78 / 143
おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】
32
しおりを挟む
翌日は、いつもの態度で過ごす。ただ、呼び方が『ロイ義兄様』から『ロイさん』に、戻った。ダンさんは、訝しんだ顔をしたが、ロイさんは、平然と受け入れていたので、特にその時は何も言われなかった。距離は、近くもなく遠くもない、適度な距離になった。
今日は何人かが深淵部近くに行き、魔獣の探索を行って、明日深淵部に行くこととなった。私は、調理や掃除の手伝いをする。体格の良い騎士の方達だから、食べる量も半端なかった。なんだか某アニメ映画の飛行船の台所で奮闘する少女を思い出してしまった。1度は言った滅びの呪文。うん、懐かしい。
忙しく体を動かしていれば、余計なことは考えなくて済む。無心になって、料理を作っていく。
昼食も終わり、食器も片付け終わった頃、ダンさんに呼ばれた。
「ロイ様と何かあったんですか?」
「ありましたが、ダンさんに関係ないです。」
「関係ありますよ。今日は朝から、全く使い物にならないです。私は、主人の尻拭いをしなくていけないんです。」
「……頑張ってください?」
「いやいや、元に戻してくださいよぉ。」
「私ではダメですよ。ロイさんから、壊してきたんだから。ロイさん自身が着地点を見つけないと。」
「…アオイ様は、思っていたより厳しいですね。てっきり、譲歩してくれるかと思っていました。」
「譲れない時は、厳しくしますよ。第一子供でないのだから、優しくしてあげると付け上がります。」
「確かに。」
「もう、いいですか?」
「1つ質問ですが、ロイ様と寝ましたか?」
「……質問の意図がわかりません。」
「そこら辺は、男の事情ということで。」
「…ああ。下着くらい自分で洗わせればいいじゃないですか?」
「ロイ様は、元王族なので。」
「ダンさんも大変ですね。…寝てませんよ?私には色気が足りなかったようです。」
にっこり笑って、その場を去った。
「…十分ありますよ。…ロイ様と取り合いなんて、したくないのに。」
ダンには、妖艶に微笑んだように見えた。
「ロイ様、いいかげん仕事してくださいよぉ。あなたが結界張らないと、アオイ様も怪我するんですよ?最悪、…なんてことも。」
「わかった。張りに行く。」
「そう言ってから、だいぶ経ってますよ?」
「ああ、わかっている。」
「もう、いいです!私が張りに行きます。ロイ様ほど質は高くありませんが、1週間は持つでしょう。アオイ様にできる男アピールもできますし。」
「ちょ、ちょっと待て。アピールだって?」
「ええ。アオイ様に。」
「女性嫌いのお前が?」
「ええ。女性は嫌いですが、何か?」
「アオイは、女性だ。」
「知っています。」
「では、なんで?」
「私、初めて、女性に対して色気を感じたのです。それがアオイ様です。」
「な、なるほど?」
「ロイ様がダメなら、私にもチャンスはあるはずです。」
「ダメだったわけではないぞ。」
「ロイ様のことだから、ちょっかい掛け過ぎて、気持ちバレて、距離を取られているんでしょ?」
「うぐっ。」
「それにアオイ様は普段平気な顔していますが、あまり男の人が好きではないですよ?何度も会って話をしている私ですら、二人だと手を震えているのを必死に隠されていますし。」
「俺の時は、震えていないぞ?」
「兄妹だったからでしょ?でも、『ロイさんから、壊してきたんだから。』って言ってましたよ?兄妹設定辞めたら、その他と一緒の扱いですよ?もしくは、上司だからという理由がつくぐらいで。」
「ううぅ。」
「だったら、さっさと仕事してください!仕事をしない男は嫌われますよ?」
「行ってくる!」
ロイは、結界を張りに部屋を飛び出して行った。
当分このネタは使えるな。とダンは思った。
今日は何人かが深淵部近くに行き、魔獣の探索を行って、明日深淵部に行くこととなった。私は、調理や掃除の手伝いをする。体格の良い騎士の方達だから、食べる量も半端なかった。なんだか某アニメ映画の飛行船の台所で奮闘する少女を思い出してしまった。1度は言った滅びの呪文。うん、懐かしい。
忙しく体を動かしていれば、余計なことは考えなくて済む。無心になって、料理を作っていく。
昼食も終わり、食器も片付け終わった頃、ダンさんに呼ばれた。
