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天使のような

幽霊に近い子供

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「俺の隣にいる小学生くらいの子なんですけど…」

俺は不安になって再度店員に聞いてみる。

「…申し訳ありません、お客様。どこかではぐれてしまわれたのでは…」
「え?それってつまり…」

ここにはいない。
店員には、俺の隣にいるこいつが見えてない。

「…嘘だろ…」

俺は半信半疑のまま店を出た。
隣のコンビニでも、試しに見えるか聞いた。

結果は同じだった。

「だからいっただろ?おれはあんたにしかみえてないんだ」

帰り道、こいつは呆れたように言った。

「……お前、何なんだよ」
「おれか?おれは…そうだな。わかりやすくいえば、ゆうれいにちかいんじゃないか?」

幽霊?!

「は?!じ、じゃあお前死んでる…」
「ちがう。ちかいっていっただろ。おれはもとからにんげんじゃない」
「は?え?」

理解が追いつかない。
じゃあ一体なんなんだ?
何で俺の前に現れた?
というか、幽霊に近いってなんだよ。

「ひとまず、ゆっくりせつめいするよ」

あんたの家で、とそいつは付け足した。
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