(完結)そんな理由で婚約破棄? 追放された侯爵令嬢は麗しの腹黒皇太子に溺愛される

青空一夏

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☆ おまけのちょこっとざまぁ(がまちゃん部隊、第25副班長視点)

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※こちらは読まなくても物語の進行じょうは全く問題ありません。ガマちゃん好きの方とざまぁ好きの方だけどうぞ!
※この部分はアルファポリスのみに掲載されています。







 班長が王妃の化粧水にガマ毒を飛ばしていた頃、俺っちは宮殿を探検していた。すると、怪しげな声がしてドアの隙間から覗けば、若い恋人同士が絡み合っていた。

 全く昼間からいかんだろう? どうなっているんだよ。人間ってのは年がら年中、繁殖期かよ。しかし、この二人は誰なんだ?

「毎日、お盛んですね。あれでは婚約者になる前にバーバラ・ゲルレーリヒ男爵令嬢はご懐妊ですよ。ステファニー・ジュベール侯爵令嬢が亡くなったばかりだっていうのに・・・・・・」

「しっ。あの二人はだいぶ前からこういう仲だったらしいぜ。なんでもレオナード王太子殿下は優秀すぎるステファニー嬢がうとましかったのだとよ」

「嘘だろう? じゃぁ、もしかしてステファニー嬢が修道院送りになったのは仕組まれたことかよ? 可哀想に・・・・・・ステファニー嬢はとっても綺麗だったよなぁ?」

「あぁ、あんな綺麗で可愛い方はそうはいないさ。しかも努力家で・・・・・・」

 俺っちはその話を聞いて、憤った! こんな話は山ほどあるが、俺っちの耳に入ったからには見過ごせないぜ! 多分第一班長のノストラダムス5世様も許してくださるぜぃ。

 

❁.。.:*:.。.✽.


 厨房に忍び込み、料理人達の会話を盗み聞く。

「レオナード王太子殿下は便秘らしい。なのでお通じが良くなるように、薬草のスープを作ろう」

 ぷっぷっ! 浮気くず男は便秘かよ? キャベツとブロッコリーでも永遠にかじってろよ!

「センナとアロエベラを入れて、量に気をつけろよ。入れすぎると大変なことになる」

 あぁ、良いねぇーー。俺っちはその大変なことになるのが見てみたいズラ。料理人達が慎重にはかって薬草を入れるのを静かに見守る。そうして誰もが忙しくしている隙に、俺っちはセンナをポイポイと追加してやった。

 うんと煮込まれて、凝縮した下剤になりますように! 俺っちは本当は猛毒を入れたかったが、暗殺命令は出されていない。もどかしいぜ。

 俺っち達は綺麗で可憐なお姫さまを守る為に存在している。悪を懲らしめ弱きを助ける! 初代のノストラダムス1世様のありがたい教訓を忘れたことはない。あぁ、そのステファニーちゃんを守ってあげられなかったことが辛いゲコ。

 くそ女と浮気男には制裁を! 一滴ぐらいはガマ毒飛ばしても良いかなぁ? 良いよね? うんうん、良いだろう。俺っちは、ほんの少しだけガマ毒を鍋に飛ばした。

 ふん! 死なない程度に苦しめ。班長がおっしゃっていた。この国は人外の大物を怒らせたって。その方がどなたかは俺っちにはわからない。だが、いずれ大きな天罰がこの国を襲うだろう。あぁ、すでに天罰が始まっているよ。木や作物が枯れて・・・・・・花も咲かない・・・・・・あぁ、そうか・・・・・・あの方か。

  俺っちは班長の許可を得て少しばかり出発を遅らせた。あの浮気男とくそ女の苦しむ姿を見ないとならないからなぁ。

「うっ・・・・・・うっ・・・・・・うっわぁあぁあぁあぁあーー。腹が痛い! 腹が痛い! うげぇーー!!」

 おぉーー、盛大に上から下から汚物を放出し始めたよ。ちょっと薬草とガマ毒入れすぎたか? まぁ、大丈夫だろう。だってあいつらは悪い奴らで、悪い奴らってのはすぐには死なないらしいし。

 俺っちは清々しい気分でその場を後にした。可哀想なステファニーとかいう女の子よ。仇は取ったぜ。死にはしないけど、10日間ぐらいはあんな感じさ。

 まぁ、軽すぎるお仕置きだけどなぁ、ゲコゲコ。さぁ、仲間のところに急いで行くズラ、ケロケロ!
 


 
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