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天使のような

魔法使いの子供

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今、俺は何故かこの子供と一対一で話をしている。
俺の作った飯を食べながら。

「うまい。これはなんていうたべものだ?」
「それはだし巻き卵。お前が食いたいって言ったんだろうが」

そう、今日の晩飯は全てこいつのリクエストだ。
作らなきゃ話さないとかほざくもんだから、面倒に思いつつもやるしかなかった。

「で、お前は何なんだ?」

もぐもぐと食べるそいつに、俺は再度聞いた。

「……おれは、にんげんでわけるとおとこにはいる。ねんれいは、そうだな。ひゃくにじゅうくらいか」
「百二十!?」
「ああ、にんげんとちがってながいきなんだ」

嘘だろ。
見た目完全に小学生だ。
十一歳とか、そのくらいだぞ。知らねぇけど。
けど、人間じゃないとか言われたら納得するしかないのか?
というか、俺が一番気になっているところはそこじゃない。

「……お前、なんでそんなに白いんだ?」
「しろい?ああ、おれはしろのぞくせいだからな」
「白の属性?」
「まほうのしゅるいだ」
「まほう!?」

待て待て待て待て。
そろそろファンタジーすぎて分からん。

「それは流石に信じられるか!」
「ならばみせようか」
「え、」

そいつが手を合わせた。

「おいで」

何かを呼んだ。
手を開いていくと、白い、白い、光のような物体がある。

「な、なんだこれ」
「さわればわかる」

ゆっくり手を伸ばし、それに触れると、痺れのような感覚が俺を襲った。

「ぎゃぉっ」

痛い。熱い。
電気のような、炎のような、どちらとも言えない感覚だ。

「いまのはよわいひかりをよんだ。おれはひかりをあやつる」
「あれが…光?」
「にんげんはひかりとはなじみがあまりないのか」

電気とは違うのか?
いや、こいつの話を聞く限り違うらしい。
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