139 / 143
おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】
86
しおりを挟む
彼が微笑みながら、赤い薔薇を一輪差し出しながら、
「君はしっかりしているから、私では頼りないと感じる時があるかもしれない。でも、私が君の隣にいたいんだ。卒業したら、私と結婚してくれないか?」
と、プロポーズしてくれた。
政略結婚であるから、いずれ彼と結婚する予定ではあった。
でも、私を想ってきちんとプロポーズしてくれた。
薔薇を受け取り、
「はい。よろしくお願いします。」
目に涙を浮かべながら、笑顔で応えた。
「先代の隠し子が名乗り出てきて、自分も家を継ぐ権利があると主張してきました。先代は既に他界しておりますが、お顔は先代そっくりなので、間違いなく先代の子のようです。ジェームス様とはあまり歳も離れておらず、平民出ではありますが、平民の学校では優秀な成績をおさめられており、周りの評判もよろしいようです。親戚の中で彼を推す声もあるようです。」
ロイさんに頼んで調査をしてもらった。
案の定お家騒動だった。
アオイとオリヴィアは、休日前日になる放課後、ミリアンナを授業が終わったらすぐに学校から城の離宮へと拉致してきたのである。
もちろんミリアンナのご両親や寮には、連絡はしてある。
「女子会を開催します!」
と、侍女たちの手によって、制服からゆったりめのワンピースに着替えさせられた。
「女子会とは、日頃の不平不満・鬱憤などのストレスを解消する会でございます。そして男性がおりません。気を遣う必要はございません。さあ、美味しいお菓子とお茶を楽しみましょう!」
と、3人で女子会を開始した。
ミリアンナ様は、状況についていけていないのか呆然とするばかりだ。アオイとオリヴィアは、にこにこしながら、お茶を飲み、お菓子を食べ始めた。
「そういえば、アオイ様は殿下と何をお約束されたのですか?」
「学園卒業したら、公爵領を継いでくれるじゃない?だから『お義母さん』って呼んで欲しいって言ったら、断固拒否られて。」
「それでリバーシで賭けをされていたのですか?」
「継いでくれる日が楽しみだなぁ。」
「殿下もお可哀想に。」
よよよっと、オリヴィアは泣いたふりをする。
そこでようやく覚醒したミリアンナが、
「あの、私はどうしてここに?」
「ミリアンナ様はアオイ様の手によって誘拐されましたわ。」
「オリヴィア様だって、共犯ですよ?」
「「ふふふっ。」」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。わ、私を誘拐しても、私にはそんな価値はないです。」
ミリアンナ様は話しているうちに、だんだん俯いて声も小さくなっていく。
相当婚約解消が堪えているようだ。
「ねえ、ミリアンナ様。ミリアンナ様の価値って何でしょうか?私は、人を思いやり、救いの手を差し伸べてくれる。そんなミリアンナ様を知っていますが、価値がありませんか?」
「本当に刺繍が上手で、人に教えるのも上手です。今では、簡単なお花ぐらいは刺繍ができるようになりました。私をここまで教えてくれたミリアンナ様が価値がないわけないじゃないですか!」
「あ、でも、・・・私は・・・・・・。」
「ミリアンナ様、自分を卑下しないでください。」
「そうだよ。私が男だったら、ミリアンナ様に求婚していたもん。絶対毎日怒られる予感しかしないけど。」
「アオイ様とは、毎日が疲れそうなので、遠慮しますわ。」
クスクス笑いながら答えてくれた。やっと、ミリアンナが笑ってくれたのだ。
「フラれてしまったけど、友達としてはよろしくお願いします。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。」
「私も仲に入れてください!」
「「もちろん!」」
サプライズの女子会の経緯を話し、まずはお茶会を楽しんだ。
「君はしっかりしているから、私では頼りないと感じる時があるかもしれない。でも、私が君の隣にいたいんだ。卒業したら、私と結婚してくれないか?」
と、プロポーズしてくれた。
政略結婚であるから、いずれ彼と結婚する予定ではあった。
でも、私を想ってきちんとプロポーズしてくれた。
薔薇を受け取り、
「はい。よろしくお願いします。」
目に涙を浮かべながら、笑顔で応えた。
「先代の隠し子が名乗り出てきて、自分も家を継ぐ権利があると主張してきました。先代は既に他界しておりますが、お顔は先代そっくりなので、間違いなく先代の子のようです。ジェームス様とはあまり歳も離れておらず、平民出ではありますが、平民の学校では優秀な成績をおさめられており、周りの評判もよろしいようです。親戚の中で彼を推す声もあるようです。」
ロイさんに頼んで調査をしてもらった。
案の定お家騒動だった。
アオイとオリヴィアは、休日前日になる放課後、ミリアンナを授業が終わったらすぐに学校から城の離宮へと拉致してきたのである。
もちろんミリアンナのご両親や寮には、連絡はしてある。
「女子会を開催します!」
と、侍女たちの手によって、制服からゆったりめのワンピースに着替えさせられた。
「女子会とは、日頃の不平不満・鬱憤などのストレスを解消する会でございます。そして男性がおりません。気を遣う必要はございません。さあ、美味しいお菓子とお茶を楽しみましょう!」
と、3人で女子会を開始した。
ミリアンナ様は、状況についていけていないのか呆然とするばかりだ。アオイとオリヴィアは、にこにこしながら、お茶を飲み、お菓子を食べ始めた。
「そういえば、アオイ様は殿下と何をお約束されたのですか?」
「学園卒業したら、公爵領を継いでくれるじゃない?だから『お義母さん』って呼んで欲しいって言ったら、断固拒否られて。」
「それでリバーシで賭けをされていたのですか?」
「継いでくれる日が楽しみだなぁ。」
「殿下もお可哀想に。」
よよよっと、オリヴィアは泣いたふりをする。
そこでようやく覚醒したミリアンナが、
「あの、私はどうしてここに?」
「ミリアンナ様はアオイ様の手によって誘拐されましたわ。」
「オリヴィア様だって、共犯ですよ?」
「「ふふふっ。」」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。わ、私を誘拐しても、私にはそんな価値はないです。」
ミリアンナ様は話しているうちに、だんだん俯いて声も小さくなっていく。
相当婚約解消が堪えているようだ。
「ねえ、ミリアンナ様。ミリアンナ様の価値って何でしょうか?私は、人を思いやり、救いの手を差し伸べてくれる。そんなミリアンナ様を知っていますが、価値がありませんか?」
「本当に刺繍が上手で、人に教えるのも上手です。今では、簡単なお花ぐらいは刺繍ができるようになりました。私をここまで教えてくれたミリアンナ様が価値がないわけないじゃないですか!」
「あ、でも、・・・私は・・・・・・。」
「ミリアンナ様、自分を卑下しないでください。」
「そうだよ。私が男だったら、ミリアンナ様に求婚していたもん。絶対毎日怒られる予感しかしないけど。」
「アオイ様とは、毎日が疲れそうなので、遠慮しますわ。」
クスクス笑いながら答えてくれた。やっと、ミリアンナが笑ってくれたのだ。
「フラれてしまったけど、友達としてはよろしくお願いします。」
「はい、こちらこそよろしくお願いします。」
「私も仲に入れてください!」
「「もちろん!」」
サプライズの女子会の経緯を話し、まずはお茶会を楽しんだ。
42
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完
瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。
夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。
*五話でさくっと読めます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
侍女から第2夫人、そして……
しゃーりん
恋愛
公爵家の2歳のお嬢様の侍女をしているルイーズは、酔って夢だと思い込んでお嬢様の父親であるガレントと関係を持ってしまう。
翌朝、現実だったと知った2人は親たちの話し合いの結果、ガレントの第2夫人になることに決まった。
ガレントの正妻セルフィが病弱でもう子供を望めないからだった。
一日で侍女から第2夫人になってしまったルイーズ。
正妻セルフィからは、娘を義母として可愛がり、夫を好きになってほしいと頼まれる。
セルフィの残り時間は少なく、ルイーズがやがて正妻になるというお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる