2 / 3
2 思いがけない展開・・・・・・
しおりを挟む
私がデミアン様と2,3回学園内で親しく会話をしただけで、姉はデミアン様に近づいてきた。
しきりに私からデミアン様を引き離そうと試みるのがおかしかったわ。
私達は協力しあって姉の作戦の裏をかいたが、それでも私の目を盗んではデミアン様を誘惑していたようだ。
「私の方がエリザベスより、よほどデミアン様を楽しませることができますよ」
などと言い、姉は胸の谷間をちらつかせたとデミアン様から聞いた。
「アクジョーはやたら僕の身体を触ってきたよ。それからお金の話もしてきたなぁ。お小遣いが欲しくないか? とか、ルルボン伯爵家の財政とかね、事細かく聞かれたんだ。ルルボン伯爵家は裕福ではないからお金でなびくと思ったのかもね」
デミアン様がお金目当てで動くような下品な人物ではないことが姉にはわからないようだ。
デミアン様の下校時に待ちぶせをしたり、誘いの手紙を何度も渡し続けた姉。その綺麗に書かれた手紙を私の前できっぱりと破ってくれたデミアン様には信頼と感謝しかなかった。
「大丈夫だよ。僕を信じて! 下劣なアクジョーなんかになびく僕ではないよ」
その言葉通り私達は愛を育むことができたが、お姉様は懲りずに私達のデートを邪魔しようともくろみ「デミアン様はダメよ! 早く別れなさい」と命令さえした。
ーーデミアン様は少しもお姉様を好きにはならなかった。そう、私だけを見つめていてくれたのよ!
「バカなお姉様ね。もう無理よ。邪魔はできないわ。だって、私のお腹には彼の子供がいるんですもの! 私はお姉様から解放されたいの! いまこそ私は自由になれるんだわ!」
胸を張ってそう言った私に姉は顔色が変わって大きく溜息をついた。
ーー私の勝ちだわ! お姉様からやっと私は自由になれる! あんなにショックをうけたような青ざめた顔は初めてよ!
「なんてこと・・・・・・。私から解放されたいですって? それほどあのデミアンが好きなの? それならば勝手になさい!」
姉は私にそう言ってもう二度と干渉してこなかった。
次第に大きくなっていくお腹のせいで学園に通えなくなり中退することになった私。急遽デミアン様と籍を入れルルボン伯爵家で義両親達と暮すことが決まった。
「これからよろしくお願いします・・・・・・」
「ちょっと持参金は持たせてもらったんでしょうね? 早く出しなさい!」
嫁いで来てすぐの挨拶で持参金を出すように命令された私は戸惑った。
「おい、出せよ。しっかり者のアクジョーお姉様は大事な妹にたんと持参金を渡したはずだぜ! 母上達の言うようにさっさと全部渡すんだ。そのお金はルルボン伯爵家のものなんだから」
優しい口調だったデミアン様は人が変わったようだった。
私はお金がたくさん詰まったトランクを彼らに渡すと義母はすばやくそれを奪い取った。
「学生で妊娠してしまうようなだらしない子を嫁に迎えてあげたんだから感謝しなさいよ。ダメナノ伯爵家は事業が大成功しているじゃない? もっと持参金をねだれなかったの? 使えない子ね! 」
そう言いながらトランクのお金を義両親達はニタニタしながら数えるのだった。
しきりに私からデミアン様を引き離そうと試みるのがおかしかったわ。
私達は協力しあって姉の作戦の裏をかいたが、それでも私の目を盗んではデミアン様を誘惑していたようだ。
「私の方がエリザベスより、よほどデミアン様を楽しませることができますよ」
などと言い、姉は胸の谷間をちらつかせたとデミアン様から聞いた。
「アクジョーはやたら僕の身体を触ってきたよ。それからお金の話もしてきたなぁ。お小遣いが欲しくないか? とか、ルルボン伯爵家の財政とかね、事細かく聞かれたんだ。ルルボン伯爵家は裕福ではないからお金でなびくと思ったのかもね」
デミアン様がお金目当てで動くような下品な人物ではないことが姉にはわからないようだ。
デミアン様の下校時に待ちぶせをしたり、誘いの手紙を何度も渡し続けた姉。その綺麗に書かれた手紙を私の前できっぱりと破ってくれたデミアン様には信頼と感謝しかなかった。
「大丈夫だよ。僕を信じて! 下劣なアクジョーなんかになびく僕ではないよ」
その言葉通り私達は愛を育むことができたが、お姉様は懲りずに私達のデートを邪魔しようともくろみ「デミアン様はダメよ! 早く別れなさい」と命令さえした。
ーーデミアン様は少しもお姉様を好きにはならなかった。そう、私だけを見つめていてくれたのよ!
