(完結)第二王子に捨てられましたがパンが焼ければ幸せなんです! まさか平民の私が・・・・・・なんですか?

青空一夏

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10 カスパー視点

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 俺はカスパー・ヴァッケンローダー。ヴァッケンローダー国の第二王子だ。眉目秀麗・頭脳明晰な兄上に比べて俺は平凡過ぎた。他の貴族と同じくらいには顔立ちも整っていたし、成績だってそれほど悪くはなかったが、俺はいつでも兄上の前では霞んでしまう。
 
 自分なりに兄上に勝っているものを模索したところ、この健康で丈夫な身体しかないと気づく。身体を鍛え剣の腕を磨く為に騎士団に入ったのは、兄上を嫉妬させたかったからだ。

 温厚で真面目で欠点は病弱なことだけの兄上は、性格だってとても良かった。身分に関係なく誰にでも優しかったし、俺のことも弟としていつも気にかけてくれた。しかし、そんな完璧すぎる兄上が・・・・・・俺は実は大嫌いなんだ!  兄上といると凡人の自分があまりにも小さい存在に思えて、劣等感に苛(さいな)まれる。いつも余裕の笑みを浮かべていて、俺が意地の悪いことを言っても全く怒らないのも癪だった。

「兄上は可哀想ですね。俺のように野山を駆け巡り、川や海で泳いだりもできないなんて。暑い日に川遊びをしたり、波に乗ってボードで遊ぶのはとても楽しいのに、なにひとつできない。とてもお気の毒だと思います」
 にこにこと無邪気な口調で朗らかに笑いながらも、わざと傷つけるつもりでそう言った。きっと不愉快な顔をするだろうな、そう思った。だが・・・・・・

「あぁ、ありがとう。わたしを可哀想に思ってくれるのかい? だが、カスパーが元気に野山を駆け巡り、海や山で泳いだ話しを、よくわたしにしてくれるだろう? そのお蔭で、わたしも一緒に楽しんだ気持ちになるし、なによりカスパーがわたしのように病弱でないことが嬉しいよ」
 悔しがらせる為に自慢話をしていたのに、それが嬉しかったと言うんだ。なんてお人好しなんだろう? ばかばかしくて呆れた。父上も母上も、俺がにこにこと無邪気に装っていれば、裏でなにをしても気づかないようだった。

(あっはは、俺の家族はバカなんだな。いくらでも騙せるぐらいお人好しばかりだ)





 俺はあの完璧な兄上に嫉妬させるのが生き甲斐になった。病弱なくせに、いつまでたっても死なない。早く、くたばればいいのに。そうしたら俺がこの国で一番になれる。次第にそんな思いが膨らんでいくんだ。

 俺は、兄上の婚約者のウルサ・イー公爵令嬢に近づき、朗らかな笑みを浮かべながら、呪文のように繰り返し話しかけた。二人の仲を壊すために。

「ウルサ嬢は可哀想ですね。病弱な兄上と結婚しなければならない。医者の話では、兄上は長生きは望めないということでした。ウルサ嬢は兄上が亡くなったら、一人で余生を過ごすのですよ。未亡人になって後宮の奥に閉じ込められて、一生亡くなった兄上の為に祈りを捧げなくてはならない。王族と結婚した女性は、死別しても再婚できませんからね」

 おもしろいように青ざめていくウルサ嬢がおかしかった。可哀想に、可哀想に、と会う度に暗示をかけていたら、本当に自分が可哀想だと思い込むようになった。元からこの婚約に不満を覚えていたのだろう。兄上と二人っきりの時に、その不満をよくぶつけていたのを俺は知っている。ばれないようにこっそりと二人の会話を、何度も聞くことができたから。

(くっくっくっ。あれはとても楽しかったよ。遂には、俺と兄上を比較して俺の婚約者になりたかった、なんて言いだしたのさ。あっはは。婚約者に弟の方が良かったなんて言われて、兄上のプライドはズタズタだろうよ)

 兄上は悲しそうな声で、いつもこう答えていたよ。全く、性格が良すぎるのも問題だよ。

「わたしも、もちろんもっと健康でありたいが、自分ではどうにもならないのだよ。君にそんな感情を抱かせてすまない」

 なんて高潔な兄上だ。俺が兄上の立場だったら、無礼者と言いながら彼女の頬を叩いてやるのに。ウルサ嬢が亡くなってしまいゲームは終わったけれど、兄上はトラウマになったようで、これ以降婚約者をつくることを拒んだ。周りは「ウルサ嬢を愛していて忘れられないのだ」と噂したが、真相を知っている俺は心の中で大笑いさ。

 高潔な兄上より俺の方が良いなんて傑作だと思う。騎士団長になれたのだって、本当の実力じゃなかった。俺よりもずっと騎士団長に相応しい男はいたけれど、俺がことごとくそいつらを潰したからなれたのさ。第二王子だということも強みになった。

「騎士団員を兄上の為に束ねて、ヴァッケンローダー国を支えたいのです」
 そんなふうに綺麗事を並べれば、そのまま信じてくれる父上と兄上は愚かだ。失脚していくライバルを調べもしないで、俺を騎士団長にしてくれた無能な父上と兄上に乾杯! 


❁.。.:*:.。.✽.


 魔力検査の日、アンジェリーナという平民の娘に魔法の力が備わっていることがわかった。最悪だよ。貴族が持つべき力だと思う。予想どおり周りがアンジェリーナを責め立てて、魔法庁の役人にまで文句を言っていた。当たり前だよ。なんでパン屋の娘が魔力持ちなんだ?

 しかし高潔な兄上がそれを止めに入った。それなら俺も行くしかない。同じようにホール近くの庭園にいた俺は仕方なく向かった。ヒルダ・バーキット公爵令嬢が兄上からお説教されて必死で言い訳をしている。

 アンジェリーナという娘はなかなか可愛らしい顔立ちで、平民にしては綺麗なワンピースを着ていた。だが、全く俺の好みではない。・・・・・・ところが、なんの冗談か俺の婚約者にアンジェリーナがなった。拒むことはできない。なぜなら俺は父上と兄上には従順なふりをしている、高潔で腕っ節の強い人情家の騎士団長様だから。

 渋々とこの婚約を受け入れたが、そのうちとても面白いことに気づいてしまう。なんと、兄上のアンジェリーナに向ける眼差しが、大切なものを見守るそれだったのさ。あの眼差しはよく見かける。父上が母上に向ける眼差しとそっくり、つまり愛だ。だったらやることはひとつさ。

(元々好きではないし、兄上が大事に思う女だ。ならば、この女が苦しめばきっと兄上も心を痛める。ふふふ、すっごく良いオモチャを見つけたよ) 

 兄上はどうせ自分が病弱だからと、アンジェリーナの為に身を引いたのに決まっている。兄上の性格はよくわかっているんだ。俺は一部のメイドや部下達にやるように、笑顔で暴言をアンジェリーナに浴びせた。朗らかに笑いながら、酷い言葉を投げつけ、プライドをズタボロにし、洗脳してやろう。俺の言うことだけ聞く操り人形になれば良い。

 俺の好みだったバーキット公爵令嬢を巻き込んで、ルビーを取り上げ嫌がらせをした。アンジェリーナの心を痛めつけて笑顔を失わせて、俺のカジノの借金まで代わりに払わせたのは愉快だった。アンジェリーナが兄上を好ましく思っていることは、彼女の兄上に向ける眼差しでわかった。憧れを含んだ思慕が漂う哀愁に満ちた眼差し。俺の婚約者だから兄上を諦め、恋心を封じ込めている。しかし、本当は兄上に思いを寄せているのだ。

(俺という最高の男の婚約者に収まったくせに、兄上に恋をしやがった阿婆擦れめ! アンジェリーナが倒れて魔力を失ったのは天罰だ!) 

 力を失ったアンジェリーナはうまいこと捨てられた。ところが、実家に戻ったあいつは奇跡を次々とおこしていった。しかもあのくだらないパンを焼いてだ! パンを食べて健康になるだ? 食べただけで病が治り、傷口がふさがり、歩けなかった者が走れるようにまでなるなんて、あるわけないだろう? ばかばかしい。俺は信じない・・・・・・だが、大魔法使いアルノーリ様がアンジェリーナを聖女様だと断言した。

 あり得ないと思ったけれど、本物の聖女様なら俺の婚約者に戻したい。そう言ったらアルノーリ様に一喝された。聖女は全ての国の王族や皇族から守られるべき存在だと言うのだ。全世界の王族が聖女を守る為に協力するなんて滑稽さ。聖女様なんて早い者勝ちで、塔にでも閉じ込めて監禁してしまえば良い。それか無理矢理自分のものにして子供でも生ませれば良いんだ。

 後で策を練ようと思い、夕方からはいつものように憂さ晴らしに出かけた。王都の見回りと称して、行くのは秘密の館で開かれる仮面パーティだ。仮面で身分と顔を隠して酒を飲み、抱き合ってキスをするのが挨拶のような砕けたパーティ。俺とバーキット公爵令嬢はそこの常連で、彼女はルビーをそこで自慢できてご満悦だった。

 だが、俺がちょっと目を離した隙に、背の高い男に話しかけられていた。仮面で顔は隠しているが、高貴なオーラは隠せない。兄上は特別なんだ。淀んだこのいかがわしい空気のなかで、兄上の周りだけが煌めいて見えた。『掃き溜めに鶴が降りたよう』と遠い異国では表現するらしい。

 兄上はすぐにその場を去った。俺はヒルダに何を聞かれたか質問し、ルビーのことがバレたことを知る。言い訳を考えながらも急いで兄上を追った。王城に着き兄上を探していると、帰宅した俺を見つけた部下が慌てて駆け寄ってきた。

「セオドリック王太子殿下が騎士団長室にいらっしゃいます。我々はお止めしたのですよ」
 
 俺はすぐに自分の部屋に向かい、扉の前で見張っている兄上の親衛隊を拳で殴った。兄上が俺を明らかに攻撃しろと命じない限り、あいつらは第二王子の俺には本気でかかってこない。だから勝敗はすぐついた。

「兄上、人の部屋を漁りに来るならもっと多くの親衛隊を連れてくるべきでしたよね? いったい、なにを見つけようとしていたのですか?」
 無断で部屋に入ったことで兄上を責めていると、後ろから父上が姿を現した。

(最初からいるなら教えてくれよ。部下達は兄上がいるとしか言わなかったぞ)

「父上、兄上は酷いですよ。ここは俺の聖域である騎士団長室です。このように勝手に無断で押し入るなど、権力の乱用ですよ。いくら王太子殿下でもやってはいけないことがあります。信頼していて仲も良い、最高の兄上だと思っていたのに」

 とにかくこの場を誤魔化したかった。いつも優しい父上と兄上ならば、きっと大事にしないはずだ。ところが・・・・・・

「この書類はなんだ? カスパー、なぜこれほどカジノに通える? 騎士団の仕事で忙しいはずでは無かったのか?」
 父上が机の上に広げられた俺の請求書の一枚を掴んで目の前でヒラヒラとさせた。

「そ、それは俺だって人間です。気分転換は必要でしょう?」

「気分転換で行く回数ではないな。ほとんどカジノ中毒だよ」

 大袈裟に兄上がため息を吐いた。

「これは騎士団員達のレクリエーションですよ。幹部の者達を順番に連れて行ってやりました。良い気分転換になり、明日への素晴らしい活力になるのです。これは必要悪です。騎士団員達の士気が格段にあがるのです」

「カジノに通わなければ士気があがらん騎士等いらんわい」
 父上が吐き捨てるようにそうおっしゃった。

「バーキット公爵令嬢がしていたルビーはアンジェリーナ様の物だ。彼女はルビーが自分の物で、冴えない女に貸していたと言っていた。どういうことなのだ?」
 兄上はあのルビーに拘りすぎだと思う。

「あれはアンジェリーナがいらないと言いました。彼女には物欲がない。だったら、本当に欲しがっている女にあげた方が宝石も喜びます。元々、アンジェリーナは宝石には興味がないのです」

「借金を返済できたのはなぜだ? どこから金が湧いてきたんだ? まさか、アンジェリーナ様から奪い取ったのか? 魔法使いとしての正当な報酬を横からかすめ取ったのか?」
 父上の眉間に深い皺が寄った。アンジェリーナにあれほど高額を払う金があるなら、俺の年俸をあげてほしい。

「アンジェリーナは俺の婚約者だったのですよ。俺を助けて支えてくれるのが当然でしょう? 自分から冒険者ギルドに仕事をもらいに行ったのです。俺が探してきた仕事じゃない」

「もうよい。くだらない戯言はたくさんだ! カスパー。お前は騎士団長に相応しくない。何故かはわかるな? 儂はアンジェリーナ様に顔向けできんわ。カスコインに領土を与えるゆえ、そこで静かにバーキット公爵令嬢と過ごすのだ。ルビーは返してもらうぞ。元々あれはアンジェリーナ様に差し上げたものだ」
 父上は酷く怒り、俺を見る目は他人のようだった。こんなことで俺を見捨てるなんて酷すぎる。

「カスパー、残念だよ。お前を信頼していたのに……わたしはお前をいつだって大事な弟だと思っていたんだぞ」
 傍らにいた兄上の目は赤く、苦悩で顔が歪んでいた。こんな時でも高潔なんだと思う。声を荒げたりなじったり、酷い言葉は決して言わない。ご立派すぎて笑える。

 しかし、なぜ兄上が俺を怪しみ尾行したのだろう? そうか、あいつが喋ったんだ、そうに決まっている。犯人はアンジェリーナだ。

「父上。アンジェリーナに様をつけるなんておかしいですよ。父上はこの国の王でしょう?」
「あの方はもう付与魔術師ではない。この世にただ一人の聖女様なんだぞ。どの国の国王より尊い方なのだ」

(ちっ、たかがパン屋の娘じゃないか。聖女様だなんて大袈裟さ。そんな者は大昔みたいに神殿に閉じ込めて、王族の為に働かせれば良いんだ。聖女様が亡くなった後の天変地異なんてたまたまさ。神なんているわけがないんだ)

「カスコインなんて嫌です。あそこはドラゴンの住処に近すぎる。火山の麓にある痩せた土地でなにも娯楽がないです。第二王子の俺に相応しくない」

「お前はもう王族ではない。臣籍降下させる。爵位は伯爵だ」

「待ってください。伯爵にまで堕とし、あんな僻地に送るのですか? ドラゴンに襲われて死んでしまう。普通なら臣籍降下といえば、公爵のはずです」

 いくら頼み込んでも父上は首を横に振るばかりだった。カスコイン・・・・・・火山の麓で大昔は罪人が流された土地だった。すぐ近くにはドラゴンが住み、火山がいつ噴火するかもしれない恐怖に怯え、碌な農作物は育たず、ただくそ暑いだけの土地。




❁.。.:*:.。.✽.




 俺は無理矢理カスコインに、バーキット公爵令嬢と護送された。

(くっそ! このままで終わるもんか! 俺は絶対兄上を追い越したいんだ)


 父上には、カスコイン領で静かに暮らせと言われたけれど、俺はある計画を建てた。それは、子ドラゴンをおびき寄せ捕らえ・・・・・・
 
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