39 / 45
☆ キャサリン王妃のざまぁー3 R15
しおりを挟む
私は高い舞台のような処刑台の階段を一歩一歩登る。その石造りの階段は裸足の足に冷たく、人生の終わりに向かう私の心は重かった。
時は夜明け、まだ足下は暗闇に包まれており、空は次第に明るさを増すそんな時間帯だった。階段を登り切った後に、そのまま民衆の目にさらされ待つのは太陽が昇る瞬間だった。
1日の始まりを私の尊い青い血で染め上げようとするゲスども。わたし達王族を、太陽が昇る瞬間に処刑すれば緑の妖精王の怒りが解けると、誰が言い出したのか頑なに信じている。
きっとあの美貌の皇太子の仕業に違いない。
腹黒皇太子めっ!
愛しいステファニーの前では、わたし達を処刑したくなかっただけなんだ・・・・・・
遠くの地平線から一筋の薄明かりが現れた。夜の闇がゆっくりと後退し、薄明かりが次第に強くなっていく。いよいよ太陽が姿を現し朝焼けの色彩が空に広がっていく。オレンジやピンクそんな幸せな夜明けの空の美しさを眺めながら首刈り機へ(ギロチン)と引きずられた。
一列に並べられた3台のそれは、わたし達の首を一気に刎ねられるようにと用意された。
「皆仲良くあの世に行けば良い。きっとあちらでも裁かれるだろうがな」
耳障りなことばかり言う死刑執行人め! 私があの世でも罰を受けるとなぜわかるのよ?
「なあ、くそ王妃。セザンヌ伯爵家のメイドだったオードリナを覚えているかい? あれは俺の姪だったんだ。お前のせいで可愛い姪がどうなったか知っているか?」
死刑執行人が私の耳元でささやいた。
オードリナ? あぁ、そう言えば私のドレスにお茶をこぼした伯爵家のまぬけなメイドか・・・・・・再教育だといって王宮に連れ帰って腹立ち紛れにムチで何度も打たせたんだった。だってあのドレスは私のお気に入りだったから。
それからどうしたっけ? ムチで打って息も絶え絶えだったあの女を、「市井の路地裏にでも捨てに行け」、と命じたのは私だった。あれからどうなったのかなんて知らないわ。
「路地裏の一画にある空き家で、死体で発見されたんだ。散々、そのあたりにいたごろつきに乱暴され、終いには着ていたドレスや装身具まで奪われていた。婚約者からプレゼントされた指輪をはめた指は無惨にも切断されていた。きっとはずしにくくて指ごと奪ったんだ。姪の無念がわかるか? 結婚間近だったんだぞ!」
あぁ、そうなの? だからなんなのよ? そんな身分の低い者達のことなんて知らないわよ。
私が無言でいると死刑執行人が私の顔をニヤリと覗き込んだ。
「簡単に死ねると思うなよ。お前の斬首台の刃を見ろ。わざとボロボロにしておいた」
ひっ・・・・・・これではきっと・・・・・・
私の首に何度も振り下ろされるギロチンの刃は、私の首をスパッとは切り落とせない。致命傷を与えられないまま壮絶な痛みと恐怖を味わった。
早く殺してよ。このままでは苦痛だけが続く。最期には斧で首を切り落とす手段が選ばれ、その斧もまた刃が潰れていた。
ぐっぇえぇっ・・・・・・早く・・・・・・この苦しみを終わらせろ・・・・・・
声も出せずにもがき苦しむ・・・・・・横を見ればレオナードも同じように苦しんでいた。バーバラだけはよく研ぎすまされた刃で首を切断されたらしい。見事に胴体からスパッと切り離された頭がこちらを向いて、笑っているように歪んだ口元で白目を剥いていた。
私はかなり長い時間苦しんだ挙げ句やっと・・・・・・暗闇と静寂が訪れた、と思ったのもつかの間。
死んだはずの私の前に、ずっと先に死んだはずのオードリナが、にこやかな笑顔で立っていた。
「地獄へようこそ! 今日から王妃様の担当になりました。まず今日の予定は火の海に飛び込むことと、灼熱の炉に入っていただくことですわ。うふふ、これから仲良くしましょうね」
どうやら私は未来永劫、苦しむことになるらしい。
たっ、助けてっ・・・・・・もう二度と悪い事なんてしないから・・・・・・だれかぁーー、私を助けてぇーー、・・・・・・ぎゃぁぁああーー!!
「うふふ、王妃様。いかがでしたか? 次はですねぇ、・・・・・・」
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
キャサリン王妃、レオナード王太子、バーバラ王太子妃のざまぁはここまでです。次は幸せなステファニーを書きます。緑の奇跡をおこしたりといろいろ活躍する様子を書いていきますよ。
時は夜明け、まだ足下は暗闇に包まれており、空は次第に明るさを増すそんな時間帯だった。階段を登り切った後に、そのまま民衆の目にさらされ待つのは太陽が昇る瞬間だった。
1日の始まりを私の尊い青い血で染め上げようとするゲスども。わたし達王族を、太陽が昇る瞬間に処刑すれば緑の妖精王の怒りが解けると、誰が言い出したのか頑なに信じている。
きっとあの美貌の皇太子の仕業に違いない。
腹黒皇太子めっ!
愛しいステファニーの前では、わたし達を処刑したくなかっただけなんだ・・・・・・
遠くの地平線から一筋の薄明かりが現れた。夜の闇がゆっくりと後退し、薄明かりが次第に強くなっていく。いよいよ太陽が姿を現し朝焼けの色彩が空に広がっていく。オレンジやピンクそんな幸せな夜明けの空の美しさを眺めながら首刈り機へ(ギロチン)と引きずられた。
一列に並べられた3台のそれは、わたし達の首を一気に刎ねられるようにと用意された。
「皆仲良くあの世に行けば良い。きっとあちらでも裁かれるだろうがな」
耳障りなことばかり言う死刑執行人め! 私があの世でも罰を受けるとなぜわかるのよ?
「なあ、くそ王妃。セザンヌ伯爵家のメイドだったオードリナを覚えているかい? あれは俺の姪だったんだ。お前のせいで可愛い姪がどうなったか知っているか?」
死刑執行人が私の耳元でささやいた。
オードリナ? あぁ、そう言えば私のドレスにお茶をこぼした伯爵家のまぬけなメイドか・・・・・・再教育だといって王宮に連れ帰って腹立ち紛れにムチで何度も打たせたんだった。だってあのドレスは私のお気に入りだったから。
それからどうしたっけ? ムチで打って息も絶え絶えだったあの女を、「市井の路地裏にでも捨てに行け」、と命じたのは私だった。あれからどうなったのかなんて知らないわ。
「路地裏の一画にある空き家で、死体で発見されたんだ。散々、そのあたりにいたごろつきに乱暴され、終いには着ていたドレスや装身具まで奪われていた。婚約者からプレゼントされた指輪をはめた指は無惨にも切断されていた。きっとはずしにくくて指ごと奪ったんだ。姪の無念がわかるか? 結婚間近だったんだぞ!」
あぁ、そうなの? だからなんなのよ? そんな身分の低い者達のことなんて知らないわよ。
私が無言でいると死刑執行人が私の顔をニヤリと覗き込んだ。
「簡単に死ねると思うなよ。お前の斬首台の刃を見ろ。わざとボロボロにしておいた」
ひっ・・・・・・これではきっと・・・・・・
私の首に何度も振り下ろされるギロチンの刃は、私の首をスパッとは切り落とせない。致命傷を与えられないまま壮絶な痛みと恐怖を味わった。
早く殺してよ。このままでは苦痛だけが続く。最期には斧で首を切り落とす手段が選ばれ、その斧もまた刃が潰れていた。
ぐっぇえぇっ・・・・・・早く・・・・・・この苦しみを終わらせろ・・・・・・
声も出せずにもがき苦しむ・・・・・・横を見ればレオナードも同じように苦しんでいた。バーバラだけはよく研ぎすまされた刃で首を切断されたらしい。見事に胴体からスパッと切り離された頭がこちらを向いて、笑っているように歪んだ口元で白目を剥いていた。
私はかなり長い時間苦しんだ挙げ句やっと・・・・・・暗闇と静寂が訪れた、と思ったのもつかの間。
死んだはずの私の前に、ずっと先に死んだはずのオードリナが、にこやかな笑顔で立っていた。
「地獄へようこそ! 今日から王妃様の担当になりました。まず今日の予定は火の海に飛び込むことと、灼熱の炉に入っていただくことですわ。うふふ、これから仲良くしましょうね」
どうやら私は未来永劫、苦しむことになるらしい。
たっ、助けてっ・・・・・・もう二度と悪い事なんてしないから・・・・・・だれかぁーー、私を助けてぇーー、・・・・・・ぎゃぁぁああーー!!
