54 / 143
おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】
10
しおりを挟む
モリー様とマクスウェル様が、なんとなく魔力を感じるようになってきた時に、休憩時間となった。
クラスの子達とトイレに行った帰り道、他のクラスの女子生徒達に声を掛けられた。
「シュバルツバルト様、少しよろしいでしょうか?」
「いえ、少しもよろしくないので失礼します。」
と、他の子達と演習場に戻ろうとする。フラグは叩き折るに限ります。
「ちょっとお待ちなさい。あなた、コンラッド殿下にべったり纏わりついて、殿下が迷惑なさっているのよ。いい加減離れなさいよ。」
「そうよ、そうよ。」
私はクラスの子達を見て、
「殿下は迷惑している?」
と聞いてみる。
クラスメイトのミリアンナ様が、
「アルカード様、それは勘違いでございます。むしろ、殿下と離したら、大変なことになります。」
「そうです。殿下がいないと、何をしでかすか、本当にわからないんです。」
オリヴィア様の援護射撃は、私にも流れ弾が当たりましたよ。
「ま、まぁ、そういうことでしたら。」
と、そそくさと立ち去っていった。
「助けていただいて、ありがとうございます。…違う意味で殿下に迷惑をかけていたんですね…。」
多分私は今、遠い目をしているのだろう。
「いえ、アオイ様はそのままでいいです。」
「そうですよ。そのままでいいです。」
フォローにもなっていなかった。
ズドーンと落ち込んだまま、殿下達の元に戻った。
授業後半は、魔法の出し方を習う。水をコップに出すのが、課題だ。火だと、危ないからね。
コップが配られて、水を出す前にグランダル先輩が助言をしてくれた。
「魔法は、イメージが大事だ。このコップだと、どのくらいの量なのかをイメージすると、いいと思う。」
イメージ、イメージ。
コップを持ち、『空気中の水分を集める。量は8分目。』とイメージをして、魔力を出す。
シュルンって効果音がありそうな感じで、コップに水が溜まった。量も8分目。
「できた。」
「1回で成功したな。」
殿下のコップにも水が入っていた。モリー様とマクスウェル様は、まだできていないようだった。
グランダル先輩に
「どんなイメージをしたんだ?」
と聞かれた。
「空気中の水分を集めるイメージをしました。量は8分目くらいとも。」
「クウキ?」
「空気は、私達の身の回りにある気体のことです。その空気の中には水分も含まれているので、その水分を集めるイメージをしました。無から有を作り出すのは難しいですが、あるところから取り出すイメージでしょうかね。」
「なるほど。独特の考え方だな。」
「はぁ。」
「アオイ、そこまでだ。おまえの考え方はあまり言うべきではない。」
「わかりました。」
コンラッド殿下に止められる。
まず、空気の概念がないから、しょうがない。酸素や二酸化炭素って言ってもわからないだろう。前の世界の知識は、無闇矢鱈に曝け出していいものではないらしい。
授業が終わり、昼食へと向かう。そこにグランダル先輩に呼ばれる。
「言いそびれていたが、お菓子ありがとう。」
「いえ、私の方こそ、ご迷惑お掛けしました。」
「それで、もし良かったら、歓迎会の時にエスコートさせてもらえないか?」
「…え?」
「もう、相手は決まっているのか?」
「私がエスコートすると決まっている。」
「コンラッド殿下。」
エスコートってなんですか?と聞こうとしたら、コンラッド殿下が話に入ってきた。
「そうか、それは残念だ。」
と、グランダル先輩は立ち去っていった。
これはどういうことですかー??
クラスの子達とトイレに行った帰り道、他のクラスの女子生徒達に声を掛けられた。
「シュバルツバルト様、少しよろしいでしょうか?」
「いえ、少しもよろしくないので失礼します。」
と、他の子達と演習場に戻ろうとする。フラグは叩き折るに限ります。
「ちょっとお待ちなさい。あなた、コンラッド殿下にべったり纏わりついて、殿下が迷惑なさっているのよ。いい加減離れなさいよ。」
「そうよ、そうよ。」
私はクラスの子達を見て、
「殿下は迷惑している?」
と聞いてみる。
クラスメイトのミリアンナ様が、
「アルカード様、それは勘違いでございます。むしろ、殿下と離したら、大変なことになります。」
「そうです。殿下がいないと、何をしでかすか、本当にわからないんです。」
オリヴィア様の援護射撃は、私にも流れ弾が当たりましたよ。
「ま、まぁ、そういうことでしたら。」
と、そそくさと立ち去っていった。
「助けていただいて、ありがとうございます。…違う意味で殿下に迷惑をかけていたんですね…。」
多分私は今、遠い目をしているのだろう。
「いえ、アオイ様はそのままでいいです。」
「そうですよ。そのままでいいです。」
フォローにもなっていなかった。
ズドーンと落ち込んだまま、殿下達の元に戻った。
授業後半は、魔法の出し方を習う。水をコップに出すのが、課題だ。火だと、危ないからね。
コップが配られて、水を出す前にグランダル先輩が助言をしてくれた。
「魔法は、イメージが大事だ。このコップだと、どのくらいの量なのかをイメージすると、いいと思う。」
イメージ、イメージ。
コップを持ち、『空気中の水分を集める。量は8分目。』とイメージをして、魔力を出す。
シュルンって効果音がありそうな感じで、コップに水が溜まった。量も8分目。
「できた。」
「1回で成功したな。」
殿下のコップにも水が入っていた。モリー様とマクスウェル様は、まだできていないようだった。
グランダル先輩に
「どんなイメージをしたんだ?」
と聞かれた。
「空気中の水分を集めるイメージをしました。量は8分目くらいとも。」
「クウキ?」
「空気は、私達の身の回りにある気体のことです。その空気の中には水分も含まれているので、その水分を集めるイメージをしました。無から有を作り出すのは難しいですが、あるところから取り出すイメージでしょうかね。」
「なるほど。独特の考え方だな。」
「はぁ。」
「アオイ、そこまでだ。おまえの考え方はあまり言うべきではない。」
「わかりました。」
コンラッド殿下に止められる。
まず、空気の概念がないから、しょうがない。酸素や二酸化炭素って言ってもわからないだろう。前の世界の知識は、無闇矢鱈に曝け出していいものではないらしい。
授業が終わり、昼食へと向かう。そこにグランダル先輩に呼ばれる。
「言いそびれていたが、お菓子ありがとう。」
「いえ、私の方こそ、ご迷惑お掛けしました。」
「それで、もし良かったら、歓迎会の時にエスコートさせてもらえないか?」
「…え?」
「もう、相手は決まっているのか?」
「私がエスコートすると決まっている。」
「コンラッド殿下。」
エスコートってなんですか?と聞こうとしたら、コンラッド殿下が話に入ってきた。
「そうか、それは残念だ。」
と、グランダル先輩は立ち去っていった。
これはどういうことですかー??
43
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました
四折 柊
恋愛
子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
侍女から第2夫人、そして……
しゃーりん
恋愛
公爵家の2歳のお嬢様の侍女をしているルイーズは、酔って夢だと思い込んでお嬢様の父親であるガレントと関係を持ってしまう。
翌朝、現実だったと知った2人は親たちの話し合いの結果、ガレントの第2夫人になることに決まった。
ガレントの正妻セルフィが病弱でもう子供を望めないからだった。
一日で侍女から第2夫人になってしまったルイーズ。
正妻セルフィからは、娘を義母として可愛がり、夫を好きになってほしいと頼まれる。
セルフィの残り時間は少なく、ルイーズがやがて正妻になるというお話です。
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる