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(ミスティ・カドバリー公爵令嬢視点)
(ここでシャルレーヌとダミアンに媚薬を飲ませて、ゲストルームにでも誘導すれば、きっと大惨事を引き起こしてくれる)
私はお父様のワインセラーから、特別高価なワインをこっそり持ち出し自室に持っていく。そのワインに媚薬を垂らすと厨房に行き給仕メイドを呼び、ワインをワインクーラに入れてパーティホールに持ってくるように命令した。
「いいこと? 私がシャルレーヌとダミアンに話しかけるから、あなたはそこにこれを持って来てちょうだい。シャルレーヌやダミアンと仲直りしたいのよ。だから、タイミングを見計らって持ってくるのよ。わかったわね?」
「はい。かしこまりました」
素直なメイドはきっと私の言うように、この媚薬入りワインをちょうどいいタイミングで持ってくる。それを飲んだシャルレーヌとダミアンがこの屋敷の一室で大惨事をやらかす。万が一、調査が入って媚薬入りワインがバレたとしてもあのメイドのせいにできる。メイドに責任を押しつけて、私は知らなかったことにすればいいわ。
パーティーハールに満面の笑みで戻ると、まずは私を睨み付けているオーギュスト王太子殿下に謝罪した。
「さきほどのことは私が迂闊でした。なんの浮気の証拠もないのにシャルレーヌ様を貶めるようなことを言って、このような自分が恥ずかしいです。お詫びをしなければいけませんね。ここにいらっしゃる皆様にも、お騒がせして申し訳ありませんでした」
「ん? あぁ、わかってくれたなら大事にはしない。早く謝罪せよ」
オーギュスト王太子殿下はそう言いながら、視線をシャルレーヌ様に向けている。つまり、シャルレーヌにさっさと頭を下げろ、と言われているようなものだ。
(ふん! 本当は1秒だって悪役令嬢なんかには頭を下げたくないけどね? 今だけだわ。我慢、我慢)
「シャルレーヌ様とダミアン。さきほどは申し訳ありませんでした。つい興奮してしまって、失礼なことを言ってごめんなさい。それで、お詫びといってはなんですけれど、このワインをどうぞ飲んでくださいな。お父様の秘蔵のワインセラーから持ってこさせましたわ」
私の言葉とともに、さきほどのメイドがワインクーラに入れたワインを差し出す。別のメイドはグラスを5個も持って来て、そのワインが全てのグラスに注がれた。
(違うってば。そんなにたくさんのグラスはいらないのに。二個でいいのよ、二個で)
「やぁ、これは極上のワインのようだね。わたしももらうよ」
ひょいとグラスを一番先に取ったのは、なんとリシャール殿下だった。
「あ、待って・・・・・・それは」
「ん? なんだよ? わたしは第2王子だぞ! こんないいワインはわたしにこそ相応しい。・・・・・・ん? こ、これはうまいな」
ダミアンもシャルレーヌも口にしたのはいいのだけれど、リシャール第2王子殿下もオーギュスト王太子殿下も飲んでしまった。
しかもリシャール第2王子殿下はもっと飲みたいとお父様にねだり、お父様は苦笑してメイドに同じ銘柄の秘蔵品を持って来させた。
「さぁ、お嬢様もどうぞ」
新しいワインを注いだグラスをメイドから渡され、リシャール第2王子殿下も新たに渡されたグラスを持ち、私達は乾杯して飲んだ瞬間・・・・・・身体が火照って熱くて堪らない。
(これ、なによ? どういうことなの?)
ふと横を見るとリシャール第2王子殿下が熱をはらんだ瞳で私を見ていた。思わずゾクッと背筋が震え甘い感覚が走る。
(リシャールさまぁ~~す・て・き! あの逞しい体つき、そそるわぁ~)
リシャール第2王子殿下は筋肉多めのイケメンだ。今まではそれほど魅力的には見えなかったのに、とても素敵にみえるから不思議よ。
脳内に私ではないような思考が流れ込んでくる。頭はぼんやりとするけれど、皮膚の感覚は鋭くなっているようで自分の腕を触っただけでビッビッと電流が走るようだ。
オーギュスト王太子殿下はシャルレーヌと笑いながら会話を楽しみ、シャルレーヌに跪いてダンスを申し込んでいるところだった。ふたりとも熱い視線を交わし合っているのだけど・・・・・・違うってば。シャルレーヌはダミアンと熱い視線を交わしなさいよ! 相手が違うのに。
ダミアンはと見れば、オーギュスト王太子殿下とシャルレーヌの様子を見て苦笑いをして、王太子の方にシャルレーヌを優しく押し出していた。
「ほら、シャルレーヌ。オーギュスト王太子殿下と踊っておいで。オーギュスト王太子殿下はとても人望のある素晴らしい方だよ」
(はぁ? おかしい。ダミアンには媚薬がきいていない? そこはオーギュスト王太子殿下に譲るな! あんたが庭園の暗闇にでもシャルレーヌを引きずり込みなさいよっ!)
