ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】

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長期休暇が終わり、学園生活がまた始まりました。

初日は、学園長の挨拶、課題の提出だけで、午前中で終わった。午後から、コンラッド殿下と、マクスウェル様で走り込み、剣術の鍛練の見学をする予定だ。

練武場に行き、ストレッチをして、走る。最近走ってなかったから、体が鈍っているのがわかる。

「アオイ、怠けていたな。」

一緒に走りながら、コンラッド殿下に指摘された。

「みんなに止められていましたから。」

初めの頃は、私とマクスウェル様に付いて来れなかった殿下も今では余裕をみせるくらいに、体力がついてきた。

「アオイは、叔父上と婚約するのか?」

「そうなりそうですねぇ。」

「母上とリーは喜んでいたが、父上と兄上が微妙な顔をしていたから。」

「えっ、あの2人が婚約を勧めてきたんですよ?」

「そうなのか?」

「そうですよ。」

「アオイ、何かしたのか?」

「んー?してないはずです。」

呪いのようなお祈りは、アオイのしでかしには入らないらしい。

「そうか。しかし、あの叔父上が婚約するのかぁ。」

「それ、みんなそう言うけど、教えてくれないんです。ロイさんが独身を貫く理由!」

「…俺が言うことでない。叔父上に直接聞いてくれ。」

「そうします。」

コンラッド殿下が、少し哀しい顔をしたのが、気になった。

5周走り、1周歩いて、休憩してから、練武場に行く。木剣のぶつかり合う音が聞こえる。

「今日は、人が多くないですか?」

「今日は、騎士団から何名か指導で来られているので、1年生の見学も多いですね。」

マクスウェル様が教えてくれた。今日は、殿下達も、鍛練でなく、見学をすると言う。

初めて練武場に入ったが、市営の総合体育館並みに大きく、2階に客席がある。床は板張りでなく、野球とかの屋外練習場みたいに、地面だった。2階の客席に行く。

騎士団のユニフォームは、確かに格好いい。名称を知らないけど、ジャケット、ベスト、スタンドカラーシャツ、ズボン、ブーツがアニメとかで見たそのもので、本当に格好いい!上役になれば、ジャケットは裾が長くなる。今日は指導ということで軽装で、ジャケットなしだった。

「アオイ、目がハートになってる。」

「ハートですね。」

「えっ、騎士団のユニフォームって格好よくないですか?」

「叔父上に着て貰えばいいじゃないか?」

「ロイさんに?……鼻血出そう。」

「アオイ様、養護室行きますか?」

「まだ、出てないから、大丈夫です。」

「…本当に、付き合っているのか?片想いの乙女のようだぞ?」

「…うるさいですよ。もうきちんと見学しましょう。」

話をぶった斬って、見学を促す。

1対1の指導を受けているのを見学する。
1人、騎士と対等に打ち合いをしているのに目がいく。
「殿下、あっちの方の赤髪の人、強いですね。」

「ん、ああ、グランダル殿か。まあ彼は強いな。」

「グランダル先輩ですか?魔法士科ですよね?」

「彼は辺境伯次期当主だから、剣術は小さい頃からされている。魔法は学園でしか学べないからな。」

「多分、騎士科首席より強いかと思います。」

「へぇ。」

跡取りは大変だなぁ。ちらっと殿下を見たら、目が合った。

「俺もそれなりに強いぞ。」

ちょっとプンスコして言う。

「期待してますよ。」

と、伝える。

「ライズ、今日は、イズランド隊長がきているぞ。」

「ど、どこですか?」

「あっちだ。」

と殿下が指差す。

「殿下、イズランド隊長って、ルカさんの旦那さん?」

「そうだっな。妻があの記録官だったな。」

「ほうほう。」

彼がルカさんの旦那さんかぁ。体格はロイさん並みに大きい。確かにルカさんが組手の相手をするには体格差がありすぎて、できないそうもない。ルカさんの見た目は中肉中背だから。この世界基準で。

「そう言えば、その記録官と城中走り回っていたって報告があったな。」

「あれは、ルカさんが悪いんです。いつも一言余計なんです。」

「…城で走り回らないでくれ。」

「……善処します。」


なんで、わたしの行動は筒抜けなんでしょうか?






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