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婚約の白紙を申し出た僕に驚きもせず、父は『破棄でなくていいのか?』とだけ言った。
多分父も全く交流してこないエドガー様を調べていたと思う。
『破棄でなく、白紙で』と伝えた。
親子の会話こそ少ないが、それでも父は後継者としてではなく、子供としてきちんと僕に愛情を持ってくれているのは知っていたから、その後の対処を父に任せた。
この婚約は、条件あるものだからこそ、後始末は父にお願いをした。
1週間が経つ頃には学園で僕の婚約破棄の噂が流れるようになった。
僕は誰にも言っていないから、エドガー様から漏れたと思う。
まだ正式に話し合いがされていないにも関わらず。
ややこしい事になる前に早く話し合いをしたかったが、ハミルトン伯爵から返答がなかった。
クラスでも、廊下でも、食堂でも不躾な視線で見られた。
「アシェル、大丈夫?」
「うん。みんな噂が好きだねぇ。」
「ん。『人の不幸は蜜の味』だね。」
「……。」
「本当に蜜の味を味わえるのは、誰だろうね。」
「ふふっ。」
ハロルドにも話していないのに、この返答。
彼はやっぱり面白かった。
放課後、馬車乗り場に向かう途中、エドガー様と幼馴染みの男爵令息と何人かが僕を待っていた。
「アシェル。」
エドガー様から声をかけられた。
僕は薄く微笑みながら聞く。
「何か御用でしょうか?」
「婚約破棄の件なんだが、考え直してくれないか?」
「何故です?」
「何故って、君はこれからまた新たに婚約者を探すのも大変だろ?だから、」
「それ以上仰るのなら、話し合いの場でお願いします。伯爵からの返答待ちですので、早めにお願いします。失礼します。」
今話すことはないとばかりに、僕は立ち去ろうとした。
しかしエドガー様はそれを許さず、肩を掴まれる。
「待てよ!まだ話は終わっていないだろ?!」
「離してください。」
僕を逃すまいと、エドガー様の仲間達が僕を囲む。
「だから、考え直せって言っているだろ?」
「痛いから、離してください。」
「聞いているのか!」
「初等科の子を囲って何してんだ!」
と、別の方から助けの声が聞こえた。
「「「オッドレイ先輩。」」」
「セイ君。」
「ああ、アーシェだったのか。大丈夫か?」
「……。」
「おい、肩を離してやれ。」
アレクセイに言われたエドガー様はようやく僕の肩から手を離した。
「高等科の生徒が聞いて呆れる。この事は、学園に報告させてもらう。アーシェ、行こう。」
とアレクセイは僕の手を取り、職員室へと向かった。
「セイ君。」
「アーシェ、君は…いや、今は職員室に行こう。」
職員室に行き、先生方に今あった出来事を報告した。
翌朝、エドガー様達は、3週間の停学処分が下された。
その夜、ハミルトン伯爵とエドガー様がうちに訪れた。
「婚約の白紙を撤回してもらいたい。」
と、応接室に通された伯爵は、入るや、すぐに土下座をしてこう言ってきた。
「…ふぅ、伯爵。とりあえず、席に着いてください。その話し合いをしましょう。」
父が席に座るように促した。
伯爵は渋々といった感じで席に座る。
エドガー様は父親の土下座姿を見て、唖然とし、父親が座ったのを見て、慌てて座った。
「こちらが報告書です。エドガー殿は、高等科に入られてから、アシェルと1度も交流を持たれていないようで。我が家に婿入りをするのに、おかしな話ではないですか。」
父は淡々と語る。
「しかも、勉強や鍛練に忙しいと返事はきても、成績は落ちる一方だし、鍛練している気配も見当たらない。これは、どういうことですか?」
「エドガー、お前。」
「父上、違うんです。これには、理由がありまして、」
「随分と幼馴染みの家に通ってましたね。昼間からカーテンの閉め切った部屋で二人きり。とても婚約者のいる人の行動とは、思えませんな。」
「~~エドガー!!」
「ひっ!」
エドガー様は顔を蒼ざめていく。
貴族なんだから、行動は使用人に見られていると何故思わなかったんだろう。
「これでは結婚してからも上手くいくことなんてないでしょう。伯爵、今なら白紙で済ませます。慰謝料もいりません。こちらにサインしてください。」
慰謝料がないと聞くと2人は目の色を変えた。
伯爵は、婚約白紙の同意書にサインをする。