イライラと考えていたら、リシャール第2王子殿下が私に近づきとても魅力的な提案をしたわ。
「ねぇ、ミスティ。庭園でも一緒に散歩しないか? 少し酔ったみたいだ。夜風はきっと気持ちいいよ」
私の手にそっと触れたリシャール第2王子殿下からもう私は目が離せない・・・・・・
(ここでシャルレーヌとダミアンに媚薬を飲ませて、ゲストルームにでも誘導すれば、きっと大惨事を引き起こしてくれる)
私はお父様のワインセラーから、特別高価なワインをこっそり持ち出し自室に持っていく。そのワインに媚薬を垂らすと厨房に行き給仕メイドを呼び、ワインをワインクーラに入れてパーティホールに持ってくるように命令した。
「いいこと? 私がシャルレーヌとダミアンに話しかけるから、あなたはそこにこれを持って来てちょうだい。シャルレーヌやダミアンと仲直りしたいのよ。だから、タイミングを見計らって持ってくるのよ。わかったわね?」
「はい。かしこまりました」
素直なメイドはきっと私の言うように、この媚薬入りワインをちょうどいいタイミングで持ってくる。それを飲んだシャルレーヌとダミアンがこの屋敷の一室で大惨事をやらかす。万が一、調査が入って媚薬入りワインがバレたとしてもあのメイドのせいにできる。メイドに責任を押しつけて、私は知らなかったことにすればいいわ。
パーティーハールに満面の笑みで戻ると、まずは私を睨み付けているオーギュスト王太子殿下に謝罪した。
「さきほどのことは私が迂闊でした。なんの浮気の証拠もないのにシャルレーヌ様を貶めるようなことを言って、このような自分が恥ずかしいです。お詫びをしなければいけませんね。ここにいらっしゃる皆様にも、お騒がせして申し訳ありませんでした」
「ん? あぁ、わかってくれたなら大事にはしない。早く謝罪せよ」
オーギュスト王太子殿下はそう言いながら、視線をシャルレーヌ様に向けている。つまり、シャルレーヌにさっさと頭を下げろ、と言われているようなものだ。
(ふん! 本当は1秒だって悪役令嬢なんかには頭を下げたくないけどね? 今だけだわ。我慢、我慢)
「シャルレーヌ様とダミアン。さきほどは申し訳ありませんでした。つい興奮してしまって、失礼なことを言ってごめんなさい。それで、お詫びといってはなんですけれど、このワインをどうぞ飲んでくださいな。お父様の秘蔵のワインセラーから持ってこさせましたわ」
私の言葉とともに、さきほどのメイドがワインクーラに入れたワインを差し出す。別のメイドはグラスを5個も持って来て、そのワインが全てのグラスに注がれた。
(違うってば。そんなにたくさんのグラスはいらないのに。二個でいいのよ、二個で)
「やぁ、これは極上のワインのようだね。わたしももらうよ」
ひょいとグラスを一番先に取ったのは、なんとリシャール殿下だった。
「あ、待って・・・・・・それは」
「ん? なんだよ? わたしは第2王子だぞ! こんないいワインはわたしにこそ相応しい。・・・・・・ん? こ、これはうまいな」
ダミアンもシャルレーヌも口にしたのはいいのだけれど、リシャール第2王子殿下もオーギュスト王太子殿下も飲んでしまった。
しかもリシャール第2王子殿下はもっと飲みたいとお父様にねだり、お父様は苦笑してメイドに同じ銘柄の秘蔵品を持って来させた。
「さぁ、お嬢様もどうぞ」
新しいワインを注いだグラスをメイドから渡され、リシャール第2王子殿下も新たに渡されたグラスを持ち、私達は乾杯して飲んだ瞬間・・・・・・身体が火照って熱くて堪らない。
(これ、なによ? どういうことなの?)
ふと横を見るとリシャール第2王子殿下が熱をはらんだ瞳で私を見ていた。思わずゾクッと背筋が震え甘い感覚が走る。
(リシャールさまぁ~~す・て・き! あの逞しい体つき、そそるわぁ~)
リシャール第2王子殿下は筋肉多めのイケメンだ。今まではそれほど魅力的には見えなかったのに、とても素敵にみえるから不思議よ。
脳内に私ではないような思考が流れ込んでくる。頭はぼんやりとするけれど、皮膚の感覚は鋭くなっているようで自分の腕を触っただけでビッビッと電流が走るようだ。
オーギュスト王太子殿下はシャルレーヌと笑いながら会話を楽しみ、シャルレーヌに跪いてダンスを申し込んでいるところだった。ふたりとも熱い視線を交わし合っているのだけど・・・・・・違うってば。シャルレーヌはダミアンと熱い視線を交わしなさいよ! 相手が違うのに。
ダミアンはと見れば、オーギュスト王太子殿下とシャルレーヌの様子を見て苦笑いをして、王太子の方にシャルレーヌを優しく押し出していた。
「ほら、シャルレーヌ。オーギュスト王太子殿下と踊っておいで。オーギュスト王太子殿下はとても人望のある素晴らしい方だよ」
(はぁ? おかしい。ダミアンには媚薬がきいていない? そこはオーギュスト王太子殿下に譲るな! あんたが庭園の暗闇にでもシャルレーヌを引きずり込みなさいよっ!)
イライラと考えていたら、リシャール第2王子殿下が私に近づきとても魅力的な提案をしたわ。
「ねぇ、ミスティ。庭園でも一緒に散歩しないか? 少し酔ったみたいだ。夜風はきっと気持ちいいよ」
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