ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】

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「そろそろ、終わるから私達も戻るか。」

2時間くらい見学していた。その間、何人かの上級生は疲れて壁に寄りかかり休んでいる。
短期集中で全力で頑張った結果だろう。お疲れ様。

殿下とマクスウェル様は、騎士団の方々に声掛けをしてくると言って、私は先に練武場を出ようとした時に声をかけられた。

「君、真剣に見ていた子だよねぇ。」

騎士団の方だった。

「えぇ、そうですね?」

「コンラッド殿下と一緒だったけど、ハグれたの?連れて行こうか?」

迷子扱いされたよ。

「いえ、殿下は用事があるので、私は先に戻る予定になっています。」

「へぇ。君は騎士希望なの?俺が口利きしてやろうか?」

と、肩に手を置かれる。その瞬間、背筋に悪寒が走る。

「や、やめてください。」

と、体を捻り、離れる。その行動が気に入らなかったのか、

「人が親切に言ってやれば、調子に乗りやがって。」

と、手が振り上げる。私は、咄嗟に来るであろう拳に、目をつぶった。

…が、衝撃が来ないから目を開けると、グランダル先輩が騎士の腕を掴んでいた。

「何をしているんだ。」

「いっ、このガキが生意気だから、躾をしようとしたんだ。」

「このガキ?……シュバルツバルト嬢!」

グランダル先輩と目が合った。

「はぁ、おん、な、だった、のか?」

2人に全身じっくり見られる。どうせ、運動着だと、女に見えないんてしょ!

「シュバルツバルト嬢、何があった?」

「見学を終えて、殿下と別れて先に帰ろうとしたら、この方に声をかけられたんです。で、肩を触られて、離れようとしたら、怒りだして。」

「っ、迷っていたから、親切に声かけたのに!第一、女のクセにそんな格好で来ているやつは、男漁りにきているんだろ!」

『男漁り』でブチギレた私は、悪くない、はず。

「はぁー?ふざけんな!下心丸出しで声をかけてきたのは、アンタでしょ!女とも気づいていなかったクセに!」

「な、な、なっ。」

「シュバルツバルト嬢、落ち着いて。」

「『口利き』してやろうかなんて、アンタ程度じゃ、たかが知れているわよ!」

「な、なんだとぉ!」

「シュバ「何の騒ぎだ!」

イズランド隊長が騒ぎに駆けつけてきたようだ。コンラッド殿下達もいる。

グランダル先輩がイズランド隊長に説明をして、コンラッド殿下が私を宥めて、騎士の方も、仲間に宥められていた。

隊長が騎士団から騎士に処分を下すことと、私には家の方に正式に謝罪文を出すことで、終了した。




コンラッド殿下は、

「もう、別行動させないから。」

と、青筋付きの良い笑顔で言われた。

それをマクスウェル様、グランダル先輩はうんうんと同意するかのように頷いていた。

不可抗力ですけど??




結局寮まで3人に送ってもらった。怒りが収まらず、グチグチ言う私を、3人は宥めてくる。

「男漁りって何よ!」

「アオイは漁ってないから。みんなわかっているから。」

「てか、小さい男の子目当てのアイツの方がヤバくない?!……やっぱり、蹴って、潰せばよかった。」

私は、悪い顔して言った。3人の顔が青くなった。






ロイさんに伝達魔法で出来事を伝えると、直ぐに返事がきた。内容は、お叱りだった。


不可抗力だってぇ!!
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