ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】

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マレー男爵令嬢は、青褪めていく。

「あなたは何がしたかったんですか?」

と、私は問う。

「アンタみたいに王子様が隣にいて、恵まれているやつに何がわかるの!!私だって楽して暮らしたいから、王子様を狙ったっていいじゃない!!アンタさえいなければっ。」バシンッ。

私は聞くに耐えず、令嬢の左頬を平手打ちした。

「あなたは何を勘違いしているんですか?上位貴族、王族ほど、社会に還元する真摯さを求められます。楽して暮らしているように見えますが、国民の為に日々奮闘しているのが彼らなんです。下位貴族に模範となる姿を見せているのです。そこを理解していないあなたは王族に迎えられる訳ないじゃないですか!」

「……。」

「それに随分奔放でいらっしゃるようですし。」
私は人差しで自分の左首元を叩いた。

令嬢はばっと首元を両手で押さえた。

意味のわかった先生2人は、顔を赤くする。



マレー男爵令嬢が自白してくれたので、解散となった。マクスウェル様が3人を女子寮に送ってくれた。生徒会役員はこの後片付けがあると戻っていった。



部屋に戻り、ドレスを脱がしてもらい、湯浴みをして、ベッドに潜り込む。

ドレスに飲み物はかけられなかったが、イベントがあった。はっきり言って疲れた。異世界あるあるは勘弁してもらいたい。











その夜は、前の世界の夢をみた。やっぱりどう考えても理不尽なことに対して、怒られている。でも、私は何も言い返さない。言ったところで聞いてもらえたい。 

場面が変わる。夕飯の片付けをしているのに、『つまみがない』『水道の音がうるさくて、TVの音が聞こえない』と、言われる。夕飯とは別につまみを作る。飲み屋でないのに、それを基準に言われる。『料理が下手だ』

また、負の感情に飲み込まれていく。

場面が急に変わってお城にいた。
何故か彼に抱きしめられいる。

「寂しかったり、辛いことがあったら、知らせてくれ。アオイは、誰にも言えない性質タチなのだろう。1人泣きそうな時は、俺を頼ってくれ。」



うん、忘れていないよ。頼りにしているよ。
今はあなたがいないから、泣けないだけ。
その時はまたいっぱい抱きしめてね。









その後、マレー男爵令嬢は退学になった。今回の出来事だけでなく、複数の男性と関係を持っていたのが発覚したからだ。結婚前にそのような関係を持つのは、貴族社会では、非常にまずいことで、退学後は、戒律の厳しい修道院に行ったらしい。相手の男性の中には教師もいたらしい。彼らも退学、辞職したようだ。


マレー男爵令嬢、本当に何がしたかったんだろう?
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