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織田家の魔改造と秀隆の縁談そのさん
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鉄砲という武器は高価なものだった。一丁が米九石の値を付けることもあったという。当時の足軽の扶持が大体二石だったことを考えると、鉄砲足軽一人を用意するのに、並の足軽6人分の費用がかかる。まして、鉄砲を撃たせて訓練するにあたり、弾込めも修練が必要であるし、火薬の調合も湿気を吸いやすく、失敗すると不発や暴発を起こす。費用がかかる割に効果が薄く、数丁で運用するならば、同数の弓をそろえた方がいいと判断されることも多かった。
銃身も精密な加工が難しく、一丁ごとに癖が違う。光秀が櫓から敵将を狙撃してのけたのは、那須与一張りの神業と言われるゆえんである。
結局だが、この兵器は100丁とかの多数をそろえないと効果を発揮しない。だが数がそろうと、その轟音と回避不可能な点、また弾丸が当たればかなりの確率で殺傷できることも含め、破壊力が跳ね上がる。500の鉄砲足軽の一斉射撃は、精鋭部隊すら撃破する破壊力があった。
その威力を発揮したのが三方が原の伏兵による一斉射撃であり。光秀考案の十字射撃による殲滅射撃陣であった。
いかなる猛将も鉄砲足軽が放つ猛射からは逃れられず、弾幕に五体を砕かれて倒れ伏す。戦の様相を一変させることとなったのである。
「喜六郎、鉄砲の増産はどうなっておる?」
「は、国友が支配下に入ったことにより月に200丁ほどの生産となっております。あとは各部隊に配備を進めておりますが、うちによこせと要求が錯綜しており…」
「ふむ、どこがどれだけだ?」
「ここに」
秀隆が差し出した書面を見て信長は眉を顰める。
「とりあえず、こいつとこいつには回してやれ。こやつは明日儂直々に問いただす」
「はっ!」
南無と秀隆はつぶやいて信長のもとを辞去する。
織田家の分国内では鉄砲の製造価格は大幅に下がっている。鉄を産出する土地を押さえ、さらに街道の整備を進めている。要するに物流にかかるコストが大幅に下がっていることがその要因である。また技術の独占を禁じることで、分国内の産業が活性化し、生産量の底上げがされているのだ。
ただ技術を取り上げると不満が出るため、現代でいう特許のような免状を与えることで、5年と区切って禄を増やすなどの処置をしている。また画期的な技術を開発したものにも同様の褒章を与えた。
また新田の開墾をしたものは3年の税を免じる布告を出していた。ただし、事前に届出を行い、開墾する土地の報告と、計画の提出を義務付けている。これにより、無謀な計画により私財を失うものや、詐欺などを未然に防ぐことを狙っている。また計画の不備がある場合や、問題がある場合について、受付の役人が修正を行ったりすることで、効率の良い開発ができることも利点と言えた。
これらの政策により織田家の国力は右肩上がりで上昇しているのである。増えた石高はそのまま織田本家の直轄に入り、在地領主はその土地を召し上げられ、同額の銭や米で禄が支払われる。また戦功を立てれば随時一時金が褒賞として与えられる。彼らは税の取り立てといった雑務から解放され、軍備のみに専念することができた。また凶作におびえることがなく、常に安定した収入があることが結局自身の得になることに気付いてゆく。
こうして兵農分離を推し進め、強大な経済力を下地に精強な軍を編成してゆくのである。
「徳川殿から使者が?」
「はっ、いかがなさいましょうや?」
「いや、いかがも何もお通ししなさい」
「はは!」
秀隆の居室に本多弥八郎が入ってきた。
「おお、弥八郎。元気にしておるか?」
「はい、ちと殿にご相談がありまして」
「ほう、なにかな?」
「遠州の井伊谷のことはお聞き及びでしょうか?」
「ああ、武田に一度降ったはいいが、武田があの有様だから再度離反したというところまでは聞き及んでおる。まあ、小領主にはありがちなことではないか?」
「ええ、ですが次郎三郎の殿がちとここで土豪をまとめたいと仰せになられて…」
「ああ、一罰百戒を狙っておるか」
「はい、ですがかの家に特に咎もなく、武田に付いた折も当家とは小競り合い一つないのです」
「ふむ、それで兵を出して滅ぼすではちとやりすぎな気もするの」
「左様にございます。そこでご相談というのは…」
「ほうほう…ってちょいと待て。井伊の領主は女地頭殿か」
「そうですな。して、殿にお願いというのが…」
「んだとぉ?!」
秀隆への縁談を伝えると驚愕して声を若干荒げる。
「これが一番丸く収まる気がするのです。殿は下手すると次郎三郎の殿よりも徳川で人望がありますので」
「いやそれ家康殿に言うなよ? 絶対言うなよ?」
徳川の平和は織田の安定に直結する。第二の今川となられては非常に困るのだ。そもそも尾張には最低限の軍しかいない。徳川に攻め込まれたら岐阜まで一直線になりかねない。
しかし、徳川とはすでに国力は隔絶しているので、総力戦になれば織田の勝ちは揺るがない、一大生産拠点の尾張を失うことでその被害は計り知れないことになりかねないが。
「しかしだ。かの女性は今いくつだ?」
気を取り直して秀隆が問う。
「確か…28くらいかと?」
この時代の適齢期を10年以上ぶっちぎっている。というか、地頭殿が嫁ぐとなると答えは一つだ。
「むう、というかあれか、井伊の一族すべて引き受けろと?」
「いやあ、殿、次郎法師殿は絶世の美女でござるぞ?」
「ほうほう、って俺もう嫁が二人いるんだが?」
「殿ほどの身代ならばもう10人いても不思議には思いませぬが?」
「そうか、俺の禄は尾張黒田2万石だぞ?」
「そして、織田家の台所をその御身で担っておられますな。その収益は二万石の比ではありますまい」
「ぐぬぬ、お主を拾ったことを後悔してきたぞ?」
附子をかんだような表情で秀隆が言い返す。
「それはご随意に。ですが、哀れな女性を救う甲斐性を示しても罰は当たりませぬぞ」
しれっと弥八郎が言い返す。
「わかった、では尾張からお主の禄に一部混ぜていた酒を次から金子に変えよう」
「なっ!? 殿、後生にございます。それだけはご勘弁を」
弥八郎の土下座を見て少し秀隆も留飲を下げた。
「ふむ、まあよい。兄上に話は通したか?」
「無論にございます。大殿の許可をいただいてからここにきております故」
「弥八郎、おぬしいっぺん断酒がいるかもしれぬな。主君を陥れることのみに頭を使うとは、酒毒が脳髄に回っておるようだ」
「いえいえいえいえいえいえいえ、拙者は殿に受けた恩を返すべく日々粉骨砕身しておりますぞ?」
うさんくせえと秀隆が吐き捨てる。これだから策士とかは信用ならんのだ。
「ほほう、主に望まぬ嫁を押し付けるがお主の忠義か?」
「その望まぬ、というのは殿のことで? それとも?」
「次郎法師殿のほうだが?」
「あのですね、これは井伊殿の方から打診があったのですが?」
「なに?」
けげんな表情で秀隆が問い返す。
「実は三方が原の時点で井伊谷は徳川に降っておったのです。ただしまあ、そこで条件を出されまして…」
「あー…何となく理解した」
秀隆は片頭痛をこらえつつ結論を促す。
「ええ、武田と互角に渡り合った織田秀隆様になら降ると」
「うっわ、家康殿に真正面からケンカ売ってるんじゃねえか!?」
「そうなのです。井伊谷を攻め滅ぼすことはそう難しくないのですが、あたら無駄な死人を出すのは忍びなく」
「お前最初からそう言えや」
「いやー、そうしたら私が殿をおちょくれないじゃないですか」
秀隆は脇息の下に仕込んでいた厚紙で作った扇子を振りかざし、弥八郎の頭上に振り下ろした。
スパーンと乾いた音が鳴り響く。銃声と勘違いした近習が部屋になだれ込んでくるが、秀隆考案の「ハリセン」の音と理解すると彼らは部屋を後にした。
こうして信長の下命も下り、織田喜六郎秀隆と、井伊次郎法師直虎との婚姻が決定したのだった。
銃身も精密な加工が難しく、一丁ごとに癖が違う。光秀が櫓から敵将を狙撃してのけたのは、那須与一張りの神業と言われるゆえんである。
結局だが、この兵器は100丁とかの多数をそろえないと効果を発揮しない。だが数がそろうと、その轟音と回避不可能な点、また弾丸が当たればかなりの確率で殺傷できることも含め、破壊力が跳ね上がる。500の鉄砲足軽の一斉射撃は、精鋭部隊すら撃破する破壊力があった。
その威力を発揮したのが三方が原の伏兵による一斉射撃であり。光秀考案の十字射撃による殲滅射撃陣であった。
いかなる猛将も鉄砲足軽が放つ猛射からは逃れられず、弾幕に五体を砕かれて倒れ伏す。戦の様相を一変させることとなったのである。
「喜六郎、鉄砲の増産はどうなっておる?」
「は、国友が支配下に入ったことにより月に200丁ほどの生産となっております。あとは各部隊に配備を進めておりますが、うちによこせと要求が錯綜しており…」
「ふむ、どこがどれだけだ?」
「ここに」
秀隆が差し出した書面を見て信長は眉を顰める。
「とりあえず、こいつとこいつには回してやれ。こやつは明日儂直々に問いただす」
「はっ!」
南無と秀隆はつぶやいて信長のもとを辞去する。
織田家の分国内では鉄砲の製造価格は大幅に下がっている。鉄を産出する土地を押さえ、さらに街道の整備を進めている。要するに物流にかかるコストが大幅に下がっていることがその要因である。また技術の独占を禁じることで、分国内の産業が活性化し、生産量の底上げがされているのだ。
ただ技術を取り上げると不満が出るため、現代でいう特許のような免状を与えることで、5年と区切って禄を増やすなどの処置をしている。また画期的な技術を開発したものにも同様の褒章を与えた。
また新田の開墾をしたものは3年の税を免じる布告を出していた。ただし、事前に届出を行い、開墾する土地の報告と、計画の提出を義務付けている。これにより、無謀な計画により私財を失うものや、詐欺などを未然に防ぐことを狙っている。また計画の不備がある場合や、問題がある場合について、受付の役人が修正を行ったりすることで、効率の良い開発ができることも利点と言えた。
これらの政策により織田家の国力は右肩上がりで上昇しているのである。増えた石高はそのまま織田本家の直轄に入り、在地領主はその土地を召し上げられ、同額の銭や米で禄が支払われる。また戦功を立てれば随時一時金が褒賞として与えられる。彼らは税の取り立てといった雑務から解放され、軍備のみに専念することができた。また凶作におびえることがなく、常に安定した収入があることが結局自身の得になることに気付いてゆく。
こうして兵農分離を推し進め、強大な経済力を下地に精強な軍を編成してゆくのである。
「徳川殿から使者が?」
「はっ、いかがなさいましょうや?」
「いや、いかがも何もお通ししなさい」
「はは!」
秀隆の居室に本多弥八郎が入ってきた。
「おお、弥八郎。元気にしておるか?」
「はい、ちと殿にご相談がありまして」
「ほう、なにかな?」
「遠州の井伊谷のことはお聞き及びでしょうか?」
「ああ、武田に一度降ったはいいが、武田があの有様だから再度離反したというところまでは聞き及んでおる。まあ、小領主にはありがちなことではないか?」
「ええ、ですが次郎三郎の殿がちとここで土豪をまとめたいと仰せになられて…」
「ああ、一罰百戒を狙っておるか」
「はい、ですがかの家に特に咎もなく、武田に付いた折も当家とは小競り合い一つないのです」
