32 / 43
32.
しおりを挟む
その日、アリーシアは困惑した顔でローレンツを見ていた。
アリーシアの困惑顔の理由を変わっているであろう、ローレンツは何か言いたそうな顔を無視して、話を進めている。
話を進めているのは、いわゆるデザイナーと言う職業の女性だ。
付き従うのは、そのデザイナーの雇っているお針子や商人。
そして、楽しそうにしているのは侍女のアリス。
「シア様はどれがいいですか? わたしはこれが似合うと思うんです! シア様の瞳の色とそっくりでとても綺麗な布地です」
「こちらも、素晴らしくお似合いになると思います。こちらは隣国でも希少な毛から生産された布で……」
「手触りはいいな。ただ、もう少し色味があったほうがいい」
「でしたらこちらなどいかがでしょうか?」
「ふむ……いいな。これにしようか。いや、俺が決めても仕方がない。本人に好みというものもある」
「そうですね! シア様はどうですか?」
「え、えぇ……あの、そもそもこれはどういうことなのでしょうか?」
そこでローレンツとアリスの主従の視線が交ざりあう。
お互い言っていなかったのかという顔だ。
似たもの主従で結構だが、説明してほしいところだった。
「いやですわ! 男性が女性に服を贈るなど、一つしか考えられないではございませんか!」
「ぐっ!」
主従が何も発言しないのを見て、招かれたデザイナーが口を挟む。
普通客の手前、発言は控えるものだが、もうこの邸宅内でのローレンツと使用人との距離感になれたアリーシアは特別不思議に思う事もなくなった。
「いや、違う! 誤解するな!」
「何をおっしゃっているんですか! わたくしとローレンツ様の仲ではございませんか! わたくしはとてもうれしいのですよ? ふらふらしているあなたがこうして女性にドレスをプレゼントするとは――……まるで母の様に姉のように見守ってきたかいがありましたわ!」
「だから、違うと――」
「お嬢様! ローレンツ様は口下手なところがありますが、甲斐性はありますよ! お金持ちだし、この度爵位も賜りまして、将来性抜群! しかもとてもお顔は整っておいでです。朴念仁ですが、どうかお見捨てにならないであげて下さいませ」
「は、はぁ……」
なんだか良く分からないが、何か勘違いさせてしまっているようだ。
アリーシアはなんと言っていいのか分からず困ったように微笑み、曖昧な返事を返した。
「もういいから、出て行ってくれ! 明日までには決めておくから!」
「ええ、ええ、もちろんですとも! お二人の仲を深めるのにわたくしどもはお邪魔でしょうから。さあ、片付けますわよ」
ぱんぱんと手を叩き、付き人や商人に商品を片付けさせると、デザイナーの女性はさっさと出て行く。
切り替えが早く、アリーシアはこの一連の騒動についていけていなかった。
「お茶のご準備をしてきます」
アリスが部屋を出て行く。
部屋にあふれんばかりの布地が引き上げられると、アリーシアは何もしていないのに疲れて背もたれに寄りかかる。
本当に、どういうことなのか説明が欲しい。
「大丈夫か? ローラは昔馴染みで人の話を聞かないところがあるが、この王都では人気のデザイナーなんだ。ドレスを仕立てるのには、一番ふさわしい」
「あの、なぜ突然ドレスなんかを……もうすでにいくつか貸していただいております。わたくしにはそれで充分です」
「あれは、既製品でとりあえずの間に合わせだ。いいか、女性のドレスは戦闘服だ。戦いに挑むのに、しっかりと準備しなければ、相手に負ける」
つまり、裁判になったとき、きちんとした格好をしなければ、それこそ餌食になるとローレンツは言っていた。
アリーシアとしては、むしろ華美な装いこそふさわしくないと思っていたが、ローレンツは反対意見らしい。
「きっと上級貴族がこぞって見に来る。戦うべき君がみじめな恰好をすれば、上級貴族の奥方として初めからふさわしくは無かったと揚げ足を取られる。心証が悪くなれば、流れが一気に変わる」
おそらく味方はほぼいない。
だからこその服なのだとローレンツが言う。
「華美に着飾る必要性はない。しかし、見る人が見ればわかる超一流のドレスを身にまとえば、勇気がわく。装備品とはそういうものだ」
ローレンツの理論は良く分からないが、なんとなく分かる気もする。
それに、全てをまかせているローレンツが必要と考えているのなら、きっと必要なのだ。
「でも、裁判の時に必要なら一着でいいんですよね?」
「駄目だ。もし一回の公判で終わらなかったら? それに大神官に事前に会うこともある。最低三着は必要だ! それに普段使いに出来るものもこの際作ったほうがいいだろう。ああもちろん、装飾品の手配もしておく」
「ローレンツ様! さすがにそこまでは――!」
「いや、これは俺の復讐の一貫でもある。遠慮されては逆に困る。俺に悪いと思うのなら、俺に利用されていろ。いいな? 分かったところで、明日までにデザインと布地を決めなければ。時間がないから、大変だろうが選んでくれ」
「……わかりました。でしたら三着は、ローレンツ様のために作ろうと思います……」
押し付けられた商品サンプルの布地に少しだけため息が出た。
良く分からないローレンツの勢いに、止めることは無理そうだった。
買い物は女性の方が好きで、それに付きあう男性はつまらなそうに早く終わらないかという雰囲気を出すのが普通なのに、明らかに嬉々として選んでいるのはローレンツの方だ。
好きな色や好きなレース飾りなど、事細かにローレンツに聞かれ、アリーシアはそれに答える。
忙しいはずのローレンツは、なぜか一から十までアリーシアのドレス選びに付き合いたいようだ。
遠慮されると思っているのかもしれない。
実際、アリーシア一人だったら、地味な安い生地を選びそうだ。
しかし、アリーシアもやはり女だ。
婚家ではこんな風にドレスを作ってもらう事は無かったが、生家では何度かある。
そういう時は、やはりうれしくなった。
それが義務であっても。
「あと、これもいいと思うがどう思う?」
三着といいながらも、ローレンツはそれ以上を頼みそうで、アリーシアはどう止めればいいのか、少し悩むことになった。
アリーシアの困惑顔の理由を変わっているであろう、ローレンツは何か言いたそうな顔を無視して、話を進めている。
話を進めているのは、いわゆるデザイナーと言う職業の女性だ。
付き従うのは、そのデザイナーの雇っているお針子や商人。
そして、楽しそうにしているのは侍女のアリス。
「シア様はどれがいいですか? わたしはこれが似合うと思うんです! シア様の瞳の色とそっくりでとても綺麗な布地です」
「こちらも、素晴らしくお似合いになると思います。こちらは隣国でも希少な毛から生産された布で……」
「手触りはいいな。ただ、もう少し色味があったほうがいい」
「でしたらこちらなどいかがでしょうか?」
「ふむ……いいな。これにしようか。いや、俺が決めても仕方がない。本人に好みというものもある」
「そうですね! シア様はどうですか?」
「え、えぇ……あの、そもそもこれはどういうことなのでしょうか?」
そこでローレンツとアリスの主従の視線が交ざりあう。
お互い言っていなかったのかという顔だ。
似たもの主従で結構だが、説明してほしいところだった。
「いやですわ! 男性が女性に服を贈るなど、一つしか考えられないではございませんか!」
「ぐっ!」
主従が何も発言しないのを見て、招かれたデザイナーが口を挟む。
普通客の手前、発言は控えるものだが、もうこの邸宅内でのローレンツと使用人との距離感になれたアリーシアは特別不思議に思う事もなくなった。
「いや、違う! 誤解するな!」
「何をおっしゃっているんですか! わたくしとローレンツ様の仲ではございませんか! わたくしはとてもうれしいのですよ? ふらふらしているあなたがこうして女性にドレスをプレゼントするとは――……まるで母の様に姉のように見守ってきたかいがありましたわ!」
「だから、違うと――」
「お嬢様! ローレンツ様は口下手なところがありますが、甲斐性はありますよ! お金持ちだし、この度爵位も賜りまして、将来性抜群! しかもとてもお顔は整っておいでです。朴念仁ですが、どうかお見捨てにならないであげて下さいませ」
「は、はぁ……」
なんだか良く分からないが、何か勘違いさせてしまっているようだ。
アリーシアはなんと言っていいのか分からず困ったように微笑み、曖昧な返事を返した。
「もういいから、出て行ってくれ! 明日までには決めておくから!」
「ええ、ええ、もちろんですとも! お二人の仲を深めるのにわたくしどもはお邪魔でしょうから。さあ、片付けますわよ」
ぱんぱんと手を叩き、付き人や商人に商品を片付けさせると、デザイナーの女性はさっさと出て行く。
切り替えが早く、アリーシアはこの一連の騒動についていけていなかった。
「お茶のご準備をしてきます」
アリスが部屋を出て行く。
部屋にあふれんばかりの布地が引き上げられると、アリーシアは何もしていないのに疲れて背もたれに寄りかかる。
本当に、どういうことなのか説明が欲しい。
「大丈夫か? ローラは昔馴染みで人の話を聞かないところがあるが、この王都では人気のデザイナーなんだ。ドレスを仕立てるのには、一番ふさわしい」
「あの、なぜ突然ドレスなんかを……もうすでにいくつか貸していただいております。わたくしにはそれで充分です」
「あれは、既製品でとりあえずの間に合わせだ。いいか、女性のドレスは戦闘服だ。戦いに挑むのに、しっかりと準備しなければ、相手に負ける」
つまり、裁判になったとき、きちんとした格好をしなければ、それこそ餌食になるとローレンツは言っていた。
