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12 おまけ
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セドア視点
予想通り、グレンは王太子になりエヴァリンは王太子妃になった。
私は、愛娘のエヴァリンの為に10年も前から準備をしていた。
グレープリ国の王妃様と密書を何度もかわし、計画を綿密にたてていたのだ。
まずは、毎月3人ずつグレープリ国の王宮に部下をおくった。侍女として、コックとして、下女として、執事としてさまざまな部署に配置されるように送り出したのだ。
コックは、特に毒薬に詳しい者を配置し、将来、エヴァリンが王妃になった時に、毒殺されないようにした。
調理の段階で、毒が見つかればすぐに、棄てさせればいい。
今や、グレープリ国の王宮の厨房の大半は私の部下達だった。
あの廊下をせこせこと急いで移動している黒髪の下女の3人は東洋の武術の達人だ。
サロンで、ピアノを調律しているお抱えの音楽家は、吹き矢の達人。
さらには給仕をする男達は全て、サバイバルナイフを使うのが上手で手品が得意。皿を簡単に取り替えたり、小細工はお手の物だった。
王宮の庭園で薔薇の手入れをしている庭師の4人は、スローイングナイフの達人だ。
エヴァリンに付いている専属侍女達5人は、実は護衛侍女だった。
よくある小説に、後宮での女の戦いで惨殺される寵姫や王妃が出てくるが・・・私に言わせれば、事前の準備が足りないのさ・・・先手必勝!
大事な愛娘を、大国の王家の嫡男と結婚させるということは、こういうことさ。
私は、天使のような愛娘をむざむざと殺されるつもりは、サラサラないのだから。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
グレン視点
私は王太子になったが、正直言って、この地位はそれほど望んではいなかった。
しかし、愛しいエヴァリンは、王妃にこそ相応しい天使のような女性だ。この女性に最高の地位と幸せを与えたい。
だから、私はあの異腹の弟達を排除する・・・・・・あの女狐側妃の3人にも、歴史の表舞台から消えていただこう。
私は、ここが戦場で、勝ち残った者しか生き残れないことを知っている。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
1世紀後の歴史書にはこう記されていた。
🌸グレン・グレープリ国王
グレープリ国の最も偉大なる王とされる。彼の生涯はドラマチックで、数々の映画や小説になった。赤い髪と黄金の瞳をもつ美貌の王で、国民のために賢政をしき、数々の改革を進めた。グレープリ国を最も繁栄に導いた王である。
また、彼は愛妻家で有名で生涯、エヴァリン王妃だけを愛し側妃をもつことはなかった。
🌸エヴァリン王妃
グレープリ国の歴代の王妃のなかで、最も王に愛された王妃である。美しく、その微笑みは天使のようだったと言われる。優しく、慈愛に満ちた、グレープリ国の国母とされる彼女は王族のなかでは純真すぎた為に、いつもグレン王に守られていた。二人の姫と一人の王子を産み、天寿を全うした。
🌸シャー公爵
エヴァリン王妃の実父。グレープリ国の産業や商業の発展に偉大なる貢献をした。彼は3人の孫に囲まれ幸せな生涯をおくった。また、東洋の文化をグレープリ国に広めて、芸術面にも造詣が深かったと言われる。
※グレン・グレープリ国王の3人の弟達
一人は病死、他は事故死とも言われているが定かではない。なお、事故死と言われている国王の弟の足下に卍型の金属が落ちていたと言われるが、詳細は不明。
※グレン・グレープリ国王の父王の側妃について
一人は、エヴァリン王妃への毒殺を疑われ、断頭台の露となる。他二人は事故死。
一人の側妃の足下には花びらのような形の金属が落ちていたという。
✿ちなみに、手裏剣は、卍型や花びらにように見えるものがあるそうです。
💐おまけその1💐
「グレン! 私、妊娠したわ! お父様! 私、お母さんになるのよ!」
「え! 国民の祝日にしよう!」
グレン王は、ニコリと笑うとエヴァリン王妃を抱きしめた。
「うわぁーー! いよいよ私も、おじいちゃんか! 今日は私が経営している事業所全部の祝日にしよう!」
シャー公爵(子爵から爵位があがりました)は、満面の笑みでエヴァリン王妃に言った。
