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5 父親(セドア)視点
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エヴァリンが、森の方にアレクが行ってしまったと、執務室にいる私に言ってきた。
そう言えば、今日はずっと部屋に籠もりきりだったから、散歩がてらアレクを連れ戻しに行こう。
私は、森の方に歩いて行き、花畑の手前でアレクが大人しく座っているのを見つけた。
呼ぼうとしたときに、花畑の奥から話し声が聞こえた。
「イライジャ様、聞いてよ。エヴァリンったら、こないだのお茶会で、すごい宝石をつけていたのよ。たかが、子爵家のくせに生意気だと思ったから、その後シャー家に遊びに行って、お茶を一緒に飲んだときに、エヴァリンの紅茶に、いつものように少しだけ下剤を入れてやったの。私、こういう時の為に、小さな小瓶に、いつも下剤を持ち歩いているのよ。それから、あの子ったら、ずっと化粧室に閉じ籠もったままだったわ。おかしかったわぁーー。その隙に、その宝石は頂いて帰って来ちゃったわ。あの子ったら、宝石がなくなったことにも気がつかないまぬけよ」
「あっはは。それは、まぬけだな。そう言えば、君の持ち物って、エヴァリンが持っているものによく似ているなって思っていたけれど、エヴァリン本人のものだったのかい?」
「えぇ、そうよ。だって、エヴァリンの亡くなったお母様は、私のお母様の妹よ? だから、エヴァリンは私の妹のようなものでしょう? エヴァリンの物は私の物よ。ただ、私が産まれる場所を神様が間違っただけだと思うわ。もともと、この私こそが大富豪のシャー家に産まれるはずだったと思うわ」
レイテは、甘ったるい声で言った。あまりのことに、怒りで息がしづらいほどだ。
昔から、エヴァリンはお腹を壊しやすく、頻繁に腹痛に悩まされていたが、レイテの仕業だったのか・・・・・・
「私とイライジャ様が将来一緒になることを、お父様もお母様も賛成なさっているわ。イライジャ様とエヴァリンが結婚したら、後は任せろって・・・・・・・私に、『シャー家の財産を全て手に入れたイライジャ様と、結婚できるようにしてあげよう』っておっしゃったのよ」
なんだと?・・・・・・それが、どういう意味なのか、わからない私ではない。『恩を仇で返す』とはこのことか・・・・・・
どれだけ、イラ家にお金を援助してきたと思っているんだ!
妻の姉夫妻が、私は昔から好きにはなれなかったが、私の勘は当たっていたんだな。
イライジャとエヴァリンが結婚した後に、私とエヴァリンがこの世からいなくなれば、確かに全ての物がイライジャのものになる。
そのうえで、イライジャとレイテを結婚させよう、という意味だな・・・・・・ なんという奴らだ!
レイテの両親は、私とエヴァリンを、毒殺でもしようとしているのだろう。
バカ者どもが! させるか! アレクよ、よくやった! この会話を聞けたことは、まさしく幸運だった。
こいつらを、徹底的に潰す! 当然のことだ。
そう言えば、今日はずっと部屋に籠もりきりだったから、散歩がてらアレクを連れ戻しに行こう。
私は、森の方に歩いて行き、花畑の手前でアレクが大人しく座っているのを見つけた。
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「イライジャ様、聞いてよ。エヴァリンったら、こないだのお茶会で、すごい宝石をつけていたのよ。たかが、子爵家のくせに生意気だと思ったから、その後シャー家に遊びに行って、お茶を一緒に飲んだときに、エヴァリンの紅茶に、いつものように少しだけ下剤を入れてやったの。私、こういう時の為に、小さな小瓶に、いつも下剤を持ち歩いているのよ。それから、あの子ったら、ずっと化粧室に閉じ籠もったままだったわ。おかしかったわぁーー。その隙に、その宝石は頂いて帰って来ちゃったわ。あの子ったら、宝石がなくなったことにも気がつかないまぬけよ」
「あっはは。それは、まぬけだな。そう言えば、君の持ち物って、エヴァリンが持っているものによく似ているなって思っていたけれど、エヴァリン本人のものだったのかい?」
「えぇ、そうよ。だって、エヴァリンの亡くなったお母様は、私のお母様の妹よ? だから、エヴァリンは私の妹のようなものでしょう? エヴァリンの物は私の物よ。ただ、私が産まれる場所を神様が間違っただけだと思うわ。もともと、この私こそが大富豪のシャー家に産まれるはずだったと思うわ」
レイテは、甘ったるい声で言った。あまりのことに、怒りで息がしづらいほどだ。
昔から、エヴァリンはお腹を壊しやすく、頻繁に腹痛に悩まされていたが、レイテの仕業だったのか・・・・・・
「私とイライジャ様が将来一緒になることを、お父様もお母様も賛成なさっているわ。イライジャ様とエヴァリンが結婚したら、後は任せろって・・・・・・・私に、『シャー家の財産を全て手に入れたイライジャ様と、結婚できるようにしてあげよう』っておっしゃったのよ」
なんだと?・・・・・・それが、どういう意味なのか、わからない私ではない。『恩を仇で返す』とはこのことか・・・・・・
どれだけ、イラ家にお金を援助してきたと思っているんだ!
妻の姉夫妻が、私は昔から好きにはなれなかったが、私の勘は当たっていたんだな。
イライジャとエヴァリンが結婚した後に、私とエヴァリンがこの世からいなくなれば、確かに全ての物がイライジャのものになる。
そのうえで、イライジャとレイテを結婚させよう、という意味だな・・・・・・ なんという奴らだ!
レイテの両親は、私とエヴァリンを、毒殺でもしようとしているのだろう。
バカ者どもが! させるか! アレクよ、よくやった! この会話を聞けたことは、まさしく幸運だった。
こいつらを、徹底的に潰す! 当然のことだ。
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