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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】
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翌日からの学園は、また元気に通いだす。クラスのみんなに元気に挨拶をする。
「アオイ様、元気になられて良かったです。」
と声を掛けられる。そんなに元気なかったのかな?
「昨日、兄上と出掛けた時にいいことがあったのか?」
「はい、探していたのが見つかりました!それで朝、寮の調理場を借りて作ったので、お昼楽しみにしてください。」
「兄上が見つけたのか?」
「いえ、文官のルカさんからいただきました。昨日はルカさんの家にお邪魔して、玉子焼きを一緒に作りました。」
「だから、兄上と。」
「はい、玉子焼きだから、です。」
コンラッド殿下と私が遠い目をしてしまうのは、しょうがない。
「それとリバーシの試作品をもらってきました。クラスでやってみて、反応を知りたいです。市場調査ですね。」
「わかった。とりあえずクラス内だけでしてみよう。」
お昼、パンの代わりにおにぎりを食べてもらう。具材を用意できなかったので、塩むすびになってしまったけど。
「これは冷めても美味いなぁ。むしろ昨日よりは甘味を感じる。」
「塩で握ったので、塩辛さが甘味を際立たせてくれたと思います。」
「形も三角でかわいいですわ。」
「色んな形に出来ますよ。」
「アオイはこれが食べたかったんだな?」
「そうなんです。私の国の主食です。」
おにぎりを気に入ってくれたようだった。海苔とか鮭とかあればよかったが、今はまだ探してもいないから、おいおい探し歩きたい。もちろん、醤油と味噌も!
「これで放課後の『コメ』の文献探しの会は、解散ですね。」
と、コンラッド殿下が言った。
えっ、初耳ですが?
「あっ、コンラッド!」
「殿下、シーッ!」
ジークハルト王太子殿下とエリー様が慌てて止めたが、しっかり聞こえましたよ?
「…どういうことですか?」
詳しく話を聞けば、あまりにも私が元気がなかったので、心配した。『米食べたい』と言う私の呟きを聞いたコンラッド殿下が、ジークハルト王太子殿下に報告。『コメ』とは何かわからなかったので、図書館で『コメ』の文献がないか探していたらしい。
「すみません。ご心配お掛けしました。ありがとうございました。」
「いいのよ。元気がないアオイは、アオイじゃないわ。」
「そうだぞ。クラスのみんなも私が叱り過ぎたんでないかと、聞いてきたぞ。」
みんなが心配してくれたことが嬉しかった。
「エリー様、ジークハルト王太子殿下と2人で出掛けてしまいましたが、怒りますか?」
「あら、アオイは疾しい事でもしたのかしら?」
「しませんよ!」
「アオイがそんな事をしないのを知っているから大丈夫よ。アオイが気にするなら、私にも玉子焼きを作って欲しいわ。」
「エリー様にならいくらでも!」
「アオイ様、元気になられて良かったです。」
と声を掛けられる。そんなに元気なかったのかな?
「昨日、兄上と出掛けた時にいいことがあったのか?」
「はい、探していたのが見つかりました!それで朝、寮の調理場を借りて作ったので、お昼楽しみにしてください。」
「兄上が見つけたのか?」
「いえ、文官のルカさんからいただきました。昨日はルカさんの家にお邪魔して、玉子焼きを一緒に作りました。」
「だから、兄上と。」
「はい、玉子焼きだから、です。」
コンラッド殿下と私が遠い目をしてしまうのは、しょうがない。
「それとリバーシの試作品をもらってきました。クラスでやってみて、反応を知りたいです。市場調査ですね。」
「わかった。とりあえずクラス内だけでしてみよう。」
お昼、パンの代わりにおにぎりを食べてもらう。具材を用意できなかったので、塩むすびになってしまったけど。
「これは冷めても美味いなぁ。むしろ昨日よりは甘味を感じる。」
「塩で握ったので、塩辛さが甘味を際立たせてくれたと思います。」
「形も三角でかわいいですわ。」
「色んな形に出来ますよ。」
「アオイはこれが食べたかったんだな?」
「そうなんです。私の国の主食です。」
おにぎりを気に入ってくれたようだった。海苔とか鮭とかあればよかったが、今はまだ探してもいないから、おいおい探し歩きたい。もちろん、醤油と味噌も!
「これで放課後の『コメ』の文献探しの会は、解散ですね。」
と、コンラッド殿下が言った。
えっ、初耳ですが?
「あっ、コンラッド!」
「殿下、シーッ!」
ジークハルト王太子殿下とエリー様が慌てて止めたが、しっかり聞こえましたよ?
「…どういうことですか?」
詳しく話を聞けば、あまりにも私が元気がなかったので、心配した。『米食べたい』と言う私の呟きを聞いたコンラッド殿下が、ジークハルト王太子殿下に報告。『コメ』とは何かわからなかったので、図書館で『コメ』の文献がないか探していたらしい。
「すみません。ご心配お掛けしました。ありがとうございました。」
「いいのよ。元気がないアオイは、アオイじゃないわ。」
「そうだぞ。クラスのみんなも私が叱り過ぎたんでないかと、聞いてきたぞ。」
みんなが心配してくれたことが嬉しかった。
「エリー様、ジークハルト王太子殿下と2人で出掛けてしまいましたが、怒りますか?」
「あら、アオイは疾しい事でもしたのかしら?」
「しませんよ!」
「アオイがそんな事をしないのを知っているから大丈夫よ。アオイが気にするなら、私にも玉子焼きを作って欲しいわ。」
「エリー様にならいくらでも!」
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