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第3笑

奏心とルシア、行きますっ!!

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前回のあらすじ

ギルド対抗戦が始まりました!!
武術競技の個人の部には、
奏心とルシアが出場します!

奏心 「行ってきます!!」

ルシア 「頑張るね!!」

優勝候補は、
"聖剣の星"と
"強心の雷帝"、
"紅の華"、
"蒼星の盟友"だそうで?

奏夜 「ふっふっふ。勝つのはエスポワールだぜ?」


でした。 





「でぇやぁ!!」
「何の!!」

キィン!ガキィン!!と武器が
ぶつかり合う音と周囲の歓声しか
聞こえない会場の中、
奏夜はぐでぇーっとしていた。

リリス 「そ、奏夜?」

カール 「どうした?」

奏夜 「……つまんねぇ。」

オーウェン 「……まだ、注目の奴が出てきてないもんな。」

リリス 「次、ルシアが出るよ!」

奏夜 「何!!それは応援しないとな!!」

急にシャキーンとなる奏夜。

司会者 「勝者ぁー!!モブA~!!……続いてはぁ~!?…おおっ!!"紅の華"の副隊長っ、メアリーぃぃぃ!!」

「メアリー殿だぁー!!」
「う、美しいぃぃぃ!!」
「び、美女だぁ!ハァハァ。」

誰だよキモイ奴。
会場は一気に大盛り上がり。
メアリーは獣人族で羊の角が生えている。
メアリーは確かに美女だ。
けど……

奏夜 「ルシアの方が美人だな。」

その言葉に3人は頷く。

司会者 「対するはぁ~!?"エスポワール"のルシアぁぁ!!」

ルシアが中央へと出てきた。

「おおっ!!美女だ!!」
「美女対美女だぜ!!しかも獣人族同士!!」
「う、美しいっ!!」
「お、おいあれって、牙狼種じゃねぇか!?」

会場はさらに盛り上がる。

ルシア 「よろしくお願いします。」

ルシアは相手のメアリーにお辞儀する。

メアリー 「あ、貴女は牙狼種!?でも、髪色が……。」

メアリーは驚いている。

ルシア 「牙狼種です。色は先祖返りらしいです。」

メアリー 「そ、そうなの。……こちらこそよろしく。」

メアリーも頭を下げる。

司会者 「でわぁ~?美女対美女の試合っ、開始ぃぃぃ!!」

ー ゴオオォン!!

開始の合図が鳴ったと同時に、
ルシアは"身体強化"を発動させ、
一気に相手に近づき剣を振るう。

メアリー 「っつ!?」

メアリーは何とか攻撃を避けて、
後方へ下がる。

メアリー 「……"身体強化"ね。」

メアリーも"身体強化"を
発動させて剣を構える。
そして、"炎操作"を発動させ
剣に纏わせた。

メアリー 「行くわよっ!!」

メアリーは、ルシアに近づき
剣撃を繰り出す。
ルシアは一つ一つの剣撃を
捌いて躱す。

司会者 「おおっとぉ!!メアリー殿と互角にわたりあっているぅ!?ルシア殿、凄いぞぉぉ!?」

ルシアは、力を入れて相手の
剣を弾き、相手がよろけたのを
見て"雷操作"を発動させ、
相手の手に剣身を軽く当てた。

メアリー 「っうぁあ!!」

メアリーは痺れと痛みで
剣を落とした。
ルシアはそのまま剣の切っ先を
メアリーの首に向ける。

メアリー 「………降参です。」

司会者 「……うおぉぉぉお!!?め、メアリー殿がぁ!?ま、敗けたぁぁぁあ!?」

司会者の言葉と共に会場で一気に
歓声が上がる。

「す、すげぇぇぇ!!」
「あのメアリーに圧勝だ!!!」
「何もんだよ!あいつ!!」

ルシアは剣をしまい、
メアリーに手を差し出す。
メアリーはルシアの手を
借りて立ち上がる。

メアリー 「完敗だよ。」

メアリーは苦笑する。

ルシア 「貴女の剣技も素晴らしかったです。」

メアリー 「…ありがとう。私のことはメアリーと呼んでくれると嬉しい。……あー、グラシア様に怒られるかな。」

グラシア様とは多分、
"紅の華"のリーダーだろう。

ルシア 「じゃあ、私もルシアと呼んで。」

2人は再び握手した。
その後、ルシアは奏夜達に
向かって笑顔で手を振る。

奏夜 「ルシア、ナァーイス!!」

奏夜が大声で叫び立ち、
グッジョブと指を出す。

リリス 「ちょ、ちょっと奏夜!!目立ってる目立ってる!!」

カール 「は、恥ずかしいから座って!!」

奏夜 「何だよー、いいだろ?別に。」

オーウェン 「いいんじゃないか?」

そんな賑やかなエスポワール
メンバーにまた笑みが零れるルシア。

その笑みに観客の一部が
鼻血を吹き出しながら
ぶっ倒れる。


その様子に……

??? 「アハハッ!!見ろ!!面白いなぁ!!アイツ!!」

ある強者は笑った。

??? 「……もうちょっと、お淑やかにできません?リーダー。」

リーダー? 「えっ?だって面白いじゃん?"わざと"目立った行動をとるなんて。」

ニヤッとリーダーと呼ばれた者は
笑う。

??? 「……"わざと"?」

リーダー? 「ああ。"わざと"だ。注目の強い者を、倒したギルドの者のリーダー……として注目を集める。そして、俺みたいな戦闘狂を煽る。……これを面白いと言わず何と言う?」

??? 「そんな、まさか!?」

リーダー? 「えーと、何てギルドだっけ?」

??? 「確か……エスポワール?だったと。」

リーダー? 「ふーん……エスポワールねぇ。」

楽しみだとリーダー?は呟いた。
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