掛けのソファから立ち上がると皇帝が私達家族に向かって頭を下げた。
「私個人としては謝罪は不要です。しっかり仕返ししましたし」
これは私。
「ベスが気にしないなら、私も気にしませんわ。それに……かつて私も彼と同じ事をしたので、あまり非難できないのです」
これは、お母様。皇帝相手だからか、今度はラズドゥノフ語を口にしている。
公衆の面前での婚約破棄宣言は、どちらも非難されるものだが、お母様と馬鹿皇子では婚約破棄宣言した理由が違う。
私と違って権力に何の魅力を感じないどろこか重荷にしか思わなかったお母様は、女王になりたくなくて女王になるのが確実となってしまうペンドーン侯爵令息だったお父様との結婚を回避するために、王配になりたくて迫ってきた馬鹿男を恋人にし(実際には心も体も許さなかったらしいが)自分の十六歳の誕生日会で彼との間に子供が出来たなどと嘘を吐き婚約破棄宣言したのだ。
まあ紆余曲折あって王女(当時)としての責務を全うすると誓い、お父様ともちゃんと心通わせ私達兄妹を産んだのだけれど。
馬鹿皇子は素っ気ない元婚約者が自分に泣きつく所が見たくて、あんな馬鹿な真似をしたようだ。
「陛下には申し訳ないが、馬鹿皇子との婚約が破談になってよかったと思っています」
これは長兄リカルドだ。二十一歳。瞳の色以外は、お父様に酷似した超絶美形だ。
三年前に隣国フォイエルバッハ王国の王女と結婚し、今年三歳になる息子もいる。そして、現在、王子妃は第二子を妊娠中だ。
それだのに、妹の卒業式に来たのは婚約破棄されると分かっていて心配してくれたからだろう。
「私もベスと馬鹿皇子の婚約が破談になったのは嬉しいが……ベスの新しい婚約者が皇弟殿下なのはな」
これは次兄ヘンリー、愛称ハンクだ。二十歳。私やお母様の男性版のような、叔父様(お母様の異母弟アルバート)やお祖父様(国王)に酷似した美丈夫だ。
ハンク兄様は二年前に、大陸の南にあるエチェバリア王国の王太女と結婚し、現在王太女が女王に即位したので彼も国王になった。エチェバリア王国はテューダ王国の属国だ。宗主国の王子なので王配ではなく共同統治者、国王となったのだ。女王との間に今年で二歳になる双子の男女を儲けている。
妹の卒業式とはいえ国王であまり国を離れるべき立場ではないハンク兄様がわざわざやって来たのは、彼もまた婚約破棄される妹を心配してくれたからだろう。
お父様以外の家族は末っ子の私を溺愛してくれているのだ。
「リズが気にしないなら、私も気にしませんよ」
これは、お父様だ。
黒髪黒目の超絶美形。その美しさと迫力は、年齢を重ねても衰えるどころか増してさえいると専らの評判だ。
均整の取れた長身から放たれる無意識に人を従わせるカリスマ性は、大国の皇帝を前にしても遜色がないどころか、むしろ皇帝のほうが色褪せて見える。
それはイヴァンも同じで、兄弟でありながら無意識に人を従わせる空気をまとっているのは、イヴァンなのだ。
(……貴方なら、そう言うのは分かっていました。お父様)
娘が公衆の面前で婚約破棄されるという恥辱を味わおうと、この人は全く気にしない。
この人にとって何よりも大事なのは、お母様だ。
娘に何かあれば、お母様が悲しむから気にかけているに過ぎない。
最愛の妻であるお母様と自分との娘であり、そのお母様に酷似していようと、私自身を気にかける事はないのだ。
「ベス王女。今、ヘンリー王が仰ったが、イヴァンが新たな婚約者になる」
「はい。先程、皇弟殿下から伺いました」
「世間的には皇子が駄目になったから皇弟に挿げ替えたと思われるだろうが、イヴァンは愚息が貴女の婚約者だった時から貴女を想っていた。イヴァンとなら貴女も一人の女性としても幸せになれるだろう」
弟の気持ちを知りながら皇子を私の婚約者のままにしたのは仕方ないのだろう。
帝国の慣習ならば皇弟より皇子のほうが皇位継承順位が近い。まして、皇弟の母親は元娼婦の妾妃だが馬鹿皇子の母親は元は公爵令嬢だ。血統を重んじる帝国では、馬鹿でも皇子のほうを皇帝と認めるだろう。
敵に回したくないテューダ王国の王女を将来の皇后に据えるつもりなら、帝国の慣習で皇位継承権第一位で年齢も近い皇子と婚約させるのが当然だ。
何もなく、ただ皇弟がテューダ王国の王女を欲しているからという理由で婚約者の挿げ替えはできない。だからこそイヴァンも甥を焚きつけて卒業パーティーで婚約破棄させたのだ。
「ええ。皇弟殿下となら皇子とより、うまくやれそうです」
別に女性としての幸福など望んでいない。
愛する人とは絶対に結婚できないのだから。
あの人でないなら誰だって同じだ。
そう思っていたけれど、この一年馬鹿皇子と間近で接して、うまくやっていく自信がなくなっていた。
けれど、私を愛していると言ってくれ、私も初対面から好意を抱いたイヴァンとならうまくやっていけそうだ。
最初に「あなたを愛せない」と言ったのだ。私の心を得られない事は覚悟しているだろう。
私も心はあげられないけれど妻として生涯彼に尽くす。それで我慢してもらおう。
この時の私は、そう軽く考えていた。
0
お気に入りに追加
381
あなたにおすすめの小説
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
婚約破棄してくださって結構です
二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。
※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています
王太子エンドを迎えたはずのヒロインが今更私の婚約者を攻略しようとしているけどさせません
黒木メイ
恋愛
日本人だった頃の記憶があるクロエ。
でも、この世界が乙女ゲームに似た世界だとは知らなかった。
知ったのはヒロインらしき人物が落とした『攻略ノート』のおかげ。
学園も卒業して、ヒロインは王太子エンドを無事に迎えたはずなんだけど……何故か今になってヒロインが私の婚約者に近づいてきた。
いったい、何を考えているの?!
仕方ない。現実を見せてあげましょう。
と、いうわけでクロエは婚約者であるダニエルに告げた。
「しばらくの間、実家に帰らせていただきます」
突然告げられたクロエ至上主義なダニエルは顔面蒼白。
普段使わない頭を使ってクロエに戻ってきてもらう為に奮闘する。
※わりと見切り発車です。すみません。
※小説家になろう様にも掲載。(7/21異世界転生恋愛日間1位)
死んで巻き戻りましたが、婚約者の王太子が追いかけて来ます。
拓海のり
恋愛
侯爵令嬢のアリゼは夜会の時に血を吐いて死んだ。しかし、朝起きると時間が巻き戻っていた。二度目は自分に冷たかった婚約者の王太子フランソワや、王太子にべったりだった侯爵令嬢ジャニーヌのいない隣国に留学したが──。
一万字ちょいの短編です。他サイトにも投稿しています。
残酷表現がありますのでR15にいたしました。タイトル変更しました。
婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。
風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。
※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。
【完結】側妃になってそれからのこと
まるねこ
恋愛
私の名前はカーナ。一応アルナ国の第二側妃。執務後に第一側妃のマイア様とお茶をするのが日課なの。
正妃が働かない分、側妃に執務が回ってくるのは致し方ない。そして今日もマイア様とお茶をしている時にそれは起きた。
第二側妃の私の話。
※正妃や側妃の話です。純愛話では無いので人によっては不快に感じるかも知れません。Uターンをお願いします。
なろう小説、カクヨムにも投稿中。
直接的な物は避けていますがR15指定です。
Copyright©︎2021-まるねこ
わたしは出発点の人生で浮気され心が壊れた。転生一度目は悪役令嬢。婚約破棄、家を追放、処断された。素敵な王太子殿下に転生二度目は溺愛されます。
のんびりとゆっくり
恋愛
わたしはリディテーヌ。ボードリックス公爵家令嬢。
デュヴィテール王国ルシャール王太子殿下の婚約者。
わたしは、ルシャール殿下に婚約を破棄され、公爵家を追放された。
そして、その後、とてもみじめな思いをする。
婚約者の座についたのは、わたしとずっと対立していた継母が推していた自分の娘。
わたしの義理の妹だ。
しかし、これは、わたしが好きだった乙女ゲーム「つらい思いをしてきた少女は、素敵な人に出会い、溺愛されていく」の世界だった。
わたしは、このゲームの悪役令嬢として、転生していたのだ。
わたしの出発点の人生は、日本だった。
ここでわたしは、恋人となった幼馴染を寝取られた。
わたしは結婚したいとまで思っていた恋人を寝取られたことにより、心が壊れるとともに、もともと病弱だった為、体も壊れてしまった。
その後、このゲームの悪役令嬢に転生したわたしは、ゲームの通り、婚約破棄・家からの追放を経験した。
その後、とてもみじめな思いをすることになる。
これが転生一度目だった。
そして、わたしは、再びこのゲームの悪役令嬢として転生していた。
そのことに気がついたのは、十七歳の時だった。
このままだと、また婚約破棄された後、家を追放され、その後、とてもみじめな思いをすることになってしまう。
それは絶対に避けたいところだった。
もうあまり時間はない。
それでも避ける努力をしなければ、転生一度目と同じことになってしまう。
わたしはその時から、生まれ変わる決意をした。
自分磨きを一生懸命行い、周囲の人たちには、気品を持ちながら、心やさしく接するようにしていく。
いじわるで、わたしをずっと苦しめてきた継母を屈服させることも決意する。
そして、ルシャール殿下ではなく、ゲームの中で一番好きで推しだったルクシブルテール王国のオクタヴィノール殿下と仲良くなり、恋人どうしとなって溺愛され、結婚したいと強く思った。
こうしてわたしは、新しい人生を歩み始めた。
この作品は、「小説家になろう」様にも投稿しています。
「小説家になろう」様では、「わたしは出発点の人生で寝取られ、心が壊れた。転生一度目は、悪役令嬢。婚約破棄され、家を追放。そして……。もうみじめな人生は嫌。転生二度目は、いじわるな継母を屈服させて、素敵な王太子殿下に溺愛されます。」という題名で投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる