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☆ キャサリン王妃のざまぁー3 R15

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   私は高い舞台のような処刑台の階段を一歩一歩登る。その石造りの階段は裸足の足に冷たく、人生の終わりに向かう私の心は重かった。

 時は夜明け、まだ足下は暗闇に包まれており、空は次第に明るさを増すそんな時間帯だった。階段を登り切った後に、そのまま民衆の目にさらされ待つのは太陽が昇る瞬間だった。

 1日の始まりを私の尊い青い血で染め上げようとするゲスども。わたし達王族を、太陽が昇る瞬間に処刑すれば緑の妖精王の怒りが解けると、誰が言い出したのか頑なに信じている。

 きっとあの美貌の皇太子の仕業に違いない。
 腹黒皇太子めっ!
 愛しいステファニーの前では、わたし達を処刑したくなかっただけなんだ・・・・・・

 遠くの地平線から一筋の薄明かりが現れた。夜の闇がゆっくりと後退し、薄明かりが次第に強くなっていく。いよいよ太陽が姿を現し朝焼けの色彩が空に広がっていく。オレンジやピンクそんな幸せな夜明けの空の美しさを眺めながら首刈り機へ(ギロチン)と引きずられた。

 一列に並べられた3台のそれは、わたし達の首を一気に刎ねられるようにと用意された。

「皆仲良くあの世に行けば良い。きっとあちらでも裁かれるだろうがな」

 耳障りなことばかり言う死刑執行人め! 私があの世でも罰を受けるとなぜわかるのよ?

「なあ、くそ王妃。セザンヌ伯爵家のメイドだったオードリナを覚えているかい? あれは俺の姪だったんだ。お前のせいで可愛い姪がどうなったか知っているか?」

 死刑執行人が私の耳元でささやいた。

 オードリナ? あぁ、そう言えば私のドレスにお茶をこぼした伯爵家のまぬけなメイドか・・・・・・再教育だといって王宮に連れ帰って腹立ち紛れにムチで何度も打たせたんだった。だってあのドレスは私のお気に入りだったから。

 それからどうしたっけ? ムチで打って息も絶え絶えだったあの女を、「市井の路地裏にでも捨てに行け」、と命じたのは私だった。あれからどうなったのかなんて知らないわ。

「路地裏の一画にある空き家で、死体で発見されたんだ。散々、そのあたりにいたごろつきに乱暴され、終いには着ていたドレスや装身具まで奪われていた。婚約者からプレゼントされた指輪をはめた指は無惨にも切断されていた。きっとはずしにくくて指ごと奪ったんだ。姪の無念がわかるか? 結婚間近だったんだぞ!」

 あぁ、そうなの? だからなんなのよ? そんな身分の低い者達のことなんて知らないわよ。

 私が無言でいると死刑執行人が私の顔をニヤリと覗き込んだ。

「簡単に死ねると思うなよ。お前の斬首台の刃を見ろ。わざとボロボロにしておいた」

 ひっ・・・・・・これではきっと・・・・・・




 私の首に何度も振り下ろされるギロチンの刃は、私の首をスパッとは切り落とせない。致命傷を与えられないまま壮絶な痛みと恐怖を味わった。

 早く殺してよ。このままでは苦痛だけが続く。最期には斧で首を切り落とす手段が選ばれ、その斧もまた刃が潰れていた。

 ぐっぇえぇっ・・・・・・早く・・・・・・この苦しみを終わらせろ・・・・・・


 声も出せずにもがき苦しむ・・・・・・横を見ればレオナードも同じように苦しんでいた。バーバラだけはよく研ぎすまされた刃で首を切断されたらしい。見事に胴体からスパッと切り離された頭がこちらを向いて、笑っているように歪んだ口元で白目を剥いていた。

 私はかなり長い時間苦しんだ挙げ句やっと・・・・・・暗闇と静寂が訪れた、と思ったのもつかの間。

 死んだはずの私の前に、ずっと先に死んだはずのオードリナが、にこやかな笑顔で立っていた。

「地獄へようこそ! 今日から王妃様の担当になりました。まず今日の予定は火の海に飛び込むことと、灼熱の炉に入っていただくことですわ。うふふ、これから仲良くしましょうね」

 どうやら私は未来永劫、苦しむことになるらしい。

 たっ、助けてっ・・・・・・もう二度と悪い事なんてしないから・・・・・・だれかぁーー、私を助けてぇーー、・・・・・・ぎゃぁぁああーー!!

「うふふ、王妃様。いかがでしたか? 次はですねぇ、・・・・・・」

 

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

キャサリン王妃、レオナード王太子、バーバラ王太子妃のざまぁはここまでです。次は幸せなステファニーを書きます。緑の奇跡をおこしたりといろいろ活躍する様子を書いていきますよ。
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