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2 美男美女のカップル・私って頭がおかしい?
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私は、いきなり、なにになったつもりでいるかと聞かれて、しばらく考えた。この天蓋付きベッドや、高価そうな床に敷かれた絨毯を見れば、相当なお金持ちのお部屋で・・・さっきの侍女(アイビー)が言ったことを合わせれば多分。
「えっと、・・・王女様かしら・・・私、多分、王女様だって思います。それで、貴方はどなたですか?」
その男性は私の言葉に、心底、呆れたように大きなため息をつく。私は、緊張しすぎて、手が汗ばんできた。こんな、美しい男性はアニメのなかでしか見たことがないもの。
「私は、とても残念だけれど、貴女の夫だよ。それから、私は、君のお芝居に付き合うつもりはないからね」
その綺麗な男性は、私に冷たく言い捨てると、大股で部屋を出て行った。
「ちょっと、お待ちください、ディロン様! なんですか? 王女様に向かってその口の利き方は? たかが、辺境伯の身分で!」
アイビーが、綺麗な男性を責めていた。よく、わからないけれど、彼が私の夫ならば辺境伯の身分だと貶めることは、間違っている。
「たかが、とはなんですか? そんなことを言ってはいけないわ」
私の言葉に、目を剥いたのは、ディロン様のほうだった。
「うん、確かに、おかしい! タタムが、こんなに優しいはずがない! やはり、馬などに乗るからいけない。ほら、いつもみたいに、拗ねなさい! 『どうせ、私は5歳も年増なのですから!』が、口癖だったろう?」
「えぇ? 私はまだ16歳ですよ? 私は、貴方より、5歳は年下だと思うわ」
私が、そう言うと、その場にいた侍女達とディロン様が固まった。
「まずいな! これは、重傷だな。医者は、まだか?」
その場にさらに、緊張がはしり、年配の侍女(ニキータ)までが来て、私をジロリと睨んだ。
「全く! 王女様、貴女はもうディロン・チャイナ辺境伯の妻なのですよ? いつまでも、王女様気分はおやめになってください。私達をからかってなにが楽しいのですか?」」
その、女性は私を、芋虫でも見るような目付きで見た。私って、そんなに醜い容姿だったかしら?
そういえば、私って容姿は日本の高校生のままなのかな?高校生で、奥様って変じゃない?
私は、鏡台の方に歩いていき、鏡をのぞきこんで、唖然とする。これ・・・だぁれ?
そこには、女神様がいたのだった。絶世の美女が、驚きの表情で自分の頬に手をさわり、首を傾げていた。
「うわぁーー、綺麗ぃーーそれに、確かに大人っぽいわねぇー」
私は、鏡を見て思わず感嘆の声を上げた。だって、髪も瞳も藤色の、モデルのような女性がそこにはいたから。確かに、これだと、20代前半かなぁー。大きな瞳に、ぷっくりした唇は、理想的なバランスを保っていた。
身体つきはといえば・・・ほぼパーフェクトだわ。胸はあるけどウエストは驚くほど細い・・・。
にしても、これって、本当に私の身体かなぁーー? 日本にいた頃は、小柄な幼児体型の私だったから、こんなに大人の色っぽい女性になっているのが不思議だった。
私は、ディロン様と私が映っているその鏡を見て、お似合いのカップルだなって思った。
「こんなに綺麗な私達なら、きっと産まれてくる子も、すごい美男美女ですよね」
私が、他人事のような感想を言うのを聞いてディロン様は、さらに綺麗な眉をひそめたのだった。
「タタムは頭が、おかしくなったようだ。医者が来るまで寝ていなさい!」
さっと、お姫様抱っこをされて、天蓋付きベッドに運ばれた私は、落馬して頭がおかしくなった女扱いをされた。
私は、初めてのお姫様抱っこに舞い上がって、ディロン様の綺麗な顔立ちを見つめて、そっとその頬をなでた。
ディロン様は、私を驚きの眼差しで、見つめて耳まで真っ赤になったのだった。
あらら、これって・・・
私は、いきなり、なにになったつもりでいるかと聞かれて、しばらく考えた。この天蓋付きベッドや、高価そうな床に敷かれた絨毯を見れば、相当なお金持ちのお部屋で・・・さっきの侍女(アイビー)が言ったことを合わせれば多分。
「えっと、・・・王女様かしら・・・私、多分、王女様だって思います。それで、貴方はどなたですか?」
その男性は私の言葉に、心底、呆れたように大きなため息をつく。私は、緊張しすぎて、手が汗ばんできた。こんな、美しい男性はアニメのなかでしか見たことがないもの。
「私は、とても残念だけれど、貴女の夫だよ。それから、私は、君のお芝居に付き合うつもりはないからね」
その綺麗な男性は、私に冷たく言い捨てると、大股で部屋を出て行った。
「ちょっと、お待ちください、ディロン様! なんですか? 王女様に向かってその口の利き方は? たかが、辺境伯の身分で!」
アイビーが、綺麗な男性を責めていた。よく、わからないけれど、彼が私の夫ならば辺境伯の身分だと貶めることは、間違っている。
「たかが、とはなんですか? そんなことを言ってはいけないわ」
私の言葉に、目を剥いたのは、ディロン様のほうだった。
「うん、確かに、おかしい! タタムが、こんなに優しいはずがない! やはり、馬などに乗るからいけない。ほら、いつもみたいに、拗ねなさい! 『どうせ、私は5歳も年増なのですから!』が、口癖だったろう?」
「えぇ? 私はまだ16歳ですよ? 私は、貴方より、5歳は年下だと思うわ」
私が、そう言うと、その場にいた侍女達とディロン様が固まった。
「まずいな! これは、重傷だな。医者は、まだか?」
その場にさらに、緊張がはしり、年配の侍女(ニキータ)までが来て、私をジロリと睨んだ。
「全く! 王女様、貴女はもうディロン・チャイナ辺境伯の妻なのですよ? いつまでも、王女様気分はおやめになってください。私達をからかってなにが楽しいのですか?」」
その、女性は私を、芋虫でも見るような目付きで見た。私って、そんなに醜い容姿だったかしら?
そういえば、私って容姿は日本の高校生のままなのかな?高校生で、奥様って変じゃない?
私は、鏡台の方に歩いていき、鏡をのぞきこんで、唖然とする。これ・・・だぁれ?
そこには、女神様がいたのだった。絶世の美女が、驚きの表情で自分の頬に手をさわり、首を傾げていた。
「うわぁーー、綺麗ぃーーそれに、確かに大人っぽいわねぇー」
私は、鏡を見て思わず感嘆の声を上げた。だって、髪も瞳も藤色の、モデルのような女性がそこにはいたから。確かに、これだと、20代前半かなぁー。大きな瞳に、ぷっくりした唇は、理想的なバランスを保っていた。
身体つきはといえば・・・ほぼパーフェクトだわ。胸はあるけどウエストは驚くほど細い・・・。
にしても、これって、本当に私の身体かなぁーー? 日本にいた頃は、小柄な幼児体型の私だったから、こんなに大人の色っぽい女性になっているのが不思議だった。
私は、ディロン様と私が映っているその鏡を見て、お似合いのカップルだなって思った。
「こんなに綺麗な私達なら、きっと産まれてくる子も、すごい美男美女ですよね」
私が、他人事のような感想を言うのを聞いてディロン様は、さらに綺麗な眉をひそめたのだった。
「タタムは頭が、おかしくなったようだ。医者が来るまで寝ていなさい!」
さっと、お姫様抱っこをされて、天蓋付きベッドに運ばれた私は、落馬して頭がおかしくなった女扱いをされた。
私は、初めてのお姫様抱っこに舞い上がって、ディロン様の綺麗な顔立ちを見つめて、そっとその頬をなでた。
ディロン様は、私を驚きの眼差しで、見つめて耳まで真っ赤になったのだった。
あらら、これって・・・
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