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桐島凧
00一2
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あの日のことは、今も思い出すことができる。
小学校に入学してすぐのこと。家の階段を降りる途中で吐血した。そのときは訳が分からず、パニックになりながら口を押さえた。
その後のことは覚えていない。
気が付けば、病院のベットの上にいた。
すぐに病院の先生から話を聞いたが、幼すぎてほとんど意味が分からなかった。ただ、俺が患った病気は非常に珍しく、この病気の専門医も世界に数人だけで、そのうちの一人が日本にいるということだけが理解できた。
仕事のある父を残し、母とともにその医者がいるS県へと引っ越した。
それからは、毎日発作に怯えながら生活していた。発作のたびに死に対する恐怖を感じていたが、年に一回だった発作の頻度が少しずつ増えていき、数カ月に一回になる頃には何も感じなくなっていた。薬の影響で身体が弱くなっていき、いつの間にか味覚もなくなっていた。
何もかもがくだらなく感じるようになった。
それが、中学校に入学するまでの話だ。
小学校に入学してすぐのこと。家の階段を降りる途中で吐血した。そのときは訳が分からず、パニックになりながら口を押さえた。
その後のことは覚えていない。
気が付けば、病院のベットの上にいた。
すぐに病院の先生から話を聞いたが、幼すぎてほとんど意味が分からなかった。ただ、俺が患った病気は非常に珍しく、この病気の専門医も世界に数人だけで、そのうちの一人が日本にいるということだけが理解できた。
仕事のある父を残し、母とともにその医者がいるS県へと引っ越した。
それからは、毎日発作に怯えながら生活していた。発作のたびに死に対する恐怖を感じていたが、年に一回だった発作の頻度が少しずつ増えていき、数カ月に一回になる頃には何も感じなくなっていた。薬の影響で身体が弱くなっていき、いつの間にか味覚もなくなっていた。
何もかもがくだらなく感じるようになった。
それが、中学校に入学するまでの話だ。
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