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第一部 ジョセフ
47 招かれざる客
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招かれざる客が訪ねてきた。
しかも、事前の約束もなく大抵の人間は就寝しようとする時間にだ。
寝間着に着替え鏡台の前でロザリーに髪を梳かれていた私は、通していいか確認しにきた後宮の侍女に頷いた。
「いいわ。通して」
「よろしいのですか?」
ロザリーが驚いた顔になった。訪ねて来た相手が相手だから彼女のこの反応は無理もない。
「心底疎ましく思い今では殺したいほど憎悪しているだろう私に、こんな時間に会いに来たのよ。今無視しても何度でも突撃されそうな気がするのよ」
私は煩わしい事は、さっさと済ませたい人間だ。だから、王妃教育もさっさと終わらせた。
「あらあら、せっかくの唯一の取り柄のお顔が台無しですわね。お父様」
私の言葉通り、室内に足を踏み入れたジョセフは、唯一の取り柄であるお祖母様に酷似した完璧な美貌を嫌そうに歪めている。彼としても本当は娘を訪ねになど来たくなかったのだと分かる。
「……相変わらず減らず口を。それが実の父親に対する言葉か?」
ジョセフは忌々しそうに私を睨みつけた。
今生の人格であれば竦むのだろうが、生憎、私は「彼女」ではないので醒めた目を今生の父親に向けるだけだ。
「あなたこそ頭が悪いですね」
私の心底からの言葉にジョセフはあからさまにむっとしたが私は構わず話を続けた。
「『私』となって初めてあなたに会った時言ったはずです。ジョゼフィーヌを娘だと思っていないんでしょう。だのに、こんな時だけ父親面する権利などないと」
少なくとも私が許さない。
「私は今生の私と違って、どんな理由があれ、幼い娘を虐待していたクズを『父親だから』という理由だけで慕えない。『私』から敬意を払われるなど夢にも思わないでくださいね。お父様」
「お前は!」
今にも私に摑みかかりそうなジョセフに、ロザリーが私を庇うように前に出ようとしたが、私は視線で彼女の動きをとめるとジョセフに冷たく言った。
「私に暴力を振るうのは構いませんが『私』はジョゼフィーヌと違って絶対に泣き寝入りなどしない。去年以上の辱めを覚悟してくださいね。お父様」
ジョセフは去年受けた辱めを思い出したのだろう。顔色がはっきりと変わり私に摑みかかろうとしていた手を下した。
ジョセフが落ち着いた(?)のを見計らって私は尋ねた。
「とろこで、こんな時間に事前の約束もなく来られるとは、余程の事なのですよね? お父様」
私は今生の人格と違ってジョセフを生物学上以外で父親とは思っていない。それでも「お父様」と呼ぶのは、ひとえに彼に対する嫌みだ。
「当然だ。そうでなければ、お前などにわざわざ会いになど来るものか」
私の命令で辱めを受けたのに、それでも変わらずジョゼフィーヌに対して上から目線な言動ができるとは、こいつは本当に馬鹿だ。
いっそ感心する。
この程度ならスルーしてやるが、これ以上、私の癇に障る言動をしたら一から礼儀を叩き込んでやると脳内メモに書き込んだ。
「ご用件は?」
「母上がボワデフル子爵家に謝りに行った」
ジョセフが苦々しい顔で言った。そういう表情でも美しく見えるのだから超絶美形は得だ。
まあ、彼にとっては唯一の取り柄だ。これくらいで崩れてしまうのは可哀想だろうと実の娘としては結構ひどい事を考えていた。
「さすがアルマンとお祖母様! 仕事が早いわ!」
アンディほどではないが充分優秀な家令であるアルマンは、早速お祖母様に今日、脳内お花畑娘、ルイーズが仕出かした事を報告し、お祖母様はそれを受けて早速ボワデフル子爵家に謝罪に出向いたのだ。
「『仕事が早い』ではない!」
「くわっ!」という効果音がつきそうな勢いで、ジョセフが私を怒鳴りつけた。
「なぜ、母上が子爵家になど謝りにいかねばならないんだ!」
「あなたの脳内お花畑な娘が、レオンに、ボワデフル子爵家の方に、ご迷惑をおかけしたからですよ」
なぜ、そんな事も分からないのだろう?
「母上は辺境伯で、何より、父上の、国王陛下の寵姫だ。子爵家になど頭を下げていい方ではない!」
ジョセフの発言があまりにも頓珍漢なので、私は思わず大仰な溜息を吐いた。
「……本当に、あなたは常に上から目線のクズなんですね。こんなのが私の今生の父親とは……最悪だわ」
この時はまだ「最悪」ではなかったのだと知るのは、ずいぶん後になってからだった――。
「まあ、それでも祖父母には恵まれ、《アイスドール》、アンディやレオンにも再会できたのだから、父親が最悪でも、この世界に転生できたのはよかったと思っているわ。そういう意味では、ジョゼフィーヌを生み出してくれたあなた達に感謝するわ」
「……お嬢様」
黙って私とジョセフの会話を聞いていたロザリーは、潤んだ瞳で私を見つめていた。その顔は心なしか嬉しそうだった。
お祖母様に「母娘としてでなくても娘の傍にいられればいい」と言ったロザリーだが、「生み出してくれて感謝している」と娘に言われるのは、やはり母親として嬉しいものなのだろう。
「……私にとっては最悪だ」
ジョセフにとっては無理矢理な行為の結果、ジョゼフィーヌが生まれたのだ。父親として決して言ってはならない科白であっても、そう言いたくなる気持ちは分からないでもない。
「以前のお前のままでも忌々しく思っていたというのに、今は『生み出してくれて感謝している』などと言いながら父を父とも思わない礼儀知らず。本当に最悪だ」
自分のした事を棚に上げて、しみじみと呟くジョセフの科白に、私は怒るよりも呆れた。「お前が言うな」と。
「ジョセフ様。私になら何を言ってもいいし、しても構いません。それだけの事をあなたにしましたから」
ただ呆れ何も言わない私の代わりに、意外にも反論したのはロザリーだった。母は強しというべきか、普段は気弱な女性だが、娘を傷つける言動には立ち向かうのだ。
「けれど、お嬢様には何の罪もありません。そのような言い方は」
「いいのよ、ロザリー。私は、こいつを生物学上以外で父親とは思ってない。何を言われても、ジョゼフィーヌと違って心は痛まないわ」
庇ってくれているロザリーの言葉を私は遮った。
「話を元に戻しますが」
仕方なく会いたくもない娘に会いにきたのなら、ジョセフもいちいち突っかからなければいいのに、お陰で話が脱線しまくって終わらない。
「未成年の子や孫が何かやらかしたら、どんな身分の方だろうと、迷惑をかけた方に謝りに行くのは常識ですよ。お父様」
(非常識なクズのあなたには、理解できないでしょうけれど)
これを言うとまた突っかかれそうなので黙っておく。私としてもジョセフにはさっさと帰ってほしいのだ。
「だからといって、なぜ、母上が子爵家などに謝罪に出向かねばならないんだ!」
「……堂々巡りですね」
私は再び大仰な溜息を吐いた。ここまで話の通じないクズとは思わなかった。
それでも、これだけは分かった。
心底から疎ましく思い殺したいほど憎悪しているだろう娘に会いにきたのは、お祖母様を子爵家に謝らせた事に対して文句を言うためだ。
ジョセフは、お祖母様を、美しく聡明で強い母親を敬愛している。
その母親が子爵家になど頭を下げるなど、あってはならないのだ。
母親を愛するのいい。それでも、母親を思ってする行動は、ジョセフの場合、あまりにも的外れな上から目線で、結局、誰にとっても迷惑以外の何物でもない。
これ以上、話の通じないジョセフと話していても無駄だと悟った私は、どうやって追い出そうかと思案した。
数分後、疎ましく思っている娘をジョセフが訪ねにきたと聞いたアンディが心配して様子を見に来てくれた。
そして、私としたような堂々巡りな会話の後、アンディは容赦なくジョセフを追い出してくれたのだ。
言葉で追い出したのではなく(そうした所で素直に聞くジョセフではない)、殴って気絶させて後宮から放り出したのだ。今のアンディはジョセフよりも一回りほど細身だが意外と力はあるようだ。
主家の人間であるジョセフへの乱暴な振る舞いは、アンディの外見からは想像できないものだからか、ロザリーは非常に驚いていた。
けれど、アンディが従うのは主だと定めた私とお祖母様だけだ。
今生の主家の人間、お祖母様の息子、私の父親だろうと、「主ではない」というだけで、どんな非情な事でもできる。
そういう冷酷で酷薄な心と怜悧な頭脳を持つからこそ、彼は前世では組織のNo.2、今生では辺境伯家の実質家令になれるのだ。
しかも、事前の約束もなく大抵の人間は就寝しようとする時間にだ。
寝間着に着替え鏡台の前でロザリーに髪を梳かれていた私は、通していいか確認しにきた後宮の侍女に頷いた。
「いいわ。通して」
「よろしいのですか?」
ロザリーが驚いた顔になった。訪ねて来た相手が相手だから彼女のこの反応は無理もない。
「心底疎ましく思い今では殺したいほど憎悪しているだろう私に、こんな時間に会いに来たのよ。今無視しても何度でも突撃されそうな気がするのよ」
私は煩わしい事は、さっさと済ませたい人間だ。だから、王妃教育もさっさと終わらせた。
「あらあら、せっかくの唯一の取り柄のお顔が台無しですわね。お父様」
私の言葉通り、室内に足を踏み入れたジョセフは、唯一の取り柄であるお祖母様に酷似した完璧な美貌を嫌そうに歪めている。彼としても本当は娘を訪ねになど来たくなかったのだと分かる。
「……相変わらず減らず口を。それが実の父親に対する言葉か?」
ジョセフは忌々しそうに私を睨みつけた。
今生の人格であれば竦むのだろうが、生憎、私は「彼女」ではないので醒めた目を今生の父親に向けるだけだ。
「あなたこそ頭が悪いですね」
私の心底からの言葉にジョセフはあからさまにむっとしたが私は構わず話を続けた。
「『私』となって初めてあなたに会った時言ったはずです。ジョゼフィーヌを娘だと思っていないんでしょう。だのに、こんな時だけ父親面する権利などないと」
少なくとも私が許さない。
「私は今生の私と違って、どんな理由があれ、幼い娘を虐待していたクズを『父親だから』という理由だけで慕えない。『私』から敬意を払われるなど夢にも思わないでくださいね。お父様」
「お前は!」
今にも私に摑みかかりそうなジョセフに、ロザリーが私を庇うように前に出ようとしたが、私は視線で彼女の動きをとめるとジョセフに冷たく言った。
「私に暴力を振るうのは構いませんが『私』はジョゼフィーヌと違って絶対に泣き寝入りなどしない。去年以上の辱めを覚悟してくださいね。お父様」
ジョセフは去年受けた辱めを思い出したのだろう。顔色がはっきりと変わり私に摑みかかろうとしていた手を下した。
ジョセフが落ち着いた(?)のを見計らって私は尋ねた。
「とろこで、こんな時間に事前の約束もなく来られるとは、余程の事なのですよね? お父様」
私は今生の人格と違ってジョセフを生物学上以外で父親とは思っていない。それでも「お父様」と呼ぶのは、ひとえに彼に対する嫌みだ。
「当然だ。そうでなければ、お前などにわざわざ会いになど来るものか」
私の命令で辱めを受けたのに、それでも変わらずジョゼフィーヌに対して上から目線な言動ができるとは、こいつは本当に馬鹿だ。
いっそ感心する。
この程度ならスルーしてやるが、これ以上、私の癇に障る言動をしたら一から礼儀を叩き込んでやると脳内メモに書き込んだ。
「ご用件は?」
「母上がボワデフル子爵家に謝りに行った」
ジョセフが苦々しい顔で言った。そういう表情でも美しく見えるのだから超絶美形は得だ。
まあ、彼にとっては唯一の取り柄だ。これくらいで崩れてしまうのは可哀想だろうと実の娘としては結構ひどい事を考えていた。
「さすがアルマンとお祖母様! 仕事が早いわ!」
アンディほどではないが充分優秀な家令であるアルマンは、早速お祖母様に今日、脳内お花畑娘、ルイーズが仕出かした事を報告し、お祖母様はそれを受けて早速ボワデフル子爵家に謝罪に出向いたのだ。
「『仕事が早い』ではない!」
「くわっ!」という効果音がつきそうな勢いで、ジョセフが私を怒鳴りつけた。
「なぜ、母上が子爵家になど謝りにいかねばならないんだ!」
「あなたの脳内お花畑な娘が、レオンに、ボワデフル子爵家の方に、ご迷惑をおかけしたからですよ」
なぜ、そんな事も分からないのだろう?
「母上は辺境伯で、何より、父上の、国王陛下の寵姫だ。子爵家になど頭を下げていい方ではない!」
ジョセフの発言があまりにも頓珍漢なので、私は思わず大仰な溜息を吐いた。
「……本当に、あなたは常に上から目線のクズなんですね。こんなのが私の今生の父親とは……最悪だわ」
この時はまだ「最悪」ではなかったのだと知るのは、ずいぶん後になってからだった――。
「まあ、それでも祖父母には恵まれ、《アイスドール》、アンディやレオンにも再会できたのだから、父親が最悪でも、この世界に転生できたのはよかったと思っているわ。そういう意味では、ジョゼフィーヌを生み出してくれたあなた達に感謝するわ」
「……お嬢様」
黙って私とジョセフの会話を聞いていたロザリーは、潤んだ瞳で私を見つめていた。その顔は心なしか嬉しそうだった。
お祖母様に「母娘としてでなくても娘の傍にいられればいい」と言ったロザリーだが、「生み出してくれて感謝している」と娘に言われるのは、やはり母親として嬉しいものなのだろう。
「……私にとっては最悪だ」
ジョセフにとっては無理矢理な行為の結果、ジョゼフィーヌが生まれたのだ。父親として決して言ってはならない科白であっても、そう言いたくなる気持ちは分からないでもない。
「以前のお前のままでも忌々しく思っていたというのに、今は『生み出してくれて感謝している』などと言いながら父を父とも思わない礼儀知らず。本当に最悪だ」
自分のした事を棚に上げて、しみじみと呟くジョセフの科白に、私は怒るよりも呆れた。「お前が言うな」と。
「ジョセフ様。私になら何を言ってもいいし、しても構いません。それだけの事をあなたにしましたから」
ただ呆れ何も言わない私の代わりに、意外にも反論したのはロザリーだった。母は強しというべきか、普段は気弱な女性だが、娘を傷つける言動には立ち向かうのだ。
「けれど、お嬢様には何の罪もありません。そのような言い方は」
「いいのよ、ロザリー。私は、こいつを生物学上以外で父親とは思ってない。何を言われても、ジョゼフィーヌと違って心は痛まないわ」
庇ってくれているロザリーの言葉を私は遮った。
「話を元に戻しますが」
仕方なく会いたくもない娘に会いにきたのなら、ジョセフもいちいち突っかからなければいいのに、お陰で話が脱線しまくって終わらない。
「未成年の子や孫が何かやらかしたら、どんな身分の方だろうと、迷惑をかけた方に謝りに行くのは常識ですよ。お父様」
(非常識なクズのあなたには、理解できないでしょうけれど)
これを言うとまた突っかかれそうなので黙っておく。私としてもジョセフにはさっさと帰ってほしいのだ。
「だからといって、なぜ、母上が子爵家などに謝罪に出向かねばならないんだ!」
「……堂々巡りですね」
私は再び大仰な溜息を吐いた。ここまで話の通じないクズとは思わなかった。
それでも、これだけは分かった。
心底から疎ましく思い殺したいほど憎悪しているだろう娘に会いにきたのは、お祖母様を子爵家に謝らせた事に対して文句を言うためだ。
ジョセフは、お祖母様を、美しく聡明で強い母親を敬愛している。
その母親が子爵家になど頭を下げるなど、あってはならないのだ。
母親を愛するのいい。それでも、母親を思ってする行動は、ジョセフの場合、あまりにも的外れな上から目線で、結局、誰にとっても迷惑以外の何物でもない。
これ以上、話の通じないジョセフと話していても無駄だと悟った私は、どうやって追い出そうかと思案した。
数分後、疎ましく思っている娘をジョセフが訪ねにきたと聞いたアンディが心配して様子を見に来てくれた。
そして、私としたような堂々巡りな会話の後、アンディは容赦なくジョセフを追い出してくれたのだ。
言葉で追い出したのではなく(そうした所で素直に聞くジョセフではない)、殴って気絶させて後宮から放り出したのだ。今のアンディはジョセフよりも一回りほど細身だが意外と力はあるようだ。
主家の人間であるジョセフへの乱暴な振る舞いは、アンディの外見からは想像できないものだからか、ロザリーは非常に驚いていた。
けれど、アンディが従うのは主だと定めた私とお祖母様だけだ。
今生の主家の人間、お祖母様の息子、私の父親だろうと、「主ではない」というだけで、どんな非情な事でもできる。
そういう冷酷で酷薄な心と怜悧な頭脳を持つからこそ、彼は前世では組織のNo.2、今生では辺境伯家の実質家令になれるのだ。
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