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ジョセフィーヌの恋の行方
王太子様がキレました。(ジョセフィーヌ視点)
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「ねぇ、サミュエルは彼とは、最近、別れたの?」
王妃様は、にこやかにおっしゃいますが私にはなんのことか、わかりませんでしたよ。
「あぁ、なぜ、それを王妃様が知っていらっしゃるのでしょうか? 母上も知らないことですよ?」
サミュエル様は、穏やかな微笑を浮かべておっしゃいましたよ。彼とは・・・・・・?
あの、いわゆる・・・・・・恋人のことでしょうか・・・・・・ということは?
私は、ギギギと音がするのではないかと思う動作で、ゆっくりとサミュエル様のお顔を見つめましたよ。
「あっははは。そうなのか? あぁ、ジョセ! 彼との結婚は無理だ。君は、男しか愛せない男なんだね?」
王太子様は、嬉しそうに笑っていらっしゃいます。なぜ、そんなに嬉しそうなのでしょうね?
「王太子様! いけませんよ。サミュエル様と、そのような関係を望んでいるとしたらとても・・・・・・」
私は、言いかけて、そこで止めた。これ以上は、サミュエル様の趣味嗜好をけなすことになりかねないわ。
「ジョセ。何回も言うけれど、私はジョセが大好きだ。なぜ、貴女はたまに斜め上の思考が飛ぶのかなぁー」
あら、違ったようですね。ふむ、まぁ、私には関係のないことです。
「そこで、提案なんだ。ジョセと私はいい夫婦になれると思うんだ。ジョセはどうやら男性が苦手なようだ。私は、恋愛対象が男だから多分、ジョセは安心して私に触れられるんだと思う。子供は望めないが、養子をとればいいし、私はジョセを人間的に好きだし尊敬しているよ?」
サミュエル様は、私の手を取って、手の甲にキスをしました。確かに、ぞわっともしませんが、ときめきもしませんよ? これは、どうしたものでしょうね?
「え? ジョセちゃんは男性が苦手なの?」
王妃様は、驚かれています。うん、そうです・・・・・・今まで、黙っていてすみませんでした。心の中で謝りました。
「ばかばかしい! そんな夫があってたまるか! 父上、母上。私は、王太子の座は辞退させていただきたい。ジョセ。聞いて。君が男性恐怖症みたいになったのは気づいてたよ。私は、ジョセが嫌だと思うことは一切しないよ。ただ、側にいて笑っていて欲しい。それだけなんだよ」
王太子様は、真剣なお顔で私におっしゃいましたよ。
私は、サミュエル様と王太子様を交互に見て、悩んでしまいました。私は、こういう恋愛問題には、からっきし疎いです。まだ、領地経営や帳簿つけのほうが簡単です。
エラは、そんな私の手をぎゅっと握ってきました。
「ジョセフィーヌ様。なにを、迷っているのです? こんな愚かなエラにだって、こんな答えは簡単にだせますとも。サミュエル様の発言は『愛の告白』ではないですよ? 自分に都合の良い条件を備えたジョセフィーヌ様への『同居人』提案ですよ? 一方、王太子様のは、間違いなく『愛の告白』です。まして、王太子の座まで棄てていいとおっしゃっているんですよ? 迷う必要がどこにありますか?」
エラは、一生懸命に私に言いながも、サミュエル様を睨み付けていました。
「私も、失礼ながら発言させてもらいます。男として、尊敬できるのは王太子様の今の発言です。サミュエル様は、男性が好きなのであれば、その方と一緒になればいいではありませんか。ジョセフィーヌ様を隠れ蓑に使おうなんて、ルドレア女侯爵様がお許しになりませんよ? 貴方は、公爵家の三男だから、爵位は継げない。女侯爵になると確定しているジョセフィーヌ様と結婚すれば、地位も名声も手に入る。おまけに、男性恐怖症なら自分は男の恋人を作り放題でも許してもらえますよね? ゲスな男だった私だからこそ、ゲスの思考回路はわかりやすいです」
いつもは、絶対に私達の会話に入ってこないライアンまでもが、怒りで顔を赤くしていました。
私は、この二人の気持ちがとても嬉しかったのでした。
「うるさいな。罪人ふぜいが・・・・・・。もともと、このジョセフィーヌなど、たいした興味もない。母上が喜ぶと思ってボランティアのつもりだったのだ。誰が、好き好んで、罪人の血が半分入った女を妻に迎える? 皆、王家の威光と、ルドレア女侯爵の莫大な財力と強大な影響力に恐れをなして言えなかっただけだろう。貴女を妻に迎えたいなどと本気で思う男は王太子しかいないでしょうね! では、失礼」
去って行こうとするサミュエル様を王太子様が、掴みかかり鳩尾に鉄拳を食らわせたのでした。
王妃様は、にこやかにおっしゃいますが私にはなんのことか、わかりませんでしたよ。
「あぁ、なぜ、それを王妃様が知っていらっしゃるのでしょうか? 母上も知らないことですよ?」
サミュエル様は、穏やかな微笑を浮かべておっしゃいましたよ。彼とは・・・・・・?
あの、いわゆる・・・・・・恋人のことでしょうか・・・・・・ということは?
私は、ギギギと音がするのではないかと思う動作で、ゆっくりとサミュエル様のお顔を見つめましたよ。
「あっははは。そうなのか? あぁ、ジョセ! 彼との結婚は無理だ。君は、男しか愛せない男なんだね?」
王太子様は、嬉しそうに笑っていらっしゃいます。なぜ、そんなに嬉しそうなのでしょうね?
「王太子様! いけませんよ。サミュエル様と、そのような関係を望んでいるとしたらとても・・・・・・」
私は、言いかけて、そこで止めた。これ以上は、サミュエル様の趣味嗜好をけなすことになりかねないわ。
「ジョセ。何回も言うけれど、私はジョセが大好きだ。なぜ、貴女はたまに斜め上の思考が飛ぶのかなぁー」
あら、違ったようですね。ふむ、まぁ、私には関係のないことです。
「そこで、提案なんだ。ジョセと私はいい夫婦になれると思うんだ。ジョセはどうやら男性が苦手なようだ。私は、恋愛対象が男だから多分、ジョセは安心して私に触れられるんだと思う。子供は望めないが、養子をとればいいし、私はジョセを人間的に好きだし尊敬しているよ?」
サミュエル様は、私の手を取って、手の甲にキスをしました。確かに、ぞわっともしませんが、ときめきもしませんよ? これは、どうしたものでしょうね?
「え? ジョセちゃんは男性が苦手なの?」
王妃様は、驚かれています。うん、そうです・・・・・・今まで、黙っていてすみませんでした。心の中で謝りました。
「ばかばかしい! そんな夫があってたまるか! 父上、母上。私は、王太子の座は辞退させていただきたい。ジョセ。聞いて。君が男性恐怖症みたいになったのは気づいてたよ。私は、ジョセが嫌だと思うことは一切しないよ。ただ、側にいて笑っていて欲しい。それだけなんだよ」
王太子様は、真剣なお顔で私におっしゃいましたよ。
私は、サミュエル様と王太子様を交互に見て、悩んでしまいました。私は、こういう恋愛問題には、からっきし疎いです。まだ、領地経営や帳簿つけのほうが簡単です。
エラは、そんな私の手をぎゅっと握ってきました。
「ジョセフィーヌ様。なにを、迷っているのです? こんな愚かなエラにだって、こんな答えは簡単にだせますとも。サミュエル様の発言は『愛の告白』ではないですよ? 自分に都合の良い条件を備えたジョセフィーヌ様への『同居人』提案ですよ? 一方、王太子様のは、間違いなく『愛の告白』です。まして、王太子の座まで棄てていいとおっしゃっているんですよ? 迷う必要がどこにありますか?」
エラは、一生懸命に私に言いながも、サミュエル様を睨み付けていました。
「私も、失礼ながら発言させてもらいます。男として、尊敬できるのは王太子様の今の発言です。サミュエル様は、男性が好きなのであれば、その方と一緒になればいいではありませんか。ジョセフィーヌ様を隠れ蓑に使おうなんて、ルドレア女侯爵様がお許しになりませんよ? 貴方は、公爵家の三男だから、爵位は継げない。女侯爵になると確定しているジョセフィーヌ様と結婚すれば、地位も名声も手に入る。おまけに、男性恐怖症なら自分は男の恋人を作り放題でも許してもらえますよね? ゲスな男だった私だからこそ、ゲスの思考回路はわかりやすいです」
いつもは、絶対に私達の会話に入ってこないライアンまでもが、怒りで顔を赤くしていました。
私は、この二人の気持ちがとても嬉しかったのでした。
「うるさいな。罪人ふぜいが・・・・・・。もともと、このジョセフィーヌなど、たいした興味もない。母上が喜ぶと思ってボランティアのつもりだったのだ。誰が、好き好んで、罪人の血が半分入った女を妻に迎える? 皆、王家の威光と、ルドレア女侯爵の莫大な財力と強大な影響力に恐れをなして言えなかっただけだろう。貴女を妻に迎えたいなどと本気で思う男は王太子しかいないでしょうね! では、失礼」
去って行こうとするサミュエル様を王太子様が、掴みかかり鳩尾に鉄拳を食らわせたのでした。
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