アリーシアとしては、むしろ華美な装いこそふさわしくないと思っていたが、ローレンツは反対意見らしい。
「きっと上級貴族がこぞって見に来る。戦うべき君がみじめな恰好をすれば、上級貴族の奥方として初めからふさわしくは無かったと揚げ足を取られる。心証が悪くなれば、流れが一気に変わる」
おそらく味方はほぼいない。
だからこその服なのだとローレンツが言う。
「華美に着飾る必要性はない。しかし、見る人が見ればわかる超一流のドレスを身にまとえば、勇気がわく。装備品とはそういうものだ」
ローレンツの理論は良く分からないが、なんとなく分かる気もする。
それに、全てをまかせているローレンツが必要と考えているのなら、きっと必要なのだ。
「でも、裁判の時に必要なら一着でいいんですよね?」
「駄目だ。もし一回の公判で終わらなかったら? それに大神官に事前に会うこともある。最低三着は必要だ! それに普段使いに出来るものもこの際作ったほうがいいだろう。ああもちろん、装飾品の手配もしておく」
「ローレンツ様! さすがにそこまでは――!」
「いや、これは俺の復讐の一貫でもある。遠慮されては逆に困る。俺に悪いと思うのなら、俺に利用されていろ。いいな? 分かったところで、明日までにデザインと布地を決めなければ。時間がないから、大変だろうが選んでくれ」
「……わかりました。でしたら三着は、ローレンツ様のために作ろうと思います……」
押し付けられた商品サンプルの布地に少しだけため息が出た。
良く分からないローレンツの勢いに、止めることは無理そうだった。
買い物は女性の方が好きで、それに付きあう男性はつまらなそうに早く終わらないかという雰囲気を出すのが普通なのに、明らかに嬉々として選んでいるのはローレンツの方だ。
好きな色や好きなレース飾りなど、事細かにローレンツに聞かれ、アリーシアはそれに答える。
忙しいはずのローレンツは、なぜか一から十までアリーシアのドレス選びに付き合いたいようだ。
遠慮されると思っているのかもしれない。
実際、アリーシア一人だったら、地味な安い生地を選びそうだ。
しかし、アリーシアもやはり女だ。
婚家ではこんな風にドレスを作ってもらう事は無かったが、生家では何度かある。
そういう時は、やはりうれしくなった。
それが義務であっても。
「あと、これもいいと思うがどう思う?」
三着といいながらも、ローレンツはそれ以上を頼みそうで、アリーシアはどう止めればいいのか、少し悩むことになった。
25
お気に入りに追加
3,731
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
勘違い妻は騎士隊長に愛される。
更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。
ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ――
あれ?何か怒ってる?
私が一体何をした…っ!?なお話。
有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。
※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。

はずれのわたしで、ごめんなさい。
ふまさ
恋愛
姉のベティは、学園でも有名になるほど綺麗で聡明な当たりのマイヤー伯爵令嬢。妹のアリシアは、ガリで陰気なはずれのマイヤー伯爵令嬢。そう学園のみなが陰であだ名していることは、アリシアも承知していた。傷付きはするが、もう慣れた。いちいち泣いてもいられない。
婚約者のマイクも、アリシアのことを幽霊のようだの暗いだのと陰口をたたいている。マイクは伯爵家の令息だが、家は没落の危機だと聞く。嫁の貰い手がないと家の名に傷がつくという理由で、アリシアの父親は持参金を多めに出すという条件でマイクとの婚約を成立させた。いわば政略結婚だ。
こんなわたしと結婚なんて、気の毒に。と、逆にマイクに同情するアリシア。
そんな諦めにも似たアリシアの日常を壊し、救ってくれたのは──。

出生の秘密は墓場まで
しゃーりん
恋愛
20歳で公爵になったエスメラルダには13歳離れた弟ザフィーロがいる。
だが実はザフィーロはエスメラルダが産んだ子。この事実を知っている者は墓場まで口を噤むことになっている。
ザフィーロに跡を継がせるつもりだったが、特殊な性癖があるのではないかという恐れから、もう一人子供を産むためにエスメラルダは25歳で結婚する。
3年後、出産したばかりのエスメラルダに自分の出生についてザフィーロが確認するというお話です。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる