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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】
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ただ今、拉致られ、ロイ義兄様の執務室のソファに座っております。正確にはソファに座るロイ義兄様の膝の上ですが。
「アオイ、私との話は一旦置いて、私は君の後見として叱らなければいけないんだ。」
「?」
「それは色々と報告が上がっている。まず、休日は寝巻きのまま寮の食堂に行ったこと。運動着は許したが、暑いからと、小さい男の子が履く短いズボンを履いて走り込みに行こうとしたこと。寮の大浴場で泳ごうとしたこと。あとは、」
「それは、マリアさんから?」
「マリアからだ。」
「チッ。」
思わず舌打ちしてしまった。
「あと、学園では、刺繍の時間に男子生徒に混じって、剣術に行こうとしたこと。魔法の授業が楽しみでクラスから演習場まで走って行ったこと。それから、」
「それは、コンラッド殿下からですか?」
「だけではない。」
「ジーク」
「ジークハルトからも、学園からも報告はきている!」
「チッ。」
「舌打ちしない!ただ、クラスの仲を取り持ってくれたのには、感謝していると、担任の先生は仰られていた。」
「えへっ。」
「しかし、やらかした数々はなかったことにはならない。前の世界は良くても、ここではダメなこともある。40過ぎているなら、節度ある行動をしなさい。」
「…はーい。」
「返事は伸ばさない!」
「はい!」
「…まぁ、叱るのはここまでにしよう。成績表をみた。頑張ったな。」
「はい。」
「あまり無理をするな。約束は覚えているか?」
「もちろん、『寂しかったり、辛いことがあったら、知らせてくれ。アオイは、誰にも言えない性質なのだろう。1人泣きそうな時は、俺を頼ってくれ。』でしょ。伝達魔法使ってきちんと知らせたよ?ただ、ロイ義兄様がいないから、泣いてないよ?偉いでしょ?」
「さっき泣きそうだった。」
「泣きそうだったけど、泣いてないよ。約束を破らないように、我慢した。」
「うん、偉いな。」
頭を撫でてくれる。
「ふふっ。」
「?どうした?」
「抱っこされて、頭を撫でらるなんて子供になったみたい。やっぱりロイ義兄様でなくて、お義父様って呼ぼうかな?」
「~~それは、本当に勘弁してもらいたい。」
ロイ義兄様は、複雑な顔をする。
「そう言えば、長期休暇にグランダル先輩から、領地に来ないかと誘われたんです。でも、コンラッド殿下に相談したら、シュバルツバルトに行くなら、グランダル先輩の領地は、反対側にあるから日数的に無理だって言われたんですよね?次の長期休暇の時に行ってもいいですか?」
「ダメだ。」
「なんでですか?」
「アオイ、貴族女性を自分の領地に誘うのは、婚約者か、婚約を前提に申し込んでいるって言うことになるんだ。」
「えっ。」
「グランダル辺境伯令息は、遠回しに婚約を申し込んできたんだ。」
「えぇ!」
「アオイは、…彼と婚約したかったのか?」
「いやいや、グランダル先輩は、カッコイイし、優しいし、魔法士科では首席ですけど、私は結婚したいとかは思わないです。それに私はもう結婚したくないし、それにもう子供は産めないんです。」
「結婚したくないって、前の世界の旦那を愛しているから?子供を産めないって、子供3人産んだし、体は若返ったからまだ産めるのではないのか?」
「…話が長くなりますが、聞きますか?」
ロイ義兄様は頷いた。
「アオイ、私との話は一旦置いて、私は君の後見として叱らなければいけないんだ。」
「?」
「それは色々と報告が上がっている。まず、休日は寝巻きのまま寮の食堂に行ったこと。運動着は許したが、暑いからと、小さい男の子が履く短いズボンを履いて走り込みに行こうとしたこと。寮の大浴場で泳ごうとしたこと。あとは、」
「それは、マリアさんから?」
「マリアからだ。」
「チッ。」
思わず舌打ちしてしまった。
「あと、学園では、刺繍の時間に男子生徒に混じって、剣術に行こうとしたこと。魔法の授業が楽しみでクラスから演習場まで走って行ったこと。それから、」
「それは、コンラッド殿下からですか?」
「だけではない。」
「ジーク」
「ジークハルトからも、学園からも報告はきている!」
「チッ。」
「舌打ちしない!ただ、クラスの仲を取り持ってくれたのには、感謝していると、担任の先生は仰られていた。」
「えへっ。」
「しかし、やらかした数々はなかったことにはならない。前の世界は良くても、ここではダメなこともある。40過ぎているなら、節度ある行動をしなさい。」
「…はーい。」
「返事は伸ばさない!」
「はい!」
「…まぁ、叱るのはここまでにしよう。成績表をみた。頑張ったな。」
「はい。」
「あまり無理をするな。約束は覚えているか?」
「もちろん、『寂しかったり、辛いことがあったら、知らせてくれ。アオイは、誰にも言えない性質なのだろう。1人泣きそうな時は、俺を頼ってくれ。』でしょ。伝達魔法使ってきちんと知らせたよ?ただ、ロイ義兄様がいないから、泣いてないよ?偉いでしょ?」
「さっき泣きそうだった。」
「泣きそうだったけど、泣いてないよ。約束を破らないように、我慢した。」
「うん、偉いな。」
頭を撫でてくれる。
「ふふっ。」
「?どうした?」
「抱っこされて、頭を撫でらるなんて子供になったみたい。やっぱりロイ義兄様でなくて、お義父様って呼ぼうかな?」
「~~それは、本当に勘弁してもらいたい。」
ロイ義兄様は、複雑な顔をする。
「そう言えば、長期休暇にグランダル先輩から、領地に来ないかと誘われたんです。でも、コンラッド殿下に相談したら、シュバルツバルトに行くなら、グランダル先輩の領地は、反対側にあるから日数的に無理だって言われたんですよね?次の長期休暇の時に行ってもいいですか?」
「ダメだ。」
「なんでですか?」
「アオイ、貴族女性を自分の領地に誘うのは、婚約者か、婚約を前提に申し込んでいるって言うことになるんだ。」
「えっ。」
「グランダル辺境伯令息は、遠回しに婚約を申し込んできたんだ。」
「えぇ!」
「アオイは、…彼と婚約したかったのか?」
「いやいや、グランダル先輩は、カッコイイし、優しいし、魔法士科では首席ですけど、私は結婚したいとかは思わないです。それに私はもう結婚したくないし、それにもう子供は産めないんです。」
「結婚したくないって、前の世界の旦那を愛しているから?子供を産めないって、子供3人産んだし、体は若返ったからまだ産めるのではないのか?」
「…話が長くなりますが、聞きますか?」
ロイ義兄様は頷いた。
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