「バカなお姉様ね。もう無理よ。邪魔はできないわ。だって、私のお腹には彼の子供がいるんですもの! 私はお姉様から解放されたいの! いまこそ私は自由になれるんだわ!」
胸を張ってそう言った私に姉は顔色が変わって大きく溜息をついた。
ーー私の勝ちだわ! お姉様からやっと私は自由になれる! あんなにショックをうけたような青ざめた顔は初めてよ!
「なんてこと・・・・・・。私から解放されたいですって? それほどあのデミアンが好きなの? それならば勝手になさい!」
姉は私にそう言ってもう二度と干渉してこなかった。
次第に大きくなっていくお腹のせいで学園に通えなくなり中退することになった私。急遽デミアン様と籍を入れルルボン伯爵家で義両親達と暮すことが決まった。
「これからよろしくお願いします・・・・・・」
「ちょっと持参金は持たせてもらったんでしょうね? 早く出しなさい!」
嫁いで来てすぐの挨拶で持参金を出すように命令された私は戸惑った。
「おい、出せよ。しっかり者のアクジョーお姉様は大事な妹にたんと持参金を渡したはずだぜ! 母上達の言うようにさっさと全部渡すんだ。そのお金はルルボン伯爵家のものなんだから」
優しい口調だったデミアン様は人が変わったようだった。
私はお金がたくさん詰まったトランクを彼らに渡すと義母はすばやくそれを奪い取った。
「学生で妊娠してしまうようなだらしない子を嫁に迎えてあげたんだから感謝しなさいよ。ダメナノ伯爵家は事業が大成功しているじゃない? もっと持参金をねだれなかったの? 使えない子ね! 」
そう言いながらトランクのお金を義両親達はニタニタしながら数えるのだった。
3
お気に入りに追加
615
あなたにおすすめの小説
【完結】たぶん私本物の聖女じゃないと思うので王子もこの座もお任せしますね聖女様!
貝瀬汀
恋愛
ここ最近。教会に毎日のようにやってくる公爵令嬢に、いちゃもんをつけられて参っている聖女、フレイ・シャハレル。ついに彼女の我慢は限界に達し、それならばと一計を案じる……。ショートショート。※題名を少し変更いたしました。
【完結】ああ……婚約破棄なんて計画するんじゃなかった
岡崎 剛柔
恋愛
【あらすじ】
「シンシア・バートン。今日この場を借りてお前に告げる。お前との婚約は破棄だ。もちろん異論は認めない。お前はそれほどの重罪を犯したのだから」
シンシア・バートンは、父親が勝手に決めた伯爵令息のアール・ホリックに公衆の面前で婚約破棄される。
そしてシンシアが平然としていると、そこにシンシアの実妹であるソフィアが現れた。
アールはシンシアと婚約破棄した理由として、シンシアが婚約していながら別の男と逢瀬をしていたのが理由だと大広間に集まっていた貴族たちに説明した。
それだけではない。
アールはシンシアが不貞を働いていたことを証明する証人を呼んだり、そんなシンシアに嫌気が差してソフィアと新たに婚約することを宣言するなど好き勝手なことを始めた。
だが、一方の婚約破棄をされたシンシアは動じなかった。
そう、シンシアは驚きも悲しみもせずにまったく平然としていた。
なぜなら、この婚約破棄の騒動の裏には……。
完結/クラスメイトの私物を盗んだ疑いをかけられた私は王太子に婚約破棄され国外追放を命ぜられる〜ピンチを救ってくれたのは隣国の皇太子殿下でした
まほりろ
恋愛
【完結】
「リリー・ナウマン! なぜクラスメイトの私物が貴様の鞄から出て来た!」
教室で行われる断罪劇、私は無実を主張したが誰も耳を貸してくれない。
「貴様のような盗人を王太子である俺の婚約者にしておくわけにはいかない! 貴様との婚約を破棄し、国外追放を命ずる! 今すぐ荷物をまとめて教室からいや、この国から出ていけ!!」
クラスメイトたちが「泥棒令嬢」「ろくでなし」「いい気味」と囁く。
誰も私の味方になってくれない、先生でさえも。
「アリバイがないだけで公爵家の令嬢を裁判にもかけず国外追放にするの? この国の法律ってどうなっているのかな?」
クラスメイトの私物を盗んだ疑いをかけられた私を救って下さったのは隣国の皇太子殿下でした。
アホ王太子とあばずれ伯爵令嬢に冤罪を着せられたヒロインが、ショタ美少年の皇太子に助けてられ溺愛される話です。
完結、全10話、約7500文字。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
他サイトにも掲載してます。
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
【完結】堅物な婚約者には子どもがいました……人は見かけによらないらしいです。
大森 樹
恋愛
【短編】
公爵家の一人娘、アメリアはある日誘拐された。
「アメリア様、ご無事ですか!」
真面目で堅物な騎士フィンに助けられ、アメリアは彼に恋をした。
助けたお礼として『結婚』することになった二人。フィンにとっては公爵家の爵位目当ての愛のない結婚だったはずだが……真面目で誠実な彼は、アメリアと不器用ながらも徐々に距離を縮めていく。
穏やかで幸せな結婚ができると思っていたのに、フィンの前の彼女が現れて『あの人の子どもがいます』と言ってきた。嘘だと思いきや、その子は本当に彼そっくりで……
あの堅物婚約者に、まさか子どもがいるなんて。人は見かけによらないらしい。
★アメリアとフィンは結婚するのか、しないのか……二人の恋の行方をお楽しみください。
やって良かったの声「婚約破棄してきた王太子殿下にざまぁしてやりましたわ!」
家紋武範
恋愛
ポチャ娘のミゼット公爵令嬢は突然、王太子殿下より婚約破棄を受けてしまう。殿下の後ろにはピンクブロンドの男爵令嬢。
ミゼットは余りのショックで寝込んでしまうのだった。
(完)お姉様が夫を交換しましょうと言うのですーバレンタインに幸せの祝杯をあげるのはどっち?
青空一夏
恋愛
題名通りの内容の短いお話です。
ショートショート。
ざまぁのゆるふわ設定。
バレンタインデーに、クスリと笑えるブラックコメディ。
私の以外の誰かを愛してしまった、って本当ですか?
樋口紗夕
恋愛
「すまない、エリザベス。どうか俺との婚約を解消して欲しい」
エリザベスは婚約者であるギルベルトから別れを切り出された。
他に好きな女ができた、と彼は言う。
でも、それって本当ですか?
エリザベス一筋なはずのギルベルトが愛した女性とは、いったい何者なのか?
このままだと身の危険を感じるので大人しい令嬢を演じるのをやめます!
夢見 歩
恋愛
「きゃあァァァァァァっ!!!!!」
自分の体が宙に浮くのと同時に、背後から大きな叫び声が聞こえた。
私は「なんで貴方が叫んでるのよ」と頭の中で考えながらも、身体が地面に近づいていくのを感じて衝撃に備えて目を瞑った。
覚悟はしていたものの衝撃はとても強くて息が詰まるような感覚に陥り、痛みに耐えきれず意識を失った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
この物語は内気な婚約者を演じていた令嬢が苛烈な本性を現し、自分らしさを曝け出す成長を描いたものである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる