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6 エイミー視点(姉)
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朝、起きて一杯のオレンジジュースとミルクを飲むと、私は庭園を眺めながら、ストレッチをする。あぁ、今日も私の屋敷の庭園の薔薇は、とても綺麗に咲いているわ。私はこの屋敷を自力で購入したことと、それを可能にした自分の仕事に誇りを持っていた
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
朝の10時ごろになると、会社に出勤するために馬車に乗る。屋敷から10分ほどの、私の持ちビルには『結婚相談所』の看板が掲げられている。私はここのオーナー社長だ。
最初は、平民の方達向けに、出会いの機会が少ない男女を会員にして、お見合いパーティを開いていた。この一階の事務所の一室を借りて細々とやっていたのだが・・・お見合いと称して合同ツアーを組んだり、シェアハウスなるものに気に入ったカップル同士で住んでいただいて相性をみる等の企画が、大成功して規模がどんどん大きくなった。
会員も増え、一室では手狭になり一階のフロアの全てを借りるようになると、今度は貴族や大金持ちからも、いろいろな相談を持ち込まれるようになった。それは、ご令嬢達の母親から頼まれる仕事だった。
「うちの大事な娘の婿の候補は3人いるけれど、どれも優秀で甲乙つけがたいのよ? だったら、最後は人間性、つまり下半身の人格がしっかりした男性がいいと思うのよ? だって、愛娘が結婚してから婿の女関係で悲しい思いをすることだけは避けたいでしょう?」
そのように、おっしゃるセレブの方達のご要望に応えるべく、私はハニートラップをしかける女性達をスタッフとして雇うようになった。これは、このビルの2階を事務所にして女性を待機させていた。規模は、ますます大きくなり、妹が転がりこんできたときには、私はこのビルの所有者になり、屋敷まで手に入れていた。
マーカスは調査の対象者だった。依頼者はダイヤモンド鉱山をもつ大富豪夫人だ。私は、マーカスとスタッフの女の子の二人に出会いのチャンスを与えるために屋敷に呼んだのだ。でも・・・ふふふ・・・面白いのよ? アドリアーナったら、マーカスを私の彼と思い込んで、一生懸命に誘惑しようとしていた。
気合いのはいったその誘惑の流し目は、バイトのスタッフにはできない高等技術だわ! さすが、私の妹だわ。
だから、この仕事は、スタッフの女の子を呼ばないで、アドリアーナに任せた。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
翌日、私の屋敷じゅうに仕掛けてある隠しカメラが(もちろんアドリアーナの部屋にもある)残念な結果を録画していてくれた。私は、それを持って依頼をした大富豪婦人のお屋敷に向かう。
「あら、あら、これはダメねぇ。あぁ、良かった。こんなに、すぐにこのようなことをする男性を選ばなくて。うふふ。エイミーさんの『結婚相談所』は頼りになるわねぇ。じゃぁ、次のお婿候補はね・・・」
先日の夜会の、エドガー・オリオン伯爵は、某公爵夫人からの依頼だった。
「私の次女がエドガー・オリオン伯爵に夢中になってしまってねぇー。嫁がせるにあたって、女遊びしない方かどうかが気になりますのよ。公爵家としては、伯爵家では不満ですから、できれば娘には諦めさせたいのよ。できれば浮気性とでてほしいのですがね」
浮気性であってほしかったエドガー・オリオン伯爵は、アドリアーナにも見向きもしなかった。ただ、わたしのほうを、ちらちらとは見ていたけれど、なにも言ってこなかったから、ぎりぎり許容範囲とは思われた。
「はい、エドガー・オリオン伯爵は大丈夫なようです。えぇ、もちろん結婚なさっても簡単には浮気はしないかと思いますが、金髪美人には少し弱い可能性もありますねぇーー。いかがなさいます? えぇ、追加料金で、スタッフの金髪美人に声をかけさせることもできますよ」
私が庭園を眺めながら電話で某公爵夫人に報告をしていると、早速、アドリアーナが次のターゲットの試験に全力で臨んでいてくれた。うふふ。なんて、働き者の妹かしら・・・また、お小遣いをあげなくちゃ。
あぁ、言っておくけれど、私は、お金儲けのためだけに妹を利用はしていないわよ?
アドリアーナが誘惑に成功して、その二人が本当に愛し合うようになったら、もちろん応援しようと思っているのだから・・・
私の彼氏? あぁ、私の彼氏なら、ここにいるわよ。この家の若い執事だわ。アドリアーナは、お金持ちや貴族が大好きで、若くてかわいいだけの執事には見向きもしないから安心なのよ? 私には、ステータスのある男はいらないわ。なぜって、この私がすでに女社長として成功しているのだから! 私は、若い執事に肩を揉ませて、通いのメイドにワインを持ってこさせた。
アドリアーナが、大作家さんの腕に手をかけたのを見て、私は満足げに微笑んだのだった。
朝、起きて一杯のオレンジジュースとミルクを飲むと、私は庭園を眺めながら、ストレッチをする。あぁ、今日も私の屋敷の庭園の薔薇は、とても綺麗に咲いているわ。私はこの屋敷を自力で購入したことと、それを可能にした自分の仕事に誇りを持っていた
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
朝の10時ごろになると、会社に出勤するために馬車に乗る。屋敷から10分ほどの、私の持ちビルには『結婚相談所』の看板が掲げられている。私はここのオーナー社長だ。
最初は、平民の方達向けに、出会いの機会が少ない男女を会員にして、お見合いパーティを開いていた。この一階の事務所の一室を借りて細々とやっていたのだが・・・お見合いと称して合同ツアーを組んだり、シェアハウスなるものに気に入ったカップル同士で住んでいただいて相性をみる等の企画が、大成功して規模がどんどん大きくなった。
会員も増え、一室では手狭になり一階のフロアの全てを借りるようになると、今度は貴族や大金持ちからも、いろいろな相談を持ち込まれるようになった。それは、ご令嬢達の母親から頼まれる仕事だった。
「うちの大事な娘の婿の候補は3人いるけれど、どれも優秀で甲乙つけがたいのよ? だったら、最後は人間性、つまり下半身の人格がしっかりした男性がいいと思うのよ? だって、愛娘が結婚してから婿の女関係で悲しい思いをすることだけは避けたいでしょう?」
そのように、おっしゃるセレブの方達のご要望に応えるべく、私はハニートラップをしかける女性達をスタッフとして雇うようになった。これは、このビルの2階を事務所にして女性を待機させていた。規模は、ますます大きくなり、妹が転がりこんできたときには、私はこのビルの所有者になり、屋敷まで手に入れていた。
マーカスは調査の対象者だった。依頼者はダイヤモンド鉱山をもつ大富豪夫人だ。私は、マーカスとスタッフの女の子の二人に出会いのチャンスを与えるために屋敷に呼んだのだ。でも・・・ふふふ・・・面白いのよ? アドリアーナったら、マーカスを私の彼と思い込んで、一生懸命に誘惑しようとしていた。
気合いのはいったその誘惑の流し目は、バイトのスタッフにはできない高等技術だわ! さすが、私の妹だわ。
だから、この仕事は、スタッフの女の子を呼ばないで、アドリアーナに任せた。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
翌日、私の屋敷じゅうに仕掛けてある隠しカメラが(もちろんアドリアーナの部屋にもある)残念な結果を録画していてくれた。私は、それを持って依頼をした大富豪婦人のお屋敷に向かう。
「あら、あら、これはダメねぇ。あぁ、良かった。こんなに、すぐにこのようなことをする男性を選ばなくて。うふふ。エイミーさんの『結婚相談所』は頼りになるわねぇ。じゃぁ、次のお婿候補はね・・・」
先日の夜会の、エドガー・オリオン伯爵は、某公爵夫人からの依頼だった。
「私の次女がエドガー・オリオン伯爵に夢中になってしまってねぇー。嫁がせるにあたって、女遊びしない方かどうかが気になりますのよ。公爵家としては、伯爵家では不満ですから、できれば娘には諦めさせたいのよ。できれば浮気性とでてほしいのですがね」
浮気性であってほしかったエドガー・オリオン伯爵は、アドリアーナにも見向きもしなかった。ただ、わたしのほうを、ちらちらとは見ていたけれど、なにも言ってこなかったから、ぎりぎり許容範囲とは思われた。
「はい、エドガー・オリオン伯爵は大丈夫なようです。えぇ、もちろん結婚なさっても簡単には浮気はしないかと思いますが、金髪美人には少し弱い可能性もありますねぇーー。いかがなさいます? えぇ、追加料金で、スタッフの金髪美人に声をかけさせることもできますよ」
私が庭園を眺めながら電話で某公爵夫人に報告をしていると、早速、アドリアーナが次のターゲットの試験に全力で臨んでいてくれた。うふふ。なんて、働き者の妹かしら・・・また、お小遣いをあげなくちゃ。
あぁ、言っておくけれど、私は、お金儲けのためだけに妹を利用はしていないわよ?
アドリアーナが誘惑に成功して、その二人が本当に愛し合うようになったら、もちろん応援しようと思っているのだから・・・
私の彼氏? あぁ、私の彼氏なら、ここにいるわよ。この家の若い執事だわ。アドリアーナは、お金持ちや貴族が大好きで、若くてかわいいだけの執事には見向きもしないから安心なのよ? 私には、ステータスのある男はいらないわ。なぜって、この私がすでに女社長として成功しているのだから! 私は、若い執事に肩を揉ませて、通いのメイドにワインを持ってこさせた。
アドリアーナが、大作家さんの腕に手をかけたのを見て、私は満足げに微笑んだのだった。
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∞
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┃Ξ三Ξ三┃
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┃・ 口 ・┃ノ
┃つ ┃
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“ " “ " “ " “ " ” " ” " ”
そーーなんですw
依頼者の彼(◍´ꇴ`◍)ʬʬ
ここにも
感想いただき
⋀🎀⋀
(* ❛ᴗ❛ *)
ー U^^^Uー
│✨ ⭐️ ✨│
│✨ 感 ✨│
│✨ 謝 ✨│
│✨ 状 ✨│
│✨ ⭐ ✨│
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
*。
+゚★*
゚。;*|∩ ∩
・゚** ∩・ω・`)
。*:+。・ ノ ⊃
+*:*+*・ し-J
:*:゚・ 。
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素敵な金曜日をお過ごし下さい
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