ただ、好きなことをしたいだけ

ゆい

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おばちゃん学園に通っちゃいます!【1年生】

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入学式からの授業は座学だけだった。5日間授業、2日間休みで、前の世界と変わらない。ただ、体育がない。体が鈍る。

と、いうことでコンラッド殿下に走れる場所がないか聞いたら、騎士科の練武場の周辺が、体力作りの為、走れる仕様になっているらしい。

休日1日目は、ちょっと走り込もう。マリアさんにお願いして、騎士科の運動着と靴を用意してもらった。髪は邪魔にならないように、ポニーテールにした。

着替えて寮から出ると、コンラッド殿下とマクスウェル様が運動着姿でいた。
殿下とマクスウェル様は、来年は騎士科に入る予定だから、休日の鍛練は欠かせないらしい。

練武場に着き、場所を教えてもらった。軽く柔軟運動をする。柔軟運動をしていると、マクスウェル様に声をかけられる。

「アオイ様はなにをしているんですか?」

「柔軟運動です。激しい動きをする前に、軽く体をほぐして、関節を柔らかくします。怪我などの軽減に繋がるのです。」

「どのようにするのですか?」

「末端の関節からやります。一緒にしてみましょう。まず足首を回します。10回回したら、反対方向に10回。反対の足も同じようにします。」

と、殿下と3人で一緒に柔軟運動をした。

「走る前に体が温まっていいですね。」

「すぐに走るよりは、体にも負担は少なくなるはずです。」

練武場周辺約1.5kmくらいを1周走る。2人に難なく付いて走る。

「アオイ様は付いてこられるんですね?」

「前は、長距離の選手だったんです。大体この周辺の10倍くらいの距離を、速さを競って走る競技の選手だったんです。」

中学、高校と陸上部で長距離の選手だった。大会で優勝とかは、したことがなかったけど。子供ができるまでは毎朝走っていた。

「久しぶりに走ってみましたが、結構走れそうですね。マクスウェル様、競争してみますか?」

「やりましょう。」

「俺もやるぞ!」

と、3人で競争することにした。勝負は3周。

何周か走って休んでいる生徒に、スタートの合図をお願いした。

「用意、スタート!」

久しぶりに本気で走る。風を切る瞬間、瞬間が気持ちいい。

1周目は、ほぼ横並びだった。2週目途中から、殿下のスピードが落ち、3周目は接戦だった。同時のゴールであった。

「はぁ、はぁ、勝てると思ったのにぃ。」

「はぁ、体格差では負けられませんよ、はぁ。」

「はぁ、はぁ、はぁ、2人速すぎだろ。」

この競争を見ていた騎士科の先輩達には、『小さいのに速かったな。』『次は勝てよ』と温かい言葉をいただいた。

2人は、それから練武場で鍛練をすると言って、私はもう少し走り込んでから、寮に戻ると別れた。

ゆっくりめのペースで走る。5周を廻ったところで、1周歩いて、練習を終わりにした。

久しぶりに汗をかいて気持ちがいい。明日も走ろうと思った。




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