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第二部 異世界転生
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「あのね、ディウエス。お願いがあるのだけど」
話が一区切りついたので、私は話題を変えた。
「知高さん、京極知高さんに会いに行きたいの。それで、護衛をつけてほしいの」
「その必要はない」
即座に、しかも素っ気なく私のお願いを断るディウエスに、私は疑問に思うより少しむかついた。
「……知高さんに会いに行くなという事?」
ディウエスは前世での事は恨んではいないと言ったが、だからといって私の願いを聞く義理もない。
だから、私のために護衛を手配するのが面倒で断ったのだろうと結論付けたのは早合点だった。
「近いうちに彼のほうから会いに来るから君が出向く必要がないんだよ」
「え?」
「彼がこの世界に現われてから、母上は、ずっと彼の事を気にかけていた。何しろ、君が一番大切に想っている人間だからな」
幽霊となっても私を見守ってくれていたお母様だ。当然、私の恋人で今は友人となった知高さんの事も知っていたのだ。
「だから、君が自分の孫として転生したと知った後は、彼にも、その事を教えている。再会は君と会話できるようになってからがいいだろうと時期をみていたんだ。こうして話せるようになったから、近いうちに彼のほうから会いに来るだろう」
「……そうだったの」
お祖母様も教えてくれればいいのにと思うが、乳児だった私とは会話が成立しないのだから仕方なかったのだろう。
話が一区切りついたので、私は話題を変えた。
「知高さん、京極知高さんに会いに行きたいの。それで、護衛をつけてほしいの」
「その必要はない」
即座に、しかも素っ気なく私のお願いを断るディウエスに、私は疑問に思うより少しむかついた。
「……知高さんに会いに行くなという事?」
ディウエスは前世での事は恨んではいないと言ったが、だからといって私の願いを聞く義理もない。
だから、私のために護衛を手配するのが面倒で断ったのだろうと結論付けたのは早合点だった。
「近いうちに彼のほうから会いに来るから君が出向く必要がないんだよ」
「え?」
「彼がこの世界に現われてから、母上は、ずっと彼の事を気にかけていた。何しろ、君が一番大切に想っている人間だからな」
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「だから、君が自分の孫として転生したと知った後は、彼にも、その事を教えている。再会は君と会話できるようになってからがいいだろうと時期をみていたんだ。こうして話せるようになったから、近いうちに彼のほうから会いに来るだろう」
「……そうだったの」
お祖母様も教えてくれればいいのにと思うが、乳児だった私とは会話が成立しないのだから仕方なかったのだろう。
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