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番外編
11 妹の末路 残酷指数ゼロ
しおりを挟む※ こちらは読者さまのリクエストにより書いたものです。残酷指数ゼロでお伽話的にしました。
多分残酷ではないですが、妹は死にます。ご注意くださいませ!
私は戒律の厳しい修道院に入らせられて、毎日強制労働させられた。ふざけないでよ! なんで、私がこんな目にあわなくてはいけないの?
誰が悪いの? あぁ、そうよ! お姉様が悪いし、そもそもお母様が二人も子供を産んだからいけないのよ!
だって、考えてみてよ? 子宝なんて言うけど、それって親の立場で言うことじゃない? そんなことを言う人に聞いてみたい。あなたは兄弟姉妹で一度も争ったことがないのかと。あるでしょう? 一番の敵は身近な兄弟姉妹なのよ。
けれど私がどんなに文句を言っても、この厳重な修道院からは抜け出せないし、状況はなにも変らない。
朝はお祈りから始まって、敷地内の農作物の世話をする。牛にすきを引かせて畑を耕し、タネを植えて育て草刈りもして鶏の世話もする・・・・・・やめてよ・・・・・・私の白魚の指は台無しよ・・・・・・肌も紫外線の影響でシミやソバカスが倍になった。あのつやつやの真っ白い私の肌は、いまでは浅黒い。
午後は退屈な機織りと刺繍などで夕方まで手仕事をし、それから交代制で食事の支度をする。だいたいが畑の野菜を入れたスープとパンで、お肉はたまにしか食べない。それにも、私はブツブツと文句を言う。
お祈りの時間も労働の時間も、いつも文句ばかり言っていた。そして気がつけば、鏡に映る私の眉間には皺が何本もより口角は下がりシミだらけだ・・・・・・かつての美貌はそこにはない・・・・・・
あんなに美しかった私はどこに行ったの? こんなんじゃ、もうどんな男だって相手になんかしてくれないわ。
あんなに鏡が大好きで、容姿ばかり気にしていた私は鏡を見ることをやめた。
ꕤ୭*
ここの修道院は孤児院と隣り合っていてその世話も私達の仕事だった。あれほど苦手な子供の世話をしているうちに、それが楽しみになっていったのは不思議だった。修道院の楽しみなんて本を読むぐらいしかないので、子供達との会話が良い気分転換になったのだ。
ある日、その子供達と湖の畔を散歩していた。
「あ、あそこに綺麗な花がある。カエラさんにあげる為に摘んでくる!」
私を慕っていた女の子が、花を摘み取ろうとして手を伸ばし川に落ちてしまった。
私は咄嗟にその子を助ける為に川に飛び込み、私自身はその川の流れに巻き込まれて死んだ。後悔はない・・・・・・その子は私を慕い、私にあげる花を摘むために溺れたのだから。
ぼうっとした光に導かれて、目を開けた世界には輝く衣をまとった絶世の美女。
「ふん! 最期は良いことをして死んだんだねぇーー」
「貴女は誰なんですか? 神様? 悪魔?」
「うーーん。なんだろうねぇ?人間によるねぇ。良くしてもらった人間には女神と呼ばれ、罰を与えた人間からは魔女と呼ばれる。全ては人間次第さ。さて、お前は子供を助けて死んだ。なにに転生したい?」
「私はもう人間は嫌です。花がいいです。どうぞ、綺麗な花に転生させてください。あ、できれば摘みやすい場所に咲く花に。あの子のように摘むために溺れなくて済むように」
そこに咲いている綺麗な花はカエラかもしれませんね? カエラは感情をもつ人間に生まれるのを拒絶しました。それは、かつての自分の愚かさを反省したからかもしれません。
*:.。 。.:*・゚✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*・゚ ✽.。.:*
お伽話的、終わりにしました。
いったん、完結にします。明日は、アーサックの幸せな結婚の予定です。
※宣伝です。
ライト文芸大賞エントリー作品
「愛を教えてくれた人」
暗いばかりでなく、学生時代を思い出させるようなお話も盛り込んでいます。
基本的に発達障害気味の子のサクセスストーリーで、そこにいろいろ盛り込みました。
是非、一読していただけると嬉しいです。
応援、お願いします(>᎑<`๑)♡
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