5 / 14
お付き合いは順調に
しおりを挟む
それから俺は週末になると実家にいそいそと帰り、ねーちゃ・・・いや佳代さんと過ごした。体が弱っていることもあり、最初は部屋で過ごしていたけど、なんか俺がこっちにいない間にリハビリをすごく頑張ってくれてたみたいで、一緒に散歩ができるほどになったと聞いた時は出先にもかかわらず抱きしめてしまった。そんなこんなで年末、年明けと俺たちは一緒の時間を過ごしていった。
社会人2年目を迎え俺にも後輩ができた。といっても大学の後輩だったやつで、別に目新しい顔ではない。外回りで一緒に取引先を回り、いろいろと顔をつなぐ。まあ、そんな感じで仕事をこなす。
「先輩、なんかそわそわしてますね?」
「ん?別に何もないじょ?」
「なに噛んでるんですか・・・あやしい」
「なんもないって、あ、定時だし上がりますねー」
「お疲れ様です」
まあ、あれだ、そわそわもするよな。佳代さんがこっちに遊びに来てくれるのだ。いろいろと体力的、精神的にどん底だった彼女は見事なまでの回復を見せ、病院で愛の力ねとからかわれたと耳まで真っ赤にして話してくれた。胸の奥がなんかじわっと暖かくなる感じ。これが幸せかと思わず口からポロッと出ったらしい。佳代さんはさらに顔を赤くして俺の胸に顔を埋めてグリグリとしていた。かわいい。
駅に駆け込む、改札の外で待っていると見知った顔が階段を降りてきた。俺に気づくと花のように笑顔がほころぶ。あー、俺多分すっごいにやけてるな-と自覚しつつ手を振る。
「ゆーくん、来たよ!」
「うん、お疲れ様。ご飯食べた?」
「ううん、まだ。買い物行こうか」
「え?ああ、んじゃスーパーかな?」
その瞬間、今週頭から考えていたおしゃれなレストランはとりあえず棚上げした。
バッグを受け取り右手に。左手っていうか腕には佳代さんがしがみついている。まだちょっと人前に出るのは怖いらしい。んで、こうやってくっついてると怖くないのとか言われると、そりゃもうデレデレになるわけで、そんな時俺の方を叩く不届き者が現れた。
「先輩、なにしてるんですか-?」
「うげっ、お前どっから湧いてきやがった!?」
「ゆーくん?」
「っかーーー、なんスカそのラブラブな風情は??」
「ああ、こいつ、大学時代からの後輩で・・」
「そりゃこんな美人お彼女さんいたら浮かれますよね-」
「ああ、それは一つ訂正しよう」
「へ?彼女さんじゃない?」
「彼女プラス婚約者だ」
「ってゆーくん、恥ずかしいよ」
「えー、先輩そんなキャラでしたっけ?」
「うん、意外なものが見れたね?だからさ、今日はそれでいいか?」
「あ、あー、すいません、お邪魔しちゃって」
「や、いいよ、また週明けにな」
「はーい、んじゃまたー」
「おう、気をつけてな」
「うう、先輩なんて爆発してしまえ-」
「やかましいわ!」
後輩と別れて、むしろ追い返してスーパーに寄る。レストランでディナーより彼女の手料理。絶対そっちが良いよね。そう思い直しご機嫌でかごに食材を入れてゆく。そして俺は佳代さんの「新婚さんみたいだね」の一言に顔を真赤にして撃沈してしまったのだ。
社会人2年目を迎え俺にも後輩ができた。といっても大学の後輩だったやつで、別に目新しい顔ではない。外回りで一緒に取引先を回り、いろいろと顔をつなぐ。まあ、そんな感じで仕事をこなす。
「先輩、なんかそわそわしてますね?」
「ん?別に何もないじょ?」
「なに噛んでるんですか・・・あやしい」
「なんもないって、あ、定時だし上がりますねー」
「お疲れ様です」
まあ、あれだ、そわそわもするよな。佳代さんがこっちに遊びに来てくれるのだ。いろいろと体力的、精神的にどん底だった彼女は見事なまでの回復を見せ、病院で愛の力ねとからかわれたと耳まで真っ赤にして話してくれた。胸の奥がなんかじわっと暖かくなる感じ。これが幸せかと思わず口からポロッと出ったらしい。佳代さんはさらに顔を赤くして俺の胸に顔を埋めてグリグリとしていた。かわいい。
駅に駆け込む、改札の外で待っていると見知った顔が階段を降りてきた。俺に気づくと花のように笑顔がほころぶ。あー、俺多分すっごいにやけてるな-と自覚しつつ手を振る。
「ゆーくん、来たよ!」
「うん、お疲れ様。ご飯食べた?」
「ううん、まだ。買い物行こうか」
「え?ああ、んじゃスーパーかな?」
その瞬間、今週頭から考えていたおしゃれなレストランはとりあえず棚上げした。
バッグを受け取り右手に。左手っていうか腕には佳代さんがしがみついている。まだちょっと人前に出るのは怖いらしい。んで、こうやってくっついてると怖くないのとか言われると、そりゃもうデレデレになるわけで、そんな時俺の方を叩く不届き者が現れた。
「先輩、なにしてるんですか-?」
「うげっ、お前どっから湧いてきやがった!?」
「ゆーくん?」
「っかーーー、なんスカそのラブラブな風情は??」
「ああ、こいつ、大学時代からの後輩で・・」
「そりゃこんな美人お彼女さんいたら浮かれますよね-」
「ああ、それは一つ訂正しよう」
「へ?彼女さんじゃない?」
「彼女プラス婚約者だ」
「ってゆーくん、恥ずかしいよ」
「えー、先輩そんなキャラでしたっけ?」
「うん、意外なものが見れたね?だからさ、今日はそれでいいか?」
「あ、あー、すいません、お邪魔しちゃって」
「や、いいよ、また週明けにな」
「はーい、んじゃまたー」
「おう、気をつけてな」
「うう、先輩なんて爆発してしまえ-」
「やかましいわ!」
後輩と別れて、むしろ追い返してスーパーに寄る。レストランでディナーより彼女の手料理。絶対そっちが良いよね。そう思い直しご機嫌でかごに食材を入れてゆく。そして俺は佳代さんの「新婚さんみたいだね」の一言に顔を真赤にして撃沈してしまったのだ。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる