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エラを今こそ妹と呼びたいジョセフィーヌ(ジョセフィーヌ視点)
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「ジョセちゃん。エラが、貴女に会って謝りたいそうよ? どうしましょうか? それと、ライアンも同じようなことを言ってきたわ」
私は、そんな嬉しい言葉をお母様から伺いました。なんて、喜ばしいことでしょう! 私は、妹の境遇を考えましたよ。高級などと、形容詞がついていたって、娼婦は娼婦です。辛いことがたくさんあったはずです。それでも、くじけずに、頑張っていたのなら妹を褒めてあげたい気持ちもあります。
「もちろん、会いますよ。両方とも同じ日に設定してください。彼らが、更生していたのなら、もとの正しい道に戻してあげたいです」
「まぁ。ジョセちゃん。そうね・・・・・・本当に性根が入れ替わったのなら、私も応援しましょう」
お母様は、そうおっしゃってくださいました。
敢えて小さな客間の案内させたのは、エラの顔の表情がよく見たかったからです。エラは、髪を三つ編みにし、簡素なドレスを着ていました。以前は原色のレースが賑やかについたドレスが好きだったと思います。今のエラの姿はとても、娼婦には見えませんでした。。
その眼差しは、まっすぐ私を見つめています。そのエラから紡ぎ出された言葉は本物でした。少しも、私になにかしてもらいたくて来たわけではないのがわかったのです。エラも私も、あの醜悪な欲望を持ったジョーダンとオードリーの被害者です。子供は親を選んでこの世に産まれてはこれないのですから・・・・・・
私は、エラにまだ、最も成功した高級娼婦になって贅沢したいかと聞きましたよ。
「いいえ。あれから、私も変わりました。娼婦で一番になって、たくさんのお金に埋もれることがあっても、きっと私は裕福ではなくとも本当に愛する男性から大事にされている女性を一生羨ましいと思うでしょう」
エラの答えは完璧でした。私が望んでいた最高の答えだったのです。それならば、私がすることは決まっています。
エラが部屋を出ていった後に、お母様の執務室に私は急いで行きました。
「お母様、すぐに娼館に知らせを出してください。私はエラを許します。以前のエラは別人になって私の妹として戻って来ました。娼館から解放して、今までのお給料もあげさせてください。私の妹が新しい人生を歩めるように」
「エラは殺人者の娘なのよ? 貴女の実のお母様のセレニティーを・・・・・・」
お母様は、大事なことを忘れていらっしゃるわ。
「お母様。それをおっしゃるなら、この私のなかにも、殺人者の血が流れていますよ? その血が信じられないのなら、私も信じられないのですか? 流れる血ではなくて、これからのエラの言動で判断してください。あの子は、もう間違った道には行かないと私は信じています」
お母様は、眉尻を下げて私を抱きしめたのだった。
私は、そんな嬉しい言葉をお母様から伺いました。なんて、喜ばしいことでしょう! 私は、妹の境遇を考えましたよ。高級などと、形容詞がついていたって、娼婦は娼婦です。辛いことがたくさんあったはずです。それでも、くじけずに、頑張っていたのなら妹を褒めてあげたい気持ちもあります。
「もちろん、会いますよ。両方とも同じ日に設定してください。彼らが、更生していたのなら、もとの正しい道に戻してあげたいです」
「まぁ。ジョセちゃん。そうね・・・・・・本当に性根が入れ替わったのなら、私も応援しましょう」
お母様は、そうおっしゃってくださいました。
敢えて小さな客間の案内させたのは、エラの顔の表情がよく見たかったからです。エラは、髪を三つ編みにし、簡素なドレスを着ていました。以前は原色のレースが賑やかについたドレスが好きだったと思います。今のエラの姿はとても、娼婦には見えませんでした。。
その眼差しは、まっすぐ私を見つめています。そのエラから紡ぎ出された言葉は本物でした。少しも、私になにかしてもらいたくて来たわけではないのがわかったのです。エラも私も、あの醜悪な欲望を持ったジョーダンとオードリーの被害者です。子供は親を選んでこの世に産まれてはこれないのですから・・・・・・
私は、エラにまだ、最も成功した高級娼婦になって贅沢したいかと聞きましたよ。
「いいえ。あれから、私も変わりました。娼婦で一番になって、たくさんのお金に埋もれることがあっても、きっと私は裕福ではなくとも本当に愛する男性から大事にされている女性を一生羨ましいと思うでしょう」
エラの答えは完璧でした。私が望んでいた最高の答えだったのです。それならば、私がすることは決まっています。
エラが部屋を出ていった後に、お母様の執務室に私は急いで行きました。
「お母様、すぐに娼館に知らせを出してください。私はエラを許します。以前のエラは別人になって私の妹として戻って来ました。娼館から解放して、今までのお給料もあげさせてください。私の妹が新しい人生を歩めるように」
「エラは殺人者の娘なのよ? 貴女の実のお母様のセレニティーを・・・・・・」
お母様は、大事なことを忘れていらっしゃるわ。
「お母様。それをおっしゃるなら、この私のなかにも、殺人者の血が流れていますよ? その血が信じられないのなら、私も信じられないのですか? 流れる血ではなくて、これからのエラの言動で判断してください。あの子は、もう間違った道には行かないと私は信じています」
お母様は、眉尻を下げて私を抱きしめたのだった。
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