あとから、祝日が多くなりすぎて、エヴァリン王妃に注意され、王子や王女の誕生日だけに減らしたそうです・・・
💐おまけその2💐
「おかあちゃまぁーー! セドアおじいちゃんに、子馬を買っていただきまちた! 白い子馬で、お目めがキラキラしているんでしゅよ!」
4歳のレイラ姫がトコトコと歩いてきて、エヴァリン王妃に自慢していた。
「お父様! また、甘やかしてーー。レイラ姫も、なんでもねだるのは、お止めなさい」
エヴァリン王妃が、しきりに説教しているところにグレン王がやって来てエヴァリン王妃は急に大人しくなった。
『おかあちゃまは、最強なのにおとうちゃまの前では、おとなちいのね』
レイラ姫が、なにかを学んだ瞬間だった。
💐最後のおまけ💐ーある日のグレンとエヴァリン(侍女長視点)
「グレン! 大好きよ!」
「エヴァリン、愛しているよ」
あぁ、王様と王妃様の、日課がまた始まったわ。
一時間ごとに、どちらからともなく、かわされる愛の言葉に、王宮じゅうがハートだらけだ。
仲良しすぎる・・・・・まぁ、お二人ともお仕事は完璧にこなしていらっしゃるから問題ないけれど・・・・・・
ラブラブすぎる王様と王妃様は、恋人達の憧れだった。恋人達でグレープリ国を訪れると、必ず結婚できるという縁起担ぎで観光客はうなぎ登りだ。
どれ、私も拝んでおきましょうかね? まだ、独身で行き遅れた感のある私は、この王様達に手を合わせた。
「なぁに? ララミ侍女長? 誰を拝んでいるの?」
王妃様がお聞きになったので私は、こう答えたのだった。
「全ての恋人達の生き神様を拝んでいます。私も、そろそろ結婚したいので・・・・・・」
まさか、それから三ヶ月後に結婚できるとは、このときは思いもしなかったのだった。
うちの王様と王妃様ってば、やっぱり神様かしら!? 最強すぎる・・・・・・
完
予想通り、グレンは王太子になりエヴァリンは王太子妃になった。
私は、愛娘のエヴァリンの為に10年も前から準備をしていた。
グレープリ国の王妃様と密書を何度もかわし、計画を綿密にたてていたのだ。
まずは、毎月3人ずつグレープリ国の王宮に部下をおくった。侍女として、コックとして、下女として、執事としてさまざまな部署に配置されるように送り出したのだ。
コックは、特に毒薬に詳しい者を配置し、将来、エヴァリンが王妃になった時に、毒殺されないようにした。
調理の段階で、毒が見つかればすぐに、棄てさせればいい。
今や、グレープリ国の王宮の厨房の大半は私の部下達だった。
あの廊下をせこせこと急いで移動している黒髪の下女の3人は東洋の武術の達人だ。
サロンで、ピアノを調律しているお抱えの音楽家は、吹き矢の達人。
さらには給仕をする男達は全て、サバイバルナイフを使うのが上手で手品が得意。皿を簡単に取り替えたり、小細工はお手の物だった。
王宮の庭園で薔薇の手入れをしている庭師の4人は、スローイングナイフの達人だ。
エヴァリンに付いている専属侍女達5人は、実は護衛侍女だった。
よくある小説に、後宮での女の戦いで惨殺される寵姫や王妃が出てくるが・・・私に言わせれば、事前の準備が足りないのさ・・・先手必勝!
大事な愛娘を、大国の王家の嫡男と結婚させるということは、こういうことさ。
私は、天使のような愛娘をむざむざと殺されるつもりは、サラサラないのだから。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
グレン視点
私は王太子になったが、正直言って、この地位はそれほど望んではいなかった。
しかし、愛しいエヴァリンは、王妃にこそ相応しい天使のような女性だ。この女性に最高の地位と幸せを与えたい。
だから、私はあの異腹の弟達を排除する・・・・・・あの女狐側妃の3人にも、歴史の表舞台から消えていただこう。
私は、ここが戦場で、勝ち残った者しか生き残れないことを知っている。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
1世紀後の歴史書にはこう記されていた。
🌸グレン・グレープリ国王
グレープリ国の最も偉大なる王とされる。彼の生涯はドラマチックで、数々の映画や小説になった。赤い髪と黄金の瞳をもつ美貌の王で、国民のために賢政をしき、数々の改革を進めた。グレープリ国を最も繁栄に導いた王である。
また、彼は愛妻家で有名で生涯、エヴァリン王妃だけを愛し側妃をもつことはなかった。
🌸エヴァリン王妃