「うふふ、王妃様。いかがでしたか? 次はですねぇ、・・・・・・」
୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
キャサリン王妃、レオナード王太子、バーバラ王太子妃のざまぁはここまでです。次は幸せなステファニーを書きます。緑の奇跡をおこしたりといろいろ活躍する様子を書いていきますよ。
14
お気に入りに追加
2,383
あなたにおすすめの小説
王子からの縁談の話が来たのですが、双子の妹が私に成りすまして王子に会いに行きました。しかしその結果……
水上
恋愛
侯爵令嬢である私、エマ・ローリンズは、縁談の話を聞いて喜んでいた。
相手はなんと、この国の第三王子であるウィリアム・ガーヴィー様である。
思わぬ縁談だったけれど、本当に嬉しかった。
しかし、その喜びは、すぐに消え失せた。
それは、私の双子の妹であるヘレン・ローリンズのせいだ。
彼女と、彼女を溺愛している両親は、ヘレンこそが、ウィリアム王子にふさわしいと言い出し、とんでもない手段に出るのだった。
それは、妹のヘレンが私に成りすまして、王子に近づくというものだった。
私たちはそっくりの双子だから、確かに見た目で判断するのは難しい。
でも、そんなバカなこと、成功するはずがないがないと思っていた。
しかし、ヘレンは王宮に招かれ、幸せな生活を送り始めた。
一方、私は王子を騙そうとした罪で捕らえられてしまう。
すべて、ヘレンと両親の思惑通りに事が進んでいた。
しかし、そんなヘレンの幸せは、いつまでも続くことはなかった。
彼女は幸せの始まりだと思っていたようだけれど、それは地獄の始まりなのだった……。
※この作品は、旧作を加筆、修正して再掲載したものです。
冤罪を受けたため、隣国へ亡命します
しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」
呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。
「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」
突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。
友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。
冤罪を晴らすため、奮闘していく。
同名主人公にて様々な話を書いています。
立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。
サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。
変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。
ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます!
小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。
【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました
八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」
子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。
失意のどん底に突き落とされたソフィ。
しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに!
一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。
エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。
なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。
焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──
【本編完結】婚約者を守ろうとしたら寧ろ盾にされました。腹が立ったので記憶を失ったふりをして婚約解消を目指します。
しろねこ。
恋愛
「君との婚約を解消したい」
その言葉を聞いてエカテリーナはニコリと微笑む。
「了承しました」
ようやくこの日が来たと内心で神に感謝をする。
(わたくしを盾にし、更に記憶喪失となったのに手助けもせず、他の女性に擦り寄った婚約者なんていらないもの)
そんな者との婚約が破談となって本当に良かった。
(それに欲しいものは手に入れたわ)
壁際で沈痛な面持ちでこちらを見る人物を見て、頬が赤くなる。
(愛してくれない者よりも、自分を愛してくれる人の方がいいじゃない?)
エカテリーナはあっさりと自分を捨てた男に向けて頭を下げる。
「今までありがとうございました。殿下もお幸せに」
類まれなる美貌と十分な地位、そして魔法の珍しいこの世界で魔法を使えるエカテリーナ。
だからこそ、ここバークレイ国で第二王子の婚約者に選ばれたのだが……それも今日で終わりだ。
今後は自分の力で頑張ってもらおう。
ハピエン、自己満足、ご都合主義なお話です。
ちゃっかりとシリーズ化というか、他作品と繋がっています。
カクヨムさん、小説家になろうさん、ノベルアッププラスさんでも連載中(*´ω`*)
【完結】出逢ったのはいつですか? えっ? それは幼馴染とは言いません。
との
恋愛
「リリアーナさーん、読み終わりましたぁ?」
今日も元気良く教室に駆け込んでくるお花畑ヒロインに溜息を吐く仲良し四人組。
ただの婚約破棄騒動かと思いきや・・。
「リリアーナ、だからごめんってば」
「マカロンとアップルパイで手を打ちますわ」
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
婚約破棄され聖女も辞めさせられたので、好きにさせていただきます。
松石 愛弓
恋愛
国を守る聖女で王太子殿下の婚約者であるエミル・ファーナは、ある日突然、婚約破棄と国外追放を言い渡される。
全身全霊をかけて国の平和を祈り続けてきましたが、そういうことなら仕方ないですね。休日も無く、責任重すぎて大変でしたし、王太子殿下は思いやりの無い方ですし、王宮には何の未練もございません。これからは自由にさせていただきます♪
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる