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黒幕がいるの?(グレイス視点)

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「今、なんと言った? 身の程知らずと言ったか?」 

 お義母様は、フェルナンデスに問いかけた。

「はい。言いましたよ。あの女は、娼婦で罪人のくせに、抱こうとしたら最後まで抵抗しやがって。俺の顔を叩いたんです!この勲章をもらった騎士爵の顔をですよ? こんなことが許されますか? 死刑にして下さいよ! 誰とでも、やってた過去があるくせにアレクサンダー様の侍女になった途端に、いきなり偉くなった気分なんでしょうね? ただの汚れた売女だったくせに!」

 お義母様は、お持ちになっていた扇子を真っ二つに折りました。

「お前は、今、私を最大限に怒らせた。褒めてやろう! いまだ、かつて、ここまで怒らせた奴はいない。影よ。この者に『どうか、殺して下さい』と頼み込むほどの苦痛を与えよ。どんなに願っても死ねない。苦痛は起きている間中続き、気が狂おうにも狂えない。そんな、拷問刑がぴったりだ。連れて行け!」

「お待ち下さい! こんなことをしたら、ただでは済みませんよ? 私は勲章を貰っているんだ! 父上は、騎士団長をまとめる総騎士団長のルシファーです! あんな侍女の代わりはいくらでいますよ。でも、私の代わりは一人としていない!」

 フェルナンデスは、胸をはった。その言葉を聞いて、お義母様は乾いた笑いを漏らした。

「あっははは。これほど、身の程知らずも、珍しい! 教えてやろう。騎士はお前だけではない。お前のような者は使い捨ての駒の一つに過ぎない。お前などいなくても、王は少しも気にかけないだろうよ」


「なんで、そんなことがわかるんだ? あんたは、アレクサンダー様の母親ってだけだろう? 所詮、アレクサンダー様は王様の甥っ子にすぎない! 私は、第一王子からも目をかけられている。あとで、後悔するのは、あんた達だ!」

「ほぉーー? 面白いことを聞いた。あのぼんくら王子が、お前の手引きでもしたか?」

「ぼんくらだと? 不敬なばばぁめ! あとで、思い知ればいい!」

「相手に不足はないな。ぼんくら王子と騎士団の総団長か。おもしろい組み合わせだ。・・・・・・この女公爵を敵に回して生きていけると思うなら大間違いだ!」
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