グレープリ国の歴代の王妃のなかで、最も王に愛された王妃である。美しく、その微笑みは天使のようだったと言われる。優しく、慈愛に満ちた、グレープリ国の国母とされる彼女は王族のなかでは純真すぎた為に、いつもグレン王に守られていた。二人の姫と一人の王子を産み、天寿を全うした。
🌸シャー公爵
エヴァリン王妃の実父。グレープリ国の産業や商業の発展に偉大なる貢献をした。彼は3人の孫に囲まれ幸せな生涯をおくった。また、東洋の文化をグレープリ国に広めて、芸術面にも造詣が深かったと言われる。
※グレン・グレープリ国王の3人の弟達
一人は病死、他は事故死とも言われているが定かではない。なお、事故死と言われている国王の弟の足下に卍型の金属が落ちていたと言われるが、詳細は不明。
※グレン・グレープリ国王の父王の側妃について
一人は、エヴァリン王妃への毒殺を疑われ、断頭台の露となる。他二人は事故死。
一人の側妃の足下には花びらのような形の金属が落ちていたという。
✿ちなみに、手裏剣は、卍型や花びらにように見えるものがあるそうです。
💐おまけその1💐
「グレン! 私、妊娠したわ! お父様! 私、お母さんになるのよ!」
「え! 国民の祝日にしよう!」
グレン王は、ニコリと笑うとエヴァリン王妃を抱きしめた。
「うわぁーー! いよいよ私も、おじいちゃんか! 今日は私が経営している事業所全部の祝日にしよう!」
シャー公爵(子爵から爵位があがりました)は、満面の笑みでエヴァリン王妃に言った。
あとから、祝日が多くなりすぎて、エヴァリン王妃に注意され、王子や王女の誕生日だけに減らしたそうです・・・
💐おまけその2💐
「おかあちゃまぁーー! セドアおじいちゃんに、子馬を買っていただきまちた! 白い子馬で、お目めがキラキラしているんでしゅよ!」
4歳のレイラ姫がトコトコと歩いてきて、エヴァリン王妃に自慢していた。
「お父様! また、甘やかしてーー。レイラ姫も、なんでもねだるのは、お止めなさい」
エヴァリン王妃が、しきりに説教しているところにグレン王がやって来てエヴァリン王妃は急に大人しくなった。
『おかあちゃまは、最強なのにおとうちゃまの前では、おとなちいのね』
レイラ姫が、なにかを学んだ瞬間だった。
💐最後のおまけ💐ーある日のグレンとエヴァリン(侍女長視点)
「グレン! 大好きよ!」
「エヴァリン、愛しているよ」
あぁ、王様と王妃様の、日課がまた始まったわ。
一時間ごとに、どちらからともなく、かわされる愛の言葉に、王宮じゅうがハートだらけだ。
仲良しすぎる・・・・・まぁ、お二人ともお仕事は完璧にこなしていらっしゃるから問題ないけれど・・・・・・
ラブラブすぎる王様と王妃様は、恋人達の憧れだった。恋人達でグレープリ国を訪れると、必ず結婚できるという縁起担ぎで観光客はうなぎ登りだ。
どれ、私も拝んでおきましょうかね? まだ、独身で行き遅れた感のある私は、この王様達に手を合わせた。
「なぁに? ララミ侍女長? 誰を拝んでいるの?」
王妃様がお聞きになったので私は、こう答えたのだった。
「全ての恋人達の生き神様を拝んでいます。私も、そろそろ結婚したいので・・・・・・」
まさか、それから三ヶ月後に結婚できるとは、このときは思いもしなかったのだった。
うちの王様と王妃様ってば、やっぱり神様かしら!? 最強すぎる・・・・・・
完
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面白くて一気読みしてしまいました。
こういうお話大好きです(*^^*)
お読みいただきありがとうございます(○^∇^)_☕️🍰
うわぁい❣️嬉しいです(ノ*>∀<)ノ
ありがとうございます٩꒰。•◡•。꒱۶
コメントをお寄せくださり感謝💐です🎶☺️
一番最後のおまけ、最高です!
私もあやかりたい…。
お読みいただきありがとうございます(○^∇^)_☕️🍰
うふふ☺️
では、王妃様をお呼びしますねぇーー
王妃様:「mic様。あなたには、とってもいい男性が現れますから。いつも、朗らかに笑っていてくださいね。私も、夫の前では天使のように微笑んでおりましたよ😊」
つまり笑う門には福来る!?らしいですーー
(´,,•ω•,,`)◝
いいご縁がありますよーーに💕💕💕
コメントをお寄せくださり感謝💐です🎶☺️
退会済ユーザのコメントです
お読みいただきありがとうございます(○^∇^)_☕️🍰
あぁ、そうかもしれなかったですねヽ(´o`;
次回に繋げて精進しまぁす🎶😊
コメントをお寄せくださって感謝💐😆です。