異能力正義社

アノンドロフ

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一週間耐久生活

五日目

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「部屋でこんなものを見つけた」
 夜、リビングでくつろぐ四人の前に、真田は一本のビデオを置いた。ホラー映画なのだろうか、血を流す女のゾンビの絵がケースいっぱいに描かれている。
「二日連続で怖いやつか……」
「どーせ今からすることもねえし、いいだろ?」
 真田はビデオデッキにディスクを入れると、ソファーに腰をおろした。
 ちなみに、この映画はR18で、『心臓の弱いかたは見ないでください』と注意書があるレベルのものだ。
 つまり──。
「ぎゃー! ムリムリムリ!」
「主人公が喰われたぁ!」
阿鼻叫喚地獄になる。
 柊と純一は泣き叫び、言い出しっぺの真田はソファーの影に隠れてしまっている。相田でさえも小さく悲鳴をあげている。平然としているのは隼人だけだ。
「隼人君、すごいね……怖くないの?」
「ええ、全然。だってこれフィクションですし。ゾンビなんて存在しませんし」
 隼人はそう言いながら、チラッと純一の方を見る。
「僕としては、純一君のほうがすごいと思いますよ? グロシーンになった瞬間に静かになるところとか」
「み、見慣れてるからかな……」
 そう言っているうちに、グロシーンに入った。相田と隼人は両目を手でふさぐ。
 こうして二人は、阿鼻叫喚地獄の仲間入りを果たした。

 二時間後、映画が終わってもなおディスクはビデオデッキの中に入ったままであった。叫び疲れ、全員寝てしまったのだろう。普段眠りの浅い相田でさえ、ぐっすりと眠っている。

 ──翌日、大事件が起きることなど、このときはまだ知らない。
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