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妹編
2 エメラルド王国
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エメラルド王国のお城は大きな湖に面していた。私が馬車から降りると、護衛騎士がびっしり周りを囲み、厳重な警備に驚く。アーメッド王国の護衛騎士も、びっしり私の周りを守り、私の側に付いている侍女達は・・・アーメッド王国でも特に優秀とされる護衛侍女?
え? なんで、こんなに物騒なのよ? おかしくない? どういうことなんだろう?
「遠路より、はるばる我が国にようこそ。余がイグナ王だ! 以後、よろしく、頼む!」
あの釣書にあった写真と同じ美丈夫が、私の手を取って馬車から降りるのを手伝ってくれた。
「イグナ王。よろしくお願いしまぁす!」
あたしは、カーテシーをして、そのイグナ王の腕をとろうとして、なぜかはねのけられた。私についていた戦闘侍女達に、緊張がはしる。すっごい、ピリピリしたこの場の空気に、肌が痛いよ。なんで、こんなに殺伐とした雰囲気なのか全然わからなかった。
「ひとまず、部屋に案内させよう、少し休むといい。城の侍女に案内させよう」
イグナ王の声は、とても深みがあって、ゾクッとするほど色っぽい。やっぱり、ここに来て良かったぁ。あたし、好きになってもらえるように、頑張るよ。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
ーークリスティンが案内されたお部屋にてーー
お城の侍女が、あたしの部屋に、香りのいい紅茶を持ってきたんだ。私は早速、その紅茶を飲もうとする。喉がからからだったし、この紅茶ってば、すごく良い香りなんだもん。
「お待ちくださいませ! お飲みになる前に・・・」
戦闘侍女は、私のカップを、さっと奪い取ると、虫かごの中から一匹の虫を取り出す。これは、アーメッド王国によくいる虫で、人間とおなじように雑食だった。私の紅茶を、三滴ほど、それに垂らすと、その三秒後に虫がひっくり返った!
あれ・・・これって・・・
「毒です。クリスティン姫様、なぜ、ここにいらっしゃるのですか?」
「だって、イグナ王が素敵だったから・・・入れ替わっただけよ!」
あたしは、必死になって、自分がしでかしたことを正当化しようとする。
「そうですか。いつもの、我が儘ですね。ならば、仕方がないです。このまま、カリスタ王女様のふりをなさってくださいね? こんなことでは、いつまで・・・」
え? いつまで、生きられるかって聞こえたけれど、気のせいよね?
え? なんで、こんなに物騒なのよ? おかしくない? どういうことなんだろう?
「遠路より、はるばる我が国にようこそ。余がイグナ王だ! 以後、よろしく、頼む!」
あの釣書にあった写真と同じ美丈夫が、私の手を取って馬車から降りるのを手伝ってくれた。
「イグナ王。よろしくお願いしまぁす!」
あたしは、カーテシーをして、そのイグナ王の腕をとろうとして、なぜかはねのけられた。私についていた戦闘侍女達に、緊張がはしる。すっごい、ピリピリしたこの場の空気に、肌が痛いよ。なんで、こんなに殺伐とした雰囲気なのか全然わからなかった。
「ひとまず、部屋に案内させよう、少し休むといい。城の侍女に案内させよう」
イグナ王の声は、とても深みがあって、ゾクッとするほど色っぽい。やっぱり、ここに来て良かったぁ。あたし、好きになってもらえるように、頑張るよ。
*:゚+。.☆.+*✩⡱:゚
ーークリスティンが案内されたお部屋にてーー
お城の侍女が、あたしの部屋に、香りのいい紅茶を持ってきたんだ。私は早速、その紅茶を飲もうとする。喉がからからだったし、この紅茶ってば、すごく良い香りなんだもん。
「お待ちくださいませ! お飲みになる前に・・・」
戦闘侍女は、私のカップを、さっと奪い取ると、虫かごの中から一匹の虫を取り出す。これは、アーメッド王国によくいる虫で、人間とおなじように雑食だった。私の紅茶を、三滴ほど、それに垂らすと、その三秒後に虫がひっくり返った!
あれ・・・これって・・・
「毒です。クリスティン姫様、なぜ、ここにいらっしゃるのですか?」
「だって、イグナ王が素敵だったから・・・入れ替わっただけよ!」
あたしは、必死になって、自分がしでかしたことを正当化しようとする。
「そうですか。いつもの、我が儘ですね。ならば、仕方がないです。このまま、カリスタ王女様のふりをなさってくださいね? こんなことでは、いつまで・・・」
え? いつまで、生きられるかって聞こえたけれど、気のせいよね?
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