異能力正義社

アノンドロフ

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輪廻

前置き

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 この世界には、あまり知られていないだけで、能力者と呼ばれている人たちがいる。彼らは、戦争の道具にされたり、実験によって命を落としたりと、ひどい目に遭わされてきた。しかし、異能力正義社いのうりょくジャスティスしゃという組織が設立されてから、それは急激に減少した。
「そのことはちゃんと分かってるんだけどな……」
 僕は伊川隼人。異能力正義社に勤める、能力者だ。とある事件に巻き込まれたところを、社長である赤川頼朝さんに助けられて今に至る。
 このことに関しては、凄く赤川さんに感謝している。でも、ほとんど僕は覚えていない事件に関する報告書を、あの人はどうして押し付けていく。確かに、後始末は僕がしたけれど……。
「……ま、仕方ないか」
 書けるだけ書こう。
 さて、どこから書き始めるべきなのか……。
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