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6 最終話 魔物は本当に悪者?
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「やれやれ、人間とはなんと愚かな・・・・・・」
まばゆい光はそれが人でないことを示しておりました。
続いて黒い光が周りを覆い、魔物で神殿の中がいっぱいになりました。
その中心の黒い人影は暗黒の香りとともに邪悪ばかりではない善の欠片も漂わせておりました。
「あなた方は何者なのでしょうか?」
「ふっ、私は魔王でそっちのピカピカ光った奴は天界の神だ! 私は人間が大嫌いだ。ときに、聖女よ、聖女はそもそもなんの為にいると思う?」
「それは魔物から人間を守る為ですよね?」
「違うな。聖女の力は本来、魔物と人間の橋渡しをする為にそのピカピカ光る奴が与えた能力だ。それをなぜ人間は悪用して魔物の住まいまで奪う? 古来より魔物領であった森はどんどん人間に侵略され、なにか悪いことがあると我らの仕業だと決めつけ迫害し続けた人間達。お前らは満足することを知らない」
私は思いがけない魔王様の言葉に唖然としてしまいました。
侵略者は人間だったのです。開発を広げて自然を破壊し、自分達だけの土地だと決めつけて魔物を廃除してきたのは人間。
「まずは聖女を血祭りに上げ、人間全てを滅ぼそう」
「待て!」
そこにポワンと登場したのはなんとブレイクでした。
「まさか、ブレイクも魔物なの?」
「いや、そいつは妖精王だ。魔王よ、今一度人間にチャンスをやれ! 妖精王を怒らせると怖いぞ」
光をまとった神と呼ばれた男性は、なんとブレイクを妖精王だと言ったのです。
ブレイクは私を抱きかかえると「この人間は私の妃にする!」と宣言したのでした。
「ばかな! 人間と愛を交わすなど、妖精王ではなくなるぞ! あっけなく死んでしまう命に限りがあるただの人間に成り果てるつもりか」
魔王は憤慨し神は楽しそうに笑ったのでした。
ꕤ୭*俯瞰視点
それからしばらくして、聖女のグレイスとヘンリー王太子との盛大な結婚式の祭典が行われました。ヘンリー王太子と呼ばれた人物はダークブロンドの髪と黄金の瞳のまばゆいほどの美しい青年だったそうです。
ヘンリー王太子はやがて近隣諸国を統合し皇帝となり生涯皇妃のグレイスだけを愛したということです。
そうそう、森のはずれに頭のはげ上がった親子が住み着いており定期的に城にやって来ては騎士達に追い払われていたそうですよ。
「僕がドラモンド王国の王子だ! 僕がヘンリー王太子だったんだってばぁ~~!!」
「ワシが王だぞ! おい、入れろ! 城にいるのは偽物だ!」
そう叫んでは騎士達に殴られ蹴られ、しぶしぶと森に戻っていくのでした。
もう一人、老女のようなよぼよぼの女が現れることもあったそうな。
「私こそが聖女なのよ! あの美貌の男は私のものよ!」
これも侍女達に散々笑われて、馬糞をかけられて追い払われたそうです。
さて、皇帝陛下と皇妃殿下ですけれど、とても仲睦まじく過ごされたようです。この二人が亡くなった時には天から幾筋もの光が注ぎ、天使の羽が生えて空に飛んでいったという目撃情報が多数寄せられたそうです。
おしまい
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
あれ(•́ε•̀;ก)💦
なんお伽噺になってしまいました😅
すみません
まばゆい光はそれが人でないことを示しておりました。
続いて黒い光が周りを覆い、魔物で神殿の中がいっぱいになりました。
その中心の黒い人影は暗黒の香りとともに邪悪ばかりではない善の欠片も漂わせておりました。
「あなた方は何者なのでしょうか?」
「ふっ、私は魔王でそっちのピカピカ光った奴は天界の神だ! 私は人間が大嫌いだ。ときに、聖女よ、聖女はそもそもなんの為にいると思う?」
「それは魔物から人間を守る為ですよね?」
「違うな。聖女の力は本来、魔物と人間の橋渡しをする為にそのピカピカ光る奴が与えた能力だ。それをなぜ人間は悪用して魔物の住まいまで奪う? 古来より魔物領であった森はどんどん人間に侵略され、なにか悪いことがあると我らの仕業だと決めつけ迫害し続けた人間達。お前らは満足することを知らない」
私は思いがけない魔王様の言葉に唖然としてしまいました。
侵略者は人間だったのです。開発を広げて自然を破壊し、自分達だけの土地だと決めつけて魔物を廃除してきたのは人間。
「まずは聖女を血祭りに上げ、人間全てを滅ぼそう」
「待て!」
そこにポワンと登場したのはなんとブレイクでした。
「まさか、ブレイクも魔物なの?」
「いや、そいつは妖精王だ。魔王よ、今一度人間にチャンスをやれ! 妖精王を怒らせると怖いぞ」
光をまとった神と呼ばれた男性は、なんとブレイクを妖精王だと言ったのです。
ブレイクは私を抱きかかえると「この人間は私の妃にする!」と宣言したのでした。
「ばかな! 人間と愛を交わすなど、妖精王ではなくなるぞ! あっけなく死んでしまう命に限りがあるただの人間に成り果てるつもりか」
魔王は憤慨し神は楽しそうに笑ったのでした。
ꕤ୭*俯瞰視点
それからしばらくして、聖女のグレイスとヘンリー王太子との盛大な結婚式の祭典が行われました。ヘンリー王太子と呼ばれた人物はダークブロンドの髪と黄金の瞳のまばゆいほどの美しい青年だったそうです。
ヘンリー王太子はやがて近隣諸国を統合し皇帝となり生涯皇妃のグレイスだけを愛したということです。
そうそう、森のはずれに頭のはげ上がった親子が住み着いており定期的に城にやって来ては騎士達に追い払われていたそうですよ。
「僕がドラモンド王国の王子だ! 僕がヘンリー王太子だったんだってばぁ~~!!」
「ワシが王だぞ! おい、入れろ! 城にいるのは偽物だ!」
そう叫んでは騎士達に殴られ蹴られ、しぶしぶと森に戻っていくのでした。
もう一人、老女のようなよぼよぼの女が現れることもあったそうな。
「私こそが聖女なのよ! あの美貌の男は私のものよ!」
これも侍女達に散々笑われて、馬糞をかけられて追い払われたそうです。
さて、皇帝陛下と皇妃殿下ですけれど、とても仲睦まじく過ごされたようです。この二人が亡くなった時には天から幾筋もの光が注ぎ、天使の羽が生えて空に飛んでいったという目撃情報が多数寄せられたそうです。
おしまい
୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧ ⑅ ୨୧
あれ(•́ε•̀;ก)💦
なんお伽噺になってしまいました😅
すみません
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(゚д ゚) !!
_(__つ/ ̄ ̄ ̄/_
\/ /
 ̄ ̄ ̄
忘れてた(¯∇¯٥)
後で追記しまぁす
ごめんちゃい
∧_∧
(_ _ ) ぺこっ
ヽ ノ)
」」
感想ありがとうございます
今日も良い1日を〜
┼。...。 °
・ ゚ 。...。+゚・
。゚。 ゚ 。...。 ゚・。゚。
・ ・ 。゚ ゚* 。 。
*°・ ・ ・ ・
🌈🌈 🌈🌈
⌒゚⌒⌒+⌒⌒⌒⌒⌒゚⌒
⌒⌒°⌒ ⌒☆+⌒
☆ ⌒☆*°゜
おはよ〜(❀❛ ֊ ❛„)♬
ꉂ🤣𐤔𐤔
王国乗っ取り
民の為です(ΦωΦ)フフフ…
魔物共存の道に行きます、きっと(¯∇¯٥)
あれからの神殿
おもしろそうですねぇ😆
清貧うんうん、それが望ましいですねぇ
しかし宗教って
ドコモ、、、、、、ですよねぇ(*´ー`*).。oO
感想ありがとうございます
(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎)ペコリ
今日も良い1日を〜
🎼.🌈🌻🍀🎶🎼🌈🌻🍀🎶🎼🌈
٩(๑´0`๑)۶♬おっはよー♬
そうそう
๛ก(ー̀ωー́ก) ハゲ散らかす呪い
は恐ろしいーー
いつも感想ありがとうございます
∧∞∧
(*・∀・)〃
γ⌒:"-ヽ
(∪( )
∪∪∨∞∨
今日も良い1日を〜
┼。...。 °
・ ゚ 。...。+゚・
。゚。 ゚ 。...。 ゚・。゚。
・ ・ 。゚ ゚* 。 。
*°・ ・ ・ ・
🌈🌈 🌈🌈
⌒゚⌒⌒+⌒⌒⌒⌒⌒゚⌒
⌒⌒°⌒ ⌒☆+⌒
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