オルスト家とハミルトン家の保管分と王宮に提出する3枚にサインをした。
父はそれを確認して、僕に頷いた。
「では、これで婚約は白紙となりました。今までありがとうございました。そうそう、今回の調査に当たって、面白いことがわかったんですよ。」
「「?」」
2人は父が何を言い出すのかわからないようだ。
「商会から買ったことがない商品の請求書が届いていたんですよ。商会に問い合わせると、エドガー殿がアシェルに贈り物として購入したと言うんですよね。でもここ1年以上交流もないし、贈り物も届いたことはなかった。でね、調べたら、その贈り物、どこに行っていたと思います?」
「まっ、まさか!」
伯爵はエドガー様を見るが、エドガー様は顔色は青から白に変わっていた。
「そうです。男爵子息の手に渡っていました。伯爵家は余程お金に困っているのかと思い調べたんですよね。そしたら、困っているどころか、騎士の給金以上にお持ちでいらっしゃるとわかりましたよ。いやぁ、どこからかお金の湧き出る泉をお持ちなようで。」
「まっ、待ってくれ!調べたのか?」
「ええ、もちろん。貴族の務めとしてきちんと王宮にも報告しておきましたよ。」
父はいい笑顔で答えた。
僕は、足を組み、悠然とした態度で話を聞いていた。
反対にハミルトン伯爵親子は、どちらも顔色が悪かった。
廊下も騒がしくなってきて、ドアがノックされ、使用人が扉を開ける。騎士達がなだれ込む。
「ハミルトン伯爵、密輸・密売及び横領の嫌疑がかけられております。城までご同行を願います。」
騎士達は伯爵を席から立たせて、両脇を押さえられながら、連れて行かれた。
伯爵は抵抗する気もなく、項垂れだままだった。
「エドガー=ハミルトン、侯爵家からの横領、簒奪未遂の為、城までご同行を願います。」
と伯爵と同じように席から立たせられた。
僕に縋るように
「アシェル、助けてくれ。」
と言う。
僕は、
「何故?おかしなことを言うねぇ。僕の名前で勝手に買い物をしたのは、貴方でしょ?それに慰謝料がいらないのは、犯罪で貯めたお金なんて銅貨1枚でももらったら、共犯になるじゃない。たとえ知らなくてもね。」
僕はクスクス笑いながら言う。
「白紙も、君という汚点と婚約していたこと自体を、なかったことにしたかったからだよ。僕の経歴にキズはいらないからね。」
エドガーは僕の言葉でやっと理解できたのか、彼もまた父親と同じように項垂れながら、連れて行かれた。
翌日学園に行けば、伯爵親子の逮捕は誰もが知っていた。
僕を見る目が変わっていた。
教室に入れば、話をしていた人達は黙ってしまい、この空間だけが静かになった。
「アシェル、大丈夫?」
ハロルドが近寄って聞いてきた。
「大丈夫だよ。僕、これでも次期侯爵なんだよ?ちゃんと教育は受けているんだよ?」
僕はクスクス笑いながら言う。
「ん、やっぱりアシェルは面白いね。」
と、ハロルドもクスクス笑う。
侯爵子息だという事実を忘れ、僕を面白おかしく言っていた人達は、段々と顔が蒼ざめていく。
家に帰ったら、抗議文を出す準備をしようと思った。
午後の授業が終わり、急いで高等科3年の教室に向かった。
教室の扉を勢いよく開けると、
「アレクセイ=オッドレイ!僕と勝負しろ!」
と叫び、注目を浴びた。
授業が終わったばかりで先生もいた。
でも気にせず、アレクセイを見据える。
「……内容は?」
「剣術で!僕が勝ったら、嫁に来い!負けたら、言うことをなんでも聞く!」
「…婿じゃダメなのか?」
「アレクセイが勝てばいいだけだ。」
「いいだろう、受けよう!」
と、アレクセイがそう言うと、みんながわぁと騒ぎ出す。
学園で敵なしのアレクセイに『嫁に来い』宣言したんだから、そうなるよね。
勝負の結果は、……まだついていない。
僕もアレクセイも本気になり過ぎて、木剣が持たなかった。
だから、次回持ち越しになった。
「そう言えば、薬草畑でなんで泣いていたんだ?」
「だってこれまで計画していたことが泡になりそうで、悔しかったから。折角最小限に抑えておくつもりだったのに、浮気の噂を自ら流すなんて愚かだよね。」
「うん、知っていた。アーシェが腹黒いのを。」
「セイ君は僕を困らすようなことはしないから、大丈夫だよ。」
「全くの安心感がない。どうして俺の周りは規格外ばかりなんだ。」
「セイ君も十分だと思うけどね?」
多分父も全く交流してこないエドガー様を調べていたと思う。
『破棄でなく、白紙で』と伝えた。
親子の会話こそ少ないが、それでも父は後継者としてではなく、子供としてきちんと僕に愛情を持ってくれているのは知っていたから、その後の対処を父に任せた。
この婚約は、条件あるものだからこそ、後始末は父にお願いをした。
1週間が経つ頃には学園で僕の婚約破棄の噂が流れるようになった。
僕は誰にも言っていないから、エドガー様から漏れたと思う。
まだ正式に話し合いがされていないにも関わらず。
ややこしい事になる前に早く話し合いをしたかったが、ハミルトン伯爵から返答がなかった。
クラスでも、廊下でも、食堂でも不躾な視線で見られた。
「アシェル、大丈夫?」
「うん。みんな噂が好きだねぇ。」
「ん。『人の不幸は蜜の味』だね。」
「……。」
「本当に蜜の味を味わえるのは、誰だろうね。」
「ふふっ。」
ハロルドにも話していないのに、この返答。
彼はやっぱり面白かった。
放課後、馬車乗り場に向かう途中、エドガー様と幼馴染みの男爵令息と何人かが僕を待っていた。
「アシェル。」
エドガー様から声をかけられた。
僕は薄く微笑みながら聞く。
「何か御用でしょうか?」
「婚約破棄の件なんだが、考え直してくれないか?」
「何故です?」
「何故って、君はこれからまた新たに婚約者を探すのも大変だろ?だから、」
「それ以上仰るのなら、話し合いの場でお願いします。伯爵からの返答待ちですので、早めにお願いします。失礼します。」
今話すことはないとばかりに、僕は立ち去ろうとした。
しかしエドガー様はそれを許さず、肩を掴まれる。
「待てよ!まだ話は終わっていないだろ?!」
「離してください。」
僕を逃すまいと、エドガー様の仲間達が僕を囲む。
「だから、考え直せって言っているだろ?」
「痛いから、離してください。」
「聞いているのか!」
「初等科の子を囲って何してんだ!」
と、別の方から助けの声が聞こえた。
「「「オッドレイ先輩。」」」
「セイ君。」
「ああ、アーシェだったのか。大丈夫か?」
「……。」
「おい、肩を離してやれ。」
アレクセイに言われたエドガー様はようやく僕の肩から手を離した。
「高等科の生徒が聞いて呆れる。この事は、学園に報告させてもらう。アーシェ、行こう。」
とアレクセイは僕の手を取り、職員室へと向かった。
「セイ君。」
「アーシェ、君は…いや、今は職員室に行こう。」
職員室に行き、先生方に今あった出来事を報告した。
翌朝、エドガー様達は、3週間の停学処分が下された。
その夜、ハミルトン伯爵とエドガー様がうちに訪れた。
「婚約の白紙を撤回してもらいたい。」
と、応接室に通された伯爵は、入るや、すぐに土下座をしてこう言ってきた。
「…ふぅ、伯爵。とりあえず、席に着いてください。その話し合いをしましょう。」
父が席に座るように促した。
伯爵は渋々といった感じで席に座る。
エドガー様は父親の土下座姿を見て、唖然とし、父親が座ったのを見て、慌てて座った。
「こちらが報告書です。エドガー殿は、高等科に入られてから、アシェルと1度も交流を持たれていないようで。我が家に婿入りをするのに、おかしな話ではないですか。」
父は淡々と語る。
「しかも、勉強や鍛練に忙しいと返事はきても、成績は落ちる一方だし、鍛練している気配も見当たらない。これは、どういうことですか?」
「エドガー、お前。」
「父上、違うんです。これには、理由がありまして、」
「随分と幼馴染みの家に通ってましたね。昼間からカーテンの閉め切った部屋で二人きり。とても婚約者のいる人の行動とは、思えませんな。」
「~~エドガー!!」
「ひっ!」
エドガー様は顔を蒼ざめていく。
貴族なんだから、行動は使用人に見られていると何故思わなかったんだろう。
「これでは結婚してからも上手くいくことなんてないでしょう。伯爵、今なら白紙で済ませます。慰謝料もいりません。こちらにサインしてください。」
慰謝料がないと聞くと2人は目の色を変えた。
伯爵は、婚約白紙の同意書にサインをする。
オルスト家とハミルトン家の保管分と王宮に提出する3枚にサインをした。
父はそれを確認して、僕に頷いた。