「ロイ様と何かあったんですか?」
「ありましたが、ダンさんに関係ないです。」
「関係ありますよ。今日は朝から、全く使い物にならないです。私は、主人の尻拭いをしなくていけないんです。」
「……頑張ってください?」
「いやいや、元に戻してくださいよぉ。」
「私ではダメですよ。ロイさんから、壊してきたんだから。ロイさん自身が着地点を見つけないと。」
「…アオイ様は、思っていたより厳しいですね。てっきり、譲歩してくれるかと思っていました。」
「譲れない時は、厳しくしますよ。第一子供でないのだから、優しくしてあげると付け上がります。」
「確かに。」
「もう、いいですか?」
「1つ質問ですが、ロイ様と寝ましたか?」
「……質問の意図がわかりません。」
「そこら辺は、男の事情ということで。」
「…ああ。下着くらい自分で洗わせればいいじゃないですか?」
「ロイ様は、元王族なので。」
「ダンさんも大変ですね。…寝てませんよ?私には色気が足りなかったようです。」
にっこり笑って、その場を去った。
「…十分ありますよ。…ロイ様と取り合いなんて、したくないのに。」
ダンには、妖艶に微笑んだように見えた。
「ロイ様、いいかげん仕事してくださいよぉ。あなたが結界張らないと、アオイ様も怪我するんですよ?最悪、…なんてことも。」
「わかった。張りに行く。」
「そう言ってから、だいぶ経ってますよ?」
「ああ、わかっている。」
「もう、いいです!私が張りに行きます。ロイ様ほど質は高くありませんが、1週間は持つでしょう。アオイ様にできる男アピールもできますし。」
「ちょ、ちょっと待て。アピールだって?」
「ええ。アオイ様に。」
「女性嫌いのお前が?」
「ええ。女性は嫌いですが、何か?」
「アオイは、女性だ。」
「知っています。」
「では、なんで?」
「私、初めて、女性に対して色気を感じたのです。それがアオイ様です。」
「な、なるほど?」
「ロイ様がダメなら、私にもチャンスはあるはずです。」
「ダメだったわけではないぞ。」
「ロイ様のことだから、ちょっかい掛け過ぎて、気持ちバレて、距離を取られているんでしょ?」
「うぐっ。」
「それにアオイ様は普段平気な顔していますが、あまり男の人が好きではないですよ?何度も会って話をしている私ですら、二人だと手を震えているのを必死に隠されていますし。」
「俺の時は、震えていないぞ?」
「兄妹だったからでしょ?でも、『ロイさんから、壊してきたんだから。』って言ってましたよ?兄妹設定辞めたら、その他と一緒の扱いですよ?もしくは、上司だからという理由がつくぐらいで。」
「ううぅ。」
「だったら、さっさと仕事してください!仕事をしない男は嫌われますよ?」
「行ってくる!」
ロイは、結界を張りに部屋を飛び出して行った。
当分このネタは使えるな。とダンは思った。
31
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
覚悟はありますか?
翔王(とわ)
恋愛
私は王太子の婚約者として10年以上すぎ、王太子妃教育も終わり、学園卒業後に結婚し王妃教育が始まる間近に1人の令嬢が発した言葉で王族貴族社会が荒れた……。
「あたし、王太子妃になりたいんですぅ。」
ご都合主義な創作作品です。
異世界版ギャル風な感じの話し方も混じりますのでご了承ください。
恋愛カテゴリーにしてますが、恋愛要素は薄めです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
侍女から第2夫人、そして……
しゃーりん
恋愛
公爵家の2歳のお嬢様の侍女をしているルイーズは、酔って夢だと思い込んでお嬢様の父親であるガレントと関係を持ってしまう。
翌朝、現実だったと知った2人は親たちの話し合いの結果、ガレントの第2夫人になることに決まった。
ガレントの正妻セルフィが病弱でもう子供を望めないからだった。
一日で侍女から第2夫人になってしまったルイーズ。
正妻セルフィからは、娘を義母として可愛がり、夫を好きになってほしいと頼まれる。
セルフィの残り時間は少なく、ルイーズがやがて正妻になるというお話です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる