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第一部 ジョセフ
72 私は、あなたが嫌いです
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翌日、フランソワ王子に突撃された。
昨日まではフランソワ王子の婚約者で国王の姪だ。後宮の一室に滞在させてもらっている。その部屋にフランソワ王子が事前の知らせもない上、お供も連れずにやってきたのだ。
朝食も終わり、リリが注いでくれた紅茶を飲んで寛いでいる時だった。
「ジョゼ!」
ノックもせず扉を乱暴に開け放ち怒りを隠しもせず近づいてきたフランソワ王子に、傍に控えているリリは警戒心を露に私とフランソワ王子の間に立ち塞がり、私は眉をひそめた。
「おはようございます。フランソワ王子。何の御用でしょうか?」
朝から見るからに機嫌の悪いフランソワ王子の相手などしたくないが相手は王子だ。強引に追っ払う訳にはいかないだろう。
リリに壁に控えるように目で促すと仕方なく彼に向き直った。
「昨日父上から聞いた! 私との婚約を解消したと。本当か!?」
十歳になったフランソワ王子の一人称は、「ぼく」から「私」に変わっていた。
成人年齢は十八だが王子は十歳になれば後宮を出て王子宮で暮らすようになる。一応それなりに大人扱いされるので、それに見合った一人称や話し方を勧められたのだろう。
私は、これ見よがしに溜息を吐いた。
「……陛下から聞いているのに、なぜ私に『本当か』などと訊くのですか?」
国王がわざわざ息子に嘘を吐く理由などないのに。
「……本当に私と婚約解消を?」
「ええ、そうですわ」
信じられないと言いたげなフランソワ王子に、私はあっさり頷くと言葉を続けた。
「陛下からお聞きになっていると思いますが、あなたの新たな婚約者は、私の妹、ルイーズですわ」
「私は認めてない!」
「あなたが認めようが認めまいが関係ないでしょう?」
私はいっそ冷たく言った。
王侯貴族の結婚は家同士の契約であり、そこに個人の意思はないのだから。そんな事、いくら幼くても王子である彼が知らないはずないだろうに。
「わたしは君が好きだ!」
「私は、あなたが嫌いです」
元婚約者の告白を私は一刀両断した。
フランソワ王子は絶句したようだ。
私は言葉でも態度でも彼への嫌悪感を示していたのに、なぜ今更ショックを受けるのか? そちらのほうが不思議だ。
「もうあなたと話す事はありません。出て行ってください」
退出を促しているのに、フランソワ王子は強張った顔をしながらも部屋から出て行かなかった。
「君の新しい婚約者はジャンだろう? 宰相の息子の。ジャンと結婚しても君は不幸になるぞ」
「大きなお世話ですよ。幸不幸は、その人にしか分からないのだから」
他人から見て不幸でも本人は幸せかもしれないし、またその逆もあるのだ。
「ヴェルディエ侯爵家の男は女性を愛せない。ジャンだって」
「構いませんよ」
フランソワ王子の言葉を私は遮った。
「今生は恋などしないと決めているので。彼が私を愛さなくても全く構いませんよ」
私だって、おそらくジャンを愛せない。
私が唯一恋したのは「彼」だけなのだから。
「私に何かを期待するのは、やめてください」
以前と同じ科白だが、あの時よりはずっと柔らかな口調で言った。
「『私』という女は、あなたの手に負えませんから」
フランソワ王子は、ごく普通の少年だ。「私」のような女は手に余る。
私が転生者だからではない。あくまでも「私」という女の気質だ。
「……それでも僕は君が、君だけが好きなんだ」
「私は、あなたが嫌いです」
呟くフランソワ王子に私はあえて冷たく言った。情けは彼のためにならないから。
「君が好きになれるような男になる。だから、婚約解消は」
「なれませんよ」
必死に言い募ろうとするフランソワ王子の言葉を私は再び遮った。
「婚約者になって六年、私はあなたを好きになれなかった。だったら、何年経とうと私があなたを好きになれるはずないではありませんか」
「彼」への恋心を抜きにしてもフランソワ王子は愛せない。
彼は私の趣味ではないから。
「それでも僕は君が好きだ。君だって君を好きにならない婚約者より僕のほうがいいはずだ」
こいつもジョセフと同じで人の話を聞いていないのだろうか?
「ああ、もう鬱陶しい!」
言ったのは私ではない。リリだ。
壁に控えていたリリが怒りを隠しもせず、私とフランソワ王子の間に立ち塞がった。
「ジョゼ様とあんたの婚約は国王陛下によって解消されたんでしょう? そもそもジョゼ様に、あんたへの恋愛感情は初めからなかったんだ。諦めろ」
「お、お前、メイドの分際で」
辺境伯家の侍女が王子に向かって暴言を吐いているのだ。怒りか屈辱か、フランソワ王子は、わなわなと震えている。
「物わかりの悪い王子様に説教しただけよ。この程度で私を罰するなら王子の器も大した事ないと証明するようなものね」
リリは、はっきりと嘲笑した。
フランソワ王子の両親、国王夫妻に彼に対する愛情は欠片もない。この程度の暴言なら、あの国王夫妻は不問に付すだろうが。
「……リリ、黙っていなさい」
私の言葉でリリは再び壁に控えた。
「彼女が今言った言葉は、生憎、私の本心です。彼女を罰するというのなら私も罰してください」
「……ジョゼ」
フランソワ王子は怒るというよりは悲しそうだった。
「やはりここにいたのですね。フランソワ王子」
頭に血が上っていたフランソワ王子は扉を開け放ったまま閉めていなかった。そこからレオンが入って来た。
「……何の用だ?」
フランソワ王子は不機嫌さを隠しもせずレオンに向き直った。
「お別れの挨拶をしようとお部屋に行ったら、あなたがジョゼフィーヌ嬢の元に向かったと聞いたので連れ戻しに来たのですよ」
レオンは言葉遣いこそ丁寧だが、その態度からはフランソワ王子に対する敬意が全く感じられなかった。
「別れの挨拶?」
怪訝そうな顔になるフランソワ王子にレオンは呆れているようだ。
「あなたの従者になる時の条件で言いましたよ。あなたとジョゼフィーヌ嬢の婚約が解消になったら私はあなたの従者をやめると。勿論、陛下は了承済みです」
「……確かにそう言っていたが、私はジョゼとの婚約解消を認めていない」
「だから、お前は私の従者をやめる必要はないのだ」と言いたげなフランソワ王子に、レオンはいっそ冷たい視線を向けた。
「ジョゼがずっと望んでいて陛下も認めたのです。あなただけがそう思っていても無意味でしょう?」
「……お前までそんな事を」
驚愕しているフランソワ王子にレオンは首を傾げた。
「驚く事ですか? 私の気持ちを知っていて私を従者にしたのでしょう?」
「……お前が私の従者になったのは、ジョゼと私を婚約解消させるためだったのか?」
「私が何かするまでもなく陛下が決断してくださいましたがね」
レオンは遠回しだがフランソワ王子の言葉を認めている。
「フランソワ王子」
レオンは真面目な顔で呼びかけた。
「今までお世話になりました。まあ私のほうがあなたをお世話しましたが。従者ではなくなったので子爵家の人間にすぎない私は、もうお傍によることはできません。まあ、私はあなたが嫌いなんで寄りたくもないですが、とにかくお元気で」
別に黙っていればいい事まで発言したレオンは優雅に一礼した。
昨日まではフランソワ王子の婚約者で国王の姪だ。後宮の一室に滞在させてもらっている。その部屋にフランソワ王子が事前の知らせもない上、お供も連れずにやってきたのだ。
朝食も終わり、リリが注いでくれた紅茶を飲んで寛いでいる時だった。
「ジョゼ!」
ノックもせず扉を乱暴に開け放ち怒りを隠しもせず近づいてきたフランソワ王子に、傍に控えているリリは警戒心を露に私とフランソワ王子の間に立ち塞がり、私は眉をひそめた。
「おはようございます。フランソワ王子。何の御用でしょうか?」
朝から見るからに機嫌の悪いフランソワ王子の相手などしたくないが相手は王子だ。強引に追っ払う訳にはいかないだろう。
リリに壁に控えるように目で促すと仕方なく彼に向き直った。
「昨日父上から聞いた! 私との婚約を解消したと。本当か!?」
十歳になったフランソワ王子の一人称は、「ぼく」から「私」に変わっていた。
成人年齢は十八だが王子は十歳になれば後宮を出て王子宮で暮らすようになる。一応それなりに大人扱いされるので、それに見合った一人称や話し方を勧められたのだろう。
私は、これ見よがしに溜息を吐いた。
「……陛下から聞いているのに、なぜ私に『本当か』などと訊くのですか?」
国王がわざわざ息子に嘘を吐く理由などないのに。
「……本当に私と婚約解消を?」
「ええ、そうですわ」
信じられないと言いたげなフランソワ王子に、私はあっさり頷くと言葉を続けた。
「陛下からお聞きになっていると思いますが、あなたの新たな婚約者は、私の妹、ルイーズですわ」
「私は認めてない!」
「あなたが認めようが認めまいが関係ないでしょう?」
私はいっそ冷たく言った。
王侯貴族の結婚は家同士の契約であり、そこに個人の意思はないのだから。そんな事、いくら幼くても王子である彼が知らないはずないだろうに。
「わたしは君が好きだ!」
「私は、あなたが嫌いです」
元婚約者の告白を私は一刀両断した。
フランソワ王子は絶句したようだ。
私は言葉でも態度でも彼への嫌悪感を示していたのに、なぜ今更ショックを受けるのか? そちらのほうが不思議だ。
「もうあなたと話す事はありません。出て行ってください」
退出を促しているのに、フランソワ王子は強張った顔をしながらも部屋から出て行かなかった。
「君の新しい婚約者はジャンだろう? 宰相の息子の。ジャンと結婚しても君は不幸になるぞ」
「大きなお世話ですよ。幸不幸は、その人にしか分からないのだから」
他人から見て不幸でも本人は幸せかもしれないし、またその逆もあるのだ。
「ヴェルディエ侯爵家の男は女性を愛せない。ジャンだって」
「構いませんよ」
フランソワ王子の言葉を私は遮った。
「今生は恋などしないと決めているので。彼が私を愛さなくても全く構いませんよ」
私だって、おそらくジャンを愛せない。
私が唯一恋したのは「彼」だけなのだから。
「私に何かを期待するのは、やめてください」
以前と同じ科白だが、あの時よりはずっと柔らかな口調で言った。
「『私』という女は、あなたの手に負えませんから」
フランソワ王子は、ごく普通の少年だ。「私」のような女は手に余る。
私が転生者だからではない。あくまでも「私」という女の気質だ。
「……それでも僕は君が、君だけが好きなんだ」
「私は、あなたが嫌いです」
呟くフランソワ王子に私はあえて冷たく言った。情けは彼のためにならないから。
「君が好きになれるような男になる。だから、婚約解消は」
「なれませんよ」
必死に言い募ろうとするフランソワ王子の言葉を私は再び遮った。
「婚約者になって六年、私はあなたを好きになれなかった。だったら、何年経とうと私があなたを好きになれるはずないではありませんか」
「彼」への恋心を抜きにしてもフランソワ王子は愛せない。
彼は私の趣味ではないから。
「それでも僕は君が好きだ。君だって君を好きにならない婚約者より僕のほうがいいはずだ」
こいつもジョセフと同じで人の話を聞いていないのだろうか?
「ああ、もう鬱陶しい!」
言ったのは私ではない。リリだ。
壁に控えていたリリが怒りを隠しもせず、私とフランソワ王子の間に立ち塞がった。
「ジョゼ様とあんたの婚約は国王陛下によって解消されたんでしょう? そもそもジョゼ様に、あんたへの恋愛感情は初めからなかったんだ。諦めろ」
「お、お前、メイドの分際で」
辺境伯家の侍女が王子に向かって暴言を吐いているのだ。怒りか屈辱か、フランソワ王子は、わなわなと震えている。
「物わかりの悪い王子様に説教しただけよ。この程度で私を罰するなら王子の器も大した事ないと証明するようなものね」
リリは、はっきりと嘲笑した。
フランソワ王子の両親、国王夫妻に彼に対する愛情は欠片もない。この程度の暴言なら、あの国王夫妻は不問に付すだろうが。
「……リリ、黙っていなさい」
私の言葉でリリは再び壁に控えた。
「彼女が今言った言葉は、生憎、私の本心です。彼女を罰するというのなら私も罰してください」
「……ジョゼ」
フランソワ王子は怒るというよりは悲しそうだった。
「やはりここにいたのですね。フランソワ王子」
頭に血が上っていたフランソワ王子は扉を開け放ったまま閉めていなかった。そこからレオンが入って来た。
「……何の用だ?」
フランソワ王子は不機嫌さを隠しもせずレオンに向き直った。
「お別れの挨拶をしようとお部屋に行ったら、あなたがジョゼフィーヌ嬢の元に向かったと聞いたので連れ戻しに来たのですよ」
レオンは言葉遣いこそ丁寧だが、その態度からはフランソワ王子に対する敬意が全く感じられなかった。
「別れの挨拶?」
怪訝そうな顔になるフランソワ王子にレオンは呆れているようだ。
「あなたの従者になる時の条件で言いましたよ。あなたとジョゼフィーヌ嬢の婚約が解消になったら私はあなたの従者をやめると。勿論、陛下は了承済みです」
「……確かにそう言っていたが、私はジョゼとの婚約解消を認めていない」
「だから、お前は私の従者をやめる必要はないのだ」と言いたげなフランソワ王子に、レオンはいっそ冷たい視線を向けた。
「ジョゼがずっと望んでいて陛下も認めたのです。あなただけがそう思っていても無意味でしょう?」
「……お前までそんな事を」
驚愕しているフランソワ王子にレオンは首を傾げた。
「驚く事ですか? 私の気持ちを知っていて私を従者にしたのでしょう?」
「……お前が私の従者になったのは、ジョゼと私を婚約解消させるためだったのか?」
「私が何かするまでもなく陛下が決断してくださいましたがね」
レオンは遠回しだがフランソワ王子の言葉を認めている。
「フランソワ王子」
レオンは真面目な顔で呼びかけた。
「今までお世話になりました。まあ私のほうがあなたをお世話しましたが。従者ではなくなったので子爵家の人間にすぎない私は、もうお傍によることはできません。まあ、私はあなたが嫌いなんで寄りたくもないですが、とにかくお元気で」
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