「ふむ、それで兵を出して滅ぼすではちとやりすぎな気もするの」
「左様にございます。そこでご相談というのは…」
「ほうほう…ってちょいと待て。井伊の領主は女地頭殿か」
「そうですな。して、殿にお願いというのが…」
「んだとぉ?!」
秀隆への縁談を伝えると驚愕して声を若干荒げる。
「これが一番丸く収まる気がするのです。殿は下手すると次郎三郎の殿よりも徳川で人望がありますので」
「いやそれ家康殿に言うなよ? 絶対言うなよ?」
徳川の平和は織田の安定に直結する。第二の今川となられては非常に困るのだ。そもそも尾張には最低限の軍しかいない。徳川に攻め込まれたら岐阜まで一直線になりかねない。
しかし、徳川とはすでに国力は隔絶しているので、総力戦になれば織田の勝ちは揺るがない、一大生産拠点の尾張を失うことでその被害は計り知れないことになりかねないが。
「しかしだ。かの女性は今いくつだ?」
気を取り直して秀隆が問う。
「確か…28くらいかと?」
この時代の適齢期を10年以上ぶっちぎっている。というか、地頭殿が嫁ぐとなると答えは一つだ。
「むう、というかあれか、井伊の一族すべて引き受けろと?」
「いやあ、殿、次郎法師殿は絶世の美女でござるぞ?」
「ほうほう、って俺もう嫁が二人いるんだが?」
「殿ほどの身代ならばもう10人いても不思議には思いませぬが?」
「そうか、俺の禄は尾張黒田2万石だぞ?」
「そして、織田家の台所をその御身で担っておられますな。その収益は二万石の比ではありますまい」
「ぐぬぬ、お主を拾ったことを後悔してきたぞ?」
附子をかんだような表情で秀隆が言い返す。
「それはご随意に。ですが、哀れな女性を救う甲斐性を示しても罰は当たりませぬぞ」
しれっと弥八郎が言い返す。
「わかった、では尾張からお主の禄に一部混ぜていた酒を次から金子に変えよう」
「なっ!? 殿、後生にございます。それだけはご勘弁を」
弥八郎の土下座を見て少し秀隆も留飲を下げた。
「ふむ、まあよい。兄上に話は通したか?」
「無論にございます。大殿の許可をいただいてからここにきております故」
「弥八郎、おぬしいっぺん断酒がいるかもしれぬな。主君を陥れることのみに頭を使うとは、酒毒が脳髄に回っておるようだ」
「いえいえいえいえいえいえいえ、拙者は殿に受けた恩を返すべく日々粉骨砕身しておりますぞ?」
うさんくせえと秀隆が吐き捨てる。これだから策士とかは信用ならんのだ。
「ほほう、主に望まぬ嫁を押し付けるがお主の忠義か?」
「その望まぬ、というのは殿のことで? それとも?」
「次郎法師殿のほうだが?」
「あのですね、これは井伊殿の方から打診があったのですが?」
「なに?」
けげんな表情で秀隆が問い返す。
「実は三方が原の時点で井伊谷は徳川に降っておったのです。ただしまあ、そこで条件を出されまして…」
「あー…何となく理解した」
秀隆は片頭痛をこらえつつ結論を促す。
「ええ、武田と互角に渡り合った織田秀隆様になら降ると」
「うっわ、家康殿に真正面からケンカ売ってるんじゃねえか!?」
「そうなのです。井伊谷を攻め滅ぼすことはそう難しくないのですが、あたら無駄な死人を出すのは忍びなく」
「お前最初からそう言えや」
「いやー、そうしたら私が殿をおちょくれないじゃないですか」
秀隆は脇息の下に仕込んでいた厚紙で作った扇子を振りかざし、弥八郎の頭上に振り下ろした。
スパーンと乾いた音が鳴り響く。銃声と勘違いした近習が部屋になだれ込んでくるが、秀隆考案の「ハリセン」の音と理解すると彼らは部屋を後にした。
こうして信長の下命も下り、織田喜六郎秀隆と、井伊次郎法師直虎との婚姻が決定したのだった。
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