「では、これで婚約は白紙となりました。今までありがとうございました。そうそう、今回の調査に当たって、面白いことがわかったんですよ。」
「「?」」
2人は父が何を言い出すのかわからないようだ。
「商会から買ったことがない商品の請求書が届いていたんですよ。商会に問い合わせると、エドガー殿がアシェルに贈り物として購入したと言うんですよね。でもここ1年以上交流もないし、贈り物も届いたことはなかった。でね、調べたら、その贈り物、どこに行っていたと思います?」
「まっ、まさか!」
伯爵はエドガー様を見るが、エドガー様は顔色は青から白に変わっていた。
「そうです。男爵子息の手に渡っていました。伯爵家は余程お金に困っているのかと思い調べたんですよね。そしたら、困っているどころか、騎士の給金以上にお持ちでいらっしゃるとわかりましたよ。いやぁ、どこからかお金の湧き出る泉をお持ちなようで。」
「まっ、待ってくれ!調べたのか?」
「ええ、もちろん。貴族の務めとしてきちんと王宮にも報告しておきましたよ。」
父はいい笑顔で答えた。
僕は、足を組み、悠然とした態度で話を聞いていた。
反対にハミルトン伯爵親子は、どちらも顔色が悪かった。
廊下も騒がしくなってきて、ドアがノックされ、使用人が扉を開ける。騎士達がなだれ込む。
「ハミルトン伯爵、密輸・密売及び横領の嫌疑がかけられております。城までご同行を願います。」
騎士達は伯爵を席から立たせて、両脇を押さえられながら、連れて行かれた。
伯爵は抵抗する気もなく、項垂れだままだった。
「エドガー=ハミルトン、侯爵家からの横領、簒奪未遂の為、城までご同行を願います。」
と伯爵と同じように席から立たせられた。
僕に縋るように
「アシェル、助けてくれ。」
と言う。
僕は、
「何故?おかしなことを言うねぇ。僕の名前で勝手に買い物をしたのは、貴方でしょ?それに慰謝料がいらないのは、犯罪で貯めたお金なんて銅貨1枚でももらったら、共犯になるじゃない。たとえ知らなくてもね。」
僕はクスクス笑いながら言う。
「白紙も、君という汚点と婚約していたこと自体を、なかったことにしたかったからだよ。僕の経歴にキズはいらないからね。」
エドガーは僕の言葉でやっと理解できたのか、彼もまた父親と同じように項垂れながら、連れて行かれた。
翌日学園に行けば、伯爵親子の逮捕は誰もが知っていた。
僕を見る目が変わっていた。
教室に入れば、話をしていた人達は黙ってしまい、この空間だけが静かになった。
「アシェル、大丈夫?」
ハロルドが近寄って聞いてきた。
「大丈夫だよ。僕、これでも次期侯爵なんだよ?ちゃんと教育は受けているんだよ?」
僕はクスクス笑いながら言う。
「ん、やっぱりアシェルは面白いね。」
と、ハロルドもクスクス笑う。
侯爵子息だという事実を忘れ、僕を面白おかしく言っていた人達は、段々と顔が蒼ざめていく。
家に帰ったら、抗議文を出す準備をしようと思った。
午後の授業が終わり、急いで高等科3年の教室に向かった。
教室の扉を勢いよく開けると、
「アレクセイ=オッドレイ!僕と勝負しろ!」
と叫び、注目を浴びた。
授業が終わったばかりで先生もいた。
でも気にせず、アレクセイを見据える。
「……内容は?」
「剣術で!僕が勝ったら、嫁に来い!負けたら、言うことをなんでも聞く!」
「…婿じゃダメなのか?」
「アレクセイが勝てばいいだけだ。」
「いいだろう、受けよう!」
と、アレクセイがそう言うと、みんながわぁと騒ぎ出す。
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勝負の結果は、……まだついていない。
僕もアレクセイも本気になり過ぎて、木剣が持たなかった。
だから、次回持ち越しになった。
「そう言えば、薬草畑でなんで泣いていたんだ?」
「だってこれまで計画していたことが泡になりそうで、悔しかったから。折角最小限に抑えておくつもりだったのに、浮気の噂を自ら流すなんて愚かだよね。」
「うん、知っていた。アーシェが腹黒いのを。」
「セイ君は僕を困らすようなことはしないから、大丈夫だよ。」
「全くの安心感がない。どうして俺の周りは規格外ばかりなんだ。」
「セイ君も十分だと思うけどね?」
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