(完)妹の婚約者を誘惑したと言うけれど、その彼にそんな価値がありますか?

青空一夏

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ジョセフィーヌの恋の行方

サミュエル様は国外追放? その2

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 私は、喜び勇んで、王家の馬車に飛び乗った。
あぁ、でも、その国に移住するにしても着替えや、お金は要ると思う。

 いったん、母上の元に戻り、事情はもちろん言わないで家を飛び出した。
王家の馬車は国境まで、送ってくれて、さらに何台も乗り継ぎやっとラオンダ国に着いた。

 国境に着くと、なんの身元確認もされずに、国に入れた。こんなに緩い国は、初めてだった。

「ここの国民になりたい」と、公用語で言うと、意味が通じた。

「ここの国民になるには、結婚すればいいです。誰か、良い相手がいたら、役所に届けてください。あぁ、注意点が、ひとつあります。結婚したら、この国では3年は離婚できませんからね」

 うん、そんなことは、問題ではない。私は、その言葉が、どんな意味を持つか、その時はわからなかったのだ。

 街というほどの、建物もなく、商業施設なども、ほとんどない。お金も、持ってきた貨幣をラオンダ国の貨幣に変えたが、使う店も見つからない有様だが、飲み屋だけは、あった。

 『男性専用』と書かれた、その一軒に入ると、私の好みの男がたくさんカウンターで、一人で飲んでいた。
浅黒い肌の端正な顔立ちの男もいれば、雪のように白い肌の女のような男もいて、ここはまさに天国のようだった。

「やぁ、新しく、この国に来たんだね? ようこそ! 歓迎するよ? 早速だけど、僕の妻にならないかい?」

 ぞっとするほど美しい男が、私に声をかけたのだった。

 
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